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■■■■■■■ 金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ■■■■■■■

第8号 2004年12月1日
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
ホームページ http://kinyunenkin.jp/
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このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場から
退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している「NPO法
人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金ネットワー
ク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関する情報や意見交
換のスペースをご提供することを目的にしています。企画・編集には(株)格
付投資情報センターのご協力を頂いています。
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《目次》
●特集レポート
NPO金融年金ネットワーク主催「第5回テーマ別企業年金研究会」報告
「確定拠出年金を考える・第2回」
●連載解説
1. 年金トピックス 「日本の確定拠出年金市場の実像」
  第2回:運用商品、投資信託は3割程度
2. マーケットトピックス 「急速なドル安に。冬のボーナス増、でも増税
  の話も」
●NPOアクティビティー
1. 企業年金問題に関するJAM(機械・金属産業別労働組合)の取り組み
2. 出版のお知らせ
 「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」2005年
 版を発行
●NPOデータ
(株)格付投資情報センター提供 確定拠出年金ファンドデータ
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■特集レポート
NPO金融年金ネットワーク主催「第5回テーマ別企業年金研究会」報告
「確定拠出年金を考える・第2回」
(講師) (株)格付投資情報センター 投資評価本部投信評価部長 斎藤 定氏
(レポート) NPO金融年金ネットワーク 植村昌機
 ◇◆◇
1. 確定拠出年金の概要を考えるポイント
2. 確定拠出年金導入の現状
(1、2は以下のURLでご覧になれます)
 → http://kinyunenkin.jp/mailmaga/maga200411.htm
3. 確定拠出年金の導入・運営のポイント
・〈運営管理機関選定に関する法令解釈通知〉
 企業による運営管理機関、資産管理機関の選任にあたっては、もっぱら加
 入者等の利益の観点から次の項目に関して、複数の運営管理機関、または
 資産管理機関について適正な評価を行う等により選任すること。(選定に
 関しては企業に大きな責任がある。)
  1.専門的能力の水準 2.業務・サービスの内容 3.加入者等からの運営
  状況に関する照会への誠実かつ迅速な対応ができる状況の整備 4.手数
  料の額
・〈金融商品選定の重要性〉
 法令上は運営管理機関が商品選定の責任を負う。もし、専ら、運営管理機
 関が自社グループの商品であることや、企業の資本・取引関係だけで商品
 を選定した場合、法に抵触する可能性がある。確定拠出年金においては、
 損失は加入者が負担することになる。運用商品などに関する問題が発生し
 た場合は、そのような運営管理機関を選定した責任を企業が負うのが社会
 通念上当然と思われる。米国では商品選定に関する訴訟が起きている(フ
 ァースト・ユニオン銀行)。
・〈商品選定・提示に関わる法令上の制約〉
 1.運用商品の範囲:預金・貯金、有価証券、金銭信託、保険 2.運用商品
 の数:リスク・リターンの異なる3つ以上の商品 3.元本確保商品を少な
 くともひとつは入れる。元本確保商品の“元本”は確保されていない。預
 貯金に関して、加入者個人としての預貯金と併せて1,000万円、保険会社
 破綻の場合は責任準備金の90%までしか保護されないことに注意。
・〈運用商品のモニタリングの必要性〉
 運用商品については、定性面(運用方法の変更、運用担当者の交代、情報
 開示の程度等)と定量面(ベンチマーク比較、同種の商品との実績比較等)
 から総合的評価を定期的に行い商品の追加、入れ替え等の措置を検討する。
・〈投資教育〉
 投資教育は事業主の責務。自社で実施するのが原則だが、外部委託の場合
 もある。どこまでやる必要があるかは必ずしも明確ではない。導入時に実
 施して、導入後は何もしないケースが現実には多く、問題となっている。
 教育の内容は「1.確定拠出年金制度等の具体的な内容 2.金融商品の仕組
 みと特徴 3.資産運用の基礎知識。加入者に運用プランモデルを示すとき
 は、元本確保型の運用方法のみで運用する方法によるプランモデルを必ず
 含んでいるものとする」とされている。
4.今後の方向性
〈具体的な課題〉制度導入後3年経過、第2ステップへ。
1.制度導入後の投資教育・情報提供の実施、充実。
2.金融商品の運用状況に関する適切なモニタリングの実施とアクション:適
 切でない商品の変更、追加、削除の実行を。
3.運営管理機関などの業務の適切なモニタリングの実施とアクション:適切
 なサービスを提供しない運営管理機関を別な業者に変更、または自社が担
 当することに変更の実行を。
 ◇◆◇


