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金融年金インフォメーション 第 27 号
■■■■■■■ 金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ■■■■■■■

第27号 2006年7月3日
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
ホームページ http://kinyunenkin.jp/
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このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場から
退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している「NPO法
人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金ネットワー
ク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関する情報や意見交
換のスペースをご提供することを目的にしています。企画・編集には(株)格
付投資情報センターのご協力を頂いています。
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《目次》
●特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(10)
●NPOトピックス
1. マーケットトピックス「反発へのきっかけとの見方も」
2. 年金トピックス「運用環境が改善、厚生年金基金で給付設計見直しの機
  運高まる」
●NPOアクティビティー
1. 「確定拠出年金インストラクター育成セミナー」のおすすめ
2. 出版のお知らせ
  最新版・2006年版発売!「労働組合のための退職金・企業年金制度移行
  対応ハンドブック」
●NPOデータ
(株)格付投資情報センター提供 確定拠出年金ファンドデータ
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■特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(10)
(株)格付投資情報センター投資評価本部
  年金事業部副部長 チーフアナリスト 坂井信夫
 ◇◆◇
 一寸先は闇か光か。新年度出だしの国内株式相場は調整局面である。過日
17,000円台!であった日経平均株価が、このところ14,000〜15,000近辺をう
ろうろしている状況であり、TOPIX(配当込み)の月次騰落率は4月が -0.68
%、5月 -7.95%となっている。
 昨年度、年率で47%の上昇となった国内株式は、それゆえ年金運用への貢
献も大変高かった。当社の顧客平均実績は年率で19.27%だが、これは開業
以来最高の数値であり、多数の基金にとってホクホクの年度末であったはず
である。しかし、その時既に次の問題を内包していたといっていい。
 以前も触れたが、基金は一般に内外の株式と債券を主な投資対象としてい
る。その資産配分の状況は、内外株式相場の上昇により、その時価構成比も
年度末では相当膨らんでいた。平たくいえば、通常以上に内外株式を保有し
ている状態であったということである。通常以上に保有しているということ
は、目下の調整相場において、想定以上のマイナス収益率を被っている可能
性が懸念される。
 今年の2月、顧客訪問で必ず話題にしていたのが「リバランス」であった。
 基金の運用は基本資産配分を決めているのがポピュラーである。例えば国
内株式30%国内債券70%というように、あらかじめ基準配分を決めておく。
これはこの程度のリスクをとる、あるいはこれ以上のリスクをとらない、と
いう思いを含んでいるものだ。そして、この比率で求めた複合ベンチマーク
が、各年度の具体的な運用収益目標となる。
 ここで仮に国内株相場が10%上昇し、国内債が2%下落したら、前述の複
合ベンチマークは1.6%になるが、国内株の比率が40%国内債60%の配分で
あれば複合ベンチマークは2.8%となる。国内株の配分が10%高まることで
1.2%利益が拡大することになる。逆に、国内株相場が10%下落し、国内債
が2%上昇したなら、国内株の配分が40%であれば、1.2%損失が拡大するこ
とになる。そしてこの資産配分のずれは、時価の変動でも容易に起こるので
ある。
 リバランスとはこのようなブレを是正し、想定以上の損失の発生をできる
だけ抑制するための調整である。株はまだ上がる、とリバランスを見送った
基金がもし、余分な損失を被っているなら、それはITバブルの翌年と同じ轍
を踏むものだ。ぼちぼち、うかれ過ぎるのも火傷のもとと戒めたい。
 ◇◆◇


