ホームへ メールマガジン登録


□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□

┃       金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン

┃                     第133号 2015年5月1日
┃   NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
┃             ホームページ http://kinyunenkin.jp/
□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□
――――――――――――――――――――――――――――――――――
 このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場
 から退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している
 「NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金
 ネットワーク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関す
 る情報や意見交換のスペースをご提供することを目的にしています。企
 画・編集には(株)格付投資情報センターのご協力を頂いています。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
■■ 目次 ■■
●特集レポート
 企業年金コンサルティングの現場から(116)
●NPOトピックス
 ★今からでも聞いてみよう投資の話(7)
  年金運用の歴史と政策
 ★マーケットトピックス
  米国経済に変調の兆し、日本は期待先行か
 ★年金トピックス
  確定拠出年金加入者の通算運用利回り3.6%、想定利回りは1.9%
  ――2014年日経企業年金実態調査から
●年金相談の現場から(42)
  年金制度にかかわるマイナンバー制度の導入
●NPOアクティビティー
1. セミナーのお知らせ
2. 出版のお知らせ
◇最新版・2015年版 平成27年1月30日発売!
「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2015年版
◇最新版好評発売中!! 平成26年5月30日発売! 残部僅少!
「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第3版)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■特集レポート
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 企業年金コンサルティングの現場から(116)
                (株)武南企業年金事務所代表 坂井信夫
 ◇◆◇
 厚生労働省の白書や諸々の年金関係資料を拝見すると、必ずといっていい
ほど目にするのが「年金制度の体系」という図である。
 平成26年度版の厚生労働白書には、平成25年3月末現在の状況が掲載され
ている。
 それによると、基礎(国民)年金の内訳で、自営業者等による第1号被保
険者数が1,864万人、第2号が公務員を含めて3,912万人、第三号が960万人と
なっている。
 企業年金の世界に関わる者として注目したいのは、その第2号被保険者の
二階建てと三階建て部分の状況だ。二階建て部分とはご承知の通り、報酬比
例の年金制度である。そして、三階建て部分とは何らかの種類の企業年金制
度で構成されている部分である。
 さて、報酬比例の年金であるが、これをサラリーマンに限れば厚生年金の
加入員にあたり、その人数は3,472万人である。そして三階部分にあたる企
業年金の制度別加入員数は、厚生年金基金が420万人、確定給付企業年金が7
96万人、確定拠出企業型年金が439万人となっている。また、確定拠出個人
型年金が第1号被保険者の加入者との合算で16万人である。仮に個人型16万
人の3分の2を第2号被保険者とみなして、その加入員数を約11万人としても、
三階建て部分の加入員は延べ1,666万人で、二階建て部分である厚生年金加
入員3,472万人の半分に満たない。
 企業年金とは退職金の年金化である、という認識の時代、企業年金制度を
導入する事業主側のメリットの一つに、コストの平準化があげられたもので
ある。しかもその拠出金は原則非課税となれば、そこには国による暗黙の制
度促進の意思が働いていたと言えなくもない。にもかかわらず、それらの制
度は、サラリーマンの半分も浸透していない。しかも厚生年金基金の加入員
は先細りが確実である。
 そんな「閉塞」状況を打破したいためなのか、政府・厚生労働省は、確定
拠出個人型年金の制度改定を行い、加入適用範囲を公務員や第3号被保険者
まで拡大させたい意向のようだ。そこには当然、いま三階建てのない中小企
業への配慮もなされることになろう。従来認められていなかった、DCからDB
へのポータビリティの実現も予定されているときく。転職を重ねても、その
先々で何らかの企業年金制度が存在し、そこで資産を増やし続けていくこと
が可能になるならば、歓迎すべきことであろう。総合型の解散後、三階部分
が無年金になるという「逆行現象」が回避されるような効果を期待したいも
のである。
 生命保険文化センターの調査によれば、60歳代の生活費の原資は、公的年
金、退職金・企業年金、預貯金が主な三本柱という。それぞれについて「公
助」「共助」「自助」の賜物と言ったら言い過ぎだろうか。ただし、会計的
意味はさておき、サラリーマンにとっての企業年金は、原則として退職金を
年金化したものという基本認識は忘れたくないものである。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOトピックス
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★今からでも聞いてみよう投資の話(7) ――――――――――――――――
 年金運用の歴史と政策

          NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 年金には国民年金、厚生年金といった公的年金がありますが、ここでは主
に企業の確定給付年金について考えることにします。企業は従業員の増加に
伴い定年制度の導入を始め、その後平均余命が長くなるにつれ、前述の公的
年金を補完する確定給付の企業年金が発展してきたと言われている。企業年
金に限らず各年金は将来の給付に備え、資産の運用が行われており、その運
用利回りが期待通りに確保できれば、将来の給付に対し、現役世代も安心す
ることができる。
 年金の運用が始まった戦後から90年代前半までは金利が高く、リスクをと
らなくても運用目標を達成でき、年金運用の期待収益率は一定水準を確保す
ることができた。また、人口構成もピラミッド型で若かったので、キャッシ
ュフロー面からも収入超過となり、剰余金が積み上げられる状況にあった。
しかし、1990年代に入り、日本経済のバブル崩壊が徐々に影響し、その後長
期にわたり低経済成長、年金運用面では金利の低下、など厳しい状況が続い
た。加えて少子高齢化が進んだことで、年金運用のこれまでの前提は少しず
つ変わってきた。これらを踏まえ運用利回りの改善策として、リスク資産の
拡大、キャッシュバランス制度や確定拠出年金(DC)の導入、など先進国が
歩んだ道をたどることになる。ところが、日本固有の問題として国内株式の
低迷、円高による海外資産の目減りがあって、これまでの運用方針の変更が
実を結ぶことなく、これまでの運用手法もしくはリスク管理手法が機能しな
いという問題に直面せざるを得なかった。
 すなわち、これまでのリスク管理では不十分であったこと、投資の原則と
言われる分散投資が機能しなかったこと、資産の下落リスクが抑制できてい
なかったこと、などの問題が改めて浮上してきた。加えて長期の運用が主体
である年金が短期的な変化への対応も無視できなくなり、そして運用成績が
良くなかった国内株式に対し過大な投資を行うことへの疑問も出るようにな
った。
 さて、ここで企業年金ではなく公的年金の仕組みを大雑把ですが見ていき
ましょう。現在公的年金は賦課方式と言われ、年金受給者に支払われる年金
は、それら以外の若年世代の掛け金によって賄われている。ただ、剰余金が
出れば積み立てられ、運用することで年金資産を増やし、将来の給付余力を
高めることができる。つまり、運用によってどれだけ資産を増やせるかとい
うことも、年金財政にとって大変重要なことである。現在、公的年金では積
立金を数兆円規模で取り崩す支払い超過になっており、積立金の減少を可能
な限り抑えていくことが重要な課題となっている。公的年金ではこの解消策
に国レベルでいろいろ考えてはいるものの、まだまだ課題山積で引き続き議
論されることになる。つまり年金資産を一定規模維持するには、掛け金を増
やすか、運用により積立金を増やすか、そうでなければ給付による支出を抑
制しなければならない。運用利回りを引き上げる手法についてもいろいろ議
論がなされているところですが、専門的な事柄も多く今後じっくりと考えて
いきたいと思います。
 そのさわりとして、代表的な公的年金の運用機関である積立金管理運用独
立行政法人(GPIF)が昨年10月に運用方針の変更を発表しました。これにつ
いても議論が多くなされないままに進行しているとの見方もありましたが、
少しずつ動き始めている。今後は国家公務員の共済年金も同じ運用方針をと
る見通しです。年金財政の維持のため、もしくは少しでも余裕のある状態に
するために、年金資産の運用のあり方を大きく見直したと言えるでしょう。
年金資産の取り崩しが始まり、それを補填するために運用益をいかにして確
保するのかというのが重要な責務となってきたと言えます。こうした運用政
策は十分議論がなされた結果だとは思いますが、資産配分が先行して決めら
れ報道されたことは思考の順番が違うようには思いますが、当面その政策の
実行と成果を見ていくことにしましょう。個人で確定拠出年金の運用を行っ
ている人も多いかとは思いますが、こうした公的年金の運用政策を研究する
ことはあっても、真似る必要はないと思います。それは個人の見解の差もあ
るでしょうし、公的年金の資産配分が適切かどうかという疑問を投げかける
専門家もいるからです。こうした背景についてもこれから少しずつ考えてい
くことにしましょう。
 ◆◇◆

