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┃       金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン

┃                     第77号 2010年9月1日
┃   NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
┃             ホームページ http://kinyunenkin.jp/
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 このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場
 から退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している
 「NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金
 ネットワーク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関す
 る情報や意見交換のスペースをご提供することを目的にしています。企
 画・編集には(株)格付投資情報センターのご協力を頂いています。
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■■ 目次 ■■
●特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(60)
●NPOトピックス
1. マーケットトピックス「市場は底入れ楽観視が短期弱気に」
2. 年金トピックス「終身年金から有期年金へ、支給期間10年が8割」
  ―確定給付企業年金の給付設計調査から―
●NPO連載講座
「豊かな将来設計のためのライフプランの立て方」(49)
●NPOアクティビティー
出版のお知らせ
◇最新版・2010年版発売!
「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」
◇最新版・第3版 残部僅少!
「働く人のためのライフプランニングと企業年金の活用ハンドブック」
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┃ ■特集レポート
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 企業年金コンサルティングの現場から(60)
           (株)格付投資情報センター投資評価本部
           年金事業部担当部長 チーフアナリスト 坂井信夫
 ◇◆◇
 記録的な猛暑の続く今年の夏であるが、それでも確実に時は経っていき、
今年度も早いもので5ヵ月が経過した。しかし、年金運用の状況は、15%を
超える内外株式の下落や急激な円高により、お寒いものとなっている。ある
いは瞬間風速で2桁のマイナスという厚生年金基金もあるのではないだろう
か。
 厚生年金基金は、国の年金を代行する部分と基金が独自に給付する部分と
からなり、独自給付部分の予定利率は現在でも大半が年率5.5%である。ま
た、代行部分については実質国の利回り並みを確保すればよいとされ、さら
にはほとんどの基金が年金積立金管理運用独立行政法人の資産構成などを意
識している。両者の時価構成比では、特に内外株のウエートに大きな開きが
あり、基金の方が圧倒的にハイリスクハイリターン志向である。内外株式が
上昇した昨年度の独法の利回りは約7.9%であるが、総合基金の数字は弊社
顧客の場合で約16%であった。逆にもし、今年度の後半も内外株式の不振が
続くとすれば、基金の運用が国の利回りを上回らないという結果になりかね
ず、その場合その差は当然ながらそのまま積立不足と認識される。
 奇しくもこのタイミングで、厚労省は財政難の厚生年金基金に対して、財
政の健全化を進めるような管理・指導をより厳しく行うとの方針を明らかに
している。具体的には決算時の時価総額が最低責任準備金の9割に満たない
状態が3年間続いた基金に対して、その基金名を公表し、掛金の引き上げや
給付減額などの対策を盛り込んだ5年間の財政健全化計画の策定を求めると
ともに、その進捗状況を適宜チェックするということのようだ。9月は基金
の決算代議員会の時期で、その結果を受けて11月末にはこの指定対象が明ら
かになるだろうが、厚生年金基金約600のおよそ1割が該当するのではとのこ
とである。
 ではなぜ総合厚生年金基金のほとんどがハイリスクハイリターンを志向す
るのか。それは運用で生じた積立不足を、ほとんど追加掛金を徴収すること
なく、運用の利差益で取り戻そうとしているからである。総合基金の事業主
の中には、「これ以上掛金の追加負担が増えれば基金に加入し続けるメリッ
トはない」と制度に否定的な意見も出てきかねない。中小企業の掛金追加負
担能力が大手企業に比べて脆弱であることが、運用で冒険せざるを得ない最
大の要因なのである。そういう背景の中で、行政が強権を揮うことは、総合
基金にとって果たして良薬なのかそれとも……。
 いずれにしても菅総理の言う通り、強い経済がなければ社会福祉制度が揺
らぐということは正しいようである。で、肝心のその与党はコップの中の嵐
に大騒ぎであるが、無駄に時間を費やすのはいかがなものだろうか。
 ◆◇◆
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┃ ■NPOトピックス
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1. マーケットトピックス ――――――――――――――――――――――
