ホームへ メールマガジン登録


□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□

┃       金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン

┃                     第105号 2013年 1月4日
┃   NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
┃             ホームページ http://kinyunenkin.jp/
□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□
――――――――――――――――――――――――――――――――――
 このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場
 から退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している
 「NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金
 ネットワーク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関す
 る情報や意見交換のスペースをご提供することを目的にしています。企
 画・編集には(株)格付投資情報センターのご協力を頂いています。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
■■ 目次 ■■
●特集レポート
「企業年金コンサルティングの現場から」(88)
●NPOトピックス
1. マーケットトピックス「新政権、長期の見方が大事」
2. 年金トピックス「IFRSと企業年金」
●連載:年金相談の現場から(14)
「年金額の特例水準解消等の改正について」
●NPOアクティビティー
出版のお知らせ
◇最新版発売!! 平成25年1月31日増刷出来!
「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第2版)
◇最新版発売!! 平成24年1月31日発売!
「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2012年版

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■特集レポート
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 企業年金コンサルティングの現場から(88)
           (株)格付投資情報センター投資評価本部
           年金事業部担当部長 チーフアナリスト 坂井信夫
 ◇◆◇
 明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げま
す。
 第2次安倍内閣が発足しての年越しとなった。今更ながらではあるが、昨
年末の総選挙前後からの円高の是正に伴う株高から、厚生年金基金の運用状
況も好転をみせている。
 ただいまは大納会直前であるが、円ドルレートは85円台半ばで推移してい
る。昨年度末は82円30銭であったから、もはや通期で為替差益が発生してい
る。ユーロも同様で、足元は1ユーロ113円台、昨年度末は109円60銭であっ
た。今年度上半期に12%後半のマイナスとなっていた国内株式のインデック
スは、11月からの約2ヵ月間で大きく戻り、年率のマイナスが解消している。
外国株式のインデックスなどは10%に迫ろうという水準のプラス値である。
 このような状況下、厚生年金基金の収益率であるが、上半期▲3%台であ
った全資産収益率は、あくまで推計ベースであるがプラスの3%前後のプラ
ス実績となっている模様だ。第3四半期だけで5%以上取り戻している。
 GPIFの政策アセットミックスで複合ベンチマークを求めてみると(便宜上、
財投も全て国内債券とみなす)、7月以降では約4.3%となる。6月末の時価
総額が108兆円とすると、112兆円前後になっているだろうか。金額で4兆円
以上の増加となる。このような数字を羅列しているのは、先月も書いたこと
であるが、繰り返したいからである。厚生年金基金の代行部分の積立不足
1.1兆円などはそれほど深刻な数字ではないと。所詮株式や為替のブレによ
るバッファーの範囲に過ぎないのではないかと。
 この拙文がお目に留まるのは、新内閣の発足から2週間近く経過した頃だ。
波乱材料にも事欠かない環境下にゆえ、年末年始の相場がどうなるかは不明
である。とはいえ、今年度上半期のことを思うと、厚生年金基金の運用関係
者にとっては、ヤレヤレと一息つく年越しとなっていよう。それはそれでめ
でたいことである。
 決して浮かれているわけではないが、天佑には違いない。厚生年金基金の
資産運用戦略として、まず優先するべきはGPIFに負けない収益の獲得であり、
そのうえで勝てるときには勝てればというのが、当面のあり方だと考えてい
る。足元の戻り相場は、上半期に基金がGPIFの成績に対して抱えていた運用
差損をわずかながらも差益に転換させ、同時に「負けない運用」のための株
式ウエートの引き下げを、実現し易くしてくれた。この天佑にどう答えるか
は基金側の判断である。
 積立資産が代行債務に対して著しく毀損している一部の厚生年金基金の存
続は確かに難しいだろう。だからこそどうソフトランディングさせるかが重
要である。議員年金やJAL年金の時から感じていたが、民主党政権は年金受
給権を軽視し過ぎていたように思えてならない。一方で、昨年4回開催され
た専門委員会において、監督官庁を向こうにまわし、受給権擁護を大義に代
行制度一律廃止に反対の声をあげたのは、先の年金記録問題で民主党に散々
叩かれた社保庁OBの有志達であったことを記しておこう。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOトピックス
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. マーケットトピックス ――――――――――――――――――――――
 新政権、長期の見方が大事
          NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 12月16日に衆院選が行われ、自由民主党が議員数においては圧勝と言う結
果になった。メディアでは円安・日本株高が同党のアナウンスメント(金融
の大胆な緩和、国土強靭化計画)の効果だとの報道はあった。しかし、素地
は既にあったことから、加速させたと考えたい。財政規律を睨みつつ、公共
投資を行うことが、メディアでも報じているように大変重要になってきます。
たとえば景気対策は必ずしも大規模な公共投資をすることだけではないでし
ょうし、その投資先が将来国民に利益をもたらしてくれるかどうかの判断が
必要になってくるでしょう。この背景には、現在懸念されている少子高齢化、
民間企業の海外進出の増加、などで、日本経済が成熟化する過程では、避け
がたい現象にどう立ち向かっていくかと言うことが問われているからです。
先日、NHKが「日本国債」をテーマに特別番組を放送していましたが、日本
国債の売り懸念が同番組のテーマ、金融の世界ではそうした動きもあること
を頭の片隅に置いておくことも必要でしょう。
 2013年の金融市場は、円安がさらに進む、もし日本がインフレに向かうの
であれば、現金だけを持っていると実質的には目減りすることになりますか
ら、株式や不動産(含む不動産投信)などで、インフレをヘッジ(回避)す
る金融商品に投資する必要が生じてきます。こうした流れは既に出ています
から、今後3〜6ヵ月間程度は少し様子見をして、こうした商品の価格の動き
が少し下がって安定してきた時に、改めて投資を考えることが得策だと考え
ます。
 金融・政治で今後数ヵ月の間で注目すべきイベントは、米国が「財政の壁」
を克服できるかどうか、つまり所得税等の減税、景気対策に関わる措置、な
どの打ち切り、加えて財政削減となれば、米国経済が落ち込むことが想像さ
れる。欧州では金融システムの安定維持が可能かどうか、日本では(金融緩
和や公共投資と言う面以外に)景気浮上もしくは雇用拡大と言った施策が十
分に打たれるのかどうか。金融緩和論議では賛否が分かれましたが、4月に
は日本銀行の総裁人事が予定されており、新総裁には改めて日銀政策が問わ
れることになるでしょう。日中関係も両国間で着地点を探ることになってく
るでしょうし、そうあるべきでしょう。
 最後に、今回は政権が代わり、金融政策や財政政策に変化が出る可能性が
あります。日本経済に影響を与えた外交では日本は米国・中国・韓国と仕切
りなおすことにもなるでしょう。少し先をみて日本がどう変わっていくのか
を想像し、時には見定めたうえで、お金の投資先と言うものを考えていくこ
とが重要な今だと思います。