■連載解説
1. 年金トピックス 「日本の確定拠出年金市場の実像」
  第2回:運用商品、投資信託は3割程度
     ――預金など元本確保型が中心では年金の「目減り」も
(株)格付投資情報センター 投資評価本部 投信評価部チーフアナリスト
                             岡田 篤
 ◇◆◇
 元本が保証されていないリスク商品である投資信託が3割、元本が保証さ
れている銀行預金、利率保証付きの生命保険(GIC)や傷害保険など元本確
保型商品が7割――。確定拠出年金の加入者が投資している運用商品の割合
を調べるとこんな結果が出た。国内の株式相場が不安定なことに加え、資産
運用に関する知識からリスク商品への投資に加入者が慎重になっている様子
がうかがえる。しかし、預金など元本確保型商品では文字通り元本は確保さ
れるが、将来の年金額を大きく増やすことは期待できない。運用による収益
が少ない元本確保型商品だけでは将来、十分な金額の年金を受け取れないケー
スも現れそうだ。

★元本確保型商品とリスク商品の比率は7対3で推移
 確定拠出年金の掛け金は資産管理機関である信託銀行や生命保険会社に払
い込まれ、そこから加入者の指示に従って預金や投信など具体的な運用商品
に資金が振り向けられる仕組みだ。ただし、実際の資産のほとんどは信託銀
行で管理されている。信託協会が信託銀行各社の実績をまとめた資料によれ
ば2004年6月末時点で7687億円の資産残高のうち預貯金が52.2%(3942億円)、
保険商品が17.1%(1293億円)と元本確保型商品が合計で69.3%を占めてい
る。一方、リスク商品は投信が29.6%(2233億円)、投信と同じく株や債券
に投資して元本保証が付いていない信託商品が1.1%(80億円)となってい
る。この割合は確定拠出年金の導入が本格化した2002年度後半からあまり変
化がなく、当面は元本確保型商品が7割、リスク商品が3割という比率が続き
そうだ。なお、信託協会はどれにも該当しない運用商品を「その他」に分類
し、2004年6月末時点で137億円を計上している。
 元本確保型商品に資金を振り向けておけば株価や為替の動向にかかわらず、
積み立てた年金資産が減る心配はない。しかし、リスクを取らなければリター
ンも期待薄だ。毎年の掛け金とそれに付くわずかな金利では年金資産の拡大
はゆるやかなペースになる。会社側が加入者に示した将来の年金額は、資産
運用である程度リスクを取って年金資産を増やすことが前提になっている。
こうした前提は確定拠出年金だけでなく、厚生年金基金や税制適格年金など
従来型の企業年金でも同じだ。ただし、確定拠出年金ではどれだけリスクを
取るか、どの運用商品を選ぶかなどを加入者が自分で判断する必要がある。

★カギとなる「想定利回り」、整合性のある商品選択を
 では、実際にどれだけリスクを取れば会社側が示した年金額を受け取れる
のだろうか。手掛かりとなるのは確定拠出年金の「想定利回り」だ。会社側
が示す将来の年金額はこの想定利回りを基に算出されている。つまり、毎月
1万円なら1万円、2万円なら2万円の掛け金を定年までの期間、想定利回りで
増やしていけば受け取れる流動的な金額だ。そのため、実際の運用利回りが
想定利回りを下回れば年金額は会社側の試算より少なくなり、いわば年金が
目減りしてしまう。逆に、想定利回りを上回れば年金額は試算より多く受け
取れる。
 想定利回りは確定拠出年金の導入時に会社側が説明しているはずで、わか
らなくても人事部などに問い合わせればすぐに教えてくれるはずだ。確定拠
出年金の導入企業の多くは想定利回りを2.5〜3.5%に設定している。金利が
0.1%程度の預金では想定利回りに届かない。つまり、いまのような低金利
が続く限り、元本確保型商品を柱にした資産運用では会社側が示した年金額
を受け取れない計算だ。見込み通りの年金額を受け取るには投信などリスク
商品への投資が必要だが、それには投信の運用能力の見極めが非常に重要と
なり、情報提供などの面で会社側の責任も大きい。
 ◇◆◇
(次回は加入者が実際に選んでいる個別の投信について取り上げる予定)