★マーケットトピックス―――――――――――――――――――――――
 米国経済に変調の兆し、日本は期待先行か
                 NPO金融年金ネットワーク
                 DCアドバイザー・CFP   宮本一弘
 ◇◆◇
 この原稿を執筆している時点(4月29日)で市場の関心は、4月28日・29(現
地時間)に開催されている米FOMC(公開市場委員会)と、4月30日に予定さ
れている日銀の金融政策決定会合の行方であろう。日銀が、この会合で、昨
年10月末のハロウィーン・サプライズに次ぐ三度目の追加金融緩和に踏み切
るのか、このところの買いの主体になっている外人勢(主に短期売買のヘッ
ジファンド)の投資行動に“きな臭さ”を感じる向きが増えていることによ
ります。
 NYダウの水準は依然最高値圏で推移していますが、米国の景気回復は、4
月に入ってから発表される各種の景気・経済統計を見ている限り市場予想を
下回る数値が多くなってきています。
 4月3日米労働省が発表した3月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前
月比12万6千人で市場予想の25万人程度を大幅に下回りました。失業率は5.5
%で横這いながら、労働参加率は62.7%と依然低下傾向が続いています。正
規就業を希望しながら止むを得ずパート・アルバイト等に就いている人を失
業にカウントするU6失業率は10.9%と前月の11%から改善、約6年半ぶり水
準に戻りました。
 時間当たりの賃金では前月比0.07ドル改善し24.86ドル、これは前年比2.1
%の増加になっています。
 3月のISM製造業景況指数は、51.5に低下、辛うじて景気の先行きの好・不
調の分かれ目の50は上回りましたが昨年10月の59からは大きく低下しました。
3月の鉱工業生産は前月比マイナス0.6%、設備稼働率も78.7%でいずれも市
場予想を下回る状況です。3月の住宅着工件数は、年率換算92万6千戸で市場
予想を下回りました。好調を維持しているのは小売売上高で、3月は前年比
0.9%増加で、昨年3月以来1年ぶりの大きさになりました。自動車販売が好調
を維持し、衣料・装身具、飲食業、家具、スポーツ用品・娯楽なども伸び、
個人消費の底堅さを示してはいますが、多くの重要な統計がネガティブな状
況にあります。原因は、厳冬の影響、西海岸の港湾ストによるサプライチェー
ンの寸断に加え、ドル高による企業競争力の低下、原油安による投資・雇用
の縮小、海外、特に中国などの景気の鈍化といった実体経済面の悪化が効い
てきているのではないかとされています。
 米景気に世界経済成長のけん引役を期待していたIMFも、2015年の米成長
見通しを従来の3.6%から3.1%に下方修正しています。
 懸案の米FRBによる最初の利上げの開始時期は、6月から、経済統計の4〜6
月期の数値を精査出来る「9月以降の年内」、に後ずれするとみられていま
す。従って、まだ暫らくは現在の金融相場が続き、ドル高・円安の基本シナ
リオにも“揺り戻し”が想定されるところです。