  〔なお、ここにお示ししました内容は、可能な限り信頼できる情報に基
   づき記述しておりますが、誤解を生じる記述、筆者の理解の変化等あ
   りましたら後日訂正させて頂く事があります。また、この内容に基づ
   き、証券等の投資で損失を蒙られても責任は負いかねます。〕
 ◆◇◆

2. 年金トピックス ―――――――――――――――――――――――――
 IFRSと企業年金
 NPO金融年金ネットワーク・DCアドバイザー・CFP       宮本一弘
 ◇◆◇
 IFRSの適用が、企業にとって「確定給付型の企業年金(DB)制度を維持す
る上での“障害”になる」、或いは、「DC化が進むきっかけになる」かの議
論をする向きが見られる。
 「IFRS」(アイファース、イファース等と読む)とは、正式名称である
「International Financial Reporting Standards」(国際財務報告基準)の
頭文字をとった略称である。
 もともと、企業会計のルールは、各国が別個に作成していたので、国によ
り異なっていた。企業活動や証券投資のグローバル化が進むとともに「会計」
の分野でも「国際標準」を求める声が投資家などから高まったとされる。
 ロンドンに本拠を置く国際会計基準審議会(IASB)が策定し、EU(欧州連
合)主導で開発・普及が進んできた。既に、EU諸国を始め、韓国、ロシア、
中国、オーストラリア等100ヶ国以上がIFRSを適用しているとされる。世界
の先進国で適用していないのは米国と日本くらいとされていて、米国は2011
年を目途に、総ての上場企業にIFRS導入を義務付けるかどうかを決める見通
しとされていた。
 日本でも、導入に向けた制度の整備が進んでいて、金融庁は、2009年6月
に、「2010年3月期決算から、上場企業について、連結決算をIFRS基準で作
成することを認め(任意適用)、2015〜16年を目途に、上場企業にIFRSを強
制適用するかどうかを、2012年頃に決定する」としていた。しかし、2011年
6月に、当時の自見金融相が、東日本大震災の影響で経済界が厳しい状況に
おかれていることに配慮して、「2015年からの強制適用は行わない」と発言
したことで、議論が混乱したとされる。
 2012年5月17日、企業会計基準委員会は、従来の検討案が、IASBに於ける
退職給付会計の見直しと内容が整合的であること、及びIFRSにコンバージェ
ンスをはかる観点から、企業会計基準第26号「退職給付に冠する会計基準」
及び企業会計基準適用指針第25号「退職給付に関する会計基準の適用指針」
を公表した。平成24年9月21日、内閣府から「公正妥当な会計基準」として
告示された。主な改正点は以下の通りである。

