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┃       金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン

┃                     第35号 2007年3月1日
┃   NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
┃             ホームページ http://kinyunenkin.jp/
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 このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場
 から退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している
 「NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金
 ネットワーク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関す
 る情報や意見交換のスペースをご提供することを目的にしています。企
 画・編集には(株)格付投資情報センターのご協力を頂いています。
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■■ 目次 ■■
●特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(18)
●NPOトピックス
1. マーケットトピックス「消費論議(2)」
2. 年金トピックス「確定拠出年金の見直し論議本格化」
●NPO連載講座
「豊かな将来設計のためのライフプランの立て方」(7)
●NPOアクティビティー
  創刊!! 「働く人のためのライフプランニングと企業年金の活用ハンドブッ
  ク」
  最新版・2007年版発売!「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応
  ハンドブック」
●NPOデータ
(株)格付投資情報センター提供 確定拠出年金ファンドデータ

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┃ ■特集レポート
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「企業年金コンサルティングの現場から」(18)
            (株)格付投資情報センター投資評価本部
            年金事業部副部長 チーフアナリスト 坂井信夫
 ◇◆◇
 平成18年度末まであと1ヶ月となった。日銀の政策金利引き上げは、その
後の日経平均の上昇という流れとなっている。あと1ヶ月あるとはいえ、本
年度も5%前後の運用収益は期待できるかもしれない。その場合は、平成15
年度から4年連続での単年度剰余の発生が期待できることになるだろう。
 このような環境下、おそらくここ数年で最も平穏な基金代議員会が各地で
開催されていよう。なんともほっとした雰囲気が充満している基金業界とい
うところである。
 しかし、決して課題がないということでもない。次の厚年法改正を踏まえ
て制度改定に係わるあれこれが、年度明けにはそろそろ動き始めるだろうと
思う。確定給付、確定拠出等の企業年金制度の改定についても、色々な意見
が出てくるに違いない。
 振り返るとこの6〜7年で企業年金制度は大きく変化したのはいうまでもな
い。最も大きく影響したのは退職給付会計制度の「最悪なタイミング」での
導入であった。そして、これが引き金となって、退職金・退職年金の全部ま
たは一部をDCに充てる事でPBOを減らすという動きが盛んになった。ところ
が、前述のごとく足元の運用が好調なために確定給付の財政が回復したこと、
それにより企業財務への悪影響も縮小または解消したこと、などにより企業
年金制度改定の動きは、案件は細々とあるものの、ややブレーキがかかって
いるように思える。
 こうしてみると、前世紀末から起こった企業年金改革の波は、主に企業財
務の視点から行われたのではないかという「偏見」が成り立つように思う。
その視点は決して否定されるものではないが、その視点だけで十分だとも決
して思わない。退職金・退職年金は賃金の後払い制度なのだから、広義の賃
金制度の検討という視点での議論が成り立つはずだ。制度の選択肢が多様化
した中で、当社にとってベストとは言わないまでも、もう少しましな企業年
金制度というのを労使が模索しあう機会はまだまだあっていいように思う。
 ただし、企業年金制度のあり方に問題意識を抱く経営者は恐らく少数であ
る。だから会社側からの提案をただ待っても、当分はゼロ回答だろう。繰り
返すが企業年金制度は広義の賃金制度の問題でもある。もしも何らかの問題
意識があるならば、例えば組合側から投げかけて勉強会を始めるという方法
はあるだろう。組合には充分その資格はあると思う。
 ◆◇◆

