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金融年金インフォメーション 第 21 号
■■■■■■■ 金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ■■■■■■■

第21号 2006年1月4日
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
ホームページ http://kinyunenkin.jp/
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このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場から
退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している「NPO法
人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金ネットワー
ク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関する情報や意見交
換のスペースをご提供することを目的にしています。企画・編集には(株)格
付投資情報センターのご協力を頂いています。
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《目次》
●特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(4)
●NPOトピックス
1. マーケットトピックス「2006年も株式は強気相場に!?」
2. 年金トピックス「適格年金の今後の方針、未定が4割、厚生年金基金総合
型の7割、単独・連合型の3割が存続」
●NPOアクティビティー
出版のお知らせ
  最新版・2006年版発売!「労働組合のための退職金・企業年金制度移行
  対応ハンドブック」
●NPOデータ
(株)格付投資情報センター提供 確定拠出年金ファンドデータ
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■特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(4)
(株)格付投資情報センター投資評価本部
  年金事業部副部長 チーフアナリスト 坂井信夫
 ◇◆◇
 年金基金の運用管理担当者にとって、久しぶりにゆったりとした気持ちで
新年を迎えられたのではないかと思う。もちろん株高による高い運用益がそ
の理由である。
 好ましい結果となっていることに決して異論はないのだが、この状況を傍
で見ている者としては、そんなにのんびり構えていていいのかなあ、と感じ
る懸念も発生している。
 それは株価の上昇の結果、当然ながら国内株式の時価構成比が高くなって
いることである。信託銀行が行っている標準的な「バランス運用」における
国内株の構成比は2005年9月末時点で6行平均41.0%となっている。内外株合
計は63.1%。ほぼ大底の時期といえる2003年3月末の国内株構成比は32.4%、
内外株合計は49.7%であった。
 目先の相場見通しでその配分ウエートを高めたり低めたりするのは運用手
法の一つではある。しかし、目先の相場ではなく、必要なリターンを目指す
ための「しかけ」として資産配分の意味をとらえてみると、この配分比率の
大きな変化は、なかなか看過できないのではないか。狙っているリターンの
水準とそのために負担しているリスクの程度は、かなり変化しているであろ
う。
 ITバブルといわれた99年度末が似たような状況であった。翌年度も国内株
はいいですよ!という見通しから、国内株の配分を調整せぬまま新年度に突
入した基金がかなり存在した。その結果はどうか。ご記憶の通り2000年度は
あの3年連続マイナスの最初の年である。
 今回の上昇は、99年度とは質的に違うという声もあり、あるいは2万円を
目指す動きとなるかもしれない。それはそれでハッピーなことである。ただ、
逆のことは「絶対に起こらない」とも言い切れない。
 想定以上の株式保有は、株が上昇すれば想定以上のリターンが期待できる
要因となるし、株が下落すれば想定以上の損失を被る懸念材料となるのだと
いうことは理解して欲しい。
 いやその上昇と下落を読むのがプロだろう、という声もあろうが、プロだ
からはずれないという保障などない。先のわからない不確実なことだから、
「分散投資」なのである。
 運用機関はより高い利回りをあげる競争に血眼である。その想定以上のリ
ターンや損失を受けるのも、「少しリスクを下げておこう」と判断・依頼で
きるのも、すべては運用を委託している年金基金なのである。
 ◇◆◇


■NPOトピックス
1. マーケットトピックス
「2006年も株式は強気相場に!?」
NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 昨年12月の金融市場も11月に続き世界的に株式が活況で、日本が前月末比
7%程度、欧州は同3〜4%、米国は同1%程度の各々上昇となりました。為替
は116円台/ドルと前月末比3円程度の円高に反転、金利は日本が上昇、一方
で米国は低下となりました(12/23現在)。昨年1年を通じて特筆すべきこ
とは、やはり日本株式の約4割上昇と円安進行だったのではないかと思いま
す。
 ところで2006年の金融市場の見通しですが、引き続き日本株式強気支持派
が多いようです。株価の上昇率についてはばらついていますが、1〜2割程度
の上昇が予想されています。一方で、波乱要因もあります。国際商品市況の
再上昇からくるインフレ懸念(もしくは急落による混乱)とそれに伴う金利
調整、日本はデフレ脱却に伴うゼロ金利解除、政局、消費増税論議、などが
不透明要因として挙げられています。
 前述の要因等が悪さをして、不安定な経済運営とならなければ2005年ほど
ではないにしろ、2006年の経済成長率も総じて高い成長が見込まれそうです。
現在のところ、欧州では1%台半ば程度と引き続き低い見通しですが、米国
は3%台半ば、日本は2%前後の見通しにあります。アジア域内も国によりば
らつきはありますが、ほぼ2005年並み程度の6%台半ばが見通されています。
中国はやや減速するものの8%台の高い伸び、韓国、台湾のほか、アセアン
各国では少し持ち直すのではないかと見られています。
 為替動向については見通しづらく、現段階では判断が難しい点があります。
日本の経済成長率は相対的に高いものではありませんが、外需の影響を受け
にくいとされ、円高と考えやすい一方で、2006年も低金利持続が想定され、
相対的に金利が高い海外債券や成長著しいと見込まれる新興国株式への資金
の流れは引き続き注視する必要があるでしょう。現段階では円安(現状水準)
継続と言う見方が主流です。ちなみに日本銀行のゼロ金利解除は2006年10〜
12月期か2007年1〜3月期と想定されていることから、2006年の金利はじりじ
り上昇程度と2005年と同様に大きな動きにはならないと見られます。
 ところで2006年は戌年になりますが、株式市場では「戌笑い」と言うそう
です。株式市場の過去の騰落率から見て戌年は株価が上がり、その翌年の亥、
子の年も上昇の確率が高いことから、株式投資を始めるには悪くない年と金
融業界では言われているようです。格言のようなものですのであくまでご参
考まで。
 最後に繰り返しになりますが、金融市場の国内リスク要因は、絶大とも言
える支持率を維持している小泉政権の9月交代、消費増税時期論議、日本銀
行のゼロ金利解除時期、となります。こう見てきますと日本では2006年後半
以降、日本の将来を占う様々な事象の変化への判断が求められることになり
そうです。
〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基づき
記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等ありましたら
後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づき、証券等の投資
で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◇◆◇

