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■■■■■■■ 金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ■■■■■■■

第11号 2005年3月1日
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
ホームページ http://kinyunenkin.jp/
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このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場から
退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している「NPO法
人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金ネットワー
ク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関する情報や意見交
換のスペースをご提供することを目的にしています。企画・編集には(株)格
付投資情報センターのご協力を頂いています。
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《目次》
●特集レポート
NPO金融年金ネットワーク主催「第6回テーマ別企業年金研究会」報告
「セイコーエプソン労働組合の投資教育を軸にした年金運営事例」最終回
●連載解説
1. 年金トピックス 「日本の確定拠出年金市場の実像」
  最終回:REITファンド、SRIファンドも登場
2. マーケットトピックス 「依然狭いレンジの動きとM&A」
●NPOアクティビティー
 出版のお知らせ
 増刷出来!「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブッ
 ク 2005年版」
●NPOデータ
(株)格付投資情報センター提供 確定拠出年金ファンドデータ
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■特集レポート
NPO金融年金ネットワーク主催「第6回テーマ別企業年金研究会」報告
「セイコーエプソン労働組合の投資教育を軸にした年金運営事例」最終回
(講師)セイコーエプソン労働組合書記長 清水 学氏
(レポート)NPO金融年金ネットワーク 植村昌機
 ◇◆◇
1. セイコーエプソンの退職金・年金制度改定の全体像
2. セイコーエプソンの退職金・年金制度改定のステップとポイント〈ステッ
  プ1、2〉
(以上は次のURLでご覧になれます)
 → http://kinyunenkin.jp/mailmaga/maga200501.htm
〈ステップ3〉運営管理機関、運用商品選択
(1)運営管理機関の選定プロセス(経営管理室、人事部、財務部、厚生年金
  基金、労組で検討)
○候補金融機関の選定(主に以下の観点から8社選定)
 ・1万人以上の大企業の受託実績があること ・現行企業年金制度(適格年
 金)の受託実績があること ・継続的かつ熱心に情報提供がある
○質問状を送付(8社に質問状を送付、6社に絞込み)
 ・サービス提供体制(業務遂行能力) ・サービス内容(特長、コスト)
 について質問
○プレゼンテーション(候補先6社による)
 ・プレゼン内容は投資教育、コールセンターなど従業員へのサービス、事
 務サポート等
 ・候補先にすでに委託している他企業へのヒアリングを実施
○最終選定(質問状、プレゼン内容を評価して、最上位の金融機関を選定)
 (評価ウエイト)従業員サービス75%、コスト10%、受託実績、取引状況
 等15%
(2)運用商品の選定プロセス(運営管理機関、人事部、厚生年金基金、労組
  で検討)
○「基本方針」を労組が策定
 ・できるだけリスク・リターン特性が異なる幅広い運用商品の選択肢の提供
 ・商品の説明責任を投資教育、コールセンターなどを通じて運営管理機関
 が遂行可能なラインアップ範囲であること
 ・加入者の投資知識の浸透度が制度導入当初は必ずしも高くないことを考
 慮して選定
 ・提示商品数は制度開始当初、分散投資の観点から必要と考えられる程度
 とし、投資教育の浸透度・ニーズを踏まえて、労使協議の上、段階的拡大
 を検討する
 ・個別商品は、信頼性、信託報酬等加入者メリットが中長期的に高いもの
 を選定
○最終選定 コストを重視、労組の有資格者(FP、DCプランナー)の意見を
 取り入れながら商品を選定
〈ステップ4〉労使協議会で妥結
○導入前、導入後とも、投資教育を確実に継続実施していくことを確認
 ・労組機関確認結果 賛成93.7%、反対0.5%、保留5.8%
〈ステップ5〉導入教育内容検討、実施
(1)教育メニューを複数用意
○イーラーニング(会社が実施) ○全体セミナー(会社が実施、国内外で
 230回実施) ○オプションセミナー(会社が実施、理解不足の加入者対象)
 ○個別相談会(会社) ○ライフプランセミナー(労組) ○UNISTASION
 (労組) ○個別相談(労組)……等
(2)全体セミナーはステップを踏んで実施
○最初は会社関係者、労組役員、資産運用を全く知らない加入者対象にプレ
 セミナー
○プレセミナーでのアンケート結果や要望・意見・質問をベースに全体セミ
ナー実施
(3)労組は会社提供の教育(確定拠出中心の教育になりがち)で不足している
  点をカバー
○ライフプラン全体、老後資金づくり全体についてフォロー
○「前払い又は確定拠出年金制度加入の選択のポイント」セミナーの開催
3. 現在および今後の取り組み
(1)人事部、企業年金基金、労組で継続教育内容を検討
○継続教育は2005年1月頃スタート
(2)労組では従来通りセミナーを定期的に開催、個別相談も随時受付
○労組のセミナーは1週間で定員オーバーとなるほど活況を呈している
(3)運用状況を観察しながら運用商品追加も労使で検討
○労組としては確定拠出年金が老後資金づくりの全てではないと考えている
 ため、むやみと商品を増やすつもりはない
 ◇◆◇


