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■■■■■■■ 金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ■■■■■■■

第9号 2005年1月4日
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
ホームページ http://kinyunenkin.jp/
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このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場から
退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している「NPO法
人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金ネットワー
ク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関する情報や意見交
換のスペースをご提供することを目的にしています。企画・編集には(株)格
付投資情報センターのご協力を頂いています。
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《目次》
●特集レポート
NPO金融年金ネットワーク主催「第6回テーマ別企業年金研究会」報告
「セイコーエプソン労働組合の投資教育を軸にした年金運営事例」第1回
●連載解説
1. 年金トピックス 「日本の確定拠出年金市場の実像」
  第3回:投信残高の3割強を株式投信が占める
2. マーケットトピックス 「新年酉年は…、悪い話先行後、良い話に期待」
●NPOアクティビティー
出版のお知らせ
 「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック 2005年
 版」好評増刷中!!(1月15日増刷出来)
●NPOデータ
(株)格付投資情報センター提供 確定拠出年金ファンドデータ
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■特集レポート
NPO金融年金ネットワーク主催「第6回テーマ別企業年金研究会」報告
「セイコーエプソン労働組合の投資教育を軸にした年金運営事例」第1回
(講師)セイコーエプソン労働組合書記長 清水 学氏
(レポート)NPO金融年金ネットワーク 植村昌機
 ◇◆◇
1. セイコーエプソンの退職金・年金制度改定の全体像
〈厚生年金基金〉
代行返上を行い、加算部分は基金型確定給付企業年金へ移行
○代行部分→代行返上
○加算部分(基金加算部分と基本部分プラスアルファ)→基金型確定給付企
業年金(40%)
・厚生年金基金の代行部分を国(厚生年金)へ返上
・セイコーエプソン独自の上乗せ部分(加算部分と基本部分プラスアルファ)
は制度を維持して新たに「企業年金基金」を設立
・2004年2月1日実施
〈退職金制度〉
○適格年金→規約型確定給付企業年金(キャッシュバランスプラン)(30%)
     →確定拠出年金(30%)
・退職金制度(適格年金)を「確定給付企業年金(キャッシュバランスプラ
ンの制度設計を導入)」と「確定拠出年金」の2つの制度に移行
・「確定拠出年金」は過去分も将来分も前払い制度との選択性。将来分はほ
とんどの従業員が「確定拠出年金」を選択した
・(制度移行時)50歳以上の従業員は改定前の退職金制度との選択性
・2004年4月1日実施
〈退職金(適格年金)〉過去分資産の移換(選択)状況
過去分の資産も確定拠出年金を選択する従業員が多い
  確定拠出年金を選択 約65%
  前払いを選択    約17%
  従来の退職金制度(50歳以上の従業員のみ)を選択  約18%
〈退職金(適格年金)過去分資産の確定拠出年金移換後における運用商品選
択状況〉
  預金 46%  投資信託 37%  保険商品 17%
4割弱が投資信託を選択。リスクの高い金融商品を選択しており、かなり積
極的な資産配分になっている。一般には確定拠出年金導入当初は8割程度が
元本確保型商品(預金、保険商品等)
〈確定拠出年金の月度掛け金における運用商品選択〉
  預金 39%  投資信託 48%  保険商品 13%
5割弱が投資信託を選択している。過去分の資産配分と比較して、さらに投
資信託の比率が高くなっている。
 ◇◆◇
(次回は退職金制度改定のステップとポイント)


■連載解説
1. 年金トピックス 「日本の確定拠出年金市場の実像」
  第3回:投信残高の3割強を株式投信が占める
     ――外貨建てと合わせると6割強に
(株)格付投資情報センター 投資評価本部 投信評価部チーフアナリスト
                             岡田 篤
 ◇◆◇
 日本の確定拠出年金の資産残高のうち約3割を占める投資信託。その投資
信託の中では国内株式で運用するものが34%ともっとも残高が膨らんでいる。
国内株投信に次ぐのが国内外の株や債券で運用するバランス型投信の25%、
国内債券で運用する投信の16%だ。外貨建て資産で運用するものも外国株投
信と外国債投信を合わせると24%に達する。確定拠出年金の資産全体で見る
と銀行預金など元本確保型商品の割合が7割を占めるなど安全志向がうかが
える。しかし、投信を掛け金の運用先に選択した加入者には大きなリターン
が期待できる国内株投信や外国の株や債券などで運用する投信が人気だ。正
確の統計がなく、実態をつかみにくい確定拠出年金の投信だが、国内株など
で積極的に年金資産を運用している加入者も少なくないようだ。

