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■■■■■■■ 金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ■■■■■■■

第18号 2005年10月1日
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
ホームページ http://kinyunenkin.jp/
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このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場から
退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している「NPO法
人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金ネットワー
ク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関する情報や意見交
換のスペースをご提供することを目的にしています。企画・編集には(株)格
付投資情報センターのご協力を頂いています。
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《目次》
●特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(1)
●NPOトピックス
1. マーケットトピックス「日本株優位な展開続く」
2. 年金トピックス「投資教育についての確定拠出年金法第22条に基づくガ
  イドライン(法令解釈)を改正」
●NPOアクティビティー
1. 「確定拠出年金制度の導入と運用実績への対応」セミナーのご提案
2. 出版のお知らせ
  「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック 2005
   年版」
●NPOデータ
(株)格付投資情報センター提供 確定拠出年金ファンドデータ
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■特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(1)
(株)格付投資情報センター投資評価本部
  年金事業部副部長 チーフアナリスト 坂井信夫
 ◇◆◇
 私は、格付投資情報センター(R&I)において、これまで15年近く、企業
年金の運用コンサルティングに携わってきた。この間経験し、感じたことで
皆さんにお伝えしたいと思うことを徒然にご紹介することを目的に、このコ
ラムを担当させていただく。
 今回は、当社が企業年金の運用コンサルティングに係わることになった経
緯をネタにしよう。
 きっかけは約15年前の法律改正。この時、厚生年金基金の資産運用業務が
信託生保の独占から投資顧問会社に解放されるなど、年金資産の運用管理に
対する基金側の積極的な対応が求められるようになった。当時は自主運用時
代の始まりと言われた。
 しかし、当時の基金は、今や常識である時価評価に基づく収益率計算、他
の基金や現委託先以外の運用機関の運用成績など、運用の巧拙を判断する材
料を持っていなかった。その種の情報は、全て運用機関が握っており、その
情報保有の非対称性ゆえに、とても自主的判断どころではなかったのである。
 そこで、個々の基金から運用状況データを集めて分析・加工し、各基金が
運用状況を評価する材料を情報提供する「運用評価会社」の誕生が待望され
た。しかもその目的ゆえ運用機関に対して中立的な立場が要件とされた。結
果として、新聞社系列という当社が、日本で初の評価会社として運用内容の
分析情報を提供するべく名乗りをあげたというのが現在のコンサルティング
事業の第一歩である。
 中立的立場の情報を利用することは業務上の公正という点で重要だが、同
時に基金にとってはコスト負担要因である。パトロンのいない当社の事業は
情報提供者からいただく「対価」が唯一の事業収入であり、事業会社である
以上赤字の垂れ流しは許されない。が、客観的・中立的な情報に付加価値を
見出し、わざわざお金を払ってくれるだろうか、正直こんな不安はあった。
巷にはタダの金融情報、投資情報があふれている状況なのだから。
 しかしなんとか15年存続して現在に至っている。ユーザー基金と運用機関
は緊張感のあるいい付き合いをされているし、DB(確定給付型企業年金)界
の情報落差の是正に多少は貢献できたようだ。
 そして時代はDC(確定拠出型企業年金)制度の誕生となるのだが、DCも当
時のDBと構造はよく似ていると思う。私が当NPOを応援する理由は、「中立
的立場でDC加入者の情報落差是正の一助となれれば」という、共有しうる問
題意識をこの組織に感じているからである。
 ◇◆◇


■NPOトピックス
1. マーケットトピックス
「日本株優位な展開続く」
NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 9月の金融市場は米国市場が異なる動きとなりました。9月23日現在、株式
は8月に続き日本が6%程度の前月末比上昇し、欧州株も全般に値上がりしま
した。一方で、米国は1%程度の同下落となり、原油高や米利上げ長期化が
頭を抑えたと見られています。日本株式については引き続き外国人の買い意
欲が旺盛だった模様です。長期金利は日本がほぼ横這いに対し、米国は前月
とは逆の0.2%程度の金利上昇となりました。為替は112円台/ドルと前月末
比円安、7月水準に戻りました。
 先月は実体経済について『踊り場脱却』論議があると言いましたが、9月
中旬に大手証券系の調査機関がまとめた企業収益動向の先行きについても2005
年度の収益は上方修正されました。牽引した業種は商品市況高騰による資源
・エネルギー関連や需給逼迫感の強い素材、旺盛な設備投資を映した機械、
需要好調な自動車。一方で、電気・精密、食品、紙パ、などの業界は依然停
滞感が強いものとなりました。電機・精密では価格下落の影響にデジタルカ
メラなど一部の製品の需要不振が重なっています。食品では原材料高に一部
に需要掘り起しを狙った広告費増、紙パでは原燃料高が響いているようです。
ちなみに2006年度の経常利益も10%前後の伸びが期待されています。
 ところで、「日本買い」の一因となった9月11日に実施された衆院選は、
自民党の圧勝で幕を閉じました。この結果を国内外の金融関係者は引き続き
前向きに捉えているようです。特別国会での郵政民営化法案の成立、11月の
内閣改造、などが今後の焦点となり、平行して小さな政府を目指した財政再
建、規制改革なども次のテーマとなることでしょう。もちろん、政府系金融
機関や特殊法人の改革、医療制度改革を中心とした社会保障制度見直しへと
もつながっていく見通しです。
 7月には「依然不透明な経済情勢」と題して投稿しましたが、その後も経
済の基礎的条件(ファンダメンタルズ)に大きな変化が見られているとは思
いません。ただ、日本では4〜6月期のGDPが企業の更新や増産への投資意
欲から上方修正された一方で、7月には雇用・個人消費関連指標には一服感
も見られています。今後期待されるシナリオは、(1)内需主導型経済への移
行、すなわち輸出依存度低下、(2)「3つの過剰」と言われた設備・雇用・債
務の解消が企業の構造調整終了をもたらす設備投資の長期化、(3)百貨店や
スーパー販売では見誤る若年層(?)に牽引された個人消費の強さ、が実感
されれば、日本優位な金融市場の動きへとさらに変化していくことになりそ
うです。
〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基づき
記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等ありましたら
後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づき、証券等の投資
で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◇◆◇

