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■■■■■■■ 金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ■■■■■■■

第25号 2006年5月1日
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
ホームページ http://kinyunenkin.jp/
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このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場から
退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している「NPO法
人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金ネットワー
ク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関する情報や意見交
換のスペースをご提供することを目的にしています。企画・編集には(株)格
付投資情報センターのご協力を頂いています。
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《目次》
●特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(8)
●NPOトピックス
1. マーケットトピックス「金利上昇、円高が進んだ金融市場」
2. 年金トピックス「確定拠出年金制度から外れた“その他の者”の事務取
  り扱い」
●NPOアクティビティー
1. 「確定拠出年金インストラクター育成セミナー」のおすすめ
2. 出版のお知らせ
  最新版・2006年版発売!「労働組合のための退職金・企業年金制度移行
  対応ハンドブック」
●NPOデータ
(株)格付投資情報センター提供 確定拠出年金ファンドデータ
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■特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(8)
(株)格付投資情報センター投資評価本部
  年金事業部副部長 チーフアナリスト 坂井信夫
 ◇◆◇
 今回は筆者が携わるDB(確定給付)年金の隣の業界であるDC(確定拠出)
年金の実態に対する、いささか偏見に満ちているかもしれない、個人的な意
見を述べたいと思う。
 小泉政権の功罪を論ずる記事が増えてきたが、その中で格差の拡大という
言葉を頻繁に耳にする。しかし株式相場の大幅な戻りを享受することに地域
格差はなく、特殊なことをしていない限り、厚生年金基金のようなDB年金は
その財政状態を大きく改善しているはずである。実際、3年前までの掛金の
引上げ、給付の引下げという後ろ向きの課題が、給付の戻し、特別掛金の引
下げなどの前向きなテーマに変わり始めている状況だ。
 さて、DC(確定拠出)年金であるが、こちらも今年の3月末で、企業によっ
ては発足から丸3年が経過したはずで、まさに国内株式の急回復と一致する。
DBの世界と同様に、内外の株式などに分散していれば、運用収益はかなりの
スタートダッシュが効いているはずである。一方で、元本確保型商品にフル
インベストしていれば、運用益はほとんどゼロのはずである。つまりは、加
入者間で想像以上の資産残高格差が発生している、なんてこともありえるの
ではないだろうか。またもし、自分の残高の少なさを認識したならば、その
加入員はかなり衝動的に株式投信を購入する投資行動を選択してしまうこと
はないだろうか。決して株式への投資を否定はしないが、その場合、元本確
保中心で行くとした自分自身の当初の運用戦略をまず再検討することが手順
ではないかと思う。格差は気持ちを揺さぶるだろう。資産運用を自分ごとと
して真剣に考える心理状態であると思われるので、今こそ、継続教育の実施
が効果的と思うのだが……。
 もう一つは、会社の制度管理の意識である。例えば投資商品。平均株価が
大きく変動している状況下、特に株式のアクティブファンド実績にはかなり
の格差が生じている。この実態に会社として無関心でいいのだろうか。DC年
金で行う加入員の運用商品選択はあくまで「会社が用意したメニュー」に限
定される。メニューを用意した会社に運用成果への責任まではないとしても、
運用成果をチェックする責任もない、とまではいえないだろう。
 加入員に対してDC制度の管理運営を誠実に行おうとすれば、すべて運管任
せでなく、会社としてそれなりのコストをかけてやるべきことが多々あるは
ずだ。その認識、緊張感がぼちぼち広まって欲しいと思う。
 ◇◆◇