 市場は底入れ楽観視が短期弱気に
          NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 8月末のここ数日での金融市場の動きが騒がしくなってきた。米ドルが1995
年の1ドル79円台以来の円高が進行し83〜84円。日本の株式が先導している
かのようにも見えるが、先進国の株式が揃って下落に転じた。年初1月から8
月上旬までの株価騰落率は、アジアを主に新興国市場が健闘し、先進国では
ドイツが頑張っている。ドイツはユーロ安を背景に輸出が景気回復の牽引役
となっているためのようだ。米国はほぼ平均的、日本は平均を下回る株式の
推移であった。
 それでは順に見ていきますと、為替は「世界経済の減速が顕著」になって
きたことが背景にある。メディアでも報道されているように、景気回復を輸
出で先導し、雇用拡大へつなげるためには、自国にとっては通貨安が望まし
いという考え方からである。さらに、米国では「日本型デフレの回避」のた
め、過去の「強いドルを志向する」と言う動きはない。米ドル安円高はまだ
続くとの見方は多い。
 一方、株式市場は日本の輸出依存型経済が円高影響、エコポイント制度の
終了間近に加えて、政治の混迷もあるようだ。したがって、金融市場からの
メッセージは日本銀行に対しては、あまり打つ手がないとは言われるが金融
緩和を、政治・政策に対しては追加経済対策を催促している相場だとも言わ
れる。また、為替に関しては、「円売りの為替介入」は政治判断で難しいと
の見方も多い。世界的に景気楽観論は後退し、経済成長率(GDP)の下方修
正も出始めた。早晩転換点が来るのではないかとの見方もあるが、当面現状
と変わらず今後2〜3ヵ月様子見と言うのが一般的ではないでしょうか。
 それでは「今何をすべき」なのでしょうか。まず、為替の安定、そして日
本内需の活性化、産業育成、などが問われます。円高で日本企業の海外生産
移転が加速すると、既にその兆候は出てはいますが、雇用は奪われます。ま
た、次世代自動車やロボット、半導体、電子材料、など付加価値製品の供給
基地で有り続けなければなりません。既存産業の裾野を広げ、新たな産業の
掘り起こし、育成にも注力する必要性があるでしょう。そうした政策への期
待が高まっています。
 今後の金融市場については、為替、株式の底入れ時期を探っていくと言う
時期になります。国内では経済対策の規模と内容、日銀の為替対応、海外で
は米国、ドイツなど先進国の景気の見方、などに変化が出てくれば金融市場
は反転に向かうと予想します。次号までにその兆しが見えることを期待して
います。
  〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基
   づき記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等あ
   りましたら後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づ
   き、証券等の投資で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◆◇◆
2. 年金トピックス ―――――――――――――――――――――――――
 終身年金から有期年金へ、支給期間10年が8割
 ―確定給付企業年金の給付設計調査から―
    NPO金融年金ネットワーク DCアドバイザー・AFP・社会保険労務士
                              植村昌機
 ◇◆◇
 税制適格年金制度の廃止期限まで残すところ1年半となり、他の企業年金
への移行は最終段階を迎えている。最近の移行の傾向としては、市場の運用
環境の悪化により、確定拠出年金への移行に慎重な企業が多く、確定給付企
業年金への移行が増加している。そこで、確定給付企業年金へ移行するに当
たって、給付設計にどのような変更がみられるのか。「年金情報」の調査か
らは、厚生年金基金からの移行に際しては、終身年金を有期年金に変更、ま
た保証期間の延長による企業の負担軽減が実施されている。そして適格年金
からの移行に際しては、従来の制度設計を受け継ぐかたちで、有期年金の8
割が支給期間10年という結果となっている。
 この調査は、「年金情報」が今年3月に、信託銀行5社、大手生保会社4社
の協力を得て、受託する確定給付企業年金の給付設計についてアンケート調
査を実施した。集計対象は6,333件。調査結果は以下の通り。
 有期年金は5,720件と全体の90.3%で、このうち支給期間10年の有期年金
が4,734件あり、82.8%と最多となっている。多くが適格年金の給付設計だ
った10年有期年金を受け継いでいる。次いで多いのが15年有期年金の484件
(8.5%)、5年有期が251件(4.4%)、20年有期が222件(3.9%)だった。
 確定給付企業年金は厚生年金基金と異なり、労使合意があれば法令の範囲
内で自由な給付設計が認められている。厚生年金基金は終身年金が原則だが、
確定給付企業年金では、終身または5年以上の年金と規定されていて、必ず
しも終身の設計は求められていない。
 例えば、60歳から65歳までの間のつなぎ年金にする目的で、5年有期年金
を設けることもできる。終身年金では保証期間を経過した部分の給付につい
ては企業の負担となるため、一部の企業では終身年金に伴う「長寿リスク」
を避ける狙いで、制度移行を機に終身年金から有期年金に切り替えている。
終身年金における保証期間を延長する企業も1割増えていて、終身年金の廃
止とともに給付減額を実施していることが窺える。
 終身年金は613件で全体の9.7%だった。このうち、15年保証が254件(41.