2. マーケットトピックス
「急速なドル安に。冬のボーナス増、でも増税の話も」
 NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 前月は今後の世界経済、為替や株、債券などといった金融市場にも何らか
の解答が示されるのではないかとお話しましたが、これまでの想定した動き
と大きく異なるのは為替の円高(というよりはドル安と見た方が妥当)進行
ということになるでしょう。
 世界の景況感はやや減速の方向にあって、最近の欧州ユーロ高、アジア諸
国の通貨高などは今後それぞれの地域での成長を阻害する要因にもなりかね
ません。その中でにわかに中国人民元の切り上げ観測もではじめました。こ
うした状況下、株、債券の両市場は大きく動くことはなく、様子見の展開が
続いています。
 それではドル安の理由ですが、根底にあるのは依然として拡大している米
国の財政赤字にあります。原因は、ブッシュ政権1期目での大型減税と同時
多発テロ後の軍事費支出の増加によるものです。ただ、この時期何故かとい
う点については、11月初めの大統領選終了までは大幅なドル安は避けたいと
の政治的配慮に、グリーンスパンFRB議長のドル安促進を支援する異例の発
言を行ったことが引き金になったとの見方が一般的です。ドル危機を事前に
回避したいとの思惑があったとの観測が流れています。ところで円高はどこ
まで進むのかという点については、1ドル90円台後半の95〜98円程度(警戒
水準と言われる100円割れ)を予測する金融関係者がではじめております。
 最近、日本経済新聞社が今年冬のボーナスが前年冬比3%強の増加になる
と報道しました(主に大企業約280社の集計)。91年以来の高い伸びである
とともに、今回の特徴は製造業、しかも素材・設備投資関連業種の伸びが高
まっています。この背景にはボーナス支給を業績連動型で決定する企業が増
加したことも一因となっています。ただ、残念なことは中小企業を含めた場
合、一人当たりの支給額は若干のマイナスになるとの見通しもあります。と
ころで、12月に入り企業の中間決算発表も終了、大手証券系調査機関では集
計作業が進んでいますが、企業の儲けを示す経常利益はこの中間期は前年比
4割近い増加、年間でも2割程度伸びる見通しにあります。その中で製造業の
伸びが非製造業を上回り、製造業の中では素材産業が加工組立産業の伸びを
上回ると言った特徴がでています。今年度に限っては素材産業が牽引するこ
とになりそうです。
 ところで、日本の景気先行きに影響を与えるのではと心配されている点に、
増税の動きがあります。11月末に政府税制調査会は税制改正に関する答申を
発表しましたが、その中で1999年に景気対策として導入された所得・住民税
の一定割合を控除した定率減税の2006年度までの段階的廃止、すぐに実施と
言うことではないが消費税率引き上げ検討の必要性を示しました。また、企
業にとっての環境税導入検討も話題に上っています。これに対し、外需で牽
引されてきた日本景気が今後円高で減速が心配され、依然として力不足の内
需の先行きに不安を警鐘するエコノミストもいます。過去数ヵ月と比較して
足元は順風満帆と言う動きにはなさそうです。
〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基づき
記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等ありましたら
後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づき、証券等の投資
で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◇◆◇


■NPOアクティビティー
1.企業年金問題に関するJAM(機械・金属産業別労働組合)の取り組み
 ◇◆◇
 11月19、20日に行われた「2005年度 JAM企業年金問題研究会」に当NPOが
セミナー企画と講師派遣で協力させて頂きました。
 年金法改正により2005年4月から、企業年金制度に係わる規制緩和が実施
されることから、中堅・中小企業を中心に、制度移行が進行すると予想され
ます。それを受けて、労働組合が適切に対応するための実践的知識を、指導
的な立場にあって活動している方々に知っておいて頂きたいという観点から、
以下のようなセミナーを実施しました。参加者から「大変役に立った」、
「こんな話をもっと早く聞きたかった」等、評価を頂き、地方JAMや単組か
らもセミナー開催や相談が当NPOに寄せられています。JAMの企業年金問題に
対する積極的な取り組み姿勢が、傘下組織の問題意識を喚起した効果的なセ
ミナーといえます。
〈セミナー構成〉
第1日目  基礎コース(1)「企業年金制度の現状と最近の課題」2時間
     基礎コース(2)「企業年金制度の概要」2時間
第2日目  制度別研修「企業年金の制度移行と労働組合の対応」2時間
     〈Aグループ〉「厚生年金基金からの移行にどう対応するか」
     〈Bグループ〉「適格退職年金からの移行にどう対応するか」
     質疑応答、相談。
 ◇◆◇

2.出版のお知らせ
 ◇◆◇
「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」を発行し
ました。
  日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワー
   ク〈共編〉
  2005年版(2004年年金改革対応) 平成16年10月31日発行
  A4判 ・88頁・2色刷り 頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 産別や単組で活動している方々に、是非知っておいて頂きたい事項を網羅
的に解説。研修会、勉強会のテキストとして、必要な情報を得るための“企
業年金小事典”としてもご活用下さい。内容詳細は以下のURLをご覧下さい。
 → http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm
 お問い合わせ、お申し込みはNPO事務局( または電話
03-5444-0539)まで。
 ◇◆◇


■NPOデータ
確定拠出年金ファンドデータ  提供:(株)格付投資情報センター
 → http://kinyunenkin.jp/data/dc_data_200410.pdf
(PDFファイル 38キロバイト)
確定拠出年金向け投資信託の運用実績(2004年10月末基準)のデータを上記
のURLでご紹介しています。
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●次号(9号)は2005年1月4日に送信予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
 本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはで
きません。 ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
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