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┃ ■NPOトピックス
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1. マーケットトピックス ――――――――――――――――――――――
「消費論議(2)」
          NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 2月21日に日銀は政策金利(短期の金利)を0.25%引き上げの0.5%にする
ことを決めた。利上げ根拠が明確でないとの批判もあったようだが、前回引
き上げの昨年7月以来、7ヵ月を経過したことや政治的な為替問題等を考慮す
ると止むを得ないとの意見もある。次回利上げは7月の参院選後の7-9月期と
見る向きが大勢となりつつあり、08年の前半には1.0%を目指すことになり
そうだ。
 2月の金融市場は総じて落ち着いた動きとなった。為替・金利はあまり大
きな変化がなく、株式が世界的に上昇した。先進国の主要指標では日本が1
月末比5%程度の値上がりと欧米の同2〜3%の上昇を上回った(2月23日現在)。
日本では金利引き上げの影響はなく、企業収益の拡大、業界再編、M&A、株
主還元姿勢、などが強い相場を支えた。
 さて、前月号に続いての消費論議ですが、今回は為替と資産インフレを見
ていきたいと思います。前回では為替が心地よい円安の水準から円高に向か
う可能性と一部地域での不動産や株式と言った資産価格の上昇に対する懸念、
などを指摘しました。
 2月9〜10日にかけてドイツでG7(7カ国財務大臣・中央銀行総裁会議)が
開催された。結論としては、円安に対する懸念は盛り込まれず無風状態であっ
た。ただ、欧州は円安ユーロ高を懸念する一方で、米国は中国元の自由な市
場への開放主張、が根っこにあることは変わらず、日銀が金利調整に頭を悩
ませているひとつでもある。一部エコノミストの見方では、「現時点で米国
から円安是正発言がないのは、中国元の自由化を主張する一方で、円高に向
け政府が為替介入(自由な市場を否定)することとの一貫性が取れないため
である。しかし、米国議会はすでに共和党から民主党に勢力分布が変わって
きており、どこかで修正を強いられれば、米国も欧州と同じ円安是正スタン
スに変わる可能性があることを頭の隅においておくべきだ」と指摘している。
今回の日本の金利引き上げで円高に向かわなかった点を踏まえると、継続的
な利上げが可能な日本経済(個人消費)の強さの確認もしくは実感が必要に
なる。
 日銀は一部地域の地価高騰を気にしている模様である。低金利がもたらす
不動産投資の高収益性が、その勢いを抑えきれない状況となっている。日銀
が目指す金利水準の正常化に向け、為替以外に頭を悩ます要因ともなってい
る。繰り返しになりますが、やはり個人消費や物価の動向が強い方向にある
のかどうかを気にすることになりそうです。
  〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基
   づき記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等あ
   りましたら後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づ
   き、証券等の投資で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◆◇◆

2. 年金トピックス ―――――――――――――――――――――――――
「確定拠出年金の見直し論議本格化」
    NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士・DCアドバイザー・AFP
                              植村昌機
 ◇◆◇
 確定拠出年金制度施行から5年が経過し、見直しの議論が本格化している。
厚生労働省が企業年金制度の施行状況や検討課題を議論するために設置した
企業年金研究会において、各団体から見直しの要望が出揃った。確定拠出年
金の規制緩和はどの程度の可能性があるのだろうか、主要な論点ごとに整理
してみた。

1. 中途引き出し要件
 確定拠出年金は60歳まで資産の引き出しは出来ないという要件の緩和を求
める要望は多い。「引き出し時にペナルティーとして課税されても良い」
「せめて困窮時には引き出せないか」との声もある。厚生労働省は企業型で
の資格喪失後2年以上継続して個人型の運用指図者であって、資産残高が25
万円以下の条件を満たせば個人型からの脱退を認めるという方針を示してい
る。この点については効果を疑問視する声もある。

2. 資格喪失年齢の延長
 65歳まで加入できるようにする資格喪失年齢の引き上げは、定年年齢の引
き上げなどを盛り込んだ高年齢雇用安定法と整合性をとる狙いがあり、厚生
労働省も緩和の方向性を示している。しかし、定年を延長する企業が少ない
実態をみると、当面の効果は少ない。継続雇用の場合、確定拠出年金に加入
し続けることはないからである。