専用投信の残高、3200億円に――実態の把握は困難な面も
 確定拠出年金の年金資産で運用される投資信託の実態を把握するのは案外
難しい。例えば、投資信託協会がまとめた資料を基に格付投資情報センター
が確定拠出年金向けの専用投信の残高を集計したところ、2004年9月末の残
高は3247億円だった。同協会の6月末の資料では3126億円だったので、確定
拠出年金の専用投信は3カ月間で100億円強しか増えなかった計算だ。
 しかし、専用投信の残高には加入者の年金資産以外の資金も含まれている
ので、この計算が実態を表しているとは限らない。運用会社が確定拠出年金
のために専用投信を新規に立ち上げた場合、運用を開始して数年間は残高が
極めて少額なので安定した運用ができない。そこで運用会社は加入者の年金
資産が積みあがるまで、自社の資金を専用投信に投入し、安定した運用がで
きるよう対策を採っている。この運用会社が自ら投入した資金のことを「シー
ドマネー」という。
 確定拠出年金向けに新規に立ち上げられた投信は当初、シードマネーを柱
に運用を始め、加入者の掛け金が流入してくるとシードマネーを回収。最終
的には運用資産の大半を年金資金が占めるようにする。確定拠出年金の専用
投信の残高が3カ月間で100億円強しか増えなかった背景には、加入者の掛け
金の流入に合わせて運用会社がシードマネーを回収したという事情がある。
 確定拠出年金で運用される投信の実態把握が難しいもう1つの要因は証券
会社や銀行が一般の個人投資家に販売している投信の存在だ。例えば、フィ
デリティ投信の「日本成長株ファンド」は確定拠出年金向けにはもちろん、
証券会社など100社以上の窓口で個人に販売されている。こうした投信は一
般投資家の資金と確定拠出年金の加入者の年金資産を外部から見分けられず、
確定拠出年金の投信の実態をわかりにくくしている。

国内株投信の中ではアクティブ運用が主流
 このような制約を考慮したうえで、もう1度投信協会の資料に戻ると確定
拠出年金専用の国内株投信と外国株など外貨建て投信を合わせた残高が、投
信資産全体の6割弱に達する。投資対象に国内株や外貨建て資産が入るバラ
ンス型投信を含めると8割強にのぼり、リスク商品で積極的に運用している
姿勢がうかがえる。さらに、国内株投信の中でも日経平均株価や東証株価指
数(TOPIX)などの市場指標並みの運用成績でよしとするパッシブ運用の投
信よりも投資する銘柄を絞り込んで市場平均を上回る運用成績を目指すアク
ティブ運用の投信のほうが残高は多い。
 実態のわかりにくい日本の確定拠出年金の投信だが、それでも一部の加入
者がリスク商品を年金資産の運用の柱とし、年金額を増やそうとしているこ
とがわかる。こうした加入者と銀行預金など金利が0.1%程度の元本確保型
だけで運用している加入者の間で、将来の年金額に大きな格差が生まれる可
能性もある。
 ◇◆◇

