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■■■■■■■ 金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ■■■■■■■

第22号 2006年2月1日
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
ホームページ http://kinyunenkin.jp/
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このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場から
退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している「NPO法
人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金ネットワー
ク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関する情報や意見交
換のスペースをご提供することを目的にしています。企画・編集には(株)格
付投資情報センターのご協力を頂いています。
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《目次》
●特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(5)
●NPOトピックス
1. マーケットトピックス「ライブドアの教訓は」
2. 年金トピックス「総合型確定拠出年金が中小企業で拡大」
●NPOアクティビティー
出版のお知らせ
  最新版・2006年版発売!「労働組合のための退職金・企業年金制度移行
  対応ハンドブック」
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■特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(5)
(株)格付投資情報センター投資評価本部
  年金事業部副部長 チーフアナリスト 坂井信夫
 ◇◆◇
 1月後半は「ライブドアショック」一色の状況である。国会までが、この
件絡みで「思考停止」となってしまいそうだ。彼らがやらなければならない
ことは他に山のようにあるにもかかわらず。
 昨年4月から、年明け10日頃まで、東証株価指数は40%を超える上昇となっ
ていただけに、東京地検の家宅捜索直後の相場に神経質になった方もいたの
ではないかと思う。
 事実関係はさておき、年金運用という視点で今回の出来事から学ぶべきも
のというのを、是非省みて欲しいと思う。私の立場から言える、決して突飛
ではないことを、二つほどあげておきたい。
 一つは、投資理論の教科書に出てくる「分散投資」という言葉がやはり重
要であるということ。意味は字のままであるが、よく例えられる表現として
は、「卵を運ぶとき、一つの籠にまとめて入れて運ばない」というようなも
のがある。個人のネット投資家が大きな損を出したという報道を耳にするが、
ライブドア以外の銘柄が受けた余波はほとんど収まりかけている状況だろう。
銘柄の分散、投資対象資産の分散を心がけていればそれほどの損失は回避可
能だったかもしれない。
 二つ目に、「相場上昇への期待感」を持ち過ぎることへの疑問とともに、
先月も触れたことであるが、複数の資産への分散投資を行う場合、その配分
ウエートが基準から大きく乖離したならばどこかでそれを修正しておく方が
宜しいのではないかということを、再度申し上げたい。
 過去の相場を中長期のチャートでみると、「あそこが天井だ」とか「ここ
が大底だった」、という事実の確認は容易である。しかし、その転換点の前
後数ヶ月の騰落を日次で見ると、規則性のない上昇・下落を繰り返している
のが現実の展開である。はっきり言ってそのような状況下で「今日が底です」、
などと当てることは、私には神技の領域に思えてしまう。
 日経平均株価が2003年3〜4月頃8,000円を割込むこともあった。イラク戦
争も始まるなどいい材料が見当たらず、当時は「もう年金運用で日本株は持
たない方が…」という声まであちこちで聞かれた。今なら笑い話なのであろ
うか。一方で最近は、○年後の日経平均株価は○万円台などという記事を目
にする機会もでてきた。もちろん当たって欲しいと思うが、この種の見解に
対する浮かれ過ぎ、笑い過ぎることも戒めたいものである。
 ◇◆◇


■NPOトピックス
1. マーケットトピックス
「ライブドアの教訓は」
NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 2006年の金融市場は順調な出足となりました。1月の株式は引き続き世界
的に堅調で、日本が前月末比2%程度、欧州は同2〜4%、米国は同1〜3%程
度、各々上昇しました。ただ、為替は116円台/ドルと前月末比1円程度の円
高、金利は日本で若干の上昇に留まりました(1/27現在)。報道にあったよう
に「ライブドア(LD)ショック」は、同社が上場している東証マザーズで混
乱、同指数は前月末比で16%、1月の高値からは23%と各々大幅な下落を招
きました。
 LDの問題はいくつかあろうと思いますが、(まだ捜査進行中と前置きして)
私個人的には今回の疑惑は、「巧妙に仕組まれた会社ぐるみのインサイダー
取引」ではないかと考えます。報道によりますと粉飾決算、偽計取引、風説
の流布等の証券取引法違反の疑いとされていますが、こうした行為から利益
を得ていたとすれば、金融関係者が最も神経質となっているインサイダー取
引と考えるのが分かりやすいでしょう。教訓としては、今後より健全な株式
市場を目指すために、金融庁下に置かれている証券取引等監視委員会の強化
が議論され始めていますし、今回話題となった株式分割については既に上限
が決められました。また、法整備も今後進むものと期待します。
 ところで、こうした問題はありましたが、新興市場を除いた株式市場は相
変わらず底固く、もしくは印象としてはやや強い動きで推移しました。基本
的に経済の基盤が損なわれたことはなく、一方で、米国や中国の景気の強さ
が再認識されるなど、本質的に経済や企業の実態を反映する株式には、今回
の疑惑が大きな問題ではなかったことを示してくれました。さらなる疑惑の
拡がりがないことを願っています。
 最近、注目されているのが、投資信託販売が順調に拡大していることです。
結論を急ぎますと、2006年の金融市場は個人を中心とした投資信託への資金
流入期待が大きいと言えます。2005年に主役となった外国人と共に株式市場
を支える主役もしくは準主役になると見られています。2005年4月のペイオ
フ解禁以降、銀行や郵便局での投資信託販売、などが預貯金からリスク金融
商品購入をより支援している模様です。投資信託の種類は数多く、必ずしも
株式に限ったものだけではありませんが、預貯金と比較し元本割れリスクが
ある分、リターンも多い商品に関心を持ち出した流れがより広がるかどうか
は、2006年の注目点の一つです。
〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基づき
記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等ありましたら
後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づき、証券等の投資
で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◇◆◇