■NPOトピックス
1. マーケットトピックス
「反発へのきっかけとの見方も」
NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 6月の金融市場も金利の動きに大きな変化はなかったものの、為替は5月と
は逆のドル高(円安)となる112円/ドルから116円程度に、株式は世界的に
引き続き弱く、2%前後の下落となった(6/23現在)。株式は急速な下落が、
テクニカル面での反発を呼んだものの、前月号で指摘した点、インフレ懸念
や貿易不均衡などのリバランシングから引き起こされる為替や金利の調整に
は時間を要すると見られる。このため、株式市場への見方が変わってきたと
の認識には至っていないと思われ、今しばらく株価調整は続くものと考えま
す。
 ところで、5月の日本株式市場の調整は、外国人投資家の「売り」も一要因
とされている。この背景に、外国人投資家は新興国市場の株式下落による損
失穴埋めのために、あまり利益がのっていない欧米株式よりは日本株式を売っ
たほうが良いとの判断があったのではないかとの見方もある。
 一方、為替の変動については、(1)イラン問題(地政学的リスク)、(2)貿
易不均衡等に起因する人民元切り上げ、一方でドル安懸念、(3)米国の金利
引き上げの打ち止め観測、等がドル安要因と言われていた。最近ではイラン
や金利に対する見方が変わり、現在のドル高進行につながっているようだ。
金融政策に関しては米連邦準備制度理事会(FRB)議長のバーナンキ氏の発
言が注目されているが、次期財務長官に起用されるポールソン氏は金融界出
身の実務者であるだけに、同氏の政策発言にも今後注目すべきでしょう。
 5月末までに3月期決算上場会社の決算発表を終え、大手証券会社ではその
集計結果を公表した。それによると、2006年度も会社の儲けを示す経常利益
は増加するとの見方を示している。2002年度から5年連続の増益を達成でき
れば、第1次オイルショック後の1976〜1980年度以来のこととなるようだ。
昨年度に続き金融、自動車、これらに加え電機・精密、機械、小売などの業
種が伸びると予想されている。背景には、景気回復を映した企業の資金需要
増加、民間設備投資や個人消費の拡大を期待している。日本のファンダメン
タルズ(経済の基礎要件)に大きな変化がないことをここでも示していると
言えます。
〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基づき
記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等ありましたら
後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づき、証券等の投資
で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◇◆◇

2. 年金トピックス
「運用環境が改善、厚生年金基金で給付設計の見直し機運高まる」
    NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士・DCアドバイザー・AFP
                              植村昌機
 ◇◆◇
 2005年度の運用環境の改善による年金財政の好転を受けて、総合型厚生年
金基金を中心に給付設計を見直す動きが出てきている。総合型厚生年金基金
では、廃止が決まっている適格年金の受け皿として、加算年金を新たに上乗
せすることを検討する動きが目立っている(千葉県機械金属厚生年金基金な
ど)。第2加算年金は、基金事務局や設立母体が確定給付企業年金や確定拠
出年金を用意できない基金にとって、有力な選択肢となる。加算年金の上乗
せが今になって注目されているのは、適格年金を他の制度へ移行する期限
(2012年3月末)が迫っていることに加えて、積立金の運用が好調で、年金
財政が改善してきたという事情もある。
 しかし、第2加算年金には課題もある。適格年金は、企業によって給付設
計が異なるため、加算年金の制度設計も、異なる内容の適格年金を移行でき
るよう工夫する必要がある(例えば、定額の口数制など)。さらに、いった
ん基金に加入すると、給付設計の変更や脱退などを自社だけで判断できない
といった基金特有の制約もある。
 給付水準を見直す動きにも転機が訪れている。厚生年金基金が年金給付を
見直す動きは、過去3年程は給付水準を引き下げる動きが主流だった。全般
的には、給付引き下げが必要な基金はすでに実施していると思われ、給付引
き下げの動きは減速している。また、基金事務局の判断で、給付引き下げを
予定していたが、その時期を延期するところも出ている。年金財政が好転し
たことが理由だ。
 年金財政の好転で、厚生年金基金は不足金の解消どころか、剰余金や別途
積立金が積み上がり始めている。急増した積立金を活用する選択肢の一つと
して、給付水準の引き上げ構想が一部の基金で浮上している。しかし、予定
利率などを引き上げると、運用環境が悪化した場合に、また不足金を抱える
危険性もあるので、この動きは限定的なものと考えられる。他の動きとして、
剰余金を原資とした一時金払いを考えている基金もある。さらに、年金経理
で生じた別途積立金を、福祉事業として受給者に対する「長寿祝い金」の形
で支給する案もある。このような基金の動きには、加入事業所の脱退を引き
止めるために、給付を厚くしようとする本音がある。一方で、財政運営の優
先順位としては、未償却過去勤務債務の償却、掛け金の引き下げと続くもの
で、給付水準の引き上げは最後にすべきという指摘もある。
 05年度決算においては、年金財政が改善することは確実である。いずれに
しても、年金基金は長期的な運営と制度の魅力向上を前提に、慎重に今後の
方針を決定してもらいたいものだ。
 ◇◆◇


