ホームへ メールマガジン登録


■■■■■■■ 金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ■■■■■■■

第13号 2005年5月2日
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
ホームページ http://kinyunenkin.jp/
――――――――――――――――――――――――――――――――――
このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場から
退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している「NPO法
人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金ネットワー
ク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関する情報や意見交
換のスペースをご提供することを目的にしています。企画・編集には(株)格
付投資情報センターのご協力を頂いています。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
《目次》
●特集レポート
「確定拠出年金制度における投資教育の考え方について」
(厚生労働省第13回確定拠出年金連絡会議・報告)
●NPOトピックス
1. マーケットトピックス 「金融市場は景気に悲観的」
2. 年金トピックス 「中小企業退職金共済の財政再建計画が起こす波紋」
  ―経済環境が好転したら、魅力ある選択肢といえるか―
●NPOアクティビティー
1. NPO金融年金ネットワークのイベント情報
 第8回テーマ別企業年金研究会のお知らせ
 「退職金・企業年金改革における法的問題」
2. 出版のお知らせ
 残部僅少!「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブッ
 ク 2005年版」
●NPOデータ
(株)格付投資情報センター提供 確定拠出年金ファンドデータ
――――――――――――――――――――――――――――――――――

■特集レポート
「確定拠出年金制度における投資教育の考え方について」
(厚生労働省第13回確定拠出年金連絡会議より)
(レポート)NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士・DCアドバイザー・AFP
                              植村昌機
 ◇◆◇
1. 加入時及び加入後の投資教育の計画的な実施について
(1)加入時には、運用の指図の意味を理解すること、資産の配分が自らでき
ること及び運用による収益状況を把握できることを主たる目的として、その
ために必要な基礎的な事項を中心に教育を行うことが効果的である。
(2)加入後においては、運用の実績データ等を活用して、より実践的な知識
の習得が期待できる。特に金融商品の特徴や運用については、実際に運用の
経験をしていることから、加入前では難しい知識の習得が期待できるので、
極めて重要である。
(3)事業主等は加入時及び加入後の投資教育の目的、性格等に応じて、加入
時、加入後を通じた全般の計画の中で、加入者等が的確かつ効果的に習得で
きるよう、その内容、時間、提供方法に配慮して実施する必要がある。また、
事後に、アンケート調査等、目的に応じた効果の達成状況を把握することが
望ましい。

2.加入後の投資教育に当たっての留意事項
(1)対象となる加入者等のニーズを十分把握し、対象者のニーズに応じた内
容となるよう配慮する必要がある。なお、運営管理機関は制度の運用の実態
等を定期的に把握・分析し、事業主に情報提供するとともに、必要な場合に
は投資教育に関する助言をするよう努める必要がある。
(2)加入者等の知識および経験等の差が拡大していることが考えられること
から、知識や経験の水準に応じた教育内容となるよう配慮する必要がある。
(3)具体的な資産配分の事例、金融商品ごとの運用実績等の具体的なデータ
を活用すること等により、運用の実績が実践的に習得できるよう配慮するこ
とが効果的である。

3.加入者等への投資教育に当たっての提供方法等
(1)加入後の情報提供においては、コールセンター、メール等による個別の
対応に配慮する必要がある。また、テーマ等を決めて、社内報、インターネッ
ト等による継続的な情報提供を行うことや、既存の社員研修の中に位置づけ
て継続的に実施することも効果的である。
(2)事業主が運営管理機関に投資教育を委託する場合においては、当該事業
主は、投資教育の内容・方法、実施後の運用の実態、問題点等、投資教育の
実施状況を把握するとともに、加入者等への資料の配布、就業時間中の説明
会の実施、会場の用意等、できる限り協力するよう努める必要がある。
(3)加入者等には、確定拠出年金制度に対する関心を喚起するため、公的年
金制度の改革の動向やライフプラン等の情報提供を併せて行うことが効果的
である。
 ◇◆◇


