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■■■■■■■ 金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ■■■■■■■

第6号 2004年10月1日
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
ホームページ http://kinyunenkin.jp/
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このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場から
退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している「NPO法
人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金ネットワー
ク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関する情報や意見交
換のスペースをご提供することを目的にしています。企画・編集には(株)
格付投資情報センターのご協力を頂いています。
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《目次》
●特集レポート
NPO金融年金ネットワーク主催「第4回テーマ別企業年金研究会」報告
「適格年金制度の移行と労働組合の対応」から
●連載解説
マーケットトピックス 「企業物価指数と悪化続く交易条件」
●NPOアクティビティー
1. NPO金融年金ネットワークのイベント情報
第5回テーマ別企業年金研究会開催のお知らせ
「勤労者の視点から 確定拠出年金を考える」
2. 労使が連携して年金運営を行う、セイコーエプソン社の先端事例
●NPOデータ
(株)格付投資情報センター提供 確定拠出年金ファンドデータ
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■特集レポート
NPO金融年金ネットワーク主催「第4回テーマ別企業年金研究会」報告
「適格年金制度の移行と労働組合の対応」から
(講師)NPO金融年金ネットワーク・主任研究員 梅香家健
(レポート) NPO金融年金ネットワーク 植村昌機
 ◇◆◇
「適格年金から新企業年金への移行に際し、労組サイドからの留意点」
1.退職金制度の見直し、改革
 適格退職年金制度を廃止して新しい企業年金に移行する場合、従来からの
退職金制度を見直すケースが増加している。
(1)年功的な退職金制度から能力主義的退職金制度への変更
 基本給×勤続年数比例係数で退職金を計算する方式から、能力等級による
ポイント制退職金制度への変更が行われる。新旧制度の給付カーブの相違か
ら、中高年層の給付額切り下げ等、不利益変更が発生するので、労組として
対応が求められる。
(2)退職金水準の維持か、減額かがポイント
 新企業年金においては、年金資産の積立不足を発生させない規制が強化さ
れていることに加え、過去の積立不足の償却がかさむため、企業にとっては
費用増となる。このため、退職金水準の維持か削減かがポイントになる。既
得権(旧制度で支給されたはずの過去勤務分退職金)は確保しなければなら
ないが、期待権(旧制度が適用されたとして支給されるはずの将来勤務分退
職金)についても保証されるよう交渉する。
(3)総額人件費管理の中での退職金の位置づけ
 今後、退職金も総額人件費の一部として考える傾向が強くなる。賃金、退
職金、福利厚生費の中での配分の問題となる。
2.確定拠出年金へ移行する際に、予定利率をどう設定するか
 掛け金を決定する際の、予定運用利率をどう設定するかは、労使協議のポ
イントである。なるべく低く設定した方が従業員にとって有利である。設定
の基準は以下の考え方がある。
(1)適格年金の予定利率
 通常4.0%から5.5%。5.5%が圧倒的に多い。この利率を確定拠出年金の
予定利率とすると従業員にとっては、実質的に退職金の減額につながる。低
く設定する必要がある。
(2)退職給付債務計算の基礎となる割引率
 現在、上場会社の平均で2.34%。一つの合理的な基準である。
(3)従業員の平均残存勤務年数に対応する長期国債利回り等
 最も合理的と思われる。
 問題は従業員の資産運用実績が上記の水準まで到達するかである。
3.中途退職者の給付について
 確定拠出年金は60歳まで資金を引き出せない。この問題を解決するために
退職金制度の併用が多くの企業で実施されている。たとえば
  確定拠出型50%(確定拠出型又は中退共) 確定給付型50%(確定給付
  企業年金又は一時金)
4.自己責任と投資教育
(1)自己責任
 自分の将来、老後は自分で自ら備える姿勢が不可欠な時代に来ている。自
己責任については、会社が責任を転嫁していると一方的に考えるのではなく、
むしろ前向きに対応する必要がある。
(2)投資教育
 投資教育については、確定拠出年金制度導入時だけでなく、導入後の継続
教育が重要である。厚生労働省も企業の責務を厳しく求めており、労組とし
ても企業に適切な教育の実施を求めることが大事である。従業員にとっても、
投資について積極的に勉強することが必要で、企業が行う投資教育は個々人
にとってプラスになるであろう。
 ◇◆◇


■連載解説
マーケットトピックス
「企業物価指数と悪化続く交易条件」
 NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 原油価格が再び急伸、『原油高が景気減速につながるとの見方広がる』と
の見出しが、最近新聞紙上で強調されるようになりました。既に金融市場で
は株式市場軟調、債券高(金利低下)が進行しています。株式は6〜7月頃か
ら、債券は8月初旬から変化がでています。世界全体を見渡せば原油高の他
に、11月の米大統領選と中国も加えた今後の金融政策、産業界では電機関連
業界の生産(在庫)調整、などの影響などが指摘されています。
 ところで、もう少しより身近な問題として捉えますと、(財)石油情報セ
ンターが発表していますガソリン価格はレギュラーの全国平均で9月は119円
/リットルとなりました。3月までは100円でしたから半年で約20%値上がり
したことになります。原油からの派生製品であるプラスチックも年初からは
25〜30%値上がりしたと言われます。ほかに石炭や鉱石などの資源価格も上
昇しており、プラスチックと同様の基礎素材である鉄鋼製品、銅製品、電子
部品やステンレスの材料であるニッケルなどの価格も上昇しています。
 日本銀行が発表しています企業間で取引される商品の価格動向を反映した
企業物価指数がありますが、ここ半年の動きで特徴的な点は、国内企業物価
は前年比で1〜2%弱上昇、うち素原材料の上昇が大きく、このことは当然の
ことながら輸入物価が押し上げているという傾向がでています。一方で、最
終材は前年比ややマイナスとなっており、これは加工組立型産業の物価が低
下していることが言えそうです。ところで、交易条件という言葉があります。
今回は製造業の産出価格と原燃料等の投入価格で除したものとしましたが、
2年以上悪化が続いています。タイムラグを伴いながら製造業の収益動向と
正の相関があるため、念頭におく必要がありそうです。一方で、最終材の価
格先行き動向も注目点と言えるかも知れません。
 11月2日には米大統領選挙が予定されています。現ブッシュ大統領(共和
党)とケリー氏(民主党)両氏の政策では減税措置や米軍の海外配置、エネ
ルギー政策等に違いがあると言われています。しかし、総じて似通った政策
も多く、具体的な実行力や両氏の政治的資質が焦点になるとも見られていま
す。この米大統領選も金融市場にとって大きなイベントの一つと言えるでしょ
う。
〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基づき
記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等ありましたら
後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づき、証券等の投資
で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◇◆◇
※年金トピックス「米国の401(K)最新事情」は、前号で終了。次回より「日
 本の確定拠出年金の最新動向」を連載します。

