ホームへ メールマガジン登録


□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□

┃       金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン

┃                     第79号 2010年11月1日
┃   NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
┃             ホームページ http://kinyunenkin.jp/
□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□
――――――――――――――――――――――――――――――――――
 このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場
 から退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している
 「NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金
 ネットワーク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関す
 る情報や意見交換のスペースをご提供することを目的にしています。企
 画・編集には(株)格付投資情報センターのご協力を頂いています。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
■■ 目次 ■■
●特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(62)
●NPOトピックス
1. マーケットトピックス「通貨戦争の行方は?」
2. 年金トピックス「低リスク運用へ移行、掛金引き上げと合わせ財政再建」
  ―2010年日経企業年金実態調査から―
●NPOアクティビティー
1. セミナーのお知らせ
2. 出版のお知らせ
◇最新版・2010年版発売!
「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」
◇最新版・第3版 残部僅少!
「働く人のためのライフプランニングと企業年金の活用ハンドブック」
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■特集レポート
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 企業年金コンサルティングの現場から(62)
           (株)格付投資情報センター投資評価本部
           年金事業部担当部長 チーフアナリスト 坂井信夫
 ◇◆◇
 最近の経済ニュースとして、円・ドルレートが95年以来の円高水準という
報道を耳にする。一般に、年金基金の外貨建て資産のベンチマークは為替ヘ
ッジをしていない。よって円高になると「差損」が計上されることになる。
さぞや、成績は苦戦だろうとイメージする方も多いのではないか。
 ところが、弊社クライアントである総合型厚生年金基金の9月末の平均収
益は、6月末に対して約2%改善している。6月末が7%台前半のマイナス実績
であったものが、9月末はマイナス5%台前半となっている。
 そこで内外株式、債券の市場インデックス騰落率をみると、上半期通期(4
月〜9月)の国内株式が−14.45%、外国株式が−10.44%、外国債券−5.61
%といずれも大きく落ち込み、国内債券が唯一プラスの3.35%となっている。
しかし、第2四半期(7月〜9月)の3ヶ月間だけに限ると外国株式が8.21%、
外国債券2.59%、国内債券が1.07%と三資産がプラス値である。また、国内
株式の騰落も−0.59%でほぼ横ばいといえる。ちなみにエマージング株イン
デックスは2桁の回復で、通期の騰落率もマイナスとはいえ3%台にまで戻っ
ている。こういった数値を挙げると、第2四半期の好調さは容易に推察されよ
う。
 回復の一要因としては、為替の円・ユーロ相場があげられるのではないか。
ギリシャ云々で6月末108円まで安くなったユーロだが、9月末には114円まで
高くなった。例えばこのユーロ高は、第2四半期の円・ドルレートが約5円円
高に振れているにもかかわらず、外債インデックスにおける為替の寄与率を
ほぼゼロにするまで押し上げている。また、第2四半期に外株の欧州地域の
インデックスが12%の戻りとなっていることにも表れている。
 さりとて、厚生年金基金は代行部分では、国の利回りに準ずる数値が各年
度の運用目標となり、さらに5.5%前後の固定利率で独自の加算給付が乗っ
かる。残念ながら現状では、加算部分はもちろん、最低責任準備金部分につ
いても、運用上の利差損が発生している状態であろう。ただし、安易な楽観
論を振りまく気はないが、第2四半期のプラスも決して予見できたわけでは
ないことも踏まえておく必要があろう。
 前々月にも触れたことだが、資産の積立不足を掛金の追加負担で補うこと
がなかなか難しい総合型厚生年金基金にとって、財政健全化のためには「利
差益」の獲得を目指すことが必須である。しかしそれは、運用環境が悪けれ
ば、たちまち利差損を被るという両刃の剣である。「運用環境が良いときは
国に勝ち、環境が悪いときでも国に負けない」、こんなニーズはもっともだ
が、なかなか簡単な話ではない。
 ◆◇◆
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOトピックス
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. マーケットトピックス ――――――――――――――――――――――
 通貨戦争の行方は?
          NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 10月22〜23日にG20財務相・中央銀行総裁会議が行われた。これに先立ちG
7、国際通貨基金(IMF)世界銀行年次総会が開催された。IMF年次総会では、
参加国の意見が食い違い、「通貨戦争」が批判された。現在、リーマンショ
ック後の経済不均衡の是正、失業問題などがあり、世界各国が打つべき政策
が限られてくる中で各国の国益を重視した動きが目立っている。IMFは「通
貨戦争」を取り上げたものの、結果としてはG20に委ねられることになった。
通貨戦争とは、自国通貨高に歯止めをかけることを狙いとした様々な政策に
傾き、世界で協調した為替運営が行われていないことを言っている。
 G20での声明では、為替に関しては「経済のファンダメンタルズを反映し、
(中略)通貨の競争的な切り下げを回避する」とある。つまり、日本が9月
に行った為替介入やブラジルなどが行った資本規制に否定的とも読み取れ、
為替は再び投機的な動きを想定する見方が優勢である。少なくとも、G20直
後の金融市場は、為替は米ドルが再び弱くなり、株式は堅調、国際商品は10
月中旬の中国利上げ後下落局面があったが持ち直している、などG20を境に
これまでの流れに変化が出たとは考えにくい動きである。
 日本は引き続き円高加速を回避したいとの思惑が強く、米国はG20では過
去の「強いドル」発言があったが、米国議会での人民元批判を後押しする意
図があるようだ。ところで違った視点から、円はどの程度の水準が妥当かを
試算した金融関係者がいる。それによると結論は、あくまでも目安ではある
がと前置きしたうえで、1ドルが90〜95円程度ではないかとしている。現状
の80円程度は円高と言って良いのでしょう。今後は米国の金融政策動向に目
は移っていますが、中間選挙控えた政治的な駆け引きも、オバマ大統領の民
主党劣勢が予測されているだけに要注目だと思っています。
 簡単にトピックスを2つ。1つは9月末に「日銀短観(9月調査)」が発表さ
れました。一言で言って、景気減速の可能性が示唆される内容だったとの見
方である。背景には、輸出の減速、エコカー補助金制度の終了、海外の景気
減速、円高、などがある。2つ目は中国の次期第12次5ヵ年計画の考え方であ
る。具体的には外需から内需へ、地域格差の解消、エネルギー管理や環境問
題、などが焦点となる。経済成長も高目誘導と言うことになるでしょう。
 最後に金融市場は全般に一定の範囲での小さな動きを想定しますが、米国
市場を震源とした混乱がないかどうかだけは注視しています。
  〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基
   づき記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等あ
   りましたら後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づ
   き、証券等の投資で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◆◇◆
2. 年金トピックス ―――――――――――――――――――――――――
 低リスク運用へ移行、掛金引き上げと合わせ財政再建
 ―2010年日経企業年金実態調査から―
    NPO金融年金ネットワーク DCアドバイザー・AFP・社会保険労務士
                              植村昌機
 ◇◆◇
 格付投資情報センターと日本経済新聞社が全国の有力企業4,099社と基金
型確定給付企業年金607、厚生年金基金605を対象に2010年7月〜9月に実施。
集計結果は以下の通り。
 1. 退職給付制度の採用・実施状況
 確定給付企業年金48.1%(基金型25.7%、規約型22.4%)、確定拠出年金
34.9%で前年を上回り、厚生年金基金16.7%、適格年金15.9%で前年を下回
った。企業年金の主役が新旧の制度で入れ替わった。退職一時金45.0%も前
回を上回った。前払い制度は10.8%と前年を下回った。
 今後、中心となる退職給付制度は、確定給付企業年金38%(基金型15.9%、
規約型22.1%)、確定拠出年金22.1%、退職一時金13.6%であった。
 適格年金の廃止後に予定している制度は確定給付企業年金規約型59.6%、
確定拠出年金36.2%、退職一時金21.3%であった。
 2. 企業や基金の財政対策
 財政方針として過去1年以内に採用した対策で、企業年金全体で最も多か
ったのは「リスクの低い運用への移行」で34.4%、これに次ぐのが「掛金の
引き上げ」の26.1%であった。今後、採用したい対策として「リスクが低い
運用」が最も多いのは、過去1年以内の対策と同じ傾向だ。今後の対策とし
てはこれに次いで、掛金の引き上げだけでなく、「予定利率の引下げ」や「年
金給付の削減」なども視野に入っている。
 3. 新たな国際会計基準にどう対応するか
 2012年にIFRSが日本にも適用される方向になったことを受けて、企業がど
う対応するか。
 資産の積立不足が「即時認識」されるかどうかに焦点が集まっていたが、
貸借対照表上は認識しなければならないが、損益計算上は回避される方向と
なり、企業の関心もやや後退している。「株式比率を下げるなど運用リスク
を減らす」、「会計対策の諸対応は変更しない」がいずれも32%で最も多か
った。積立不足が発生しない確定拠出年金の導入や比率拡大は18%であった。
 4. 企業年金の制度改革要望
 「年金積立金への特別法人税課税の撤廃」が最も回答が多かった。10年度
末に凍結期限が迫っているが、一向に方向性が見えない。確定拠出年金では
「資産引き出し要件の緩和」に51%、他に「拠出限度額の緩和」「従業員拠
出」などが上げられている。厚生年金基金では「財政運用基準の緩和」に82.