■NPOトピックス
1. マーケットトピックス
「金融市場は景気に悲観的」
 NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 4月の株式市場は3月に続き弱い動きでした。その主因は、米国景気の減速
観測の強まり、日中関係の悪化、等です。日本株式はこの1ヵ月で4〜5%、
米国株式は3%程度共に下落しました。
 為替は1ドル107円から106円へやや円高、長期国債利回りは日米共に低下
となり(4/22現在)、株式以外は前月と逆の方向に向かいました。4月は米
国のインフレ懸念払拭のための継続的な利上げを見込んだドル資産と安全資
産を志向したようです。年初には為替円高に株高金利高を予想しましたが、
今後数ヵ月は不安定な状況が続く事になりそうです。
 これまでの話題の一つであったライブドア社とフジテレビ社のニッポン放
送株をめぐる経営支配権の攻防に終止符が打たれました。フジテレビ社への
ニッポン放送株の実質譲渡、資本提携、等の一連の結末には賛否両論ありま
すが、今後はライブドア社が受け取る約1,400億円の資金使途に注目が集ま
ることになるでしょう。両社共に株価は軟調、ライブドア社においては発行
済み株式数が大幅に増えています。従来株主への配慮が必要かもしれません。
 ここで改めて『M&A』が注目される背景を整理しておきますと、商法改正
による合併が容易、企業の資金余剰、株式持ち合い比率の低下、企業の資産
からみた株式時価総額で割安な企業がある、等です。最近、小売業界大手の
イトーヨーカ堂グループが持ち株会社構想を発表しましたが、これも敵対的
買収への対抗策と考えられています。
 金融市場を見ていくうえで今後の注目点は、『M&A』のテーマ以外に以下
のような点があると考えています。
 (1)石油等資源価格高騰長期化に起因するインフレと為替の変動
 (2)同様に経済成長見通しの下方修正の可能性
 (3)一方で、BRICs経済の成長持続性
 (4)自動車産業の日本経済牽引の強さ
等です。
 しばらくは日本経済だけでは自立できない外部要因に影響を受ける事にな
りそうです。一方で、5月は3月決算会社の2005年度の決算と2006年度の見通
しが発表され、金融市場の先行きを示唆する話題を提供してくれる事がある
かも知れません。ただ、製造業・非製造業共に現時点では慎重な見方をとる
可能性が高く、経済や企業の実態の方向性が見えてくるのは2006年度上期も
後半かも知れません。
〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基づき
記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等ありましたら
後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づき、証券等の投資
で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◇◆◇

2. 年金トピックス 「中小企業退職金共済の財政再建計画が起こす波紋」
 ―経済環境が好転したら、魅力ある選択肢といえるか―
    NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士・DCアドバイザー・AFP
                              植村昌機
 ◇◆◇
 適格年金制度廃止による年金再編が活発化する中で、中退共は中小企業の
退職給付制度の一翼を担い始めた。しかし、中退共は積立金3兆円に対して、
その1割程度にあたる約2.700億円の積立不足を抱えている。運用難を背景に
利差損がこの10年間に発生したためで、積立不足は1994年以降から膨らんで
きている。
 厚生労働省はこの中退共の財政を早期に正常化させる案を公表した。中退
共制度を運営している勤労者退職金共済機構が、加入者270万人分の給付を
賄うために運用している掛け金の運用収益配分方法を変更する案が浮上して
いる。現在、1.0%の保証利率を上回る利差益が発生したら、その半分を
「付加退職金」として加入者に還元し、残り半分を積立不足の解消に充当し
ている。これを2005年度分から、年度ごとに積立不足の穴埋めに使う利益の
目標額を設定する。毎年度の利益が目標額に達しない場合は、加入者への上
乗せ給付は凍結し、全額積立不足の解消に充てる方針。もし利益が目標額を
超えれば、上乗せ給付に充てる。上乗せ給付の配分については、以下の2案
が提示されている。
 (1)上乗せ給付の額に上限を設け、上限を超えた部分も積立不足の解消に
  充てる。
 (2)利益が目標額の倍以上となれば、倍以上の部分を上乗せ給付と積立不
  足解消に折半して充当する。
これにより、(1)案によれば解消までの年数最短で9年間、年度ごとに解消す
べき金額は298億円、最長で14年間、192億円 (2)案ではそれぞれ最短14年
間、192億円、最長19年間、141億円で正常化を見込んでいる。
 このような制度変更に対して、過去に中退共に加入して高金利を享受して
きた企業は引き続き加入していくだろう。しかし、新たに、中退共へ移行し
た場合に、経済環境が好転し、1%を超える運用が可能になった時に、剰余
金が結果として過去の中退共に加入していた企業、加入者の積立不足の解消
に使われてしまうことになる。また、現在の運用環境ならば、中退共は有力
な選択肢といえるが、高金利になった場合に、ニューマネーを持って移行し
た企業、加入者は今後、剰余金の2分の1以上は収入減になっていくことにな
る。保証利率を引き上げることも考えられるが、積立不足の補填が優先され、
経済状況に連動していく利回り上昇に遅れをとることになる。
 現在の低金利時代では、1%の運用利率が保証され、事務コストもかから
ず、掛け金助成もあり、中小企業にとって、魅力ある制度であることには間
違いはない。しかし、今回の財政再建策と今後の経済環境の変化を想定に入
れながら、確定拠出年金等の他制度と慎重な比較検討のうえ、制度再編を行
なうべきではないだろうか。
 ◇◆◇