3. 拠出限度額
 掛け金が上限に達している企業が2割程度あるといわれている。このよう
な場合、超過額は前払い等で対応しており、制度普及の障害となっている面
もある。07年度の税制改正要望では、検討課題としている。

4. 本人拠出(マッチング拠出)
 運用会社や一部の企業からの期待が高いが、「実現の可能性は低い」とみ
る関係者は多い。個人年金・生命保険料控除や財形との税制面での課題は多
く、多方面での調整が必要だ。

5. 投資教育
 継続教育を義務化すべきとの声は大きい。事業主や外部の専門家による投
資アドバイスの必要性を指摘する声も出てきたがさらなる議論が必要だろう。

6. 事務処理
 規約申請手続きの簡略化、掛け金納付の遡及、運用商品の除外手続きの簡
略化といった問題だ。加入者情報を事業主に提供すべきとの要望もある。こ
れらの点は、要望に合理性があれば、早期の実現の可能性はある。
 今回の見直し論議については、大半の要望事項について不透明な面も多く、
09年度の公的年金改革と同時に進められるという声も多く聞かれる。規制緩
和実現には、検討すべき課題は多く、改革には腰を据えた議論が求められる。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPO連載講座
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「豊かな将来設計のためのライフプランの立て方」(7)
    NPO金融年金ネットワーク ファイナンシャルプランナー 明田一美
 ◇◆◇
 給与から天引きされ、サラリーマンの手取り額を大きく左右する所得税と
住民税の税率が2007年度から大幅に変わります。今後の負担はどうなるのか、
どのような影響がでてくるのか、毎月の給与明細でチェックしておきたいも
のです。

★税源移譲
 ○所得税 : 平成19年1月分から適用⇒4段階の税率を6段階に細分化
 ○住民税 : 平成19年6月分から適用⇒3段階の税率を一律10%に
※ほとんどの方は、1月から所得税が減り、その分6月分から住民税が増える
ことになります。しかし、税源の移し替えなので「所得税+住民税」の負担
は基本的にかわりません。

★定率減税の廃止
 平成11年度から、景気対策のために暫定的な税負担の軽減措置として導入
されていた定率減税が、最近の経済状況を踏まえて廃止(所得税は平成19年
1月分、住民税は平成19年6月分から)されます。
※例えば、夫婦+子供2人・給与収入700万円(年額)のケースを試算すると、
平成18年(住民税+所得税=418,000円)⇒平成19年(住民税+所得税=459,
000円)と年間41,000円(日額112円)の負担増となります。

 今回も前回に続き、将来の数値を把握するうえでの最重要ツール「キャッ
シュフロー表の作成(2)」について、ご案内します。

1. キャッシュフロー表の作成
 キャッシュフロー表を作成する際の注意点として
(1)家族と年齢
   氏名はフルネームで、年齢は「年次」に連動し、各年次末時点での満
  年齢を記入します。
(2)収入と支出
   (1)収入(可処分所得)
     収入の種類(夫妻のそれぞれの収入、夫妻のそれぞれの公的年金
    収入、一時的な収入など)を分類し、それぞれ年次ごとに、1万円
    単位で記入します。
   (2)支出
     基本生活費(食費、水道光熱費、衣料費、小遣いなどの基本的な
    家計支出費)、住居費(家賃、住宅ローン、固定資産税など)、教
    育費、保険料、その他の生活費、一時的な支出などを、年次ごとに、
    1万円単位(現在価値)で記入します。
 (3)変動率の設定
    (1)収入と支出
     ・「給与収入」の伸びは見込めるのか、どの程度か、いつまで働
      けるのかなど
     ・「基本生活費」と物価(インフレ経済、デフレ経済)
     ・「住居費」の見通し(家賃相場、住宅ローンの返済など)
     ・「教育費」の見通し(公立か私立かなど)
    (2)運用利率
     金融資産の構成、経済・金融環境などを考慮し、中期的には現実
    に達成できそうな範囲で設定します。
 (4)年間収支の把握
     収入項目、支出項目の数値を年次ごとに合算し、その差額で「年
    間収支」を把握します。年間収支がプラスの場合、その年次の家計
    が黒字になることを意味し、その金額は自動的に「金融資産残高」
    に組み入れられます。また、マイナスの場合は家計が赤字になるこ
    とを意味し、自動的に「金融資産残高」を取り崩すことになります。
     単年で赤字でも金融資産残高でカバーでき、その後順調に金融資
    産残高が増えれば問題ないのですが、恒常的に赤字が続くと対策が
    必要となります。
     このように年間収支の把握は、今後のライフプランにとって重要
    なポイントとなります。

