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┃       金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン

┃                     第58号 2009年2月2日
┃   NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
┃             ホームページ http://kinyunenkin.jp/
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 このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場
 から退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している
 「NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金
 ネットワーク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関す
 る情報や意見交換のスペースをご提供することを目的にしています。企
 画・編集には(株)格付投資情報センターのご協力を頂いています。
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■■ 目次 ■■
●特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(41)
●NPOトピックス
1. マーケットトピックス「オバマ新政権への期待とアジア経済成長の悲観」
2. 年金トピックス「確定拠出年金専用投資信託の資産残高、金融危機後は
  2割減」
●NPO連載講座
「豊かな将来設計のためのライフプランの立て方」(30)
●NPOアクティビティー
 出版のお知らせ
◇最新版・2009年版発売!「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対
 応ハンドブック」
◇最新版・第3版発売!「働く人のためのライフプランニングと企業年金の活
 用ハンドブック」
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┃ ■特集レポート
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 企業年金コンサルティングの現場から(41)
            (株)格付投資情報センター投資評価本部
            年金事業部副部長 チーフアナリスト 坂井信夫
 ◇◆◇
 当NPOの研究会でも何回か取り上げているテーマであるが、平成24年3月末
に適格年金の税制優遇が廃止されるまで約3年を残すのみとなった。充分検
討した上で年金制度を移行する作業を行おうとするならば、正直なところ待
ったなしの状況になってきたといえるだろう。
 退職給付会計が導入されるまでは、企業年金の代表的な制度といえば適年
と厚生年金基金であった。言うまでもなく適年は会社が、厚生年金基金は基
金という特別法人が、制度の運営や資産運用の管理を行う。しかし、前者の
場合、その役割や責任の所在が往々にして不明確になりがちで、ともすれば、
契約した運用会社にほとんど任せきりという状態だったはずである。そして
推察であるが、このおまかせ傾向は企業規模が小さくなるほど強くなってい
くように思う。
 こんな赤子のような顧客から退職年金制度の移行について相談を受けたと
き、運用機関は果たしてどれだけ顧客にとって適切なアドバイスをしてくれ
るのだろうか。現段階までになくなった適年の半数は移行されずただの解約
らしい、という話を耳にすると、何ともいえない気分になってくる。
 そんな現実をうけてなのか、厚生労働省が1月9日に「適格退職年金の企業
年金への移行支援本部」を設置した。企業年金制度を取り巻く関係諸団体の
メンバーから構成され、それぞれの立場での行動計画を策定したとのこと。
狙いは、移行候補の選択肢それぞれのメリットとデメリットをしっかり認識
し、納得の行く制度移行をできるだけ迅速に行ってもらうことを支援・促進
しようということだろう。信託協会や生保協会、企業年金基金連合会や各企
業年金、日本商工会議所や日本経団連などが様々な立場から情報を発信する
はずなので、これを活用しない手はない。
 当NPO主催の研究会においてもそうだが、適年の移行候補としては確定給
付または確定拠出年金、あるいは中小企業退職金共済などが一般的である。
もちろんこれらは有力な候補であるが、もし現在すでに、総合型の厚生年金
基金に加入している事業所であるならば、まずは加入先の基金が適年の受け
皿問題をどう考えているか、確認してみることを個人的にはお勧めしたい。
実際、我々がコンサルティングでお世話になっている総合厚生年金基金では、
総合型の確定給付企業年金基金を設立したり、第二加算の給付とするなどの
