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■■■■■■■ 金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ■■■■■■■

第23号 2006年3月1日
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
ホームページ http://kinyunenkin.jp/
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このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場から
退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している「NPO法
人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金ネットワー
ク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関する情報や意見交
換のスペースをご提供することを目的にしています。企画・編集には(株)格
付投資情報センターのご協力を頂いています。
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《目次》
●特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(6)
●NPOトピックス
年金トピックス「確定拠出年金の運用商品ラインナップを見直す動き」
●NPOアクティビティー
1. 出版のお知らせ
  最新版・2006年版発売!「労働組合のための退職金・企業年金制度移行
  対応ハンドブック」
2. 「確定拠出年金インストラクター育成セミナー」のおすすめ
●NPOデータ
(株)格付投資情報センター提供 確定拠出年金ファンドデータ
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■特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(6)
(株)格付投資情報センター投資評価本部
  年金事業部副部長 チーフアナリスト 坂井信夫
 ◇◆◇
 本年度もあと1ヶ月。厚生年金基金史上最高の利回り、という文字が紙面
を飾る可能性も高まってきている。基金にとっては予算代議員会の季節であ
るが、2000〜02年度と比べると実に穏やかな会合なのではないだろうか。財
政状態の変化は、心理面でも大きな変化をもたらしているかもしれない。
 ここ数年間における運用内容の変化として「オルタナティブ投資」の増加
があげられる。新聞や雑誌などでもこの言葉をよく見るようになったが、内
外株式の不振による運用難への対応、あるいは、国内債券の金利上昇による
下落懸念への対応として、この種の投資商品に一部年金資金を振り向けるケー
スが増えてきているようである。実際に当社のコンサルティング先に限って
も、2005年12月末現在で全資産の5%(加重平均)ほどがこの種の投資資金
である。また残高は、2001年末からのわずか4年間でほぼ10倍に増加してお
り、かなりの伸び率といえるだろう。
 オルタナティブの商品は極めて多岐にわたり、とてもここで説明しきれな
い。一般には、内外の株式・債券のような「市場性のある有価証券」を対象
に、まず安いと思うものを購入し、高いと思ったらそれを売る、という基本
的な手法による投資方法をとるもの「以外の全て」という認識のようである。
 さて、気になる運用実績についてだが、当社のコンサルティング顧客経由
のファンドに限ってではあるが「2005年度のユニバース結果」をみると、上
位5%タイルの実績値は約17%、下位5%タイルは約−7%、また、最大値と
最小値の差は97%を超える極端なものとなっている。前年度、前々年度も同
様の傾向である。
 オルタナティブ商品はその内容によりリスク・リターン水準も非常にバラ
エティに富んでおり、運用機関による結果の差も通常の運用以上に大きくな
りがちのようである。
 決してオルタナティブ投資を否定はしないが、過去の実績数値にばかり目
をむけず、この玉石混交のような背景も是非認識して、採用する場合はその
ニーズを明確にし、それに合致した商品や運用機関を冷静に選択していただ
きたいと考える。
 年金運用にとって、必要なリターンがある以上必要なリスクは取るべきで
あろう。しかし必要以上のリスクは取るべきではないのも重要な原則であろ
う。史上最高利回りがもたらしてくれた鷹揚な気分で、この原則を忘れて欲
しくはないものである。
 ◇◆◇


■NPOトピックス
年金トピックス
「確定拠出年金の運用商品ラインナップを見直す動き」
 ―先行導入企業で進展、規制緩和の声も浮上―
    NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士・DCアドバイザー・AFP
                              植村昌機
 ◇◆◇
 確定拠出年金の先行導入企業の間で、加入者向けに提示する運用商品のラ
インアップを見直す動きが出てきた。ただ、現行の法令では商品の追加は可
能でも、削減は事実上困難なので、企業からは運用商品の入れ替えが可能と
なるように規制緩和を求める声もある。
 運用商品見直しの機運が高まっているのは、確定拠出年金を取り巻く環境
の変化が背景にある。制度発足当初には存在しなかった新しい商品が登場し
てきた。例えば、SRI(社会的責任投資)ファンドやREIT(不動産投資信託)
などである。また、従来から存在していたファンドで信託報酬の下がったも
のもある。従業員の投資に対する考え方も変わってきた。株価が上昇してき
たことを受けて、より積極的にパフォーマンスを追及する声が出てきたから
だ。同時に、投資先を幅広く分散したいという傾向も見え始めている。
 しかし、制度導入から間もない企業も多く、運用商品の本格的な見直しが
始まっているとはいい難い。「導入から2年以上経過している企業では運用
商品の見直しが進んでおり、3割の企業が追加済み、2割が追加準備中」とい
う運営管理機関もある。導入から時間が経過するにつれて、運用商品を見直
す企業が増えているのは間違いないようだ。
 見直しの内容については、積極的に多種多様の運用商品を追加する企業は
まだ少ない。企業や運営管理機関によっても傾向は様々である。元本確保型
商品の追加、手数料の割安なファンドの採用、パッシブファンド中心の品揃
えからより高い運用収益を目指すアクティブファンドの採用などである。一
方、運用商品の追加採用よりも、最優先の課題は加入者の継続教育にあると
している企業もある。加入者の知識、経験が蓄積されれば、どんな運用商品
を追加すべきか加入者のニーズがみえてくるという考えだ。また、商品が増
えた場合に、投資に関する知識や経験が不十分だと、適切な選択ができない
従業員も多く出てくることになる。
 では、企業はどのようなタイミングでどんな商品を追加すべきなのか。2
〜3年といった一定期間に労使で定期的に運用商品を見直すというルールを
決めておく。また、加入者の拡大や掛け金の増額など制度を見直すときは、
運用商品を見直す良いタイミングである。確定拠出年金の商品としてふさわ
しいかどうかのチェックポイントは、まず、手数料は高くないか、運用評価
が一定の水準に達しているか、そして、運用機関や販売会社から情報提供が
適切になされているか、だ。
 一方で、「運用商品はむしろ減らしたい」という企業も少なくない。導入
当初の見通しとは異なり加入者の投資割合が低い例や、似たような運用商品
をダブッて組み入れてしまうことがあるためだ。また、企業のM&Aで確定拠
出年金を持つ企業同士が合併した場合に結果的に、商品が多すぎてしまうこ
とになる。商品の削減は、その商品を運用している加入者全員の同意が必要
とされ、また、商品を現金化しなければならないので、加入者に不利益とな
る場合もある。事実上、削減は不可能なので、企業からは商品の入れ替えが
可能になるよう規制緩和を求める声も上がっている。
 米国では企業の独自判断で運用商品を減らすことが出来る。具体的には、
一定の猶予期間を設けて、加入者に他商品へのスイッチングを促す。スイッ
チングしない場合は、投資先の新商品に自動的に切り替わるなどの措置をとっ
ている。
 ◇◆◇