2. 年金トピックス
「投資教育についての確定拠出年金法第22条に基づくガイドライン(法令解
 釈)を改正」
  ―厚生労働省年金局長通知(平成13年8月21日付)の改正、平成17年10
  月1日実施―
    NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士・DCアドバイザー・AFP
                              植村昌機
 ◇◆◇
 この新投資教育ガイドラインは、制度開始から4年を経過して、新たな課
題となっている、「投資教育」、特に「継続教育」のあり方についての指針
を付加したもの。投資教育を行う事業主等の責任をより具体的かつ明確にし
ている。
 主に新設された点、具体化し詳述された点を下記にまとめた。

《資産の運用に関する情報提供(いわゆる投資教育)に関する事項(法22条
関連)》
●加入時及び加入後の投資教育の計画的な実施について
1. 加入時には、実際に運用の指図を経験していないことから、確定拠出年
  金制度における運用の指図の意味を理解すること、具体的な資産の配分
  が自らできること及び運用による収益状況の把握ができることを主たる
  目的として、そのために必要な基礎的な事項を中心に教育を行うことが
  効果的である。事業主等は過大な内容や時間を設定し、形式的な伝達に
  陥ることのないよう、加入者等の知識水準や学習意欲等を勘案し、内容、
  時間、提供方法等について十分配慮し、効果的な実施に努めること。
2. 加入後の投資教育は、加入時に基本的な事項が習得できていない者に対
  する再教育の機会として、また、制度に対する関心が薄い者に対する関
  心の喚起のためにも極めて重要である。加入者が実際に運用の指図を経
  験していることから、加入前の段階では理解が難しい金融商品の特徴や
  運用等についても運用の実績データ等を活用し、より実践的、効果的な
  知識の習得が期待される。
3. 加入時及び加入後の投資教育については、それぞれ、上記のような目的、
  重要性を有するものであり、その性格の相違に留意し、実施に当たって
  の目的を明確にし、加入後の教育を含めた計画的な実施につとめること。

●法22条の規定に基づき加入者等に提供すべき具体的な投資教育の内容
1. 投資教育を行う事業主等は、加入時及び加入後の投資教育の目的、性格
  に応じて、(3)(具体的内容・変更なし)に掲げる事項について、加入時、
  加入後を通じた全般の計画の中で、加入者等が的確かつ効果的に習得で
  きるよう、その内容の配分に配慮する必要がある。
   また、事後に、アンケート調査、運用の指図の変更回数等により、目
  的に応じた効果の達成状況を把握することが望ましい。
2. 特に加入後の投資教育においては、次のような事項について配慮するこ
  と
  (1)運用商品に対する資産の配分、運用指図の変更回数等の運用実態、コー
   ルセンター等に寄せられた質問等の分析やアンケート調査により、対
   象となる加入者等のニーズを十分把握し、対象者のニーズに応じた内
   容となるよう、配慮する必要がある。
    なお、運営管理機関は制度の運用実態等を定期的に把握・分析し、
   事業主に情報提供するとともに、必要な場合には投資教育に関する助
   言をするよう努めること。
  (2)基本的な事項が習得できていない者に対しては、制度に対する関心を
   喚起するよう十分配慮しながら、基本的な事項の再教育を実施するこ
   と。また、加入者等の知識及び経験等の差が拡大していることから、
   より高い知識及び経験を有する者にも対応できるメニューに配慮する
   ことが望ましい。
  (3)具体的な資産配分の事例、金融商品ごとの運用実績等の具体的なデー
   タを活用することにより、運用の実際が実践的に習得できるよう配慮
   することが効果的である。
3. 加入者等への具体的な情報提供等
  (1)投資教育を行う事業主等は、次に掲げる方法により、加入者等に提
   供すること。
  ・投資教育の方法としては、例えば資料やビデオの配布(電磁的方法に
   よる提供を含む)、説明会の開催などがあるが、各加入者等ごとに、
   当該加入者の資産の運用に関する知識及び経験等に応じて、最適と考
   えられる方法により行うこと。
  ・事業主等は、加入者等がその内容を理解できるよう投資教育を行う責
   務があり、加入者等からその内容についての質問や照会等が寄せられ
   た場合には、速やかにそれに対応すること。特に、加入後の投資教育
   においては、加入者等の知識等に応じて、個別・具体的な質問、照会
   が寄せられることから、コールセンター、メール等による個別対応に
   配慮することが望ましい。また、テーマ等を決めて、社内報、インター
   ネット等による継続的な情報提供を行うことや、既存の社員教育の中
   に位置づけて継続的に実施することも効果的である。
  ・確定拠出年金制度に対する関心を喚起するため、公的年金制度の改革
   の動向や他の退職給付の内容等の情報提供を合わせて行うことにより、
   自らライフプランにおける確定拠出年金の位置付けを考えられるよう
   にすることが効果的である。
 ◇◆◇


