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┃       金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン

┃                     第37号 2007年5月1日
┃   NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
┃             ホームページ http://kinyunenkin.jp/
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 このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場
 から退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している
 「NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金
 ネットワーク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関す
 る情報や意見交換のスペースをご提供することを目的にしています。企
 画・編集には(株)格付投資情報センターのご協力を頂いています。
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■■ 目次 ■■
●特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(20)
●NPOトピックス
1. マーケットトピックス「円資産除けば復調」
2. 年金トピックス「確定拠出年金のデフォルト商品選択に新たな動き」
●NPO連載講座
「豊かな将来設計のためのライフプランの立て方」(9)
●NPOアクティビティー
  創刊!! 「働く人のためのライフプランニングと企業年金の活用ハンドブッ
  ク」
  最新版・2007年版発売!「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応
  ハンドブック」
●NPOデータ
(株)格付投資情報センター提供 確定拠出年金ファンドデータ

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┃ ■特集レポート
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「企業年金コンサルティングの現場から」(20)
            (株)格付投資情報センター投資評価本部
            年金事業部副部長 チーフアナリスト 坂井信夫
 ◇◆◇
 平成18年度の年金資産運用は、当社のコンサルティング顧客の加重平均で
4.5%前後の数値となった。昨年度の主要資産のインデックス収益率は、国
内株式が年率0.29%のプラス、同じく国内債券が2.17%、外国株式が17.85
%、外国債券が10.24%のそれぞれ上昇であった。国内株式がほぼ横ばいだっ
たこともあり、外貨建て資産の貢献が高かったものの、平均値は前年度より
約15%低い結果である。年度初めに上昇期待の大きかった国内株式の収益率
が国内債券にも及ばず、むしろ全体では足を引っ張る方向に寄与したなど、
相場を読むことの難しさを新ためて感じる年度末の状況である。
 ところで厚生年金基金の場合、代行部分の昨年度目標利回りは約3.75%で
ある。加算部分の予定利率が5.5%、その厚みが代行部分の30%(今や少数
派かも)という基金の場合、概算だが運用実績が4.2%をクリアしていれば、
単年度不足金の発生を回避している可能性は大きいだろう。加算の厚みが30
%より薄くなれば、目標利回りも3.75%に近づくので、なおさらである。そ
して、総合型厚生年金基金に限った弊社の平均数値は5.1%程度である。よっ
て、昨年度のような狂喜乱舞するほどではないもののわずかながら剰余金を
増額させる可能性も高いといえそうだ。もしそうなると、悪夢のような3年
間の後は、4年度連続で単年度剰余金が発生することになる。その程度に差
はあれ、財政状態は相当程度回復していることは想像に難くない。
 そのため、この剰余金をどう扱うかというのが基金の財政運営上の新たな
テーマになりつつある。本来当然のテーマなのだろうが、忘れられていた様
な感がある。それだけ運用に苦しみ、財政上はしんどい期間が長かったとい
うことだろう。感慨深いものがある。
 以前も触れたように、この剰余金を原資に速やかに給付を引き戻した事例
もあれば、特別掛け金の減額で事業主負担の軽減を狙った事例もある。一方
で、より慎重な事例ではあと1年そっと我慢しておくという。なぜなら今年
の代行部分の目標利回りが6.82%(厳密には今年1月〜12月まで)とかなり
高いものになっているからだ。逆に言うと本年度を無事に乗り切れば、財政
的には胸突き八丁を越えたという認識がかなり広まるだろう。
 日本の確定給付企業年金の代表的な形態であるはずの厚生年金基金制度だ
が、その時果たしてどこまで再認識されることだろうか。
 ◆◇◆