 1. 積立不足の全額即時オンバランス化
 退職給付債務から、年金資産を控除した額を、そのままBSに計上する。
 未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用を、税効果を調整の上、
純資産の部(その他の包括利益累計額)に計上することとし、積立状況を示
す額をそのまま負債(又は資産)として計上する。
 一方、数理計算上の差異、及び過去勤務費用の費用処理方法は、変更を見
送り、従来通り「平均残存勤務期間内」の一定の年数で規則的に費用処理さ
れる。

 2. 割引率決定方式の見直し
 「安全性の高い長期の債券の利回りを基礎として決定」することになった。
「安全性の高い」債券の利回りとは、期末に於ける国債、政府機関債及び優
良社債の利回りであえる。
 なお、「一定期間の債券利回りの変動を考慮可」、「退職給付債務が10%
以上変動しないと推定される場合は、前期末の割引率を使用可」等は削除さ
れている。

 3. 2016年3月期から強制適用
 一部を除いて、2013年4月1日以降開始する事業年度の年度末に作成される
財務諸表から適用。

 4. 単独決算への適用は見送り(連・単分離)
 従来の「会計」は、経営成績を開示することが主目的であるので、「期間
の利益」が重視された(特に本業の“儲け”を示す経常利益)。IFRSは投資
家へ向けた報告になるので株主の“持ち分”である「純資産」の変動が中心
になり、「包括利益」が重視されることになる。IFRSの第一の特徴は、“時
価会計”を理念にしているので「時価評価」の徹底、が基本にある。次いで、
細かな会計処理のルールを決めることではなく「原則主義」と呼ばれる“経
済的な実質”を重視していることの2点とされる。
 先に述べた様に、日本では2012年5月17日にIFRSにコンバージェンスする
形で、新しい「退職給付に関する会計基準」が発表され、9月21日に告示さ
れた。
 一方、米国では、7月13日、米証券取引委員会(SEC)から「IFRSの米国財
務報告制度への組み入れの検討に関するワークプランについての最終SECス
タッフリポート」という長い名前の報告書が公表された。
 報告では、(1)特定産業向けのガイダンスが欠如している。米国会計基準
との根本的な考え方の差、また、比較可能性や監査可能性、エンフォースメ
ントの観点から内容面での問題が多い。(2)米欧日等の特定の会計事務所等
が影響力を強める様な資金拠出の在り方等IASBが独立した基準設定機関とは
言えない。(3)投資家保護のためには、会計基準の違いによる伴う企業財務
の比較の難しさを残しても、財務諸表の品質の維持が重要である。(4) 規制
や税制等との関係では、米国会計基準を維持し、米FASBの関与の下でIFRSを、
米国基準に組み入れることが適当、等を理由に上げて、意思決定を先送りし
た。
 意思決定の期限も明示していないので事実上導入延期とみなされている。
更に、IFRS導入の方向性について、コストがかかり過ぎる、投資家や企業、
規制当局、会計基準設定主体始めすべての関係者が、「強制適用」や「早期
適用」という形でのIFRSの取り込みを現実的な選択肢として支持していない、
としている。
 (注:SEC報告の内容紹介は、エコノミスト誌2012年9月11日号より引用)
 ただ、現在でも、米国基準(SEC基準)では、(1)割引率は、期末日の実際
の利率、(2)数理計算上の差異等はBS上の即時認識。PL上では「一定の範囲
内は償却せず、一定の範囲を超えた部分を平均残存勤務年数で除した額以上
を償却としている(回廊アプローチといっている)。
 「日経ヴェリタス」(2010・8/22号)には日経225採用企業の「退職給付
積立不足額」の上位20社のリストが掲載されている。これによると、不足額
トップのNTT以下、日立、東芝、JR東、トヨタと続くが、JR東以外の4社は、
SEC基準で作成されているのでBSでは積立不足は確かに大きいものの「未認
識債務」はゼロである。因みに以下、ホンダ、三菱電、パナソニック、ソニー
もSEC基準のためゼロになっている。
 一方、事業基盤が国内のJR東、JR西、東電、関電、と富士通、NEC、日産
自は日本基準で作成されているためBS上に「未認識債務」(但し、東電は1
億円で少額。関電はマイナス63億であるので積立超過)が全額計上されてい
ない。
 企業年金連合会(企年連)は、IASBが募集していた「パブリック・コメン
ト」に対して企業年金(確定給付企業年金)の維持、発展を図る立場から、
経営側としての「意見書」を提出している。
 現在の状況でのIFRSの本格適用は、企業の「退職給付会計」の変更を通じ
て「企業年金」制度の“有り様”に影響を及ぼす危険は大きいといわれてい
る。
 だだ、どの程度、どの様な影響になるかは、上記の主要20社の例でもわか
るように、企業により影響度は異なるであろう。米国基準を採用していて「未
認識債務」がゼロになっていても、年金資産の市場運用から生じる「運用損
失」は現状、決して小さい金額ではない。企業としては掛金補填は辛いのが
本音であろう。BS上の「即時認識」が、資本の部にどの程度の影響を及ぼす
かにより、自社の事業規模・経営状況と年金債務の規模をどの様に保ってゆ
くか経営上の大きな課題になるとされる。
 企業年金制度は、長期にわたって維持されるべき制度である。企業の活動
は“going concern”が大前提である。それを、ある決算期の退職給付債務
に対する年金資産の積立状況を云々する等余りにも近視眼的な見方でもって
企業価値とすることの弊害を指摘する意見も聞かれる。会計制度の在り様が、
企業に働く従業員の老後の保障、生活の安定を脅かす要因になるのは、制度
が人を振り回す類といえよう。企業会計の原理・原則との整合性をはかりつ
つ、企業に働く人々の安心・安定向上に資するものでなければならない。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ●連載● 年金相談の現場から(14)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 年金額の特例水準解消等の改正について
   NPO金融年金ネットワーク 1級FP技能士・社会保険労務士 小野隆璽
 ◇◆◇
 平成24年11月16日、「国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正
する法律」が成立し、衆議院の解散・総選挙という流れになりました。
 この成立した法律は、2つの制度改正、すなわち、(1)「特例水準の解消関
係」と(2)「基礎年金国庫負担2分の1関係」があります。そこで、今回はこ
の内容について解説します。 なお、蛇足ですが、「マイナンバー法案(仮
称)」と「主婦年金追納法案(仮称)」については成立しませんでした。