 日経平均株価は、4月22日、2000年4月14日以来15年ぶりに終値で2万円台
を回復しました。一方、足下の経済統計では、依然冴えないものが少なくあ
りません。特に昨年4月の消費増税以降、個人消費に関連する統計は冴えな
い状態です。総務省の全世帯家計調査でも、実質消費支出は昨年4月から未
だに前年同月比割れが継続しています(2015年2月もマイナス2.9%)。一般
消費者に身近なスーパー・コンビニ売上高もマイナスが継続しています。全
国百貨店売上は2月にやっと訪日外国人の“インバウンド消費”の効果で前
年同月比1.1%のプラスに転換しました。但し、肝心の消費者物価指数(生
鮮食品を除くコアCPI)では、遂に前年同月比2%まで低下しています。日銀
は消費増税分を2%と評価していますから、実質の物価上昇率はゼロという
ことになります。鉱工業生産指数も2月は前月比マイナス3.4%。国内の自動
車販売が低迷している影響が出ているとされています。
 一方、先行きの見通しに関する調査では数値は改善の方向にあります。例
えば、日銀の景気ウォッチャー調査の「3ヵ月先行き判断DI」は53.4と昨年
11月の44.0を底に4ヵ月連続で改善方向にあります。“足元は冴えないが、
先行きに期待して”ということであるといえましょう。この期待の背景には
ベアの実現(経団連の集計で2.59%:定昇込み。但し2年前の実質賃金には
まだ及ばないといわれている)・賞与の増額、消費増税のネガティブ効果の
剥落、企業業績の拡大、インバウンド効果等々が考えられますが、景気の浮
揚には企業が来年も賃上げを続けられるかが課題になります。
 財務省が4月22日発表した3月の貿易統計では、2293億円の黒字になり、2
年9ヵ月ぶりに黒字に転換しました。輸出金額は前年同月から8.5%増加、米
国向けの自動車やベトナム、中国向けの電子部品、工作機械が増加しました。
輸入は、原油・天然ガス価格の下落が効いています。
 4月30日の日銀の金融政策決定会合では、年2回公表している「経済・物価
情勢の展望」(展望リポート)を纏め、2017年までの見通しが明らかになり
ます。焦点の一つは15年度の物価予測で現在の1%から0%台後半に小幅に下
方修正する方向とみられています。黒田総裁は、4月23日の国会答弁で「(異
次元緩和は)所期の効果を発揮しており、デフレマインドからの転換は確実
に進んでいる」と発言しています。理由の一つは、足下の物価上昇率の低下
は原油安による一過性のものとみていることのようで、ここへ来て原油価格
は下げ止まりつつあるので年後半には物価上昇が大きくなるとみているので
はとされます。確かに、物価連動債と普通国債の利回り差から求める「ブレー
ク・イーブン・インフレ率」(BEI)は上昇してきているようです。二つ目
は、先述したように今春は多くの企業でベースアップに踏み切りました。賃
上げの効果が物価の上昇にもつながるとみているものと思われます。
 東京市場は、少し下がるとすかさず年金資金(公的年金)や日銀のETF買
いが入り買い支える状態が続いているので売り方は容易に行動できない状況
が続いているようで、買い安心感が広まっているとされていますが、指標面
では相当割高の水準へ来ていて、警戒すべきゾーンに入って入るといえるの
ではないでしょうか。米国市場の話ですが、“セル・イン・メイ”(5月に
売り抜けろ)というアノマリーがあるとされます。2013年には、バーナンキ
議長が議会証言で“テーパリング”に触れたことで市場に激震が走り、5月2
3日、日経平均は1143円安の急落に見舞われた前例も忘れないようにしたい
ものです。
                        (平成27年4月29日記)
 ◆◇◆

★年金トピックス――――――――――――――――――――――――――
  確定拠出年金加入者の通算運用利回り3.6%、想定利回りは1.9%
   ――2014年日経企業年金実態調査から

        NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士
        DCアドバイザー・AFP            植村昌機
 ◇◆◇
 日経企業年金実態調査では、確定拠出年金(以下DC)を導入済みの企業の
加入者の運用状況について、直近1年間の単年度の運用実績として「13年度
運用利回り」と、制度発足時から13年度末までの「通算利回り(年率換算)」
に分けて聞いている。

