ホームへ メールマガジン登録


□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□

┃       金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン

┃                     第83号 2011年 3月1日
┃   NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
┃             ホームページ http://kinyunenkin.jp/
□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□
――――――――――――――――――――――――――――――――――
 このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場
 から退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している
 「NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金
 ネットワーク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関す
 る情報や意見交換のスペースをご提供することを目的にしています。企
 画・編集には(株)格付投資情報センターのご協力を頂いています。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
■■ 目次 ■■
●特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(66)
●NPOトピックス
1. マーケットトピックス「中東情勢と国債格下げ」
2. 年金トピックス「確定拠出年金の自動移換者24万人、資産額500億円に拡
  大」
●NPO連載講座
「豊かな将来設計のためのライフプランの立て方」(54)
●NPOアクティビティー
出版のお知らせ
◇創刊!!
「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」
◇最新版・2010年版発売!
「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■特集レポート
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 企業年金コンサルティングの現場から(66)
           (株)格付投資情報センター投資評価本部
           年金事業部担当部長 チーフアナリスト 坂井信夫
 ◇◆◇
 ここ数日、第三号被保険者の未納問題に関する厚労省の救済策について総
務省の批判的な意見の記事を目にしている。報道のままを事実と受け止めれ
ば総務省の意見に分がありそうだが、とにかく久しぶりに公的年金の保険料
問題関連の騒ぎである。世間は消えた年金という騒ぎのその後について、も
はや興味はなくなってしまったのかもしれないが……。
 ご承知の通り、厚生年金基金から支給される年金は、主として厚生年金本
体の「報酬比例部分」(いわゆる代行部分)と「基金が独自で支給する加算
部分」からなりたっている。ということはお気づきの通り、年金額を確定す
るために必要な標準報酬等の加入記録も基金独自で作成・保管している。も
し、定期便などで年金事務所が保管する自分の加入記録に不備が見つかった
場合、もちろんその当時の給与明細等があればベストであるが、そうでなく
ても厚生年金基金の加入歴があれば、基金の保有する加入記録と突合せるこ
とで、第二号の記録不備問題については解決に向かう可能性は大である。
 そういうことで厚労省は、平成21年度より、旧社会保険事務所が保管する
加入記録と厚生年金基金が保管する加入記録の突合作業を行っており、それ
がまもなく2年になろうとしている。厚生年金基金は順番に対応していくこ
とになるので、それぞれの当該基金の出番がいつになるかは時期に差がある
ようである。
 2月は、厚生年金基金にとって、新年度の予算を作成、承認する代議員会
の季節である。先般ある厚生年金基金の代議員会にオブザーバーで参加した
際のこと、議案書の中の報告事項でこの記録突合作業の進捗状況が話題とな
った。当該基金は現在の加入員が数万人の規模であり、記録突合の対象数は
5万人を超える、かなり大規模な基金である。報告内容としては、作業対象5
万数千件のうち、記録の一致が90%超であったこと。10%未満の4千数百件
の記録不一致者については適宜基金サイドの書類をもとに、標準報酬の相違
等について国へ照会中とのことであった。場合によっては、加入事業所に当
時の状況をヒアリングすると、担当事務局はコメントしていた。
 年金記録確認第三者委員会においても、厚生年金基金の加入員データを記
録修正のために活用するということは実に合理的な解決方法なのではないだ
ろうか。
 シャワージャーナリズムの嵐が過ぎ去り、記録の不備を見つけ、それを一