■NPOアクティビティー
1. NPO金融年金ネットワークのイベント情報
「第5回テーマ別企業年金研究会」開催のお知らせ
「勤労者の視点から 確定拠出年金を考える」をテーマに行います。
 ◇◆◇
 企業年金制度の新たな選択肢として注目されている確定拠出年金(日本版
401K)は、導入3年で加入者が100万人を突破しました。わが国の代表的な確
定給付型企業年金制度である厚生年金基金の加入者720万人の約15%に相当
するまで導入が進んでいます。 2004年年金改正で、確定拠出年金の掛け金
の非課税上限額が引き上げられ、また、他の年金制度からの資産移換限度額
撤廃など規制緩和の進行とあいまって、2012年に廃止の決まっている税制適
格年金の有力な制度移行先として、今後さらに導入が本格化することが予想
されます。
 確定拠出年金は、勤労者にとって年金受給権が法律上保護される一方、自
身が資産運用しなければならない等、従来にない全く新しい制度だけに、労
働組合としては制度導入に対しては、基本的な知識の習得と検討ポイントの
把握が求められます。
今回は、導入後3年を経過した制度の現状分析を踏まえて、勤労者にとって
問題点は何か、制度の健全な普及のためにはどう考えたらよいのか、労働組
合の役割は何か等、意見交換の集いを行います。すでに確定拠出年金を導入
している企業の労組ご担当者のご参加も歓迎致します。
 基調講演の講師には、日米の確定拠出年金の現状に詳しい滑i付投資情報
センター・斎藤定氏をお招きしています。
 産別、単組の政策ご担当者のご参加をお待ちしています。
                 記
1. タイトル: 勤労者の視点から 確定拠出年金を考える
2. 日時: 平成16年10月15日(金)午後3時〜5時
3. 会場: 日本労働組合総連合会8階三役会議室(千代田区神田駿河台3-2-11)
4. 予定人数: 30人程度(産別・単組の政策ご担当者)
5. 参加費: 資料代1名様2.000円
6. 構成:
(1)「勤労者の視点から 確定拠出年金を考える」
 (株)格付投資情報センター 投資評価本部投信評価部長 斎藤 定様
(2)「意見交換」
 司会:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク・代表理事 宮本一弘
7. 主催: NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
  後援: 日本労働組合総連合会
8. お申込み先: NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
  電話03-5444-0539  FAX:03-5444-0303
  E-mail:   URL:http://kinyunenkin.jp/
  担当: 植村昌機
((株)格付投資情報センターは日本経済新聞社の関連会社で、中立的、総
合的な格付け会社。主な業務は、格付け業務、年金資産の分析評価と運用コ
ンサルティング、退職給付制度のコンサルティング、資本・金融・企業動向
の調査と研究。)
 ◇◆◇

2.労使が連携して年金運営を行う、セイコーエプソン社の先端事例
 ◇◆◇
 この4月に確定拠出年金を導入した同社では、投資教育を軸に、運営管理
機関の選定や運用商品のラインアップまで労使が協議して決定している。
 投資教育については、年金制度や資産運用の基礎知識は運営管理機関が提
供し、労組サイドでは、組合員の家計に踏み込んだライフプランづくりに重
点をおいて、個別の相談に乗る。企業が投資教育の基本編、労組が応用編と
いう役割分担になっている。労組では、従来から独自に、生命保険の見直し
等の資産運用セミナーを行っており、執行部に4人のFP資格保有者も在籍し
ている。また、独自に開発した資産形成やライフプランニングのシミュレー
ションソフトを労組が運営しているウェブサイト上にある機能で、組合員に
具体的なアドバイスができるようになっている。メールでも個別の相談を受
け付け、質問にはFPの執行部メンバーが答える。1日80件の相談があったこ
ともある。今後の課題として、相談を担当する専従者のノウハウを蓄積、共
有化ができるか、また、助言の範囲も論点になると思われる。
 ◇◆◇
※当NPOは、投資教育に関して、労組が主体的に取り組むプログラムを、現
在、大手流通企業労組と協力して、実施しています。労組サイドから、投資
教育の内容や水準をどう構築するかについては、当NPOにご相談ください。


■NPOデータ
確定拠出年金ファンドデータ  提供:(株)格付投資情報センター
 → http://kinyunenkin.jp/data/dc_data_200408.pdf
(PDFファイル 36キロバイト)
確定拠出年金向け投資信託の運用実績(2004年8月末基準)のデータを上記
のURLでご紹介しています。
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●次号(7号)は11月1日に送信予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行: NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
 本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはで
きません。 ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
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