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■■■■■■■ 金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ■■■■■■■

第3号 2004年7月1日
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
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このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場から
退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している「NPO法
人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金ネットワー
ク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関する情報や意見交
換のスペースをご提供することを目的にしています。企画・編集には(株)
格付投資情報センターのご協力を頂いています。
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《目次》
●特集レポート
NPO金融年金ネットワーク主催「第3回テーマ別企業年金研究会」報告(第2回)
●連載解説
1. 年金トピックス 「米国の401(k)最新事情」
第3回:加入者コミュニケーション・教育
2. マーケットトピックス 「景気が上向けば金利上昇、円高」
●NPOアクティビティー
1. NPO金融年金ネットワークのイベント情報
「第4回テーマ別企業年金研究会」開催のお知らせ
2. NPO金融年金ネットワークの活動から
NPO金融年金ネットワークがお勧めする「セミナーメニュー」ご案内
●NPOデータ
(株)格付投資情報センター提供 確定拠出年金ファンドデータ
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■特集レポート
NPO金融年金ネットワーク主催「第3回テーマ別企業年金研究会」報告
「企業年金の受給権保護法制と労働組合の役割・第2回」
(講師)成蹊大学法科大学院教授/弁護士 森戸英幸先生
(レポート)NPO金融年金ネットワーク 植村昌機
 ◇◆◇
I 日本の現行法制の内容(つづき)
2. 受給者についての不利益変更
 企業年金制度の改変に関する給付減額などの不利益変更に関しては2つの
歯止めがある。(1)法令上の規制、(2)規約・契約による歯止めである。
(1)法令上の規制
 法令上の認可・承認が不利益変更の要件であるが、税の優遇措置を受ける
ための条件に過ぎず、現役従業員の場合と同様、認可・承認を受けた規約が
当然に受給者を拘束するわけではない。現役従業員と明確に異なる点は、受
給者は代議員会(基金型の場合)の構成員ではないことである。受給者が参
加していないところで、規約が決められるのは妥当ではない。
(2)規約・契約による歯止め
 結局は規約の定めとその解釈による。規約に減額の可能性を規定している
ことが必要であるが、規定しているからといって減額できるものではない。
もうひとつは「事情変更の原則」が適用になるかどうか。契約時の状況が激
変した結果、減額せざるを得ないという事情が適用される可能性もある。し
かし、これは簡単に認められない。(幸福銀行の年金打切り事件・否定)
3. ポータビリテイー(転職時の年金資産はどうなるのか)
(1) 給付建て制度
「年金」の受給資格があれば、転職前の制度に「残して」いける。転職先の
会社の制度に資産移換ができる。(平成17年10月実施) しかし、多くは、転
職時点で現金清算している。
(2) 企業型確定拠出年金
 勤続3年で個人別管理資産を没収できない。給付は60歳以降から。中途引
出要件の緩和(平成17年10月実施)。転職先(企業型の場合)または個人型に資
産移換できる。
4.「バッド・ボーイ条項」
(1) 給付建て制度
 懲戒解雇等の規定は原則自由。内部留保型では「それまでの永年勤続の功
を抹消しうるくらい背信性の高い場合」のみとし、確定給付企業年金法では
規約で定める「責めに帰すべき重大な理由」があること。
(2)企業型確定拠出年金
 勤続3年以上で個人別管理資産を没収できない。
5. 支払保証
 厚生年金基金連合会の支払制度のみ。厚生年金基金にのみ認められている。
 賃確法による賃金の立替払い。最高限度370万円なので退職金として保全
されない。
(次回は「アメリカ法との比較から」)
(参考図書)森戸英幸著「企業年金の法と政策」(有斐閣刊) をお勧めします。
 ◇◆◇