2. 年金トピックス
「適格年金の今後の方針、未定が4割、厚生年金基金総合型の7割、単独・連
合型の3割が存続」
 ―2005年日経企業年金実態調査から
    NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士・DCアドバイザー・AFP
                              植村昌機
 ◇◆◇
 日経企業年金実態調査では、厚生年金基金や適格年金について、存続や廃
止、他制度への移行など今後の方針を聞いている(複数回答)。前回に続き、
その結果をまとめてみた。なお、調査対象は、上場・非上場3,977社、厚生
年金基金771、確定給付企業年金(基金型)555。

(1)適格年金の今後の制度運営
 今後の方針を聞いたところ39.37%が未定と答えた。3分の1以上の企業が
依然として適格年金制度廃止後の姿を描いていない。移行予定の回答では、
移行先として確定給付企業年金規約型の32.13%、次に確定拠出年金の28.96
%が続く。前払い退職金制度は6.33%、退職一時金制度4.52%、確定給付企
業年金基金型4.07%、清算・年金制度は持たないは2.71%であった。規約型
は適格年金と仕組みが似ている点、確定拠出年金では退職給付債務が発生し
ないことなどが評価されているようだ。確定拠出年金への移行を検討してい
る企業の半数は規約型や前払い制度との併用を考えている。確定拠出年金で
は拠出限度額があり、また積立金を60歳まで引き出せないという他の制度に
ない制約を補完するためと考えられる。方針が未定と回答した4割の企業の
制度運営が大きな課題として残る。

(2)厚生年金基金の今後の制度運営
 厚生年金基金の設立数は単独・連合型を中心に解散や代行返上が相次いだ
結果、2005年12月1日現在717となり、最盛期(1997年度の1874基金)の38%
となっている。現存する厚生年金基金(全体)に今後の運営方針を聞いたと
ころ、最も多い回答が「存続」で59.69%。これに「確定給付企業年金(基
金型)へ移行」が14.15%、「未定」が13.85%だった。総合型基金のみを対
象にして聞くと、「存続」72.56%、「適格年金など他の年金制度を吸収」
が14.42%だった。基金全体で「存続」の回答が多かったのは、この総合型
の回答が大きく影響している。単独・連合型だけでみると、「確定給付企業
年金(基金型)へ移行」38.18%、「確定給付企業年金(規約型)へ移行」
4.55%をあわせると42.73%になる。「存続」は34.55%だった。単独・連合
型で「存続」と回答したところには、将来返上したが移行制度が未定の基金
も含まれている。また、当面は存続するがいずれは他制度への移行を検討す
る基金もあると考えられる。
 厚生年金基金の単独・連合型においては、代行返上後、確定給付企業年金
への移行が大きな流れとなっている。現存基金717のうち単独・連合型185
(うち将来返上40)、総合型532(うち将来返上2)となっている現状から考
えると、総合型の今後の制度運営が大きな課題として残る。適格年金など他
の企業年金を吸収するなどの新たな動きは、この調査からうかがうことが出
来る。
 ◇◆◇


■NPOアクティビティー
出版のお知らせ
 ◇◆◇
《最新版・2006年版発売!!》
「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 共編
 2006年版 平成17年11月30日発行A4判・102頁・2色刷り・頒価1部1,000円
 (荷造り・送料実費を頂きます)
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 → http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm

 退職給付制度の再編は、一部の大企業で進められているに過ぎず、今後は、
企業規模を問わず残る5万社に波及して、しかも制度の廃止が決まっている
適格年金からの移行が本格的に進行すると予想されます。また、確定拠出年
金を先行して導入した企業においては、加入者に対する投資教育が十分に行
われない等の新たな問題も発生しています。
 本書は、ご好評を頂き、増刷を重ねた2005年版のデータ等を最新のものに
改訂し、「高齢者雇用制度と年金」、「企業年金のポータビリティー(通算
制度)」、「投資教育の考え方」等、今日的なテーマを取り上げ大幅加筆し
たものです。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組役員の皆様が、公的年金か
ら会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのた
めには、年金制度の基本知識と制度移行に際して従業員サイドからの留意点
を労組役員の方々が共通に認識することが第一歩です。そこで、本書をテキ
ストや副読本として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加
盟単組からのご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も
見受けられるようになりました。
 本書のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 NPO金融年金ネットワーク事務局
 メールアドレス:   電話:03-5444-0539
 ◇◆◇


■NPOデータ
確定拠出年金ファンドデータ  提供:(株)格付投資情報センター
 → http://kinyunenkin.jp/data/dc_data_200511.pdf
(PDFファイル 3キロバイト)
確定拠出年金向け投資信託の運用成績上位10位(2005年11月末基準)のデー
タを上記のURLでご紹介しています。
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●次号(22号)は2月1日に送信予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
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ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
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