つずつつぶしていく。そういう地道な作業は今も続いていることを、頭の片
隅で結構なので認識していただきたい。これら一連の作業は、おそらく当事
者である加入員・受給者の気づかぬうちに、そしてそのコストは厚生年金基
金の負担で行われているのである。
 ◆◇◆
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOトピックス
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. マーケットトピックス ――――――――――――――――――――――
 中東情勢と国債格下げ
          NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 比較的世界経済が順調な足取りを示し、幾分かはインフレを警戒しなけれ
ばならない状況が続いている中で、1月末以降「中東・北アフリカ」の政治
情勢が一変しようとしている。これを受け金融・国際商品の市場は混乱をき
たしたかのように見える。具体的には、地政学リスクから原油価格が上昇、
リスク資産から安全資産へという流れから通貨では円、商品では金、そして
債券、などが買われ、一方で株式は売られるという格好になった。しかし、
2月末現在ではやや落ち着きを取り戻しつつあるかのようにも見え、大きな
波乱は今後ないのではないかと見ています。ただ、表現は適当ではありませ
んが、金融市場のさらなる混乱はあらためて投資機会を与えてくれることに
なると言うこともできようかと思います。なお、一つ指摘しておきますと、
日本の原油輸入の90%弱が中東地域に依存しており、原油生産に支障をきた
せば日本経済へのダメージが大きくなるリスクは注意です。
 ほぼ同時期に「日本国債の格下げ」が、米格付機関から発表された。理由
は、日本の財政の累積的悪化とそれに対して日本政府が抜本的な解決を示し
切れていないためのようだ。ただ、今回の決定が日本の金融市場に大きな悪
影響を与えるには至らず、今後の注目点は「社会保障と税の一体改革」の議
論の行方になります。私達も6月までじっくり見届けていきたいものです。
 ところで視点を変えて、円安への動きがなかなか感じられない理由につい
て、以下のような指摘がなされている。米国の金利が引き上げられる見通し
に立てない結果、広範な「ドルキャリートレード」が起きているという指摘
です。4〜5年前に「円キャリー」という言葉が新聞紙上を賑わせましたが、
現在はドルを借り、そのドルを売って、成長が見込めるもしくは安全な国々
の通貨を買う、といった動きがあるようです。今後は地政学リスクという要
因も加わり、より円高に向かう可能性に注意が必要です。
 最後に金融市場への対応については、これまで同様「為替の円安方向、出
遅れていた日本株の上昇、に投資先の軸足を移す」を変更致しません。前月
号では「1〜3月期の調整を想定」としていましたが、今後は前述の地政学リ
スクや国内の経済・政治の動向、などを消化しながら、為替や株式・国際商
品などのリスク資産の動きに注目して、前向きな投資行動をとりたいと考え
ています。
  〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基
   づき記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等あ
   りましたら後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づ
   き、証券等の投資で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◆◇◆
2. 年金トピックス ―――――――――――――――――――――――――
確定拠出年金の自動移換者24万人、資産額500億円に拡大
  NPO金融年金ネットワーク DCアドバイザー・AFP・社会保険労務士
                              植村昌機
 ◇◆◇
 企業型の確定拠出年金加入者は、企業を中途退職する場合、転職先が決ま
っていない場合や転職先の企業が確定拠出年金を導入していなければ、個人
型確定拠出年金への移行手続きが必要になる。退職から6ヵ月以内に手続き
をしないと国民年金基金連合会に自動的に加入記録や積立金が移換されて自
動移換者となる。この自動移換者は、2010年10月現在約24万人、積立金は50
0億円にもおよび、国基連名義の無利息の預金として管理されている。自動
移換されるとその期間は加入記録にならず、掛金拠出も運用もされないまま
手数料支払いで積立金が減少していくことになる。また、住所が不明となる
と積立金が支払われないことにもなる。公的年金の未請求問題と同じ構造と
いえる。
 国基連のアンケートによると、自動移換者が手続きをしない理由として、
「資産移換の手続きが複雑である」、「個人型制度が良く分からない」など
が挙げられている。また、コストがかかるため意図的に手続きをしない自動
移換者が増える可能性も指摘されている。(個人型移行には移行時に2,000円、