 1. 特例水準の解消関係
 【法律の概要】
 世代間公正の観点から、老齢基礎年金等の特例水準(2.5%)について、
平成25年度から平成27年度までの3年間で解消する。
 解消のスケジュールについては、平成25年10月から:▲1.0%、平成26年4
月から:▲1.0%、平成27年4月から:▲0.5%とする。(施行日:平成25年
10月1日)
 【解説】
 現在支給されている年金額は、平成11年から13年までの間に、物価が下落
したにもかかわらず、年金額を特例的に据え置き、その後も物価の下落が続
いたことなどにより、法律が本来想定している水準(本来水準)よりも、
2.5%高い水準(本来水準)となっています。
 そこで、この特例水準について、早期に計画的な解消を図る観点から、平
成25年度から平成27年度の3年間で解消することとされました。
 この制度改正は、当初案のスケジュールでは、平成24年10月から:▲0.9
%、平成25年4月から:▲0.8%、平成26年4月から:▲0.8%という案で提案
されていましたが、国会審議が延び延びになり、結局平成24年10月には間に
合わず、1年先延ばしされることになりました。
 また、この制度改正に伴う年金額の減額のほか、毎年4月に本来の物価ス
ライドによる年金額の改定も起こり得ます。そのため、年金受給権者にとっ
ては、今後平成25年4月から物価スライドによる年金額の減額改定、平成25
年10月から▲1.0%、平成26年4月から▲1.0%+物価スライドによる年金額
の減額改定、平成27年4月から▲0.5%+物価スライドによる年金額の減額改
定が行われる可能性があります。
 ところで、年金額については、(1)本来水準の年金額、(2)本来のスライド
による従前保障額の年金額、(3)特例のスライドによる従前保障額の年金額
の3つの算出方法による年金額があり、法律ではそのうち一番金額の多いも
のを支給することになっていました。しかしながら、今回の改正により、こ
の特例措置の適用は平成26年度までの間とされ、平成27年度以降は適用しな
いこととされるため、今後は本来水準の年金額に移行していくことになりま
す。