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┃ ■NPOトピックス
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1. マーケットトピックス ――――――――――――――――――――――
「円資産除けば復調」
          NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 2月末以降の、世界的な金融パニックの後遺症はほぼ癒え、欧米や新興国
の株価や為替水準は、それ以前の状況にほぼ復調した。一方で、新聞報道等
では日本の株式や債券などの円資産の出遅れを指摘した内容が散見される。
 こうした背景から、4月の金融市場は前月末との比較で株式は日本を除き
上昇、米ニューヨークダウは史上最高値を実現した。為替は円安に向かい1
ドル119円台、1ユーロ163円台となり、ユーロは発足以来の円安水準となっ
た。金利については大きな変動は見られなかった(4月27日現在)。
 最近、海外投資家を訪問した金融関係者からは、円、日本の株式・債券な
どの円資産に対し不人気との声が聞かれる。その理由に、昨年来期待してい
た「脱デフレ」シナリオが崩れた失望感、その後の日銀の金融政策スタンス
の不明瞭さ、円安が進行したことによる海外現地通貨手取りの目減りもあっ
て、収益機会が得づらい市場が影響しているようだ。たとえば、よく引き合
いに出される消費者物価は指標的な指数で3月も引き続き前年比マイナスと
なった。その他の3月の国内経済指標も総じて、景気回復の一服感を示唆す
る結果となり、すっきり晴れる日が少ない最近の日本の天候に似ている。も
う一つ、日本をアジア地域の一つの投資先と考える海外投資家にとっては、
他のアジア諸国に対する成長期待が高いだけに、日本の投資魅力に欠けると
言う声も根強い。
 それでは円資産に資金が向く条件とはどういうことが想定されるかと言う
ことですが、以下の点を考えました。まず、前述の「脱デフレ」への道。今
後も消費者物価や個人消費・労働市場の動向は引き続き注視が必要でしょう。
次に、円資産の相対的な出遅れからくる投資先としての安心感の醸成ではな
いでしょうか。すなわちやや危険もはらみますが、現時点で順調な回復を演
じてきた欧米や新興国の株式や為替の一時的調整(下落)と考えます。次第
に高所恐怖症が出始めているのではないでしょうか。
 現時点で最悪のシナリオは米国でのインフレ加速と言われている。インフ
レ加速が米国での利上げに進展、それが景気後退に陥らせ、新興国の経済成
長を妨げると言う図式です。日本にとって現在の為替市場はドル高円安です
が、米国にとっても実は欧州や新興国の一部通貨に対してはドル安のため、
輸出依存度が高まり海外貿易不均衡が是正される方向にあって、米国にとっ
ては居心地のいい現在の為替水準とも言える。それがインフレ加速に伴い逆
のドル高へ。利上げは前回指摘した住宅ローン問題にさらに打撃を与え、金
融機関の新規貸し出しの審査厳格化が言われ始めている現在、景気に与える
影響は軽微だと言われてはいるものの、警戒が必要でしょう。
  〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基
   づき記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等あ
   りましたら後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づ
   き、証券等の投資で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◆◇◆

2. 年金トピックス ―――――――――――――――――――――――――
「確定拠出年金のデフォルト商品選択に新たな動き」
    NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士・DCアドバイザー・AFP
                              植村昌機
 ◇◆◇
 確定拠出年金における「デフォルト商品」とは、加入者が運用商品を選ば
なかった場合に、自動的に配分する運用商品を指す。企業は制度開始時に加
入者が運用商品を選ばなかった場合に、特定の商品を選んだとみなして、制
度を開始している。具体的には運用リスクが少ない元本確保型の運用商品を
デフォルト商品として仮決定しておく。加入者は制度開始後に、毎月支払わ
れる掛け金を変更し、また積立金のスイッチングをすればよいという判断だ。
元本確保型商品の運用では、制度の想定利率より運用利回りが下回ってしま
い、制度導入前の退職金額の水準に達しないという認識が必要で、加入者に
対する投資教育が重要になってくる。将来、十分な年金額を確保するために
は、一定のリスクをとった運用商品を組み入れる必要があることを加入者に
認識してもらわなければならない。ここで、投資教育が重要になるが、なか
なか実効性のある教育がされていないのが現状だ。
 そこで、この「デフォルト商品」を定期預金など元本確保型商品からバラ
ンス型投信に見直す企業が出てきた。カゴメでは、デフォルト商品をバラン
ス型投信に切り替えることで、想定利率(3.5%)並みの利回りを確保でき
るようにする考えだ。
 しかし、デフォルト商品を見直すための環境が整っているとはいえない。
最大の要因は法令だ。現在の日本の法令では運用商品の選定について企業の
責任範囲が不明確な面がある。制度上想定されていないデフォルト商品自体
の規定がなく、当然、選定要件も一切定められていない。厚生労働省は「現
在の法令でも企業が加入者から同意を得れば、デフォルト商品をバランス型
投信にしても何ら問題はない」としている。
 しかし、デフォルト商品を見直す動きはまだ少数である。ある運営管理機
関によると、制度導入時に運用商品を選定しない加入者は多く、「全員が商
品を選ぶ企業は少数派。7割が選定しない企業もある」という。元本確保型
商品にもリスクはあるという認識が必要だ。ひとつはインフレリスクであり、
物価上昇により資産の価値が目減りする。もうひとつは給付減額リスクで、
想定利回りに達していなければ、目標の退職金が達成できないことになる。
このふたつのリスクは企業が負うべきだという意見もある。
 米国のようにデフォルト商品選定の責任は企業にないことが明確であれば、
デフォルト商品を設定しやすくなるが、選定にふさわしい商品がなければ見
直しは進まない。いずれにしても、確定拠出年金において、想定利率を達成
できない商品をデフォルトにしておくのでは首を傾げてしまう。日本でもデ
フォルトの重要性を意識すべきであろう。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPO連載講座
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「豊かな将来設計のためのライフプランの立て方」(9)
    NPO金融年金ネットワーク ファイナンシャルプランナー 明田一美
 ◇◆◇
 最近、「終末医療」という言葉を見聞きすることが多くなったような気が
します。これは、昨年の通常国会で成立した医療制度改革法に基づく「高齢
者医療制度」が平成20年4月実施にむけて、準備を進めているからです。厚
生労働省がまとめた「基本的考え方」によると、複数の慢性疾患を抱える高
齢者を総合的に診察できる医師が必要としています。また、今後の課題とし
て、(1)総合的に診療できる医師が介護計画を作るケアマネジャーと情報交
換を行うことなど、医療と介護の連携 (2)安らかに終末期を迎えるための
体制の整備も挙げています。厚労省はこの案をもとに、後期高齢者医療制度
の診療報酬体系を今年秋にまとめる予定です。
 ライフプランを考えるにあたり、今後の高齢者医療制度の動向について注
視することが必要だと思います。
   *  *  *
 今回は、「バランスシートの作成と分析」について、ご案内します。