■連載解説
1. 年金トピックス
「米国の401(k)最新事情」第3回:加入者コミュニケーション・教育
 (株)格付投資情報センター 投信評価本部 投信評価部長 斎藤 定
 ◇◆◇
 401(k)の運営を支える機能のうちで加入者コミュニケ−ションと教育は最
も重要なものと考えられている。なぜなら、従業員に退職に備えた貯蓄が自
己責任であることの理解を深めさせ、従業員がインフォームド・ディシジョ
ンをするための情報を提供することは、企業にとっては受託者責任の一部で
あるからだ。
 米国の大手のサービス業者の多くは毎年、401(k)プラン加入者に対するア
ンケート調査を実施して加入者の声に耳を凝らしている。例えばフィデリテ
ィ社の調査によれば2000年以降の数年間で、プラン加入者は、目的に合った
投資対象選択のコンフィデンス(自信、確信度)、家計の現状に対する満足
度、家計中で投資できる資産額のいずれも低下させている。
 また、パトナム社の加入者調査の結果から、次のような問題が指摘されて
いる。
・401(k)の課税繰延上限まで拠出しているのは12%に過ぎず、平均拠出額
 は課税繰延上限の半分以下だ。
・401(k)加入者の半分近くが金銭面で退職後に備えられる自信が持てない。
 少なくとも10人中4人は、いくら必要か、また必要額の計算の仕方すら
 分かっていない。
・401(k)加入者は自分自身のポートフォリオを管理することになると無力で
 ある。自分の惰性(投資対象のタイムリーな変更を行わなかったこと)に
 よってマーケットサイクルによる損失を受けた経験によって、リバランス
 や分散投資の必要性は分かっているが、どう配分したらよいのか具体的な
 プランは持っていない。
・多くの加入者は、リスクについて誤解している。自社株を安全だと考える
 傾向が強く、また債券や債券ファンドを現金よりも安全だと考える。
・4分の1以上、特に相対的に拠出率の低い者は、自分のアカウントを管理
 するのに十分な情報を得ていないと言っている。
 401(k)がスタートしてから数十年に渡って加入者に対する情報が提供され、
教育が行われてきたはずの米国においてすら、加入者の多くが結局何も分かっ
ていなかったということだ。このようなプラン加入者の実情が顕在化した背
景には2000年以降の米国株式市場の下落がある。
 プラン加入者に対するコミュニケーション、教育がうまく機能していなかっ
たという反省を踏まえ、新たな取り組みもスタートしている。ベースにある
のは個人向けのマーケティングの手法だ。
 従業員の雇用関係のサイクル(新規雇用、プランの新規導入、加入者/非
加入者、退職、終了、死亡、生存している配偶者など)によってコミュニケー
ションや教育でフォーカスすべきポイントは異なる。それぞれのセグメント
毎に異なる内容のコミュニケーション・教育が提供される。このように従来
よりも個人レベルのカスタマイズを進めたアプローチは、まだ実験的な側面
が強いものの、一定の成果をあげつつあるようで、今後の発展が期待されて
いる。
 ◇◆◇

2. マーケットトピックス
「景気が上向けば金利上昇、円高」
 NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 前回2004年1〜3月期の実質GDPが年率では5.6%の増加とお知らせしま
したが、その後内閣府から改定値が発表され、同6.1%になったようです。
数値はともかく趨勢はこれまでどおり強かったと見て良いでしょう。
 ところで日本以外での景気回復もあり、過去1年程度振り返ってみると、
いくつかの変化が見られました。それは、商品市況の上昇、為替調整(日本
にとって円高)、市場金利の上昇、などと言った現象です。消費意欲が高ま
ると、需要と供給のバランスが崩れ、物の価格が上昇します。また、日本の
景気回復が欧米と比較して日本が良いと判断されれば、海外の投資家は日本
への投資意欲を高め、その結果円高になりがちです。昨年来、市場金利は上
昇していますが、これは行き過ぎた景気のスピード調整を促すサインとなり
ます。株式は将来の景気減速を先読みして、逆に株価上昇にブレーキがかか
るといった副作用もでてきます。
 日本では市場金利は1年ほど前から上昇、為替は2002年度の平均122円から、
2003年度は113円、2004年度は105円程度を予想する意見が多く見受けられま
す。商品市況で代表的なものに原油、金、穀物類などがありますが原油、金
についてはご承知のとおり2001〜02年から上昇に転じています。
 次に最近のトピックスを2つ取り上げてみたいと思います。これらは共に
株式を保有する株主に今後重要なテーマとなりつつあります。
 1つは証券系調査機関では3月期決算会社の2003年度決算集計を行いました。
景気の回復もあって企業はどちらかと言えば好決算を達成しました。主要企
業合計ではおよそ前年度比2割弱程度利益が増え9兆円弱となった模様で、2
年連続の増加となります。重要な点は生み出された利益の分配ですが、配当
金は3,000億円増の2兆円強、自社株買いに約2兆円活用され、残りは借入金
等の返済に向かったようです。
 もう1つは6月下旬に開催された3月期決算企業の株主総会です。最近の新
聞報道にもあったように、機関投資家が株主総会の議案に対し、昨年度と比
較して反対や棄権が目立ったと言われています。企業への経営姿勢に株主が
より発言する姿勢が見受けられます。配当の増加などはそうした企業の逆発
信とも言えるものでしょう。
〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基づき
記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等ありましたら
後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づき、証券等の投資
で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◇◆◇