 1. 13年度単年度利回り5.65%、通算利回り3.6%
 直近1年間の単年度の運用利回りの単純平均(186社集計)は5.65%となり、
前回の7.36%から1.7%低下した。円安、株式相場が堅調に推移したことか
ら2年連続の大幅プラスとなった。利回りの分布状況をみると、最も多かっ
たのが「6〜7%未満」の企業で、全体の17.7%、次いで「5〜6%未満」17.2
%であった。利回りがゼロ%を上回り、プラスとなった企業は98.9%を占め、
元本割れはわずか2社であった。
 通算利回りの単純平均(171社)は3.6%と前年より上昇した。元本割れの
企業は1社もなかった。単年度利回りが2年連続で大幅に上昇したので、通算
利回りも改善した。
 利回りの分布状況をみると、最も多かったのが「2から2.5%未満」が最多
で17.5%、次いで「2.5〜3%未満」が12.9%と続いた。最高は14.3%、最低
は0.01%で、マイナス利回りはなかった。

 2. 想定利回りは1.9%と横ばい。94%の企業が想定利回りをクリア
 想定利回りは通常、制度設計上の目標利回りで制度導入時の掛金額の設定
に使われる。平均は1.9%(284社)で前回と同じであった。2年連続で1.9%
となったことで、低下傾向は一服したといえる。利回りの分布状況をみると、
最多は「2.5%」が最多で31.7%、ついで「2.0%」25.7%だった。「2.0%
未満」に設定している企業は33.1%。このうち「0%」
 とする企業は5.6%あり、金融機関、製薬会社、マスコミなど大手企業で
加入者の運用リスクを軽減する措置がとられている。また、定期預金や長期
金利並みのゼロ%台に設定する企業もある。
 想定利回りと実際の運用利回りとの関係をみると、94%の企業で13年度単
年度運用実績が想定利回りを上回り、通算でも80%に達した。大半の企業が
想定利回りを上回っており、前回調査より上回っている企業が増えた。

 3. 運用商品の配分、投信等リスク商品が44.8%に上昇
 定期預金や保険などの元本確保型商品の割合(194社)は55.2%で、投資
信託等(MMFを含む)の割合は44.8%となった。元本確保型商品の割合が
3.52%低下して、その分、投信等の割合が増加した。運用商品の残高の分布
をみると40%台が最多で23.2%を占めた。全体にリスク商品の割合がふえる
傾向にある。

 4. デフォルト商品を設定している企業は67.1%、そのうち78.1%が定期
   預金を採用
 加入者が運用商品を選定しない場合に自動的に指定するデフォルト商品に
ついて、67.1%の企業が設定している。そのうち、定期預金が78.1%、保険
商品が16.6%、バランス型投信は1.3%であった。

 5. 運用商品の追加企業、初めて半数超え
 運用商品の追加状況(240社)では、1本でも追加した企業は52.1%で、前
回より7.9%増であった。今後の追加予定では「予定がない」が78.9%で追
加の動きは一服している。

 6. マッチング拠出導入、31.1%まで拡大
 マッチング拠出の導入状況(341社)は、「認めている」31.1%と3割を超
えた。「今後認める予定」が9.4%なので、4割まで拡大する可能性がある。
一方、「認めない」としている企業が45.7%を占めている。加入者の利用状
況は、「10%未満」が全体の50.5%を占め、利用状況は進んでいないので投
資教育が求められる。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■年金相談の現場から(42)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 年金制度にかかわるマイナンバー制度の導入
   NPO金融年金ネットワーク 1級FP技能士・社会保険労務士 小野隆璽
 ◇◆◇
 社会保障・税に関わる番号制度(いわゆる「マイナンバー制度」という。)
を創設するための「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の
利用等に関する法律(いわゆる「番号法」という。)及び関係法律の整備法
が制定され、マイナンバー制度が導入されることになります。
 マイナンバー制度は、住民票を有する全ての人に重複することのない12桁
の唯一の個人番号を漏れなく付番するとともに、個人情報の保護に配慮しつ
つ幅広い行政分野において情報連携を行う仕組みを築くことにより、国民に
とっての利便性、行政事務の効率性・正確性、負担と給付の公平性の確保を
目的としています。そして、最近では、新聞紙上等において広報・案内が活
発に行われるようになっています。
 そこで、今回は、年金制度にかかわるマイナンバー制度導入のスケジュー
ルや手続き上の変更点等を説明させていただきます。