4%)と最多。厚生年金基金では、法令上終身年金が義務付けられていて、
保証期間を15年以内で設計する企業が多かったことも影響している。
 ◆◇◆
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┃ ■NPO連載講座
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 NPO連載講座
「豊かな将来設計のためのライフプランの立て方」(49)
    NPO金融年金ネットワーク ファイナンシャルプランナー 明田一美
 ◇◆◇
 今年4月からは、現役世代の公的年金加入者に対して2回目の送付が行われ
ている「ねんきん定期便」の送付数は6676万件です。誕生月に送付されてい
るのですが、問い合わせを集中させないために、毎月月曜と金曜に発送され
ています。
 定期便1年目では、あて先不明で加入者に届かなかったものが122万件とな
り、住所変更の届出の時期と、定期便作成時期のタイムラグが原因のようで
す。しかし、2011年4月以降は、住基ネット(住民基本台帳ネットワーク)
が保有する住所変更等の情報が活用されますので、年金事務所への住所変更
届が不要になったり、最新の情報で再送付されるので、未達は大きく改善さ
れるものと思われます。
 セカンドライフの生活設計を考えるうえで、年金の受取額は把握したい情
報のひとつですので、「ねんきん定期便」を上手く活用したいものです。
            *   *   *
 今回は、「退職前に知っておきたいお金の知識〜(1)年金定期便II」につ
いて、ご案内します。
 1. ねんきん定期便の封筒
 定期便の封筒は「水色」と「オレンジ」の2種類です。標準報酬額の誤記
載など間違いの可能性がある人には「オレンジ」が送付され、それ以外の人
には「水色」が送付されますので、「オレンジ」が送付された人はチェック
したうえで、同封の「回答票」に必要な訂正をし、返送します。なお、特別
便で回答し訂正のない場合は返送不要です。
 2.必ず回答する再確認書類
 これらの書類が同封されている場合は、必ず確認し、年金加入記録回答票
を返送します。
 (1)年金加入記録に結び付く可能性のある記録のお知らせ
  ねんきん定期便に反映されていない
 (2)標準報酬月額に誤りのある可能性のある記録のお知らせ
  実際より低く処理されている可能性のある標準報酬月額が記載されてい
  る
 (3)「ねんきん特別便」のご回答のお願い
  もれや間違いがある場合もない場合も、年金加入記録回答票により返送
  する
 3.標準報酬月額のチェックする
 記録一覧をみて、不自然の低い額や空白がないかに注意します。この額に
応じて毎月支払う保険料が低くなります。保険料は個人と会社の折半なので、
保険料を減らしたい会社が低く改ざんし、受け付けた旧社会保険事務所(現・
年金事務所)も保険料の納付率を高めたいがために改ざんに加担した「消さ
れた年金」が144万件もあります。
 標準報酬月額とは、毎月の報酬(※)を98,000円から62万円のレンジのな
かで30等級に分けたものです。平均月給が62万円超でも62万円で頭打ちとな
り、98,000円以下でも98,000円で計算されます。改ざんする時は、この最低
額98,000円にする例が多いようです。
 ※ 報酬:税や保険料を引く前の額面で、残業代や通勤定期代、各種手当
に食事や社宅等の現物を換価したものも加えたものとして考えます。また、
4月から6月の平均をとります。
 38歳頃の給料が平均になる……という説や、退職時の70〜80%が平均にな
る……という説もあるようですが、不自然に低い額がないか等のチェックが
必要です。
 ☆自分の現在の標準報酬月額は
 給与明細の厚生年金引き去り額を2倍にし、保険料率(15.704%)で割る
と計算できます。
 4.ねんきん定期便の問い合わせ先
  ねんきん定期便が届かない、見方や回答の仕方がわからない……など
  ねんきん定期便専用ダイヤル 0570-058-555
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┃ ■NPOアクティビティー
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出版のお知らせ―――――――――――――――――――――――――――
 ◇◆◇
《最新版・2010年版 発売!!》
「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」
日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク共
編2010年版 平成21年11月30日発行
A4判・112頁・2色刷り・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 退職給付制度の再編は、中小企業を中心に残る約17,000社(22年3月末)
の適格年金からの移行が最終段階を迎えています。また、確定拠出年金を先
行して導入した企業においては、加入者に対する投資教育が十分に行われな
い等の新たな問題も発生しています。
 本書は、2004年11月に2005年版を創刊以来、本年版で6冊目になります。
本年版は、旧版のデータ等を最新のものに改訂し、わが国の退職給付制度に
大きな影響を及ぼす「国債会計基準の動向」など加筆しました。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組役員の皆様が、公的年金か
ら会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのた
めには、年金制度の基本知識と制度移行に際して従業員サイドからの留意点
を労組役員の方々が共通に認識することが第一歩です。そこで、本書をテキ
ストや副読本として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加
盟単組からのご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も
見受けられるようになりました。
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《最新版・第3版》残部僅少!
「働く人のためのライフプランニングと企業年金の活用ハンドブック」
―企業年金制度の適切な運営と豊かなセカンドライフ設計―
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク:編
日本労働組合総連合会:協力
平成20年11月30日発行
A4判・138頁・頒価1部1,500円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 勤労者が将来の人生設計を考える上で、社会保障制度や企業の退職給付制
度を理解し、さらに資産を有効に活用するための運用の知識を持つことが大
切です。本書は働く人たちのライフプランを実現するための総合的かつ基本
的な知識をまとめたものですが、企業又は労働組合内にライフプランや年金
制度のリーダーとなり、従業員の日常的な疑問に答えられ、また健全な制度
運営のために改善提案のできる人材の育成のためのテキストともなるよう、
念頭において記述しています。
 本書は、平成18年11月に創刊し、本書は改訂第3版として発行するもので
す。
〈主な内容〉ライフプランと企業年金、公的年金その他の公的給付/確定拠
出年金制度の運用の視点と課題/企業年金通算制度の仕組みと課題/確定拠
出年金の運用の考え方/金融商品運用のポイント/投資信託の仕組みと特長
 書籍のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 →http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm
 お問い合わせ、お申し込みは
 NPO金融年金ネットワーク事務局(
 または電話(03-5444-0539)、FAX(03-5444-0303)まで。
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●次号(78号)は年10月1日に送信の予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
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