2. 年金トピックス
「総合型確定拠出年金が中小企業で拡大」
 ―導入・運営コストで優位だが、デメリットも―
    NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士・DCアドバイザー・AFP
                              植村昌機
 ◇◆◇
 総合型確定拠出年金は、資本関係のない多数の企業を一つの規約のもとに
取り入れ、運用商品や投資教育のメニューを共通化することによって、導入
時や運営時のコストを大幅に削減する目的で設計されている。この制度がい
ま中小企業の間で導入が進んでいる。
 草分け的な存在である東京海上日動の総合型は加入企業が約720社(05年
12月15日現在)にのぼり、うち9割以上が適格年金からの移行だという。第
一生命保険の総合型は05年11月末現在で134社と契約、日本生命は139社が加
入している。両社ともほとんどが適格年金からの移行組だ。
 金融機関系の運営管理機関が想定する総合型の加入対象は、従業員数がお
おむね100人以下の中小企業である。確定拠出年金を実施する企業で、従業
員100人未満は3,067社で全実施企業の57.5%と半数を超えている(05年10月
末、厚生労働省調べ)。「これらの7〜8割以上は総合型の加入」とみられて
いる。従業員数が100人を超えると単独で設立した方が割安になるし、制度
設計の自由度が高いからと考えられる。
 一方で、業界団体や年金基金が主導する形で総合型確定拠出年金を設立す
る動きが出てきている。05年度に入り、岡山県機械金属工業厚生年金基金、
愛鉄連厚生年金基金などが総合型を導入した。また、導入を検討中のところ
もある。加入企業からの相談も増えていることから、今後、業界・年金基金
主導の総合型は広がりそうだ。
 東京海上日動が05年8月にまとめた加入企業へのアンケートによると、制
度を導入した理由の56%が「適格年金の廃止の受け皿」と回答している。従
業員数は1企業当たり80人程度。単独で導入するには中小企業では、コスト
面や人材面でハードルが高いと判断しているようだ。運営コストは多数の企
業が加入するためスケールメリットが生かされ、単独の場合の4〜6割程度に
費用が抑えられる例が多い。しかしデメリットもある。総合型では提供され
る運用商品が一律で、事前に決まっている。一部の加入企業が商品を追加し
たくても、規約に運用商品を記載しているところだと規約変更に全加入企業
の同意が必要になる。加入企業が全国に広がると機動的に対応しにくい。ま
た、脱退して、単独で制度を立ち上げることはできるが、従業員の積立資産
を一度現金化しなければならず、資産運用に悪影響を与えかねないだけに、
独立には困難を伴う。
 総合型確定拠出年金は加入企業のニーズにすべて合わせることは難しい。
加入に当たっては、総合型の特徴を見極めて、各企業のニーズに合った制度
や運営管理機関を慎重に選ぶ必要がある。
 ◇◆◇


■NPOアクティビティー
出版のお知らせ
 ◇◆◇
《最新版・2006年版発売!!》
「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 共編
 2006年版 平成17年11月30日発行A4判・102頁・2色刷り・頒価1部1,000円
 (荷造り・送料実費を頂きます)
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 → http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm

 退職給付制度の再編は、一部の大企業で進められているに過ぎず、今後は、
企業規模を問わず残る5万社に波及して、しかも制度の廃止が決まっている
適格年金からの移行が本格的に進行すると予想されます。また、確定拠出年
金を先行して導入した企業においては、加入者に対する投資教育が十分に行
われない等の新たな問題も発生しています。
 本書は、ご好評を頂き、増刷を重ねた2005年版のデータ等を最新のものに
改訂し、「高齢者雇用制度と年金」、「企業年金のポータビリティー(通算
制度)」、「投資教育の考え方」等、今日的なテーマを取り上げ大幅加筆し
たものです。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組役員の皆様が、公的年金か
ら会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのた
めには、年金制度の基本知識と制度移行に際して従業員サイドからの留意点
を労組役員の方々が共通に認識することが第一歩です。そこで、本書をテキ
ストや副読本として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加
盟単組からのご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も
見受けられるようになりました。
 本書のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 NPO金融年金ネットワーク事務局
 メールアドレス:   電話:03-5444-0539
 ◇◆◇

◎お知らせ◎
 毎号、掲載している「確定拠出年金ファンドデータ」は、システムの都合
により、今号は休載させて頂きます。次号よりまた掲載しますので、よろし
くお願い申し上げます。
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●次号(23号)は3月1日に送信予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
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