 1. 対応スケジュール
 (1)平成27年10月
  ・全住民票登録者へ通知カードという紙製のカードに住所・氏名・生年
 月日・性別の4基本情報とマイナンバー(12桁)通知が郵送されます。
 (2)平成28年1月
  ・個人番号による年金の相談及び照会の対応が行われます。
  ・年金受給者の税関係業務での番号制度の対応が行われます。
 (3)平成29年1月
  ・個人番号での各種届出・申請手続きが実施されます。
  ・情報提供ネットワークシステムを通じた国の外部機関との情報連携を
 活用した各種手続き時の添付書類の省略が可能となります(国対国)。
    *これまでの住所変更、死亡届出のほか、氏名変更の届出も同様に
 省略が可能とされます。
 なお、受給権者については、口座名義氏名を金融機関で変更後、
 別途、変更届を提出する必要があります。
  ・マイ・ポータルを活用した年金の記録や手続きに関する情報提供が
 行われます。
 (4)平成29年7月
 ・情報提供ネットワークシステムを通じた地方公共団体の外部機関との
 情報連携を活用した各種手続き時の添付書類の省略が可能となります
 (国対地方自治体)。

 2. 年金制度における対象者の範囲
 個人番号は、住民基本台帳に登録されている人(住民票を有する全ての人
:赤ちゃんからお年寄りまで、男女国籍を問わず)に付番されます。
 ただし、年金制度においては、被保険者・受給権者等の中に海外居住者な
ど住民票を有していない人が含まれていますので、これらの人に対する年金
情報の管理は、従来どおり基礎年金番号で確認等が行われます。
  *個人番号が付番されない人
    ・滞在期間が3ヵ月未満の短期在留外国人
    ・海外居住の任意加入者

 3. 年金手続き関連の主な変更点
 (1)年金請求書の様式が変更され、平成28年1月以降の年金請求にあたって
   は個人番号を記戴することになります。
 (2)添付書類のうち、世帯全員の住民票及び所得証明書については、原則
   として添付を省略する取扱いとされます。
    なお、身分関係を明らかにするための戸籍謄(抄)本や死亡原因等
   を確認するための死亡診断書の写し等については、現行どおり添付す
   る必要があります。
 (3)「公的年金等の源泉徴収票」について、様式変更とともに、個人番号
   の記戴がなされます。
 (4)「公的年金等の扶養親族等申告書」について、様式変更がなされ、個
   人番号の記戴欄が追加されます。

 4. その他
 行政指導とは関係なく、罰則規定が適用されます。
 特にマイナンバーを含む情報(特定個人情報)は、1件でも漏洩した場合
には、厳しい罰則規定が課せられる可能性がありますので、年金手続きにあ
たっては、留意する必要があります。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOアクティビティー
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. セミナーのお知らせ ―――――――――――――――――――――――
 NPO法人 DC協会(確定拠出年金教育・普及協会)主催のセミナー「年金・
退職金総合アドバイザー」資格取得講座(全6回コース)に、当NPOが協力し
ています。
 労働組合内に、年金・退職金制度に関するインストラクターを育成するの
に最適な講座ですので、ご参加をお勧めします。
 ◇◆◇
 第1回: 公的年金制度の概要5月27日(水)18:30〜20:40
 第2回: 企業年金制度の概要6月3日(水) 18:30〜20:40
 第3回: 企業年金制度の再編6月10日(水)18:30〜20:40
 第4回: 退職給付会計と企業年金の展望6月17日(水)18:30〜20:40
 第5回: 確定拠出年金の制度設計6月24日(水)18:30〜20:40
 第6回: 確定拠出年金の教育7月1日(水)18:30〜20:40
 記念講演「企業年金の現状と課題」厚生労働省企業年金課長(7月実施予定)