■NPOアクティビティー
1.「確定拠出年金制度の導入と運用実績への対応」セミナーのご提案
 ◇◆◇
 確定拠出年金制度が2002年10月に導入されて3年が経過しようとしていま
す。制度には、6月末現在、1,493規約、150万人が加入しています。
 確定拠出年金は個人個人の運用成績によって、将来受け取る退職金・年金
の原資に差のつく制度で、導入企業に対して、法律は一定の「投資教育」を
する義務を課しています。しかし、何をどう教育すればよいのか、手に付か
ないケースも少なくないのが実情です。運用対象商品の選択から制度導入後
も含めた「投資教育」を労使で共通の場を設けて協力して、継続して運営し
ていく体制の構築が不可欠と思われます。
 制度の正しい運営に向けて、理解を深め、正しい知識の習得と考える機会
として、このセミナーの実施をご提案致します。
(1)標準プログラム
〈半日コース〉(3時間)
 確定拠出年金制度と運用の考え方……90分
 先行事例紹介(導入企業の労組1〜2例)……発表1社20分
 質疑・討論とまとめ……50分
〈2時間コース〉
 確定拠出年金制度と運用の考え方……90分(事例紹介を含む)
 質疑・応答……30分
(2)個別テーマプログラム(標準プログラムに加えて、下記の個別テーマに
よるセミナーの実施をお勧めします。)
 a. 正しい「投資」の理解(リスクとリターン、ポートフォリオ、分散投
  資、リスクの測定等)
 b. 「投資信託商品」の種類と商品特性――運用の仕組みとパフォーマン
  ス、投資信託の運用と評価
 c. 「市場メカニズム」と「金融商品」について――金利・株価・為替
  ・景気
 d. 確定拠出年金「運用計算書・報告書」の見方
 e. ライフプランの計画とフォローアップ
※このセミナーに関するお問い合わせはNPO金融年金ネットワーク事務局ま
 で。
 メールアドレス:   電話:03-5444-0539
 ◇◆◇

2. 出版のお知らせ
 ◇◆◇
「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」
日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク共
編 2005年版(2004年年金改革対応) 平成16年10月31日発行
A4判・88頁・2色刷り・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 → http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm

 昨年10月31日に発刊した、連合と当NPO共編「労働組合のための退職金
・企業年金制度移行対応ハンドブック2005年版」は、産別や単組の皆様の反
響を呼んで、ご注文が相次ぎ、1月に増刷を致しました。在庫僅少となった
ため、6月に再度、増刷致しました。
 この4月から確定拠出年金や中退共への資産移換限度額の撤廃等規制緩和
が実施されたことから、中堅・中小企業の年金制度移行が加速すると予想さ
れます。会社から制度移行提案がなされた時点で、労組役員の皆様が、公的
年金から会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。
そのためには、年金制度の基本知識と制度移行に際して従業員サイドからの
留意点を労組役員の方々が共通に認識することが第一歩です。そこで、本書
をテキストや副読本として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。ま
た、加盟単組からのご相談があった際に、本書を参考にして対応されている
産別も見受けられるようになりました。
 本書のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら下記までご連絡をお願い申し上げます。
 NPO金融年金ネットワーク事務局
 メールアドレス:   電話:03-5444-0539
 ◇◆◇


■NPOデータ
確定拠出年金ファンドデータ  提供:(株)格付投資情報センター
 → http://kinyunenkin.jp/data/dc_data_200508.pdf
(PDFファイル 3キロバイト)
確定拠出年金向け投資信託の運用成績上位10位(2005年8月末基準)のデー
タを上記のURLでご紹介しています。
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☆★訂正★☆
17号「NPOトピックス」の「マーケットトピックス」1-2行目「7月26日現在」
とあるのは、「8月26日現在」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。
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●次号(19号)は11月1日に送信予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
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