■連載解説
1. 年金トピックス 「日本の確定拠出年金市場の実像」
  最終回:REITファンド、SRIファンドも登場
     ――広がる投資対象の選択肢
(株)格付投資情報センター 投資評価本部 投信評価部チーフアナリスト
                             岡田 篤
 ◇◆◇
 確定拠出年金市場で運用商品の品揃えが広がっている。日本の確定拠出年
金の資産残高のうち約3割を占める投資信託で様々なタイプのものが追加さ
れているからだ。例えば、少額の資金で複数の不動産に投資できる不動産投
資信託(J―REIT)、社会的な問題に積極的に取り組む企業に投資する社会
的責任(SRI)ファンドなどがそうだ。確定拠出年金は株式投資など資産運
用に関心を持っていないサラリーマンやOLが、自分の判断で年金資産を運用
する必要がある。環境や雇用の問題を投資の切り口にするSRIファンドや、
マンションやショッピングセンターなど生活に身近なものを投資対象とする
J−REITファンドなどの登場で投資対象の選択肢が広がり、資産運用のイメー
ジが変われば運用経験がないひとたちも投資信託に興味を持つ可能性がある。

★資産残高、12月末で1兆円を突破
 確定拠出年金の資産残高が順調に拡大している。企業型の同制度の資産残
高は2004年12月末時点で1兆円を突破、1年前に比べて5700億円以上増えてい
る。2004年に入り確定拠出年金を導入する企業が急ピッチで増えているうえ、
厚生年金基金など他の企業年金制度から移換される資産が増加していること
が背景だ。このうち投資信託の残高は3000億円程度と従来と同じく約3割を
占めている。
 確定拠出年金の加入者の間で人気がある投資信託はニッセイアセットマネ
ジメントの「ニッセイ日本株ファンド」(前年12月末時点の資産残高が83億
円)や、フィデリティ投信の「日本成長株ファンド」などだ。「日本成長株
ファンド」は銀行や証券会社の窓口で一般の個人投資家にも販売されている
ので確定拠出年金の資産残高は不明だが、同ファンドは年金規約ベースで300
以上の確定拠出年金制度で採用されており、同制度の運用商品の中でもトッ
プクラスの実績を持つ投資信託だ。

★日興のエコファンドがSRI第1号、J−REITはDKAが先行
 確定拠出年金では「日本成長株ファンド」のような定番商品以外でも様々
なものが採用されている。社会的な問題の解決と投資による収益を結び付け
ようとするSRIファンドなどがそうだ。日興アセットマネジメントの「年金
積立エコファンド」は1999年8月に設定された「日興エコファンド」を確定
拠出年金向けにしたものだ。「日興エコファンド」は環境保護に熱心な企業
に投資するというもので、国内のSRIファンドの先駆けとして話題になった。
確定拠出年金でもこのファンドをマザーファンドとする「年金積立エコファ
ンド」が第1号だ。同ファンドの運用成績は前年12月末時点で見た3年間の累
積騰落率が7.33%と国内株式を投資対象とした投資信託の中では平均的な水
準だったが、話題性に運用成績が伴ってくれば人気ファンドになる可能性が
ある。日興アセットに続き、住信アセットマネジメント、野村アセットマネ
ジメントなども確定拠出年金市場にSRIファンドを投入している。
 J−REITファンドも提供されている。第一勧業アセットマネジメントの
「DKA J−REITインデックスファンド」が確定拠出年金向けでは最初のファ
ンドだ。このファンドは東京証券取引所に上場しているJ−REITの指標であ
る「東証REIT(配当込み)」に連動するように運用する。前年の8月に設定
されたばかりで運用期間は短いが、都心の不動産価格の上昇が伝えられるな
か、加入者の関心を集めつつある。
 ◇◆◇

