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┃       金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン

┃                     第73号 2010年5月1日
┃   NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
┃             ホームページ http://kinyunenkin.jp/
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 このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場
 から退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している
 「NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金
 ネットワーク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関す
 る情報や意見交換のスペースをご提供することを目的にしています。企
 画・編集には(株)格付投資情報センターのご協力を頂いています。
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■■ 目次 ■■
●特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(56)
●NPOトピックス
1. マーケットトピックス「調整局面も強気の姿勢」
2. 年金トピックス「適格年金移行の最新状況」
 ―確定給付企業年金への移行が急伸、廃止期限までの移行にメド―
●NPO連載講座
「豊かな将来設計のためのライフプランの立て方」(45)
●NPOアクティビティー
出版のお知らせ
◇最新版・2010年版発売!
「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」
◇最新版・第3版「働く人のためのライフプランニングと企業年金の活用ハ
ンドブック」
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┃ ■特集レポート
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 企業年金コンサルティングの現場から(56)
           (株)格付投資情報センター投資評価本部
           年金事業部担当部長 チーフアナリスト 坂井信夫
 ◇◆◇
 企業年金制度と当たり前のように口にしているが、一般のビジネスの世界
から見るとかなり特殊な世界ではないだろうか。奥が深く、専門性の高い分
野であり、それゆえに、一般企業サイドで知識の豊富な人材はなかなか育成
しづらい。確定給付年金であれば総幹事会社、確定拠出年金であれば運営管
理機関という委託業者があるが、委託サイドはその知識の乏しさゆえに、え
てして彼ら業者任せになりがちである。
 ただ確定給付の世界では、資産運用に関する限りこの傾向はかなり薄れて
きている。資産の運用委託については運用の巧拙を基本に据えて考えるとい
う風潮が、かなり確立してきているように思う。それはなぜかといえば、そ
れらの行為が制度のスポンサーである企業の責任として求められてきたから
である。我々はそうあるべきだと説いてきたし、厚労省や企業年金連合会も
その普及に努めてきたことの成果だともいえる。
 一方の確定拠出の世界に関してだが、つい最近まで「外野」でやきもきし
ていたのだが、昨年末に企業年金連合会が公表した「企業型確定拠出年金制
度運営ハンドブック」に注目である。確定拠出年金制度における投資教育の
あり方をテーマとした投資教育ハンドブックに続くもので、今回は企業型確
定拠出年金を実施する事業主の継続教育以外の制度運営上の責任に触れてい
る。この動きが事業主の自覚を促すキッカケとなれば、と思う次第である。
ちなみに確定給付の世界で受託者責任という言葉が定着しているが、大きな
影響を与えたことの一つはやはり企業年金連合会が出した受託者責任ハンド
ブックであったと思う。今回のハンドブックも、事業主の制度運営責任とい
う言葉、事業主の意識の定着に大きな影響を与えてほしいものである。
 筆者の立場からみたハンドブックのポイントは、運営管理機関の選任やモ
ニタリング、運用商品のモニタリングによる追加や除外、などを制度運営上
の今後の課題と指摘している部分である。加入者は、会社が選んだ投資商品
でしか運用できない。もし他と比べて成績のさえない商品ばかり並べていた
ら、その加入員は悲劇であろう。これへの有力な対応策の一つが、中立公正
な立場のコンサルタントの採用であると思っている。
 冒頭で述べた通り、総幹事や運営管理機関と委託者であるスポンサーの間
には、年金関連の諸知識において、大きな格差がある。その格差の存在こそ
企業が業者任せにさせてしまう大きな理由の一つだろう。企業側の視点で情
報提供を行い、格差を少しでも解消することもコンサルタントの重要な役割
である。
 ◆◇◆
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┃ ■NPOトピックス
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1. マーケットトピックス ――――――――――――――――――――――
 調整局面も強気の姿勢
          NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 過去1ヵ月ほどの金融市場は、調整局面にあった。つまり世界的に株式で
は4月前半は上昇、後半に下落、為替は前半に円安、後半は円高にやや戻る
といった展開でした。現在、金融関係者の間では、各国の金融政策において
それぞれの国で異なる動きが次第に鮮明になってきたことや欧州ギリシャ問
題が長く尾を引く可能性、中国人民元の切り上げ問題は先送りされそうなこ
となどから、様子見もしくは閉塞感があると言わざるを得ません。
 金融政策については、既に報道にもありますが、日米欧の先進国は金利引
き上げなど金融引き締めには慎重、一方でリーマン・ショック影響が小さか
ったそれら以外の国々ではインフレの懸念もあって、引き締めを段階的に進
めている。代表的な国では豪州、ブラジル、中国、インド、など。欧州が抱