1. バランスシートとは
 一定時点における個人の資産と負債の状況を表したものを『個人のバラン
スシート』といいます。年次ごとの現金収支はキャッシュフロー表で把握で
きますが、それだけでは問題点が発見できない可能性があります。たとえば、
不動産や株式を所有していて、かなりの評価損があった場合、キャッシュフ
ロー表だけでは問題点が発見しにくいですが、バランスシートの分析をする
ことで問題点の発見ができます。また、バランスシートはポートフォリオの
分析に必要不可欠です。

〔1〕バランスシートの作成バランスシートは下記の式のとおりです。
  (総)資産=負債+純資産
  ないし、純資産=(総)資産−負債
 個人の場合、法人と違い出資による資本はないので、資産から負債を引い
た残りがプラスの場合、純資産となり、また、マイナスの場合、純負債とな
り、資産と負債のバランスがとれていないことになります。

〔2〕バランスシート作成の留意点個人バランスシートの構成項目に決まり
はなく、自由に構成できますが、法人のバランスシートのように1年以内に
換金できるものを流動資産・流動負債、1年を超えるものを固定資産・固定
負債とする考え方があります。また、資産を「現金等」「投資資産」「使用
資産(実際に生活に使う資産で、土地・住宅や自動車、家財などが該当)」
の3つに分ける考え方もあります。

〔3〕バランスシートの分析個人のバランスシートの分析は、ライフプラン
とリスク許容度を前提にしながら、資産の換金性、安全性、収益性がどのよ
うになっているかをチェックする必要があります。
  (1)ライフプランの目標達成に合った構成になっているか
  (2)預貯金の構成はどのようになっているか
  (3)株式等が多すぎないか
  (4)リスク分散されているか
  (5)不動産の比重が大きく、資産価値が減っていないか
  (6)相続による遺産分割を考慮した構成になっているか
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┃ ■NPOアクティビティー
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出版のお知らせ ――――――――――――――――――――――――――
 ◇◆◇
《創刊!!》
「働く人のためのライフプランニングと企業年金の活用ハンドブック」
 ――企業年金制度の適切な運営と豊かなセカンドライフ設計――
 NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク:編
 日本労働組合総連合会:協力
 平成18年11月30日発行
 A4判・120頁・頒価1部1,500円(荷造り・送料実費を頂きます)
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 → http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm#02

 勤労者が将来の人生設計を考える上で、社会保障制度や企業の退職給付制
度を理解し、さらに資産を有効に活用するための運用の知識を持つことが大
切です。本書は働く人たちのライフプランを実現するための総合的かつ基本
的な知識をまとめたものですが、企業又は労働組合内にライフプランや年金
制度のリーダーとなり、従業員の日常的な疑問に答えられ、また健全な制度
運営のために改善提案のできる人材の育成のためのテキストともなるよう、
念頭において記述しています。
 〈主な内容〉
 ライフプランと企業年金、公的年金その他の公的給付/確定拠出年金制度
の運用の視点と課題/企業年金通算制度の仕組みと課題/確定拠出年金の運
用の考え方/金融商品運用のポイント/投資信託の仕組みと特長/確定拠出年
金の運用の実例

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《最新版・2007年版発売!!》
「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 共編
 2007年版 平成18年11月30日発行
 A4判・104頁・2色刷り・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 → http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm#01

 退職給付制度の再編は、一部の大企業で進められているに過ぎず、今後は、
企業規模を問わず残る4万社に波及して、しかも制度の廃止が決まっている
適格年金からの移行が本格的に進行すると予想されます。また、確定拠出年
金を先行して導入した企業においては、加入者に対する投資教育が十分に行
われない等の新たな問題も発生しています。
 本書は、2006年版のデータ等を最新のものに改訂し、「高齢者雇用制度と
年金」、「企業年金のポータビリティー(通算制度)」、「投資教育の考え
方」、「企業年金制度の見直しに関する議論」等、今日的なテーマを取り上
げ大幅加筆したものです。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組役員の皆様が、公的年金か
ら会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのた
めには、年金制度の基本知識と制度移行に際して従業員サイドからの留意点
を労組役員の方々が共通に認識することが第一歩です。そこで、本書をテキ
ストや副読本として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加
盟単組からのご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も
見受けられるようになりました。
 書籍のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 NPO金融年金ネットワーク事務局
 メールアドレス:
 電話:03-5444-0539  FAX:03-5444-0303
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┃ ■NPOデータ
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確定拠出年金ファンドデータ  提供:(株)格付投資情報センター
 → http://kinyunenkin.jp/data/dc_data_200703.pdf
(PDFファイル 3キロバイト)
確定拠出年金向け投資信託の運用成績上位10位(2007年3月末基準)のデー
タを上記のURLでご紹介しています。
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●次号(38号)は6月1日に送信予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
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