2. マーケットトピックス
「依然狭いレンジの動きとM&A」
 NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 2月の金融市場は大きな波乱はなく、狭いレンジの動きに終始しました。
日本株式はこの1ヵ月で2.4%程度、米国株式は0〜3.5%程度の上昇にとどま
り、為替は1ドル103円から105円への円安、長期国債利回りはほぼ横ばい推
移、と言った動きでした。
 日本の経済指標は明暗あって、特に2月中旬に発表された10〜12月期のGDP
は個人消費と外需がマイナス寄与したことから前期比0.1%減(年率0.5%減)
となり、大方の予想を下回りました。3四半期連続でのマイナス成長です。
一方で、米国は前期比年率3.8%へと3.1%から上方に改定されました。短期
的には株価や為替は米国の良い経済情勢と金利引き上げが影響したのでしょ
う。05年1〜3月期には日本は民間設備投資の引き続き堅調、個人消費の回復、
輸出増、などでプラス成長が期待されています。
 ところで、まさに市場外ではいろいろな話題を提供してくれました。いず
れも国内の話ですが、大手製薬会社の統合発表、かねてから話題にのぼって
いた大手都銀の統合比率決定(このことにより第3の都銀は統合提案撤回)、
メディア関連企業の買収攻防、などM&A(合併・買収)の話題が頻繁にマス
コミを賑わせました。
 特にメディア業界の3社の動向については、過去においてもなかった事例
となりそうです。司法の場に議論が移ったとは言われますが、金融業界でも
大変関心を持っています。今回はいろいろな問題を提起してくれることにな
るでしょう。たとえば、(1)証券取引所における時間外取引での大量株取得の
経緯(時間外取引での大量株式売買自体は違法ではない)、(2)買収対象とさ
れた企業の買い手以外への株式(新株予約権)の大量発行の妥当性、(3)大き
な問題ではないかもしれませんが、周辺含む関係者のマスコミ発言、等々で
す。
 共通の本質は既存株主に不利益をもたらす行為ではないかと言うことです。
動向次第では、将来株主訴訟に発展する可能性がゼロとも言えません。今後
の注目点の一つはどちらが過半数50%超の株式を取得できるか、新株予約権
の発行差し止めの仮処分に対する東京地方裁判所の結論がどうでるかと言う
事でしょう。
 M&Aは2003〜04年にも話題になりました。こうした敵対的な買収が起こる
背景には、株式時価総額が企業の資産価値等と比較して割安と判断される場
合です。具体的には、過剰とも見られる余剰キャッシュの使途が不明瞭だっ
たり、株式時価総額を高めるための株式市場との対話努力を怠っているよう
な企業が考えられます。
 こうした敵対的買収に備える防衛策はいくつか考えられています。前出し
た新株予約権等のように買収コストを増大させることによるM&A防衛策全
般をポイズン・ピル(次第に毒が回ることから毒薬条項)と言うそうです。
また、過去米国では被買収企業が逆買収をしたと言う事実もあったようです。
いずれにしても今後の動向次第で、投資家が株式市場を敬遠したくなるよう
な結末にだけはなって欲しくないものです。
〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基づき
記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等ありましたら
後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づき、証券等の投資
で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◇◆◇


■NPOアクティビティー
 出版のお知らせ 「ハンドブック」好評・増刷出来!!
 ◇◆◇
 「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
  共編
 2005年版(2004年年金改革対応) 平成16年10月31日発行
 A4判・88頁・2色刷り 頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 内容詳細は以下のURLをご覧下さい。
 → http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm

 昨年10月31日に発刊した、連合と当NPO共編「労働組合のための退職金・
企業年金制度移行対応ハンドブック2005年版」は、産別や単組の皆様の反響
を呼んで、ご注文が相次ぎましたが、1月15日に増刷が出来ました。引き続
き、本書のご活用をご検討くださいますようお願い申し上げます。
 この4月から確定拠出年金や中退共への資産移換限度額の撤廃等規制緩和
が実施されることから、中堅・中小企業の年金制度移行が加速すると予想さ
れます。会社から制度移行提案がなされた時点で、労組役員の皆様が、公的
年金から会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。
そのためには、年金制度の基本知識と制度移行に際して従業員サイドからの
留意点を労組役員の方々が共通に認識することが第一歩です。そこで、本書
をテキストや副読本として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。ま
た、加盟単組からのご相談があった際に、本書を参考にして対応されている
産別も見受けられるようになりました。
 本書のお申し込み、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご要望等ございま
したら下記までご連絡をお願い申し上げます。
 NPO金融年金ネットワーク事務局
 メールアドレス:   電話:03-5444-0539
 ◇◆◇


■NPOデータ
確定拠出年金ファンドデータ  提供:(株)格付投資情報センター
 → http://kinyunenkin.jp/data/dc_data_200501.pdf
(PDFファイル 3キロバイト)
確定拠出年金向け投資信託の運用成績上位10位(2005年1月末基準)のデー
タを上記のURLでご紹介しています。
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●次号(12号)は4月1日に送信予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。 ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
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