2. マーケットトピックス
「新年酉年は…、悪い話先行後、良い話に期待」
 NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 新年を迎え、日本の金融関係者は「酉年を占う」と言ったタイトルでの予
測が散見されます。一方で、外国人たちはどのように見ているのでしょうか。
まず、彼らは「世界経済が興味深い転換点に差し掛かっている」と言う表現
をし、世界経済の再構築(リバランス)が必要であると指摘しています。消
費と貯蓄のバランス、柔軟な金融市場(特に為替)、政策協調、などが重要
な課題と位置づけています。
 その中で、アジア諸国は投資・輸出拡大から消費(内需)促進へ、軸足を
移すべきである。また、世界経済が下方に傾いていることから、金融・財政
政策が後手に回れば、通貨面ではドル安、外交面では貿易摩擦と保護主義の
可能性も考えられる、と指摘しています。
 それでは新年酉年の日本の金融市場はどうなるのでしょうか。過去の実績
からは経済成長率は平均並み、株価は平均を大きく上回る動きをしていたよ
うです。
 2005年は悪い話題としては日本経済の減速感が04年7〜9月期の経済成長率
統計や鉱工業生産の同10〜12月期予測に表れるなど、経済指標全般の弱い動
きが継続する可能性があります。他に、円高(と言うよりはドル安)、エレ
クトロニクス関連材の在庫調整、税金や社会保険料等の負担増加、なども懸
念されています。12月20日に発表された2005年度の実質経済成長率の政府見
通し1.6%程度は、市場の見方のレンジではやや高い数値設定のようです。
 一方で、良い話題としては、企業の資金余剰から民間設備投資余力がまだ
見込まれ、失業率の低下、所得環境のさらなる改善、なども期待されていま
す。所得環境の改善については賛否両論分れています。このためデフレ脱却
の方向は大方の意見ですが、時期は05年なのか06年へずれ込むのかは分かれ
ています。
 ここから先の話題は、2005年以降の中期的かつ重要なテーマとなると考え
られるものです。1つは中国元の切り上げ、もう1つは早ければ06年4月施行
の日本の会社法(仮称)です。中国元切り上げが盛んに言われるのは、ほぼ
連動している米ドルからの解除にあります。それは米国の対中貿易収支赤字
が拡大しているためです。中国側にとってはインフレ抑制の観点から賛成の
向きもあるようですが、中国国内産業にはマイナス影響を与えるものとして、
依然慎重な姿勢のようです。会社法での大きなテーマは、組織再編関係の規
定にあります。企業が生き残りをかけての再編実行の際に、柔軟に対応でき
ることを規定したものです。ただ、これは裏返せば企業買収される側に立つ
こともあって、各企業は高株価維持対策を迫られると言う事にもなりそうで
す。2005年は為替はドル安、債券はやや金利上昇の方向、株式は上昇、と言
うのは安易でしょうか。
〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基づき
記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等ありましたら
後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づき、証券等の投資
で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◇◆◇


■NPOアクティビティー
出版のお知らせ 「ハンドブック」好評増刷中!!(1月15日増刷出来)
 ◇◆◇
 「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック 2005年
 版」(2004年年金改革対応)
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
  共編
 平成16年10月31日発行
 A4判・88頁・2色刷り 頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 内容詳細は以下のURLをご覧下さい。
 → http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm

 昨年10月31日に発刊した、連合と当NPO共編「労働組合のための退職金・
企業年金制度移行対応ハンドブック2005年版」は、産別や単組の皆様の反響
を呼んで、ご注文が相次ぎ、増刷することになりました。1月15日に増刷が
出来ますので、本書のご活用を引き続きご検討くださいますようお願い申し
上げます。
 この4月から確定拠出年金や中退共への資産移換限度額の撤廃等の規制緩
和が実施されることから、中堅・中小企業の年金制度移行が加速すると予想
されます。会社から制度移行の提案がなされた時点で、労組役員の皆様が、
公的年金から会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントで
す。そのためには、企業年金制度の基本知識と制度移行に際して従業員サイ
ドからの留意点を労組役員の方々が共通に認識することが第一歩です。そこ
で、本書をテキストや副読本として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めし
ます。
 本書のお申し込み、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご要望等ございま
したら下記までご連絡をお願い申し上げます。
 NPO金融年金ネットワーク事務局
 メールアドレス:   電話:03-5444-0539
 ◇◆◇


■NPOデータ
確定拠出年金ファンドデータ  提供:(株)格付投資情報センター
 → http://kinyunenkin.jp/data/dc_data_200411.pdf
(PDFファイル 30キロバイト)
確定拠出年金向け投資信託の運用実績(2004年11月末基準)のデータを上記
のURLでご紹介しています。
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●次号(10号)は2005年2月1日に送信予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
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