 2. 基礎年金国庫負担2分の1関係
 【法律の概要】
 平成24年度及び25年度について、国庫は、消費税増税により得られる収入
を償還財源とする年金特例公債(つなぎ国債)により、基礎年金国庫負担割
合2分の1と36.5%の差額を負担する。
 平成24年度及び25年度の国民年金保険料の免除期間について、基礎年金国
庫負担割合2分の1を前提に年金額を計算する。
 なお、国民年金保険料免除期間の年金額は、国庫負担分に連動して設定さ
れており、平成20年度以前は3分の1、平成21年度〜平成23年度は2分の1とな
っている。
 (施行日:平成24年11月26日)
 【解説】
 基礎年金国庫負担については、平成24年8月22日に交付された年金機能強
化法において、基礎年金国庫負担1/2が恒久化される特定年度を平成26年度
と定められました。
 すなわち、平成24年度及び25年度については、基礎年金国庫負担1/2が恒
久化されていないため、“つなぎ国債”で負担することになったのです。
 これで、基礎年金国庫負担1/2が最終決定かというとそうでもありません。
但し書きがあり、「税制抜本改革により得られる税収(消費税収)を充てる」
とされているため、消費税の導入が延期等された場合は、この改正も延期等
される可能性が含まれています。
 今後の動向を見守りたいと思います。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOアクティビティー
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出版のお知らせ―――――――――――――――――――――――――――
 ◇◆◇
 《最新版発売発売中!!》 平成25年1月31日増刷出来!!
 「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第2版)
 日本労働組合総連合会
 NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク:共編
 平成24年5月31日発行
 A4判・122頁・頒価1部1,500円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 本ハンドブックは、施行10年目を迎えた確定拠出年金制度が法律制定の趣
旨にそって、「公的年金と相まってサラリーマンの老後生活保障の柱」の一
翼を担える制度に仕上がっていくように、との期待をこめて、主として加入
者、労働組合の立場から課題と対応の「考え方」を示したものです。私たち
の活動の中から、これまでに経験した事例や課題・問題点を踏まえて整理を
行いました。
 第I部は、確定拠出年金制度の概要と基礎知識を法律に沿って解説、第II
部は、制度のポイントである「運用」と「教育」についての考え方と提言、
第III部は制度の課題と展望について述べています。
 本書は、旧版のデータを最新のものに改めにとともに、マッチング拠出等
が認められた法改正に対応し第2版として発行するものです。。
 すでに、退職給付制度の一部または全部を確定拠出年金に移行した労組の
皆様には、制度の運営改善に、これから移行が想定される皆様には、制度設
計・運営のご参考になれば幸いです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 《最新版・2012年版》 平成24年1月31日発売!!
 「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
  共編
 2012年版 平成24年1月31日発行
 A4判・122頁・2色刷り・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 2012年は確定拠出年金法と確定給付企業年金法の公布から10年、企業年金
が生誕50年を迎え、企業年金の歴史では節目に差し掛かっています。この間、
退職給付会計の導入、運用難による年金資産の積立不足、税制適格退職年金
の廃止等を契機に、退職給付制度の再編が進行してきました。今後も、景気
低迷、円高・株安の環境下で企業年金の運営は一層厳しい局面を迎えていま
す。
 厚生年金基金や税制適格退職年金から確定給付企業年金に移行後に、国際
会計基準(IFRS)や財政運営基準の厳格化の動向をにらみ、キャシュバラン
ス・プランや確定拠出年金に切り換える動きも出できています。確定拠出年
金も個人資産の運用難による目標金額の未達成、投資教育の内容・頻度、運
用商品開発の不足等、課題が発生しています。厚生年金基金についても、AI
J事件を契機に構造的な課題が表面化しています。
 本書は、2004年11月に2005年版を創刊以来、本年版で8冊目になります。
本年版は、旧版のデータ等を最新のものに改訂すると共に、確定給付企業年
金に関する記述を拡大・加筆しました。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組員の皆様が、公的年金から
会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのため
には、年金制度の基本知識と制度再編に際して従業員サイドからの留意点を
組織内で共通認識することが第一歩です。そこで、本書をテキストや副読本
として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加盟単組からの
ご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も見受けられる
ようになりました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 書籍のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 →http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm
 お問い合わせ、お申し込みは
 NPO金融年金ネットワーク事務局(
 または電話(03-5444-0539)、FAX(03-5444-0303)まで。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
●次号(106号)は2月1日に送信の予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
 → 
※禁・無断転載 このメールマガジンの著作権は上記発行者に帰属します。




ホームへ メールマガジン登録