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■■■■■■■ 金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ■■■■■■■

第4号 2004年8月1日
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
ホームページアドレス http://kinyunenkin.jp/
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このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場から
退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している「NPO法
人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金ネットワー
ク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関する情報や意見交
換のスペースをご提供することを目的にしています。企画・編集には(株)
格付投資情報センターのご協力を頂いています。
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《目次》
●特集レポート
NPO金融年金ネットワーク主催「第3回テーマ別企業年金研究会」報告
「企業年金の受給権保護法制と労働組合の役割・第3回」
●連載解説
1. 年金トピックス 「米国の401(k)最新事情」
第4回:オンライン投資アドバイス
2. マーケットトピックス 「調整感の金融市場」
●NPOアクティビティー
NPO金融年金ネットワークの活動から
1.「2004年年金改革関連法」の改革ポイント解説
2. 年金・金融問題に関する効果的な「セミナーメニュー」
●NPOデータ
(株)格付投資情報センター提供 確定拠出年金ファンドデータ
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■特集レポート
NPO金融年金ネットワーク主催「第3回テーマ別企業年金研究会」報告
「企業年金の受給権保護法制と労働組合の役割・第3回」
(講師)成蹊大学法科大学院教授/弁護士 森戸英幸先生
(レポート)NPO金融年金ネットワーク 植村昌機
 ◇◆◇
I 日本の現行法制の内容
1. 現役従業員に関する不利益変更(6月号をご覧ください)
2. 受給者についての不利益変更(7月号をご覧ください。いずれも当NPO
 ホームページの「メールマガジン登録」画面からダウンロードできます。
 http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm)
II アメリカ法との比較から
1. 不利益変更
過去の勤務に対応する給付の縮減は禁止。将来に向けての給付切り下げは原
則自由。ただし、著しい減額の場合は事前通知義務がある。
(日本との比較)日本の場合は「労使合意」と「合理性」があれば過去分で
も切り下げできる。他方、将来分にも同様の保護がある。米国は明確であり、
日本の場合はあいまいだが、柔軟性があるともいえる。この点でも労働組合
の役割は大きい。
2. ポータビリティー
(ポータビリティーの具体的意味)
(1) 転職前の会社の制度に資産を残す。給付額は転職の時点で凍結される。
(2) 転職先の会社の制度に資産移換できる。
(3) 個人退職所得勘定(IRA、日本の個人型401Kに相当)に資産移換できる。
(4) ペナルティーを払って現金清算する(税金を払って一時金で引き出す)。
給付が保証されるのは(2)(3)。給付建て制度では転職すればやはり不利。完
全にポータビリティーが保証されているわけではない。
(日本との比較)米国では給付建てと拠出建てとの垣根は低い((3)が使え
る)。日本では拠出建てと給付建てでは明確な差がある。(平成17年10月より
改善される)
3. バッド・ボーイ条項
いわゆる懲戒解雇規定に関しても、受給権が付与されており、給付は減額
・没収不可。
(立法趣旨)(1)家族の権利保護(本人の問題であるから)(2)使用者や労働
組合(労組運営の年金制度)の権利濫用防止。また、自己都合退社を理由に
給付額を減少することもできない。
(日本との比較)受給権が保全されている確定拠出年金とそれ以外を区別し
ている。
4. 支払保証
基本的に受給者減額問題は生じない。PBGC(年金給付支払保障公社)の支払制
度があるが給付建て制度のみが対象で上限額もある。日本で導入すべきかは、
PBGCも積立不足を抱えており、またモラルハザート゛の回避等課題もあり、
導入に関しては慎重にすべきである。
(次回は「これからの課題」)
(参考図書)森戸英幸著「企業年金の法と政策」(有斐閣刊) をお勧めします。
 ◇◆◇


■連載解説
1. 年金トピックス
「米国の401(k)最新事情」第4回:オンライン投資アドバイス
 (株)格付投資情報センター 投信評価本部 投信評価部長 斎藤 定
 ◇◆◇
 これまでも述べてきたように、401(k)がスタートしてから数十年の歴史の
ある米国においても加入者の多くは投資に関する知識は十分でなく、必ずし
も適切な判断ができていない。投資教育や情報提供によって、加入者が投資
判断できるようにする努力が重要であることは当然であるが、これにはかな
りの時間がかかるだろうし容易なことでもない。
 もう少し即効性のある手段として求められているのが加入者に対する投資
アドバイスサービスである。もっとも望ましいのは、加入者に対して投資ア
ドバイスをする知識・能力を備えたファイナンシャルプランナーなどが直接
相談に応じることだが、現実的には、加入者が高コストの対面的なサービス
の対価を支払えるかという問題や、膨大な数の加入者の相談に応じることが
できるかという問題がある。
 そこで90年代の後半に現れ、注目されてきたのがウェブ上で自動化され
たアドバイスを加入者に対して提供するオンライン投資アドバイスサービス
である。当初は多くのオンライン投資アドバイスサービスがスタートしたが
合併や買収が繰り返されてきた。現在ビジネス的に成功しているのは、ノー
ベル経済学賞受賞者でもあるがシャープ博士が設立者の一人であるファイナ
ンシャルエンジン社、ミューチュアルファンドの評価会社でもあるモーニン
グスター社である。
 サービス内容は各社で異なるがベースとなる部分は概ね次のような内容と
なっている。
(1)加入者がどの程度のリスクをとりうるかを把握するための質問に答える。
(2)加入者が現在選んでいる投資オプションの組み合わせで、退職時にどの
程度の確率で運用目標を達成できるかのシミュレーション。
(3)加入者個人の状況に対応した適切な資産配分プランおよび具体的な投資
オプションのアドバイス。
 個人で契約する場合の料金はサービス内容に応じて、年間1万5千円〜3
万円だが、企業がまとめて契約する場合には一人当りの料金はもう少し安く
なるものと思われる。
 最近の動向としては、有効性を高めるために、インターネットだけをアド
バイスのメディアとするのではなく、コールセンターなどの対人的な接触手
段も取りこんだサービスが模索されている。
 日本で確定拠出年金制度が導入されてからもうすぐ3年になる。先行して
制度を導入した企業においてはいわゆる投資教育に積極的な取組みを行って
いるところもあるようだが、いずれにせよ加入者が適切な投資判断が行える
ようにすることは容易なことではない。日本でもインターネット上の投資ア
ドバイスサービスが普及する日は近いかもしれない。
 ◇◆◇