■NPOトピックス
1. マーケットトピックス
「金利上昇、円高が進んだ金融市場」
NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 4月の金融市場は金利が上昇し、円高も進んだ。一方で、株式は一時的に
下落を演じたものの、総じて安定した動きが続いた。長期金利(10年国債利
回り)は世界的に0.5%ポイント程度上昇したが、最近はやや落ち着きを取
り戻しており、金融関係者の間では一段の上昇を見る向きは少数派になりつ
つある。為替は117円/ドルから115円前後への円高とはなったが、深刻な問
題とは見ていない。
 日米欧での長期金利上昇は、各国の経済情勢が良好なことに、原油など一
次産品価格の継続的な上昇(インフレリスク)がある、と言われている。と
ころが、最近米国では住宅バブル縮小という不安定要因が注目され、逆に金
利の上げ止まり観測も出始めた。日欧は今後も上昇が予想され、先行きの方
向性はやや異なるとの見方となっている。
 長期金利2.0%の意味合いですが、日本の潜在成長率が現在では1.5〜2.0
%と推定されている点を考えると、妥当な金利水準との見方である。2006年
後半に予想されている日銀の政策金利引き上げを考慮しても、2%台前半へ
の上昇が当面の金利水準ではないでしょうか。
 最近、興味ある資料を提供いただいたのでご紹介します(提供者はドイツ
証券副会長兼日本株ストラテジストの武者陵司氏)。文芸春秋3月号(198頁
〜)に堺屋太一氏が「米国vsモンゴル帝国どっちが強い」と言うタイトルで、
現在の米国が「無限無敵の超大国」、「オンリーワンの超大国」であると言い、
政治的・軍事的にも世界全体を掌握している国であると指摘している。過去
においては中国漢、欧州ローマ帝国が勢力を伸ばしたが、唯一世界を制覇し
たのが13〜14世紀のモンゴル帝国と言われ、米国との比較を論じている。
 武者氏は現在の世界経済統合実現はこれに似たものだと指摘している。先
進国の成長制約要因と思われていた労働力と資本が、現在はそうなってはい
ない。すなわち、世界分業体制の中で賃金インフレが起こらず、資本生産性
の向上から、投融資の所要資金量も低下、原油を中心とした一次産品の価格
上昇を一部吸収しているのではないかと指摘している。このため、世界経済
の高成長期待、低金利継続で潤沢な資金量、が続くとの見方に立っている。
最近の資産インフレを指摘する人たちを支援する考え方ではないでしょうか。
〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基づき
記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等ありましたら
後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づき、証券等の投資
で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◇◆◇

2. 年金トピックス
「確定拠出年金制度から外れた“その他の者”の事務取り扱い」
    NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士・DCアドバイザー・AFP
                              植村昌機
 ◇◆◇
 企業型年金加入者が退職して、資格喪失後6ヶ月以内に、加入者は他の企
業型年金または個人型年金に資産を移換する手続きを行うことが規定されて
いる。移換手続き後は、(1)企業型年金加入者(2)個人型年金加入者(3)個人
型年金の運用指図者のいずれかになる。しかし、移換手続きをとらないと、
資産は強制的に国民年金基金連合会に移換され、「その他の者」になる(確
定拠出年金法第83条)。「その他の者」となってしまうと、加入者でも運用
指図者でもない、制度の枠外に位置づけられ、資産は連合会が仮預かりの状
態になる。その結果、掛け金も拠出されず、運用もされないという状態とな
り、将来、受給できなくなる可能性がある。また、いったん「その他の者」
になった後、改めて移換手続きを行う際、事務手数料(税込み8,190円)が
徴収される。
 「その他の者」は、定年前の早期退職者が多いことから、昨今、増加して
いるようだ。この様な事態はできる限り避けるべきで、資産移換に関して、
6ヶ月以内に何らかの移換手続きをとるよう、企業の説明努力が求められる
ところだ。
 「その他の者」から確定拠出年金制度に戻る手続きはどうしたらよいか。
 ケースごとにみていくと、
(1)新勤務先が企業型年金を導入していれば、企業型年金の加入者となるの
で、資格喪失時の運営管理機関から発行される「移換通知書」を新運営管理
機関に提出する。
(2)新勤務先が企業型年金も他の企業年金も実施していない場合は個人型に
加入することになる。この場合は、勤務先に個人型年金の事業所登録をして
もらう必要がある。加入者は、個人型年金運営管理機関を探し、「移換通知
書」を提出して運用の指図を行い、掛け金の納付を行う。納付は、事業主に
よる給与天引きか自己口座からの引き落としのどちらかになる。
(3)転職先が企業型年金は実施していなくて、他の企業年金を導入している
場合は、個人型には加入できず運用指図者になる。この場合は、事業主の手
続きは不要で、運用指図者本人が運営管理機関を探し、「移換通知書」を提
出して、従前の資産の運用指図のみを行う。
 ◇◆◇