取り込み事例がいくつも動き始めている。ちなみに厚生年金基金は積立資産
への特別法人税は原則非課税であり、加入者の拠出は全額社会保険料控除の
対象だ。時代遅れのイメージを持つかもしれないが、実は最も税制優遇の厚
い制度という側面もある。
 ◆◇◆
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┃ ■NPOトピックス
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1. マーケットトピックス ――――――――――――――――――――――
 オバマ新政権への期待とアジア経済成長の悲観
          NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 2009年1月、金融市場は株安、円高と日本にとっては厳しい船出になった
と言えそうです。そのためか日本に限らず20日に就任した米オバマ新大統領
に対する金融・経済から外交まで多方面にわたる手腕に期待が高まっている。
金融の問題はまだ尾を引きそうだが、先月号でもお話したようにこれからは
景気に注目していきましょう。
 そうは言いつつ金融で残された懸念は、ドル信認が揺らぐこと(ドル暴落)、
その裏腹として中国ほか主要アジア諸国の通貨高が進むことでしょう。その
中には日本も含まれていると考えたほうが良さそうです。つまり欧米を中心
とした金融資本主義破綻の一方で、アジア諸国は、これまで通貨安の恩恵を
受けてきた。そのアジアの経済成長が終焉したと野村総合研究所のリチャー
ド・クー氏が指摘している。つまり通貨の巻き戻し(逆流)が起こると考え
られている。
 ところで、経済に目を転じてみると、最近の日本のエコノミストの発言は
「景気後退」から「不況」と言う言葉に変質している。専門家の間では両者
の言葉の定義があり、今後の経済活動の低下は、相当程度ひどい状況にある
と判断しているのでしょう。背景は、報道されている通りで、深刻な海外景
気、円高、設備過剰台頭、など。経済成長率(GDP)の需要項目で言う輸出
と民間企業の設備投資の顕著な低下が予想されている。とりわけ、2009年前
半は加速度がついた落ち込みと言う表現である。後半は雇用調整が個人消費
を落ち込ませると見られている。
 雇用の問題については大和総研が次のような見解を示している。前回の景
気後退期(ITバブル崩壊時)の2002年は5.4%程度の失業率となったが、「こ
の時は15ヵ月で108万人の雇用が失われた。今回は2008年12月から2009年11
月までの12ヵ月間で270万人程度の雇用が減少するのではと試算している」。
2002年当時は影響を受けた業種が比較的限られていたのに対し、今回は広範
囲の業種に及び雇用調整は3倍弱で深刻との見方である。09年末の失業率は
現在の3.9%から5.0%程度との見方が太宗ではあるが、個人的にはITバブル
時を上回るのではないでしょうか。賃金の下方調整圧力が働くことも含めて、
さらなる雇用対策の必要性が問われることになりそうです。
 前向きな点として一つ注目しておきたいことは、原油価格の動き。WTIと
言う油種は昨年150ドル/バレル近くまで上昇、最近では30ドル近くにまで下
落後、50ドル近くにまで戻している。急ブレーキがかかった経済活動に好転
の兆しが出始めたとは言いませんが、手持ちの在庫が消化され、少しずつ生
産活動が上向くのかどうかの先行指標として注目したいと思います。
  〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基
   づき記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等あ
   りましたら後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づ
   き、証券等の投資で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◆◇◆
2. 年金トピックス ―――――――――――――――――――――――――
 確定拠出年金専用投資信託の資産残高、金融危機後は2割減
    NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士・DCアドバイザー・AFP
                              植村昌機
 ◇◆◇
 確定拠出年金の運用で使われる専用投資信託の資産残高が、金融危機以降、
大幅に減っていることが分かった。格付投資情報センターの調べによると20
08年11月末における専用投信の資産残高の合計は1兆233億円で、米国リーマ
ンブラザーズ破綻前の8月末に比べ、2割以上減少している。特に、内外株式
で運用する投信で資産減少が目立つ。相場環境の悪化で、基準価額が下落し
たことに加え、制度加入者が預金など投信以外の運用商品に資産を移したこ
となども影響したとみられる。
 確定拠出年金専用投信は、主に制度加入者の運用のためだけに運用会社が