2. マーケットトピックス
「調整感の金融市場」
 NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 7月の金融市場は調整感(あまりいい意味ではありません)のあった月でし
た。株式市場では日本、アメリカ共に約1ヵ月で5%程度値下がりし、為替は
107円/1ドルが110円への円安へと向かいました。株式市場不振の要因の一
つに米国個人消費に鈍化の兆し→IT関連投資の伸び悩み→電機・通信といっ
た所謂ハイテク企業の先行きに慎重な見方、へと広がったためです。米国で
は、(1)減税効果の一巡感(2)ガソリン価格の高騰(3)住宅ローン金利の上昇、
などが消費減速の理由とされています。一方、国内では大きなイベントとし
て参院選があり、メガバンクの統合と言う話題と合わせて撹乱要因となりま
した。
 参院選の結果について金融市場がどのように見たかと言う点については、
あくまで金融市場のコンセンサスと言う前置きで、『自民党の敗北は金融市
場の予想通りの展開、とは言え改選議席を1下回るにとどまり、現政権が維
持されたのは金融市場にとってはプラス』との判断でした。そういう意味で
は日本の金融市場は落ち着いた動きだったと言えます。ところでメガバンク
統合の話は、今後良い意味、悪い意味何かと副作用がでてくるのではないか
と見られています。少し関心を持たれても良いかも知れません。
 今月号は少し話題に欠けることもあって、これまでに提供した話題を新し
い情報とともに整理していきたいと思います。本メールマガジンでも寄稿頂
いていますR&Tの2004年度第1四半期の同社年金ユニバース運用実績が最
近発表されました。これによりますと『この第1四半期の時間加重収益率の
平均は1.48%で、5四半期連続のプラスであった』とされています。『貢献
した資産クラスとしては外国株式や外国債券で、為替の円安効果が押し上げ
た』とも分析されています。まずまずの出足と言って良いのかもしれません。
 7月21日に内閣府が発表した2004年度の経済動向試算によりますと実質G
DPで3.5%成長へと政府経済見通しの1.8%と比較して高い見通しとなりま
した。『民間企業の改善が雇用・所得の持ち直しにつながり、一般家計改善
にも広がっていく』というものです。民間調査機関でのコンセンサスが3.4
%程度ですから、あまり意外感はなかったと言うのが感想です。ところで中
国の4〜6月期の実質GDPは9.6%の伸びとなり、高水準に変化はありませ
んが、やや減速感がでてきたとも言われ、中国政府のマクロコントロールが
効き始めたと好意的に見る意見が増えています。
〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基づき
記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等ありましたら
後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づき、証券等の投資
で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◇◆◇


■NPOアクティビティー
NPO金融年金ネットワークの活動から
1. 「2004年年金改革関連法」の改革ポイントを解説する活動を行っています
 ◇◆◇
 通常国会の最大の焦点となった年金改革関連法が6月5日に参院本会議で可
決、成立いたしました。今回の公的年金改革案につきましては、皆様におか
れましても十分にご検討され、ご承知のことと思います。一方、企業年金改
革案につきましては、内容が専門的であることから、マスコミの報道も適切
でなく、マイナーな取り扱いとなっています。
 今回の企業年金改革のポイントは(1)免除保険料の凍結解除等の厚生年金
基金への支援策(2)厚生年金基金の解散の特例措置(3)確定拠出年金における
拠出限度額の拡大等の改善(4)年金通算制度の整備の4点で、一定の評価を得
ています。今後の年金制度運営上の重要な判断ポイントとなることから、当
NPOは主要産別様を巡回し、改革ポイントを説明させて頂く活動をしていま
す。
 ご要望があれば説明にお伺いさせて頂きます。また、勉強会等のご計画が
あれば、講師派遣や資料提供をさせて頂きます。
 ◇◆◇

2. 年金・金融問題に関する効果的な「セミナーメニュー」をつくりました
 ◇◆◇
 退職金・企業年金制度や投資教育に関するセミナー、勉強会を計画してい
るが、「どんな対象者に、どのような内容・タイミングで実施したらよいか」
で迷っているので、メニューを提示して欲しいというご要望があり、当NPO
お勧めの「セミナーメニュー」をつくりました。対象者の理解度と内容のレ
ベルをマッチさせることによって、効果的なセミナーを実施することができ
ます。ぜひ、ご検討ください。
 下記アドレスより、詳細な「セミナーメニュー」をご覧頂けます。
 →http://kinyunenkin.jp/04service.htm
 ◇◆◇


■NPOデータ
確定拠出年金ファンドデータ  提供:(株)格付投資情報センター
 → http://kinyunenkin.jp/data/dc_data_200406.pdf
(PDFファイル 37キロバイト)
確定拠出年金向け投資信託の運用実績(2004年6月末基準)のデータを上記
のURLでご紹介しています。
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●次号(5号)は9月1日に送信予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行: NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
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 本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはで
きません。 ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
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