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【【【【【【【 金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン 】】】】】】】

第1号 2004年5月1日
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
――――――――――――――――――――――――――――――――――
このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場から
退職給付制度に関するコンサルや投資教育を展開している「NPO法人 金融
・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金ネットワーク)」が企
画・編集・発行するものです。金融・年金に関する情報や意見交換のスペー
スをご提供することを目的にしています。企画・編集には(株)格付投資情
報センターのご協力を頂いています。
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《目次》
●特集レポート
NPO主催「第2回テーマ別企業年金研究会」報告
「キャッシュバランスプラン」導入に対する労働組合の取り組み――日立製
作所におけるキャッシュバランスプランの概要と導入の背景
●連載解説
1. 年金トピックス 「米国の401k最新事情 第1回」
2. マーケットトピックス 「企業年金基金利回りと日本経済の足取り」
●NPOアクティビティー
1. NPO金融年金ネットワークのイベント情報
「第3回テーマ別企業年金研究会」開催のお知らせ
2. NPO金融年金ネットワークの活動
●NPOデータ
(株)格付投資情報センター提供 確定拠出年金ファンドデータ
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■特集レポート
NPO主催「第2回テーマ別企業年金研究会」報告
「キャッシュバランスプラン」導入に対する労働組合の取り組み――日立製
作所におけるキャッシュバランスプランの概要と背景(退職給付制度の再構
築について)
(講師)日立製作所労働組合・書記長 有野正治氏
(レポート)NPO金融年金ネットワーク 主幹 塩谷恵市
 ◇◆◇
 当日は、産別・単組の年金問題にご関心の高い方達が32人出席され、有
野氏の具体的な導入事例のお話に熱心に耳を傾けられました。
 お話の後、ご質問、ご意見も活発に出ました。目下、キャッシュバランス
プランの導入を検討され実際にガイドライン作りをご検討されているご担当
者もいらっしゃいましたので、大変、参考になったのではないかと思います。
 これを機会に、今後、この問題について課題を抱えたときは、有野氏にご
指導を仰ぐこともお願いできるのではないかと期待しております。
 以下、ご講演の概要についてまとめてみました。

1.日立の年金制度改定の背景
 日立の企業年金は2003年3月で5000億円を超える巨額の積み立て
不足を抱え、今後毎年200億円前後の資金を会社から基金に掛け金として
追加拠出しなければならない状態だった。
 この多額なキャッシュアウトは企業経営面でも大きな課題であり、また、
労組としても組合員の待遇面に大きな影響が出ることが避けられない状況で
あることを考慮して、労使協調して企業年金を見直し、退職給付制度の再構
築に取り組んだ。
2.年金制度の再構築
・従来の年金制度  厚生年金基金 60%
          退職一時金  40%
という構成だったが、代行返上をしてキャッシュバランスプランを導入する
ことが会社側から提案された。
 労組としても協力姿勢で臨み、新提案を充分検討し、組合員にとって不利
益にならないように、条件面での交渉を重ね合意した。
(1)制度改定の方向―――キャッシュバランスプランの導入
@現行の制度の維持は困難
A固定的な予定利率の引き下げ(給付の引き下げ)―――は問題あり
B新たな選択肢の検討
 現時点では変動利率制のキャッシュバランスプランへの移行がベストとの
判断
(2)キャッシュバランスプランの概要(しくみについては詳しくご説明があ
りました)
@指標利率(利息付与率)
 10年国債利回りの過去1年の実績を採用(リアルタイムに変動できる)
 上限 『加入期間』『待機期間』4.5% 『受給期間』5.0%
 下限  1.5%又は法定下限予定利率のいずれか高い方
A支給体系の見直し
(現行制度)   ―――――→ (新制度)
 基本年金の+アルファー部分   第1年金(20年保証終身)
 第1加算            第2年金(5年or10年確定年金)
 第2加算
 第3加算
B支給カーブの変更
 S字型から各人の「仮想個人口座残高」そのものによるリニアなカーブに
した
C年金受給の選択肢拡大
 原則として60歳から65歳迄の任意の時期に第1年金、第2年金の受給
開始が可能
 尚、確定拠出年金(退職一時金の50%を移行)については、60歳から
70歳迄の任意の時期に受給開始が可能
3.制度改定後の水準イメージ
(1)一時金を選択の場合
現行100 ⇒ 新制度103
退職一時金の給付水準を引上げた(変動リスク負担の代替)
(2)年金受給を選択の場合
 (固定利率4.5%)      (変動利率2.5%適用時)
 第1加算〜第3加算100  ⇒  第1年金 84(指標利率の変動に
                          より毎年変動)
                  第2年金 92( 〃 )
4.まとめ――――組合の基本スタンス
(1)将来に亘って安定した制度
(2)老後の安心・安定となる年金水準
(3)多様化する人材異動への対応
 ◇◆◇