用意する投信。格付投資情報センターの調べでは、昨年11月末時点で364本
にのぼる。確定拠出年金では、銀行や証券会社などの窓口でも取り扱う公販
兼用ファンドも一部使われるが、制度加入者の資産を部分的に把握するのは
難しいので、専用ファンドのみ対象に集計した。
 確定拠出年金専用投信は、加入者の掛け金という安定したニューマネーが
あるほか、企業による制度の新規採用で加入者の増加も続いており、ここ数
年増加傾向だった。しかし、昨年9月以降は大幅な減少となっていて、11月
末の残高は2年前の2006年末とほぼ同水準になった。
 特に資産減少が目立つのが国内株式型と外国株式型の専用投信。リーマン・
ショック前の8月末と比べると国内株型で29%、外国株型で40%減っている。
全体の資産残高の減少が目立つ中で、微増となったのが国内債券型の専用投
信。比較的安全な資産として、加入者離れが少なかったと思われる。
 格付投資情報センターと日本経済新聞社が今夏実施した「企業年金調査」
によると、2007年度における確定拠出年金導入企業の加入者利回りの平均は
マイナス4.77%と低迷している。現在のような運用環境の悪化が続けば、加
入者の資産が現在以上に預貯金や利率保障型の保険商品などに一層シフトし
かねない。
 企業によっては、相場の底入れを見込んで株式で運用する投信などのリス
ク資産へスイッチングする加入者が目立ち始めている。ただし、こうしたケー
スは多くはない。確定拠出年金制度は従来、元本確保型に傾斜しすぎた資産
配分が問題視されてきたが、さらにこうした傾向が強まる可能性がありそう
だ。
 確定拠出年金の資産運用については、長期運用が基本ではあるが、現下の
ような100年に一度といわれるような運用環境悪化の中で、加入者はどう対
応すべきであろうか。投資教育では、何をどう教えるべきか関係者の熟慮が
求められる。
 ◆◇◆
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┃ ■NPO連載講座
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 豊かな将来設計のためのライフプランの立て方(30)
    NPO金融年金ネットワーク ファイナンシャルプランナー 明田一美
 ◇◆◇
 100年に一度の金融危機と言われ、金融危機のニュースが新聞やテレビで
報道されています。専門家のコメントも諸説入り混じり、複雑化した金融を
上手に活用する方法も見えにくくなっています。
 こういう時だからこそ、心豊かに暮らすための金融の活用法を考えてみる
のもいいと思います。
            *   *   *
 今回は、「金融の活用法とは」について、ご案内します。
 投資はすべて自己責任です。自分で情報を収集し、分析し、決断しなけれ
ばなりません。それなのにしっかりと準備できないまま、皆がしているから、
人から勧められたからと、投資を始める人が増えています。
1. 投資とは
 なぜ投資をしようとするのでしょうか?「将来が不安だから」「将来起こ
りうるインフレ・リスクに対応するために」「預貯金ではお金が増えないか
ら」など、それぞれの答えがあると思います。しかし、将来が不安だからと
いって投資をしてもいいのでしょうか? 投資にはリスクがつきものです。
リスク(risk)という言葉は、よく使用されている英単語ですが、「危険、
危険性、損害のおそれ」という意味になると思います。ところが「金融商品
におけるリスク」とは、「将来、殖えるか減るかわからないという不確実性、
ブレ」のことをいいます。自分の将来が不安なうえに、投資をすれば、大切
な資産まで危険にさらす可能性もあります。資産運用する目的が「インフレ・
リスクのヘッジ(リスクの回避)」としても、過去において預貯金は、ある
程度インフレ・リスクをヘッジしてきたという時期もあります。
 ビッグバン以降、お金の運用環境が変わりました。銀行、証券、保険とい
った各金融機関の垣根が低くなり、それぞれの取り扱う商品が多様化しまし
た。また、各種の規制緩和で金融商品の選択肢は大幅に増えています。新し
く登場した金融商品のなかには、リスクのある利殖性商品も多数含まれてい
ます。しかし、あえてリスクのある商品で投資をしないという選択肢もある
と思います。
 では、あえて投資をする目的とは何でしょうか? 「より大きく資産を殖
やすため」ということでしょうか? 局面によっては、預貯金でもインフレ・
リスクをヘッジすることはできますが、資産を大きく殖やすことはできませ
ん。でも、資産の一部を株式や投資信託、外貨建て金融商品に分散すれば、
マーケット次第では確定利付き商品のみで運用した場合に比べ、局面によっ
てはより早く、より大きく資産を殖やすことができます。しかし、投資には
必ずリスクがあります。それはマーケット次第で価格が大きくブレるリスク
です。場合によっては、資産が大きく目減りするケースも十分に考えられま
す。
 だからこそ、自分は本当に投資をしたいと考えているのかどうかを、検討
する必要があります。そして投資をする場合、「大きく殖やす」ことより、
「減らさない」事を目指してはいかかでしょうか?