運営管理機関に年3,000円〜5,000円かかるのに対して、自動移換では移換手
数料3,150円に年600円)
 増え続ける自動移換者を減らす取り組みとして、国基連の特定運営管理機
関である日本インベスターサービス&テクノロジー社は、今年度から日本年
金機構のデータを活用し、住所など連絡先を確認することになっている。ま
た、現在、国会に提出されている年金確保法案では、自動移換者が個人型運
用指図者になって、2年以上経過して、資産額が25万円以下ならば一時金と
して引き出すことができる。また、本人によるマッチング拠出が認められれ
ば、本人拠出分が積立金に含まれるため、必然的に移行手続きを促す方向に
意識が向くことになると考えられる。
 自動移換者の発生をどう抑制するかについては、現在の制度では企業の取
り組みが大きく影響する。現行制度では、企業は退職者に対し、年齢や資産
額に応じて必要な手続きを説明することになっている。しかし、退職後も企
業から手続きを促すケースは少ない。そうすると、重要なのは退職までに制
度や手続きを加入者にいかに理解させ、退職時に手続きの必要性を丁寧に説
明できるかである。
 企業の対策に関してはかなり温度差がある。運営管理機関が用意したパン
フレットを手渡す、コールセンターによる手続きの案内、退職から3ヵ月目、
6ヵ月目に文書を送付したり、コールセンターから電話をかける取り組みな
どが行われている。パンフレットや書類キットを手渡すだけではなく、セミ
ナー等で丁寧に説明することが求められる。また、加入者同意の上で企業が
手続きを代行することで効果をあげている企業もある。
 自動移換者の発生を抑制、また減少させるためには、現在行われている様々
な対策を継続・拡充するとともに法制度面での手当てが必要との指摘も多い。
いったん自動移換者となると一時金として受取れるのは25万円以下となる予
定(年金確保法案)だが、この制限緩和を求める声もある。また、移行手続
きを取らなかった場合に、予め移行先の個人型制度を決めておく「デフォル
トプラン方式」も考えられる。
 自動移換者の問題については、何よりも加入者本人が手続きする気がなけ
れば抜本的な解決にはならない。そのためには、制度を導入した企業が責任
を持って手続きの重要性を加入者に認識させる努力を続けることが先ず求め
られる。その上で、関係機関の協力や法制度面での手当てをも合わせて行っ
ていくことであろう。
 ◆◇◆
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPO連載講座
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 NPO連載講座
「豊かな将来設計のためのライフプランの立て方」(54)
    NPO金融年金ネットワーク ファイナンシャルプランナー 明田一美
 ◇◆◇
 厚生労働省:1月28日付け報道資料によると、平成23年度の年金額が0.4%
の引き下げ(4月分が支払われる6月の支払から、額が変わります)になると
発表されました。国民年金(老齢基礎年金・満額:1人分)は、286円引き下
げの65,742円となります。また、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含
む標準的な年金額)は、942円引き下げの231,650円となります。
 ※厚生年金は、夫が平均的収入(平均標準報酬36.0万円)で40年間就業し、
妻がその期間全て専業主婦であった世帯の新規裁定の給付水準
            *   *   *
 今回は、「退職前に知っておきたいお金の知識〜(3)高齢期の住まい」に
ついて、ご案内します。
 50代は、まだまだ「終の棲家」を考えられない年代でしょうが、すこしず
つ考え始めましょう。今後の暮らしを考えるうえで、「どこで、どんな暮ら
しをするか」は、とても大切な問題です。住まい方によっては、多額の資金
が必要になったり、それを維持するために思わぬ資金がかかったりします。
1. 将来をイメージする
(1)前期の老後
 退職直後は体力もあり、旅行等を楽しんだり、地域でボランティアをした
りと、活動的なことを思い浮かべることが多いと思います。今の住まいに住
み続けたい、故郷に帰って暮らしたいといった暮らし方しか思い浮かばない
かもしれません。
 しかし、先ずは、80代半ば以降を思い浮かべてみてください。そこから前
期の住まいへと遡って考えることで、多額になりがちな住まいのお金を計画
的に配分することができると思います。
(2)後期の老後
 後期の老後は、夫婦で、あるいは1人で暮らす場合でも、誰かの介助が必
要になってくるでしょう。その場合、子どもと同居するのか、子どもと別世
帯で暮らすのかによっても大きく変わってきます。貯蓄や受け取れる年金額
が多い(私的年金も含め)場合は、有料老人ホームに移るという選択肢も可
能です。有料老人ホームの費用は、入所時に一括で払う一時金と、毎月の利
用料に分かれます。一時金の額には幅があり、数百万から数千万になります。
また、毎月の利用料も幅があります。いずれ老人ホームに移ることを希望す