■NPOアクティビティー
1. 「確定拠出年金インストラクター育成セミナー」のおすすめ
 確定拠出年金制度は加入者個人個人の運用結果によって、将来受け取る退
職金・年金の原資に差がつく制度です。法令上は、導入した企業に対し、加
入者に一定の「投資教育」を行う義務を課しています。しかし、何をどう教
育すればよいか、手に付かないケースも少なくないようです。運用商品の選
択から、制度導入後も含めた「投資教育」を、労使で共通の場を設け、協力
して、継続して運営していく体制の構築が不可欠です。労組側も、制度運営
上の問題点、課題、解決法等を加入者の立場、目線でとりまとめ、会社と協
力して、運営管理機関等に対し、改善を求めていける担当者(インストラク
ター)を育成することが求められています。また、制度が成熟していく過程
では、加入者が自己責任で行う運用に対し、個々人のニーズ・要望を汲み取っ
て、社内外の専門家等の協力、助言を得る仕組みの構築も必要で、これらの
中心として活動することは、今後の労組の役割として期待されるところです。
 インストラクター育成の対象者は労組本部・支部において、確定拠出年金
制度の運営を所管する労組役員又は職員です。制度の正しい運用に向けて理
解を深め、金融・経済に関する正しい知識の習得および考える機会として、
ご提案いたします。
  基本コース……3日コース 2日コース
  テーマ別専門研修コース……2時間
 講座内容等詳細は、下記ホームページでご覧下さい。
 → http://kinyunenkin.jp/04service02c.htm

2. 出版のお知らせ
 ◇◆◇
《最新版・2006年版発売!!》
「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 共編
 2006年版 平成17年11月30日発行A4判・102頁・2色刷り・頒価1部1,000円
 (荷造り・送料実費を頂きます)
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 → http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm

 退職給付制度の再編は、一部の大企業で進められているに過ぎず、今後は、
企業規模を問わず残る5万社に波及して、しかも制度の廃止が決まっている
適格年金からの移行が本格的に進行すると予想されます。また、確定拠出年
金を先行して導入した企業においては、加入者に対する投資教育が十分に行
われない等の新たな問題も発生しています。
本書は、ご好評を頂き、増刷を重ねた2005年版のデータ等を最新のものに改
訂し、「高齢者雇用制度と年金」、「企業年金のポータビリティー(通算制
度)」、「投資教育の考え方」等、今日的なテーマを取り上げ大幅加筆した
ものです。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組役員の皆様が、公的年金か
ら会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのた
めには、年金制度の基本知識と制度移行に際して従業員サイドからの留意点
を労組役員の方々が共通に認識することが第一歩です。そこで、本書をテキ
ストや副読本として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加
盟単組からのご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も
見受けられるようになりました。
 本書のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 NPO金融年金ネットワーク事務局
 メールアドレス:   電話:03-5444-0539
 ◇◆◇


■NPOデータ
確定拠出年金ファンドデータ  提供:(株)格付投資情報センター
 → http://kinyunenkin.jp/data/dc_data_200603.pdf
(PDFファイル 3キロバイト)
確定拠出年金向け投資信託の運用成績上位10位(2006年 3月末基準)のデー
タを上記のURLでご紹介しています。
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●次号(26号)は6月1日に送信予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
 → 
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