4%、「給付減額基準の緩和」にも36.7%が回答した。
 5. 年金資産の修正総合利回り
 2009年度の修正総合利回りは単純平均で13.52%、総資産額による加重平
均で13.36%であった。2000年度以降の10年間では05年の19.33%、03年の15.
16%に続く二桁の利回りとなった。過去10年間でプラス利回りは5回目で、
運用実績は「5勝5敗」である。
 全体(単純平均)13.52%、個別の制度でみると、確定給付企業年金基金
型12.94%、規約型9.04%、厚生年金基金16.19%(単独型15.31%、連合型1
5.71%、総合型16.34%)、適格年金6.8%であった。
 ◆◇◆
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOアクティビティー
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. セミナーのお知らせ――――――――――――――――――――――――
 NPO法人 DC協会(確定拠出型年金教育・普及協会)主催のセミナー「年金・
退職金総合アドバイザー」資格取得講座(全6回コース)に、当NPOが協力し
ています。
 労働組合内に、年金・退職金制度に関するリーダーを育成するのに最適な
講座ですので、ご参加をお勧めします。
第1回:日本の年金・退職金制度 10月30日(土) 13:30〜16:30 都立産業貿
   易センター
第2回:新企業年金制度について 11月6日(土) 13:30〜16:30 中央大学駿
   河台記念館
第3回:退職給付会計と年金財政を理解する 11月20日(土) 10:00〜12:30 
   都立産業貿易センター
第4回:企業年金制度の移行 11月20日(土) 13:30〜16:30 都立産業貿易セ
   ンター
第5回:豊かなセカンドライフのためにI 12月4日(土) 10:00〜12:30 中央
   大学駿河台記念館
第6回:豊かなセカンドライフのためにII 12月4日(土) 13:30〜16:30 中央
   大学駿河台記念館
 *詳しくは、下記にお問い合わせ下さい。
 NPO法人 DC協会
 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町3-17-3 都ビル6階
 TEL:03-3222-6113 FAX:03-3222-6008 E-mail:master@nenkinnet.co.jp
 URL:http://www.nenkinnet.co.jp/dc
2. 出版のお知らせ――――――――――――――――――――――――――
 ◇◆◇
《最新版・2010年版 発売!!》
「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」
日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク共
編2010年版 平成21年11月30日発行
A4判・112頁・2色刷り・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 退職給付制度の再編は、中小企業を中心に残る約17,000社(22年3月末)
の適格年金からの移行が最終段階を迎えています。また、確定拠出年金を先
行して導入した企業においては、加入者に対する投資教育が十分に行われな
い等の新たな問題も発生しています。
 本書は、2004年11月に2005年版を創刊以来、本年版で6冊目になります。
本年版は、旧版のデータ等を最新のものに改訂し、わが国の退職給付制度に
大きな影響を及ぼす「国債会計基準の動向」など加筆しました。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組役員の皆様が、公的年金か
ら会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのた
めには、年金制度の基本知識と制度移行に際して従業員サイドからの留意点
を労組役員の方々が共通に認識することが第一歩です。そこで、本書をテキ
ストや副読本として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加
盟単組からのご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も
見受けられるようになりました。
 □◆□◆□
《最新版・第3版》残部僅少!
「働く人のためのライフプランニングと企業年金の活用ハンドブック」
―企業年金制度の適切な運営と豊かなセカンドライフ設計―
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク:編
日本労働組合総連合会:協力
平成20年11月30日発行
A4判・138頁・頒価1部1,500円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 勤労者が将来の人生設計を考える上で、社会保障制度や企業の退職給付制
度を理解し、さらに資産を有効に活用するための運用の知識を持つことが大
切です。本書は働く人たちのライフプランを実現するための総合的かつ基本
的な知識をまとめたものですが、企業又は労働組合内にライフプランや年金
制度のリーダーとなり、従業員の日常的な疑問に答えられ、また健全な制度
運営のために改善提案のできる人材の育成のためのテキストともなるよう、
念頭において記述しています。
 本書は、平成18年11月に創刊し、本書は改訂第3版として発行するもので
す。
〈主な内容〉ライフプランと企業年金、公的年金その他の公的給付/確定拠
出年金制度の運用の視点と課題/企業年金通算制度の仕組みと課題/確定拠
出年金の運用の考え方/金融商品運用のポイント/投資信託の仕組みと特長
 書籍のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 →http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm
 お問い合わせ、お申し込みは
 NPO金融年金ネットワーク事務局(
 または電話(03-5444-0539)、FAX(03-5444-0303)まで。
 ◆◇◆
――――――――――――――――――――――――――――――――――
●次号(80号)は12月1日に送信の予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
 → 
※禁・無断転載 このメールマガジンの著作権は上記発行者に帰属します。


ホームへ メールマガジン登録