 「わからないものには手を出さない」、これは投資をするうえでの鉄則で
す。つまり商品の仕組みを知ることからスタートです。一見、仕組みのわか
りやすい金融商品であっても、購入する際には、商品内容の詳細を把握する
よう努めることが大切です。
2. 心豊かに人生を暮らすために知っておきたい金融の活用法とは
 (1)経済や金融の仕組みを知る
 (2)貯蓄、投資、ローンの活用法を考える
 (3)ライフプランと価値観を考える
の3点ではないでしょうか?
 前回までに「ライフプランについて」をご案内させていただきました。
 次回以降、上記(1)(2)についてご案内させていただきます。
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┃ ■NPOアクティビティー
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出版のお知らせ ――――――――――――――――――――――――――
 ◇◆◇
《最新版・2009年版発売!!》
「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」
日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク共編
2009年版 平成20年11月10日発行
A4判・106頁・2色刷り・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 退職給付制度の再編は、一部の大企業で進められているに過ぎず、今後は、
企業規模を問わず残る3万社に波及して、しかも制度の廃止が決まっている
適格年金からの移行が本格的に進行すると予想されます。また、確定拠出年
金を先行して導入した企業においては、加入者に対する投資教育が十分に行
われない等の新たな問題も発生しています。
 本書は、2004年10月に2005年版を創刊以来、本年版で5冊目になります。
本年版は、旧版のデータ等を最新のものに改訂し、3年後に廃止の決まって
いる「適格退職年金制度の移行と労働組合の取り組み」を大幅加筆しました。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組役員の皆様が、公的年金か
ら会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのた
めには、年金制度の基本知識と制度移行に際して従業員サイドからの留意点
を労組役員の方々が共通に認識することが第一歩です。そこで、本書をテキ
ストや副読本として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加
盟単組からのご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も
見受けられるようになりました。
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《最新版・第3版発売!!》
「働く人のためのライフプランニングと企業年金の活用ハンドブック」
―企業年金制度の適切な運営と豊かなセカンドライフ設計―
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク:編
日本労働組合総連合会:協力
平成20年11月30日発行
A4判・138頁・頒価1部1,500円(荷造り・送料実費を頂きます)
 勤労者が将来の人生設計を考える上で、社会保障制度や企業の退職給付制
度を理解し、さらに資産を有効に活用するための運用の知識を持つことが大
切です。本書は働く人たちのライフプランを実現するための総合的かつ基本
的な知識をまとめたものですが、企業又は労働組合内にライフプランや年金
制度のリーダーとなり、従業員の日常的な疑問に答えられ、また健全な制度
運営のために改善提案のできる人材の育成のためのテキストともなるよう、
念頭において記述しています。
 本書は、平成18年11月に創刊し、本書は改訂第3版として発行するもので
す。
〈主な内容〉ライフプランと企業年金、公的年金その他の公的給付/確定拠
出年金制度の運用の視点と課題/企業年金通算制度の仕組みと課題/確定拠
出年金の運用の考え方/金融商品運用のポイント/投資信託の仕組みと特長
 書籍のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 NPO金融年金ネットワーク事務局
 メールアドレス:
 電話:03-5444-0539  FAX:03-5444-0303
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 → http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm
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●次号(59号)は3月2日に送信予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
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