2. キャッシュフロー表の点検
 入力(記入)ミス、計算ミス、税制や年金制度の改正が盛り込まれている
かなどを点検します。
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┃ ■NPOアクティビティー
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出版のお知らせ ――――――――――――――――――――――――――
 ◇◆◇
《創刊!!》
「働く人のためのライフプランニングと企業年金の活用ハンドブック」
 ――企業年金制度の適切な運営と豊かなセカンドライフ設計――
 NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク:編
 日本労働組合総連合会:協力
 平成18年11月30日発行
 A4判・120頁・頒価1部1,500円(荷造り・送料実費を頂きます)
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 → http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm#02

 勤労者が将来の人生設計を考える上で、社会保障制度や企業の退職給付制
度を理解し、さらに資産を有効に活用するための運用の知識を持つことが大
切です。本書は働く人たちのライフプランを実現するための総合的かつ基本
的な知識をまとめたものですが、企業又は労働組合内にライフプランや年金
制度のリーダーとなり、従業員の日常的な疑問に答えられ、また健全な制度
運営のために改善提案のできる人材の育成のためのテキストともなるよう、
念頭において記述しています。
 〈主な内容〉
 ライフプランと企業年金、公的年金その他の公的給付/確定拠出年金制度
の運用の視点と課題/企業年金通算制度の仕組みと課題/確定拠出年金の運
用の考え方/金融商品運用のポイント/投資信託の仕組みと特長/確定拠出年
金の運用の実例

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《最新版・2007年版発売!!》
「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 共編
 2007年版 平成18年11月30日発行
 A4判・104頁・2色刷り・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 → http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm#01

 退職給付制度の再編は、一部の大企業で進められているに過ぎず、今後は、
企業規模を問わず残る4万社に波及して、しかも制度の廃止が決まっている
適格年金からの移行が本格的に進行すると予想されます。また、確定拠出年
金を先行して導入した企業においては、加入者に対する投資教育が十分に行
われない等の新たな問題も発生しています。
 本書は、2006年版のデータ等を最新のものに改訂し、「高齢者雇用制度と
年金」、「企業年金のポータビリティー(通算制度)」、「投資教育の考え
方」、「企業年金制度の見直しに関する議論」等、今日的なテーマを取り上
げ大幅加筆したものです。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組役員の皆様が、公的年金か
ら会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのた
めには、年金制度の基本知識と制度移行に際して従業員サイドからの留意点
を労組役員の方々が共通に認識することが第一歩です。そこで、本書をテキ
ストや副読本として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加
盟単組からのご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も
見受けられるようになりました。
 書籍のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 NPO金融年金ネットワーク事務局
 メールアドレス:info@nenkin.gr.jp
 電話:03-5444-0539  FAX:03-5444-0303
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┃ ■NPOデータ
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確定拠出年金ファンドデータ  提供:(株)格付投資情報センター
 → http://kinyunenkin.jp/data/dc_data_200701.pdf
(PDFファイル 3キロバイト)
確定拠出年金向け投資信託の運用成績上位10位(2007年1月末基準)のデー
タを上記のURLでご紹介しています。
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●次号(36号)は4月2日に送信予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
 → info@nenkin.gr.jp
※禁・無断転載 このメールマガジンの著作権は上記発行者に帰属します。


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