る場合は、体力のある前期のうちに、老人ホームを見学する等、情報を集め
ておくことが必要です。また、子ども世帯と同居する場合は、二世帯住宅に
建て替えたり、バリアフリー化計画も必要でしょう。いずれにしても早いう
ちから、検討することが安心につながります。
(3)高齢者専用賃貸住宅
 高齢者が安全に暮らせるように、バリアフリーで緊急対応のサービスや、
食事・介護サービスがついていたり等、さまざまなタイプがあります。
 都道府県の指定機関に登録された高齢者向け賃貸住宅には、高齢者の入居
を拒まない「高齢者円滑入居賃貸住宅」、高齢者向けの「高齢者専用賃貸住
宅」、「高齢者向け優良賃貸住宅」があります。民間の他、UR都市機構や住
宅供給公社なども供給しており、高齢者住宅財団のホームページで調べられ
ます。
 ◆◇◆
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOアクティビティー
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出版のお知らせ―――――――――――――――――――――――――――
 ◇◆◇
《創刊!!》
「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」
日本労働組合総連合会
NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク:共編
平成22年11月30日発行
A4判・122頁・頒価1部1,500円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 本ハンドブックは、施行10年目を迎えた確定拠出年金制度が法律制定の趣
旨にそって、「公的年金と相まってサラリーマンの老後生活保障の柱」の一
翼を担える制度に仕上がっていくように、との期待をこめて、主として加入
者、労働組合の立場から課題と対応の「考え方」を示したものです。私たち
の活動の中から、これまでに経験した事例や課題・問題点を踏まえて整理を
行いました。
 第I部は、確定拠出年金制度の概要と基礎知識を法律に沿って解説、第II
部は、制度のポイントである「運用」と「教育」についての考え方と提言、
第III部は制度の課題と展望について述べています。すでに、退職給付制度
の一部または全部を確定拠出年金に移行した労組の皆様には、制度の運営改
善に、これから移行が想定される皆様には、制度設計・運営のご参考になれ
ば幸いです。
 □◆□◆□
《最新版・2010年版 発売!!》
「労働組合のための退職金・企業年金制度移行対応ハンドブック」
日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク共
編2010年版 平成21年11月30日発行
A4判・112頁・2色刷り・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 退職給付制度の再編は、中小企業を中心に残る約17,000社(22年3月末)
の適格年金からの移行が最終段階を迎えています。また、確定拠出年金を先
行して導入した企業においては、加入者に対する投資教育が十分に行われな
い等の新たな問題も発生しています。
 本書は、2004年11月に2005年版を創刊以来、本年版で6冊目になります。
本年版は、旧版のデータ等を最新のものに改訂し、わが国の退職給付制度に
大きな影響を及ぼす「国債会計基準の動向」など加筆しました。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組役員の皆様が、公的年金か
ら会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのた
めには、年金制度の基本知識と制度移行に際して従業員サイドからの留意点
を労組役員の方々が共通に認識することが第一歩です。そこで、本書をテキ
ストや副読本として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加
盟単組からのご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も
見受けられるようになりました。
 ◆◇◆
 書籍のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 →http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm
 お問い合わせ、お申し込みは
 NPO金融年金ネットワーク事務局(
 または電話(03-5444-0539)、FAX(03-5444-0303)まで。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
●次号(84号)は4月1日に送信の予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
 → 
※禁・無断転載 このメールマガジンの著作権は上記発行者に帰属します。


ホームへ メールマガジン登録