■連載解説
1.年金トピックス
「米国の401Kの最新事情」第1回:頼りにするのは401(K)
 (株)格付投資情報センター 投信評価本部 投信評価部長 斎藤 定
 ◇◆◇
 2001年10月に日本に新しい年金制度、確定拠出年金(以下DCプラン)が導
入されてから2年半が過ぎた。DCプランを導入する企業は着実に増えている
が、一方で制度の不十分な点や、急に自分の責任による投資判断を迫られた
加入者の戸惑いの大きさも明らかになってきた。
 日本のDCプランの将来を考える上で、401(k)プランで30年以上の歴史をも
つ米国の実例は一つの道標となろう。筆者は昨年11月に米国に出張し、401(k)
の導入企業、運用商品、加入者への情報提供・教育、レコードキーピングな
どのサービス会社、コンサルティング会社などを訪問してきた。これから数
回にわたって米国の401(k)最新事情を報告する。今回はまず、マーケット全
体の現状と将来をテーマとする。
 米国の資産運用業界で運用されるお金は日本円で約1,900兆円に上る。こ
の半分が退職資産だ。老齢化が進んでいるのは米国も日本同様だし、ベビー
ブーマーがまもなく退職を迎えることもあって退職後の生活についての関心
や不安も高まっている。
 DCプランがDBプランの資産規模を超えてから既に8年以上経ち、退職資産
の6割は加入者個人がコントロールしている。401(k)は退職後の生活を支え
る大きな柱だ。401(k)の加入者を対象とした調査によれば退職に備えた資産
形成として401(k)が94%で首位、公的な社会保障制度、DBプランが続く。今
後の中期的な市場の成長率予測も401(k)・IRAなどのDCプランは年8%(実質
ベースで1.8%)で、DBプランの5.5%を大きく上回っている。
 2000年以降の米国株式市場の大幅下落は退職を目前にした人々を不安に陥
れ、また退職後の備えを目減りさせた。同時にこれによって、401(k)で長い
歴史のある米国においても、結局、加入者は大事なことを全く分かっていな
かったという深刻な事実が炙り出された。加入者の多くは米国株式のみを選
び、資産を分散せず、自社株も多く組み入れていた。過去30年間の成功は米
国株式市場の右肩上がりのみに支えられた危いものだったのである。
 上のような反省をふまえ今進められている最先端のチャレンジが、投資ア
ドバイスをパッケージした運用商品や、マーケティングサイエンスの手法を
取入れ個人に対してカスタマイズした加入者コミュニケーション・教育プロ
グラムである。これらについては次回以降で詳しく述べる予定だ。
 ◇◆◇

2.マーケットトピックス
「企業年金基金利回りと日本経済の足取り」
 NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 4月4日に格付投資情報センター(R&I)から発表された厚生年金基金、
確定給付企業年金、税制適格年金等の2003年度の利回りは約16%、4年度ぶ
りのプラス、バブル崩壊後に1995、1999年度で2ケタの運用実績をあげまし
たが、それをも上回る高い水準となった模様です。国内外の株式の値上がり
貢献が大きかったとも分析されています。国内株式は2003年度で約50%の値
上がりを示し、他の海外株式や国内外の債券と比較しても大幅な好転を示し
ました。たとえば、日経平均株価は昨年3月末の7,972円から今年の3月末に
は11,715円に達し、約47%の上昇となりました。
 それでは、なぜ1年間でこれほどの株価上昇を示したのでしょうか。大き
く3つに分けて考えることができそうです。1つは日本経済実態の改善、2つ
目はドル資産離れした資金を持つ外国人の日本株式投資への流れ、最後に、
国内の個人投資家が積極的に株式市場に参加してきたこと、などが考えられ
ています。
 日本経済については約1年前には2003年度の経済成長率(実質GDP)は前
年度比マイナス成長という見方もあったほどですが、その後企業の設備投資
意欲が大幅に改善し、2003年度の経済成長の牽引役となりました。2003年夏
ごろからエコノミストの見方も次第に先行き楽観視する見方が増え、2003年
度の実質GDPは前年度比+2.8〜3.0%程度で落ち着くのではないかと見ら
れています。バブル期の1988、1989年の6.7%、4.3%、アジア通貨危機前の
1996年の3.6%に次ぐ、高い伸びとなることが確実となってきました。とこ
ろで、2004年度の成長率も2%台後半のほぼ2003年度と同水準と見る見方が
支配的です。ただ、2004年度はこれまでの輸出(外需)依存や民間設備投資と
言ったこれまでの主役はスピード調整を行い、個人消費や住宅投資が盛り上
がってくるのではないかと見ているようです。反面、雇用環境や所得環境が
好転しているとは言いがたい現状では、個人消費回復に期待は禁物との声が
あることも付け加えておきます。
 次に外国人投資家の動向ですが、2003年度はすべての月での買い越し(日
本株式を売ったよりは買った方が多いこと)で、年度では約11.6兆円の買い
越し額となりました。これは、1999年当時のIT相場の外国人の買い越し額
約9兆円をも上回っています。最後に、個人投資家の動向ですが、高速通信
や定額制の普及でインターネット取引が浸透するにつれて、低い手数料で取
引が可能なネット取引が個人投資家の間でも普及しました。2003年は取引株
数では個人が前年の32.9%から40.6%のシェアトップとなり、外国人の34.0
%を抜きました。ちなみに取引金額では外国人47.5%に対し、個人は26.7%
のシェアと低かったですが、比較的株価の低い株式を好む個人投資家の行動
が数字になって現れていると理解して下さい。以上、今回は簡単に日本株式
の1年を振り返ってみました。
〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基づき
記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等ありましたら
後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づき、証券等の投資
で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◇◆◇