えるギリシャ問題は当面の資金繰りと言う面での不安はなくなったものの、
これでギリシャの財政赤字問題が解消されたわけではなく、また、EU各国の
今後の支援体制の足並みが揃っていないこともあって、まだ不安視されてい
るようだ。5月中旬には何らかの方向性が見えるのではないかと言われてい
るが、欧州中央銀行(ECB)が金融緩和を継続する限りは、ユーロ安が続く
ことになりそうである。
 中国人民元の切り上げ論義は政治的な問題も抱えており、現在は人民元が
米ドルに対し緩やかに上昇するとの見方が多い。人民元問題については、米
国は人民元の事実上のドルペッグ(ドルと同じ動き)制が世界経済の不均衡
(貿易黒字)の一因と言い、中国は人民元が安いとは思わないし、人民元高
によって不均衡解決にはならないと主張、などかみ合っていない。しかし、
双方の歩み寄りも報道されている。米国ガイトナー財務長官の4月上旬の中
国訪問、中国胡錦濤国家主席が米国での核安全保障サミットに出席の際、米
オバマ大統領と会談、人民元問題に触れたとも報道されている。いずれにし
ても、対米ドルで緩やかな人民元高の方向に進む公算が大きい。人民元と言
う通貨をどうするかという問題よりは、様々な意味で米中関係がこじれてし
まうことの問題の方が大きいようである。
 今後の投資の考え方としては、前月号でお示ししましたように、継続的な
株式上昇や円安過程での調整局面と考え、次の反転の時期を待ちたいと思い
ます。
  〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基
   づき記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等あ
   りましたら後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づ
   き、証券等の投資で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◆◇◆
2. 年金トピックス ―――――――――――――――――――――――――
 適格年金移行の最新状況
 ―確定給付企業年金への移行が急伸、廃止期限までの移行にメド―
    NPO金融年金ネットワーク DCアドバイザー・AFP・社会保険労務士
                              植村昌機
 ◇◆◇
 2012年3月末に廃止になる適格年金の件数が急激に減少し、期限までに他
の退職給付制度へ移行を完了する見通しとなった。
 大手受託機関12社の受託件数は09年12月末で16,987件となり、前年を上回
る減少数で移行が進んでいる。現在残っている企業の3分の2が従業員数100
人未満の企業で、100〜300人の企業が2割、300人以上の企業が1割ある。
 2009年4〜12月末の9ヵ月間をみると、適格年金からの移行先として主流に
なりつつあるのは確定給付企業年金の規約型だ。移行先は過去数年間、中小
企業退職金共済制度が多かったが、2008年度は移行件数が約2,200件で肩を
並べ、2009年度は12月までで確定給付企業年金への移行が中退共への移行を
上回っている。
 確定給付企業年金への移行が多いのは、適格年金に近い制度設計が可能で
あるため、従業員の合意を得やすく、退職金規程を変更せずに移行すること
もできる。しかし、適格年金では予定利率の水準を5.5%としている企業が
大半を占めていたが、確定給付企業年金への移行時に2.5%から3.5%へと引
き下げる企業が多い。一時金ベースでの支給額を引き下げる企業は少ないが、
年金の給付利率を引き下げる企業は多い。一時金ベースでは減額しないが、
年金で受給する場合は給付減額になることに注意が必要だ。予定利率を引き
下げても、給付利率を据え置く企業は少ない。
 移行した企業の中には、ポイント制やキャッシュバランスを採用する動き
もあったが、今後その割合は低下すると予想される。新たに退職給付制度全
般の見直しを進めるには準備期間が1年から1年半必要だが、適格年金廃止ま
での残り期間が短くなる中、新たな制度への再構築は困難になっている。こ
のようなケースでは、とりあえず、確定給付企業年金に移行して、移行後に
確定拠出年金など他の制度への移行を検討することになる。
 一方、確定拠出年金への移行は減速している。確定拠出年金への移行は大
半の企業が検討しているが、運用利回りが低迷する中、運用リスクを従業員
に負担させにくい環境になっている。また、導入に伴う従業員の同意手続き
や投資教育など企業の負担も大きいことから、これから導入を考えるには時
間が残されていない。
 制度廃止まで2年を切った状況で、ほぼ移行の見通しがたったようだが、
依然「未定」としている企業もあり、不安は残る。受託機関は期限を半年か
ら1年程度前倒しした想定で、残る適格年金への対応は2010年度中にすませ
る考えだ。企業においても同様の日程で対応して欲しいものである。
 ◆◇◆
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┃ ■NPO連載講座
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 NPO連載講座
「豊かな将来設計のためのライフプランの立て方」(45)
    NPO金融年金ネットワーク ファイナンシャルプランナー 明田一美
 ◇◆◇
 万一の場合に、不安を持っている人は多いようです。生命保険文化センター
の調査(H19年・生活保障に関する調査)によると、72.9%の方が「公的保
障」で大部分をまかなえるとは思わないと考えているようです。では、その
不安に対して具体的にどう備えているのでしょうか。
 72.4%の方が私的に準備をしているようです。その内訳は。(1)生命保険6
4.8%(2)預貯金33.9%(3)損害保険14.2%(4)有価証券4.7%(5)その他0.4%
と、79%の方が保険を活用されています。
            *   *   *
 今回は、「リスクに備える〜保険法(1)」について、ご案内します。
 1. 保険法
 保険法は、保険契約に関する一般的なルールを定めた法律で、保険契約の
締結から終了までの、保険契約における関係者の権利義務等が定められてい
ます。
 保険業法は旧商法典において保険監督の規定を設けていた時代を経て、19
00年に成立しましたが、その後、実質的な改正がされていませんでした。と
はいえ、(1)生保・損保の子会社の保険市場への参入(2)損害保険料率の自由
化(3)保険契約者保護機構の設立(4)破綻前の予定利率引き下げが可能になる