■NPOアクティビティー
1. 出版のお知らせ
 ◇◆◇
《最新版・2006年版発売!!》
「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 共編
 2006年版 平成17年11月30日発行A4判・102頁・2色刷り・頒価1部1,000円
 (荷造り・送料実費を頂きます)
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 → http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm

 退職給付制度の再編は、一部の大企業で進められているに過ぎず、今後は、
企業規模を問わず残る5万社に波及して、しかも制度の廃止が決まっている
適格年金からの移行が本格的に進行すると予想されます。また、確定拠出年
金を先行して導入した企業においては、加入者に対する投資教育が十分に行
われない等の新たな問題も発生しています。
本書は、ご好評を頂き、増刷を重ねた2005年版のデータ等を最新のものに改
訂し、「高齢者雇用制度と年金」、「企業年金のポータビリティー(通算制
度)」、「投資教育の考え方」等、今日的なテーマを取り上げ大幅加筆した
ものです。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組役員の皆様が、公的年金か
ら会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのた
めには、年金制度の基本知識と制度移行に際して従業員サイドからの留意点
を労組役員の方々が共通に認識することが第一歩です。そこで、本書をテキ
ストや副読本として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加
盟単組からのご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も
見受けられるようになりました。
 本書のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 NPO金融年金ネットワーク事務局
 メールアドレス:   電話:03-5444-0539

2. 「確定拠出年金インストラクター育成セミナー」のおすすめ
 確定拠出年金制度は加入者個人個人の運用結果によって、将来受け取る退
職金・年金の原資に差がつく制度です。法令上は、導入した企業に対し、加
入者に一定の「投資教育」を行う義務を課しています。しかし、何をどう教
育すればよいか、手に付かないケースも少なくないようです。運用商品の選
択から、制度導入後も含めた「投資教育」を、労使で共通の場を設け、協力
して、継続して運営していく体制の構築が不可欠です。労組側も、制度運営
上の問題点、課題、解決法等を加入者の立場、目線でとりまとめ、会社と協
力して、運営管理機関等に対し、改善を求めていける担当者(インストラク
ター)を育成することが求められています。また、制度が成熟していく過程
では、加入者が自己責任で行う運用に対し、個々人のニーズ・要望を汲み取っ
て、社内外の専門家等の協力、助言を得る仕組みの構築も必要で、これらの
中心として活動することは、今後の労組の役割として期待されるところです。
 インストラクター育成の対象者は労組本部・支部において、確定拠出年金
制度の運営を所管する労組役員又は職員です。制度の正しい運用に向けて理
解を深め、金融・経済に関する正しい知識の習得および考える機会として、
ご提案いたします。
  基本コース……3日コース 2日コース
  テーマ別専門研修コース……2時間
 講座内容等詳細は、下記ホームページでご覧下さい。
 → http://kinyunenkin.jp/04service02c.htm
 ◇◆◇


■NPOデータ
確定拠出年金ファンドデータ  提供:(株)格付投資情報センター
 → http://kinyunenkin.jp/data/dc_data_200601.pdf
(PDFファイル 3キロバイト)
確定拠出年金向け投資信託の運用成績上位10位(2006年 1月末基準)のデー
タを上記のURLでご紹介しています。


◎お知らせ◎
 毎号、掲載している「マーケットトピックス」は、筆者の都合により、今
号は休載させて頂きます。次号より引き続き掲載いたしますので、よろしく
お願い申し上げます。
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●次号(24号)は4月3日に送信予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
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ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
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