■NPOアクティビティー
1. 「確定拠出年金インストラクター育成セミナー」のおすすめ
 確定拠出年金制度は加入者個人個人の運用結果によって、将来受け取る退
職金・年金の原資に差がつく制度です。法令上は、導入した企業に対し、加
入者に一定の「投資教育」を行う義務を課しています。しかし、何をどう教
育すればよいか、手に付かないケースも少なくないようです。運用商品の選
択から、制度導入後も含めた「投資教育」を、労使で共通の場を設け、協力
して、継続して運営していく体制の構築が不可欠です。労組側も、制度運営
上の問題点、課題、解決法等を加入者の立場、目線でとりまとめ、会社と協
力して、運営管理機関等に対し、改善を求めていける担当者(インストラク
ター)を育成することが求められています。また、制度が成熟していく過程
では、加入者が自己責任で行う運用に対し、個々人のニーズ・要望を汲み取っ
て、社内外の専門家等の協力、助言を得る仕組みの構築も必要で、これらの
中心として活動することは、今後の労組の役割として期待されるところです。
 インストラクター育成の対象者は労組本部・支部において、確定拠出年金
制度の運営を所管する労組役員又は職員です。制度の正しい運用に向けて理
解を深め、金融・経済に関する正しい知識の習得および考える機会として、
ご提案いたします。
  基本コース……3日コース 2日コース
  テーマ別専門研修コース……2時間
 講座内容等詳細は、下記ホームページでご覧下さい。
 → http://kinyunenkin.jp/04service02c.htm

2. 出版のお知らせ
 ◇◆◇
《最新版・2006年版発売!!》
「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 共編
 2006年版 平成17年11月30日発行A4判・102頁・2色刷り・頒価1部1,000円
 (荷造り・送料実費を頂きます)
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 → http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm

 退職給付制度の再編は、一部の大企業で進められているに過ぎず、今後は、
企業規模を問わず残る5万社に波及して、しかも制度の廃止が決まっている
適格年金からの移行が本格的に進行すると予想されます。また、確定拠出年
金を先行して導入した企業においては、加入者に対する投資教育が十分に行
われない等の新たな問題も発生しています。
本書は、ご好評を頂き、増刷を重ねた2005年版のデータ等を最新のものに改
訂し、「高齢者雇用制度と年金」、「企業年金のポータビリティー(通算制
度)」、「投資教育の考え方」等、今日的なテーマを取り上げ大幅加筆した
ものです。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組役員の皆様が、公的年金か
ら会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのた
めには、年金制度の基本知識と制度移行に際して従業員サイドからの留意点
を労組役員の方々が共通に認識することが第一歩です。そこで、本書をテキ
ストや副読本として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加
盟単組からのご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も
見受けられるようになりました。
 本書のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 NPO金融年金ネットワーク事務局
 メールアドレス:   電話:03-5444-0539
 ◇◆◇


■NPOデータ
確定拠出年金ファンドデータ  提供:(株)格付投資情報センター
 → http://kinyunenkin.jp/data/dc_data_200605.pdf
(PDFファイル 3キロバイト)
確定拠出年金向け投資信託の運用成績上位10位(2006年 5月末基準)のデー
タを上記のURLでご紹介しています。
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●次号(28号)は8月1日に送信予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
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