■NPOアクティビティー
1. NPO金融年金ネットワークのイベント情報
「第4回テーマ別企業年金研究会」開催のお知らせ
「適格年金制度の移行と労働組合の対応」をテーマに行います。
 ◇◆◇
 厚生年金基金の代行返上など大手企業における企業年金制度の再編は一段
落した感があります。しかし、制度の存続期間が8年を切った適格年金制度
は、大手企業においては、規約型や確定拠出年金への移行が始まっています
が、中堅・中小企業に関しては今後の対応に関してはまったく手付かず、と
いうのが現実です。
 今回の研究会は「適格年金制度の移行と労働組合の対応」をテーマに、適
格年金制度の概要、適格年金財政の見方、適格年金の問題点、新しい退職給
付制度への移行、移行に際して労組の対応等の内容になります。
 また、今後の企業年金制度再編に重要な判断ポイントとなる「2004年企業
年金改革のポイント解説」も加えます。
 産別・単組の政策ご担当者のご参加をお待ちしています。
                 記
1. テーマ:「適格年金制度の移行と労働組合の対応」
2. 日時:平成16年7月27日(火)午後3時〜5時
3. 会場:日本労働組合総連合会 3階A会議室 (千代田区神田駿河台3-2-11
  総評会館)
4. 参加人数:30名様程度。産別・単組の政策ご担当者
5. 参加費:資料代1名様2.000円
6. 内容:
  (1)講演「適格年金制度の移行と労働組合の対応」約1時間30分
     講師:NPO金融年金ネットワーク 主任研究員 梅香家 健
     (社会保険労務士、DCアドバイザー、ファイナンシャルプランナー)
  (2)講演「2004年企業年金改革のポイント解説」約30分
     講師:NPO金融年金ネットワーク 副代表 植村昌機
     (社会保険労務士、DCアドバイザー、ファイナンシャルプランナー)
7. 主催:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
  後援:日本労働組合総連合会
8. お申込み先: NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
  電話03-5444-0539  FAX:03-5444-0303
  E-mail:   URL:http://kinyunenkin.jp/
  担当: 植村昌機
 ◇◆◇

2. NPO金融年金ネットワークの活動から
NPO金融年金ネットワークがお勧めする「セミナーメニュー」ご案内
 ◇◆◇
 退職金・企業年金制度や投資教育に関するセミナーを行ないたいが、「ど
のような対象者にどんな内容・タイミングで実施したらよいか」がよく分か
らないので、メニューを提示して欲しいというご要望があり、NPOお勧めの
「セミナーメニュー」をつくりました。対象者の理解度と内容のレベルを組
み合わせることによって、効果的なセミナーを実施することができます。ぜ
ひ、ご検討ください。
 下記アドレスより、詳細な「セミナーメニュー」をご覧頂けます。
 → http://kinyunenkin.jp/04service.htm
 ◇◆◇


■NPOデータ
確定拠出年金ファンドデータ  提供:(株)格付投資情報センター
 → http://kinyunenkin.jp/data/dc_data_200405.pdf
(PDFファイル 30キロバイト)
確定拠出年金向け投資信託の運用実績(2004年5月末基準)のデータを上記
のURLでご紹介しています。
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●次号(4号)は8月1日に送信予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行: NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
 本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはで
きません。 ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
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