■NPOアクティビティー
1. NPO金融年金ネットワークのイベント情報
「第3回テーマ別企業年金研究会」開催のお知らせ
 ◇◆◇
 「企業年金の受給権保護法制と労働組合の役割」をテーマに、成蹊大学法
科大学院・森戸英幸教授のお話と意見交換の会を行います。

 年金資産の積立不足や退職給付会計導入等の環境変化から、企業は給付を
約束している確定給付型の制度でありながら、さまざまな手法で給付減額を
行いつつあります。
 代表的な企業年金制度である厚生年金基金においても、加入者に対する給
付減額が日常的に行われています。さらには、受給権が確定している現受給
者にも影響が及ぼうとしています。こうした状況下では、私たちの老後生活
保障は大変危ういものにならざるをえません。
 今回の研究会は「企業年金の受給権保護法制」をテーマに、ご専門の成蹊
大学法科大学院・森戸英幸教授を講師に迎え、お話をうかがいます。労組
・勤労者が直面するこの問題解決のために、受給権保護法制の基礎知識、日
米の保護法制の相違、日本の現状と問題点、保護法制はどうあるべきか等を
考える集いにしたいと存じます。
産別・単組の政策ご担当者のご参加をお待ちしています。
                 記
1. テーマ:「企業年金の受給権保護法制と労働組合の役割」
2. 日時:平成16年6月2日(水)午後3時〜5時
3. 会場:日本労働組合総連合会 3階A会議室 (千代田区神田駿河台3-2-11
  総評会館)
4. 参加人数:30名様程度。産別・単組の政策ご担当者
5. 参加費:資料代1名様2.000円
6. 内容:
  @講演「企業年金の受給権保護法制と労働組合の役割」約1時間
  講 師:成蹊大学法科大学院・森戸英幸教授
  A質疑応答・意見交換司会:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワー
  ク 代表 宮本一弘
7. 主催:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク後援:日本労働組合
  総連合会
8. お申込み先: NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
  (電話:03-5444-0539、FAX:03-5444-0303 、E-mail:
  URL:http://kinyunenkin.jp/)担当: 植村昌機
(森戸英幸教授・略歴)
1965年生まれ。東京大学法学部卒業。コロンビア大学ロー・スクール客員研
究員。ハーバード大学ロー・スクール客員研究員。成蹊大学法学部教授を歴
任。現在、成蹊大学法科大学院教授。労働法・社会保障法専攻。「企業年金
の法と政策」(有斐閣)他著作・論文多数。
 ◇◆◇

2. NPO金融年金ネットワークの活動から
富士労連の年金セミナー全国展開活動事例/NPOホームページの開設
 ◇◆◇
@富士労連(スバルの富士重工に関連する、部品メーカー労組連合会) の役
員研修会を全国規模で開催した事例に、当NPOが協力させて頂きました。
 2004年春闘取り組み課題と関連性の高い企業年金・退職金制度に関する実
務的な知識を共有する目的で、セミナーを実施、組織強化に結びつけていま
す。
 「退職金・企業年金に労働組合として的確に対応するために」をテーマに、
2003年12月15日から2004年1月9日の期間内に、仙台、群馬県太田市、大宮、
名古屋、大阪、博多の6ヶ所でセミナーを開催、当NPOの講師3人が対応させ
て頂きました。
A当NPOホームページを開設しました。アドレスは http://kinyunenkin.jp/
です。
 ご感想等頂ければ幸いです。なお、皆様方の組織のホームページにリンク
を貼らせて頂けないでしょうか。お許し頂けるならば下記アドレスご連絡を
お願い致します。
Bこのメールマガジン「NPO金融年金インフォメーション」へのご意見・ご
感想を頂ければ幸いです。また、ご投稿も歓迎いたします。下記のメールア
ドレスに送信してください。
 ◇◆◇


■NPOデータ
確定拠出年金ファンドデータ  提供:(株)格付投資情報センター
 → http://kinyunenkin.jp/data/dc_data_march2004.pdf
(PDFファイル 29キロバイト)
確定拠出年金向け投資信託の運用実績(2004年3月末基準)のデータを上記
のURLでご紹介しています。
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●次号(2号) は6月5日に送信予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行: NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
 本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはで
きません。 ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
 → 
※禁・無断転載 このメールマガジンの著作権は上記発行者に帰属します。


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