等、時代の流れや社会情勢の変化に伴って、保険業法やその関連法規の改正・
整備が頻繁に行なわれています。
 しかしながら、現在は広く普及している傷害疾病保険に関する規定が存在
せず、現在の保険制度に適合しない内容となっている等の問題もありました。
そこで、今回、この商法の保険契約に関する規定を全面的に見直し、独立し
た法律にしたものが新しい保険法です。
 2.保険法の特徴
 現在広く普及している傷害疾病保険に関する規定が設けられ、傷害や疾病
に基づいて支払われる保険契約についても保険法のルールが及ぶことになり
ました。
 保険契約書、被保険者および保険金受取人の保護のための規定が整備され
ました。
 おもな改正点は
 (1)共済契約にも適用範囲を拡大
 (2)傷害疾病保険に関する規定を新設
 (3)保険契約者等の保護
 ・契約締結時の告知に関するルールの見直し
 ・保険金の支払時期に関する規定を新設し、支払の不当な遅延を防止
 ・これらのように保険契約者等を保護するための重要なルールについて、
  法律よりも保険契約者等に不利な約款の定めを無効にする(片面的強行
  規定)
 (4)損害保険についてのルールの柔軟化
 (5)責任保険における被該者の優先権の確保
 ・PL保険などの賠償責任保険契約について、被該者が保険金を優先的に取
  得できるようにする(先取特権の規定を新設)
 (6)保険金受取人の変更ルールの整備
 ・遺言によっても保険金受取人を変更できること等、保険金受取人の変更
  に関する手続きの明確化
 (7)モラルリスクの防止
 保険法は、平成22年4月1日から施行されています。保険法の規定は、原則
として、法律の施行日以降に締結された契約に適用することとしていますが、
保険金の支払時期の規定、責任保険契約における先取特権の規定等、一部の
規定については、施行日前に締結された保険契約にも適用することとしてい
ます。
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┃ ■NPOアクティビティー
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出版のお知らせ―――――――――――――――――――――――――――
 ◇◆◇
《最新版・2010年版 発売!!》
「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」
日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク共
編2010年版 平成21年11月30日発行
A4判・112頁・2色刷り・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 退職給付制度の再編は、今後、企業規模を問わず残る25,000社に波及して、
しかも制度の廃止が決まっている適格年金からの移行が本格的に進行すると
予想されます。また、確定拠出年金を先行して導入した企業においては、加
入者に対する投資教育が十分に行われない等の新たな問題も発生しています。
 本書は、2004年11月に2005年版を創刊以来、本年版で6冊目になります。
本年版は、旧版のデータ等を最新のものに改訂し、わが国の退職給付制度に
大きな影響を及ぼす「国債会計基準の動向」など加筆しました。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組役員の皆様が、公的年金か
ら会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのた
めには、年金制度の基本知識と制度移行に際して従業員サイドからの留意点
を労組役員の方々が共通に認識することが第一歩です。そこで、本書をテキ
ストや副読本として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加
盟単組からのご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も
見受けられるようになりました。
 □◆□◆□
《最新版・第3版》
「働く人のためのライフプランニングと企業年金の活用ハンドブック」
―企業年金制度の適切な運営と豊かなセカンドライフ設計―
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク:編
日本労働組合総連合会:協力
平成20年11月30日発行
A4判・138頁・頒価1部1,500円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 勤労者が将来の人生設計を考える上で、社会保障制度や企業の退職給付制
度を理解し、さらに資産を有効に活用するための運用の知識を持つことが大
切です。本書は働く人たちのライフプランを実現するための総合的かつ基本
的な知識をまとめたものですが、企業又は労働組合内にライフプランや年金
制度のリーダーとなり、従業員の日常的な疑問に答えられ、また健全な制度
運営のために改善提案のできる人材の育成のためのテキストともなるよう、
念頭において記述しています。
 本書は、平成18年11月に創刊し、本書は改訂第3版として発行するもので
す。
〈主な内容〉ライフプランと企業年金、公的年金その他の公的給付/確定拠
出年金制度の運用の視点と課題/企業年金通算制度の仕組みと課題/確定拠
出年金の運用の考え方/金融商品運用のポイント/投資信託の仕組みと特長
 書籍のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 →http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm
 お問い合わせ、お申し込みは
 NPO金融年金ネットワーク事務局(
 または電話(03-5444-0539)、FAX(03-5444-0303)まで。
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●次号(74号)は年6月1日に送信の予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
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ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
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