 会場はいずれも、中央大学駿台記念館(御茶ノ水)
 ※詳しくは、下記にお問い合わせ下さい。

 NPO法人 DC協会
 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町3-17-3 都ビル6階
 TEL:03-3222-6113 FAX:03-3222-6008
 E-mail:master@nenkinnet.org
 URL:http://www.nenkinnet.co.jp/dc
 ◆◇◆

2. 出版のお知らせ ―――――――――――――――――――――――――
 ◇◆◇
 《最新版・2015年版》 平成27年1月30日発売!! 好評 4月7日増刷出来!!
 「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2015年版
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
  共編
 A4判・138頁・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 確定拠出年金法と確定給付企業年金法の公布から10年以上が経過し、この
間、退職給付会計の導入、運用難による年金資産の積立不足、厚生年金基金
の代行返上、税制適格退職年金の廃止等を契機に、退職給付制度の再編が進
行してきました。
 厚生年金基金や税制適格退職年金から確定給付企業年金に移行後に、国際
会計基準(IFRS)や財政運営基準の厳格化の動向をにらみ、キャッシュバラ
ンス・プランや確定拠出年金に切り換える動きも出てきています。確定拠出
年金も個人資産の目標金額未達成、投資教育の内容・頻度、運用商品開発の
不足等、課題が発生しています。さらに、厚生年金基金改革法が2014年4月
に施行され、解散や移行先制度の検討等、企業年金の再編は第二のステップ
に入りつつあります。
 本書は、2004年11月に2005年版を創刊以来、本年版で11冊目になります。
本年版は、旧版のデータ等を最新のものに改訂すると共に、確定給付企業年
金に関する記述を拡大・加筆、IFRSの概要、厚生年金基金改革と労働組合の
対応、年金ガバナンス体制の見直し・強化等、大幅に加筆しました。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組員の皆様が、公的年金から
会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのため
には、年金制度の基本知識と制度再編に際して従業員サイドからの留意点を
組織内で共通認識することが第一歩です。そこで、本書をテキストや副読本
として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加盟単組からの
ご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も見受けられる
ようになりました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 《最新版発売中!!》平成26年5月30日発売!!
 「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第3版)
 日本労働組合総連合会
 NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク:共編
 平成24年5月31日発行
 A4判・122頁・頒価1部1,500円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 本ハンドブックは、施行13年目を迎えた確定拠出年金制度が法律制定の趣
旨にそって、「公的年金と相まってサラリーマンの老後生活保障の柱」の一
翼を担える制度に仕上がっていくように、との期待をこめて、主として加入
者、労働組合の立場から課題と対応の「考え方」を示したものです。私たち
の活動の中から、これまでに経験した事例や課題・問題点を踏まえて整理を
行いました。
 第I部は、確定拠出年金制度の概要と基礎知識を法律に沿って解説、第II
部は、制度のポイントである「運用」と「教育」についての考え方と提言、
第III部は制度の課題と展望について述べています。
 本書は、旧版のデータを最新のものに改めにとともに、マッチング拠出等
が認められた法改正に対応し第3版として発行するものです。
 すでに、退職給付制度の一部または全部を確定拠出年金に移行した労組の
皆様には、制度の運営改善に、これから移行が想定される皆様には、制度設
計・運営のご参考になれば幸いです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 書籍のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 →http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm
 お問い合わせ、お申し込みは
 NPO金融年金ネットワーク事務局(
 または電話(03-5444-0539)、FAX(03-5444-0303)まで。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
●次号(第134号)は6月1日に送信の予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
 → 
※禁・無断転載 このメールマガジンの著作権は上記発行者に帰属します。




ホームへ メールマガジン登録