■NPOアクティビティー
1. NPO金融年金ネットワークのイベント情報
第8回テーマ別企業年金研究会のお知らせ
「退職金・企業年金改革における法的問題―不利益変更と「受給者減額」に
 関する裁判例を中心に―」
 成蹊大学法科大学院・森戸英幸教授のお話と意見交換の会を行います。
 ◇◆◇
 最近、企業年金の受給権をめぐって、NTT、TBS、りそな銀行等、訴訟が頻
発しています。退職金・企業年金制度改革に際して、労働条件の不利益変更
や受給者減額に関する判例法理を充分に理解した上で対応することが、労使
ともに求められるところです。
 そこで、今回の研究会は昨年、第3回研究会で行った「企業年金の受給権
保護法制と労働組合の役割」に引き続き、さらに実践的な内容で受給権をめ
ぐる判例を中心に、「退職金・企業年金改革における法的問題」をテーマに、
森戸教授にお話をうかがいます。
 制度改革にあたって、不利益変更とは何か、不利益変更と給付減額に関す
る判例法理、判例解説、最近の裁判事例等を中心にお話と意見交換を行いま
す。
 産別・単組の政策ご担当者のご参加をお待ちしています。
                 記
1. テーマ:退職金・企業年金改革における法的問題
2. 日時:平成17年5月23日(月)午後3時〜5時
3. 会場:日本労働組合総連合会 3階A会議室(千代田区神田駿河台3-2-11
  総評会館)
4. 参加人数:30名様程度。産別・単組の政策ご担当者
5. 参加費:資料代1名様2,000円
6. 内容:(1)講演「退職金・企業年金改革における法的問題」約1時間30分
     講師:成蹊大学法科大学院・森戸英幸教授
    (2)質疑応答・意見交換
     司会:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
     代表 宮本一弘
7. 主催:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
  後援:日本労働組合総連合会
8. お申込み先: NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
  電話03-5444-0539  FAX:03-5444-0303
  E-mail:   URL:http://kinyunenkin.jp/
  担当:植村昌機
(森戸英幸教授・略歴)
1965年生まれ。東京大学法学部卒業。コロンビア大学ロー・スクール客員研
究員。ハーバード大学ロー・スクール客員研究員。成蹊大学法学部教授を歴
任。現在、成蹊大学法科大学院教授。弁護士。労働法・社会保障法専攻。
「企業年金の法と政策」(有斐閣)他著作・論文多数。
 ◇◆◇

2. 出版のお知らせ 「ハンドブック」残部僅少!!
 ◇◆◇
 「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
  共編
 2005年版(2004年年金改革対応) 平成16年10月31日発行
 A4判・88頁・2色刷り 頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 内容詳細は以下のURLをご覧下さい。
 → http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm

 昨年10月31日に発刊した、連合と当NPO共編「労働組合のための退職金・
企業年金制度移行対応ハンドブック2005年版」は、産別や単組の皆様の反響
を呼んで、ご注文が相次ぎましたが、1月15日に増刷が出来ました。引き続
き、本書のご活用をご検討くださいますようお願い申し上げます。
 この4月から確定拠出年金や中退共への資産移換限度額の撤廃等規制緩和
が実施されたことから、中堅・中小企業の年金制度移行が加速すると予想さ
れます。会社から制度移行提案がなされた時点で、労組役員の皆様が、公的
年金から会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。
そのためには、年金制度の基本知識と制度移行に際して従業員サイドからの
留意点を労組役員の方々が共通に認識することが第一歩です。そこで、本書
をテキストや副読本として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。ま
た、加盟単組からのご相談があった際に、本書を参考にして対応されている
産別も見受けられるようになりました。
 本書のお申し込み、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご要望等ございま
したら下記までご連絡をお願い申し上げます。
 NPO金融年金ネットワーク事務局
 メールアドレス:   電話:03-5444-0539
 ◇◆◇


■NPOデータ
確定拠出年金ファンドデータ  提供:(株)格付投資情報センター
 → http://kinyunenkin.jp/data/dc_data_200503.pdf
(PDFファイル 3キロバイト)
確定拠出年金向け投資信託の運用成績上位10位(2005年3月末基準)のデー
タを上記のURLでご紹介しています。
――――――――――――――――――――――――――――――――――

●次号(14号)は6月1日に送信予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。 ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
 → 
※禁・無断転載 このメールマガジンの著作権は上記発行者に帰属します。


ホームへ メールマガジン登録