ホームへ メールマガジン登録


□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□

┃       金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン

┃                    第140号 2015年12月1日
┃   NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
┃             ホームページ http://kinyunenkin.jp/
□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□
――――――――――――――――――――――――――――――――――
 このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場
 から退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している
 「NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金
 ネットワーク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関す
 る情報や意見交換のスペースをご提供することを目的にしています。企
 画・編集には(株)格付投資情報センターのご協力を頂いています。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
■■ 目次 ■■
●特集レポート
 企業年金コンサルティングの現場から(123)
●NPOトピックス
 ★今からでも聞いてみよう投資の話(14)
  日本版スチュワードシップ・コードについて(4)
 ★マーケットトピックス
  堅調な米経済を背景に、12月利上げを想定 ECBは追加緩和 日銀は
 ★年金トピックス
  厚生年金基金、DBへ移行・解散して新設が6割
   ――2016年日経企業年金実態調査から
●年金相談の現場から(49)
  共済年金からみた被用者年金制度の一元化について
●NPOアクティビティー
出版のお知らせ
◇最新版・2015年版 平成27年1月30日発売!
 好評4月7日増刷出来!
「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2015年版
◇最新版好評発売中!! 平成26年5月30日発売! 残部僅少!
「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第3版)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■特集レポート
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 企業年金コンサルティングの現場から(123)
                (株)武南企業年金事務所代表 坂井信夫
 ◇◆◇
 このメールマガジンをご購読いただいている読者の方の平均年齢はおいく
つなのか?
 今月分の原稿を書きだすにあたって、そんなことが頭をよぎった。
 吉田松陰の「留魂録」に、「三十歳にはおのずから三十歳の四季がある。
五十歳、百歳にはそれぞれおのずから、五十歳、百歳の四季があるものだ」
という一説がある。とても奥深く、今日一日をいかに大切に生きるべきかと
考えさせられる。一方で、人生の長短にかかわらず、一人一人の人生に「四
季」は一度限りという認識がとても大切なことに思われてならない。これを
年金の世界で考えてみると、例えばサラリーマンが労働所得を得られなくな
る年齢になると、国の基礎老齢年金や厚生年金、あるいは勤めていた企業の
制度としての企業年金を受給することになる。
 これは、四季で例えれば、人生の初夏から晩秋にかけて、いろいろな思い
を抱きながらも、「冬」への準備のために保険料等の拠出をしてきていたこ
とによって可能となるものである。木枯らしの吹き始める頃に、冬への身支
度が不足していることに気付いたからといって、夏まで、いやせめて秋まで
時間を戻してくれ、と願ってもそれはできないことである。それぞれの人間
にとって、人生の30代は一度きりだし、40代の日々も一度きりである。ごく
ごく当たり前のことであるが、本当にそれを認識できている方はどの程度い
らっしゃるだろう。
 自分達の時代には制度が破綻しているから国の年金制度には入りたくない、
という声をいまだに耳にする。その感覚で「冬の季節」を迎えることがどう
いうことか、よくよく想像してもらいたいものである。一方で、基礎年金だ
けの受給者に言わせると、その金額だけではとてもやっていけないという声
を耳にする。
 つまり、サラリーマンであれ自営業であれ、まずは国の年金制度の加入者
責任を果たしたうえで、基礎年金のみの方の二階部分、厚生年金受給者の三
階部分をより少しでも充実させることが必要なのであろう。公的年金にマク
ロスライド調整という仕組みが導入されているのだからなおさらである。
 ところが厚労省の資料によると、厚生年金加入者およそ3500万人のサラリー
マンのうちで、何らかの三階部分に加入している方は延べで1700万人に満た
ない。しかもおよそ400万人が加入している厚生年金基金は消滅しようとし
ている。また、いわゆる専業主婦(夫)の第三号加入者が1000万人弱いるが、
その方たちには二階部分の制度は存在しないのが現状である。
 これらのことを踏まえると、先の通常国会で先送りされたDC法の改正は一
日でも早く実現するべきではなかったか。また、企業年金部会で話題になっ
ているハイブリッド型企業年金制度についても、諸々の問題があるにしても、
可能な限り早期に、その制度の創設を達成していただきたいところである。
 街の景色は、ハロウィンからクリスマス、そして年末年始へと著しく模様
替えする季節である。その鮮やかな変わり身は日本人の几帳面さの現れと思
うが、そこにある時の流れは一方通行であるという現実を忘れたくはないも
のである。
 皆様にとって来年が良い年になりますように。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOトピックス
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★今からでも聞いてみよう投資の話(14)――――――――――――――――
 日本版スチュワードシップ・コードについて(4)

          NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 今回はなぜESG投資なのかという点をおさらいしますが、投資の原則の一
つだと理解頂ければ幸いです。ESG投資の一つとして企業が成長を維持する
ために社会とどう共存していくかと言うことが問われる。逆の言い方をすれ
ば社会を維持していくために企業はどうあるべきか、どう取り組むべきかと
言う社会貢献度を投資対象の評点にしようというものがある。当初は宗教的
観点から酒やたばこ、教義に反する事業などが除外された。ESG投資とは少
し異なるが、イスラム金融の世界では利子の禁止、禁忌とされる商品・サー
ビス(アルコール、たばこ、豚肉、武器、賭博、など)の取引禁止、などが
シャリア(イスラム法)に基づき規定されていることなどは興味深い。

 機関投資家がESGの要素をより現実的に取り上げる際には、紛争やテロリ
ズム、環境、人権、労働や雇用、企業統治、コミュニティ、などが評価項目
とされる。最近では地球温暖化防止や省資源、廃棄物処理、などへの関心も
高い。CSR報告書などを見て、情報分析者(投資家等)側からは統一された
基準がないことから、企業ごとで内容や表現が異なっている、数値データの
評価が難しく他社と比較しづらい、継続性や客観性に欠ける、専門性が高い、
などと言った課題が指摘されている。一方で、発信側(企業)からは定義や
評価基準が曖昧である、企業価値との関係性を説明することが難しい、など
と言った声もあるようだ。ESG分析はなかなか一筋縄ではいかないが、企業
が継続的に成長・存続していくためにESGは必要な要素の一つであるとの認
識は持った方が良さそうだ。たとえば企業が一つの不祥事を起こすことで、
これまで積みあげた信頼を瞬時に失うと言うことはあまりにももったいない
話である。企業統治(コーポレート・ガバナンス)への関心が高いのは、こ
うした信頼を維持するために取り組んでいる基本姿勢を確認するためでもあ
る。企業価値が毀損されると株価の下落を招き、株主・投資家に損害を与え
る。これが経営者への株主代表訴訟に発展することもある。

 以上のように、ESG投資への関心が今後高まることが期待されるが、前述
の様々な課題をこなし、環境に配慮し、社会との共存を進めていこうとする
企業に対し、株主・投資家はどのような判断基準で支援していくのか、その
結果として相互に良い成果が得られれば成功と言えるでしょう。

 前月お示しすべきでしたが、参考のために国連責任投資原則の6原則を以
下に示します。7月現在33社程度の日本企業が署名している。
 (1) 私たちは投資分析と意思決定のプロセスにESGの課題を組み込みます。
 (2) 私たちは活動的な(株式)所有者になり、(株式の)所有方針と(株
  式の)所有慣習にESG問題を組み入れます。
 (3) 私たちは、投資対象の主体に対してESGの課題について適切な開示を
  求めます。
 (4) 私たちは、資産運用業界において本原則が受け入れられ、実行に移さ
  れるように働きかけを行います。
 (5) 私たちは、本原則を実行する際の効果を高めるために、協働します。
 (6) 私たちは、本原則の実行に関する活動状況や進捗状況に関して報告し
  ます。
 (出所:PRI日本語版HP)

 ◆◇◆

★マーケットトピックス―――――――――――――――――――――――
 堅調な米経済を背景に、12月利上げを想定 ECBは追加緩和 日銀は

                 NPO金融年金ネットワーク
                 DCアドバイザー・CFP   宮本一弘
 ◇◆◇
 11月19日、米FRBは、10月27・28日に開いたFOMC(公開市場委員会)の議
事要旨を公表しました。
 焦点の次回(12月15・16日)のFOMCにおける利上げの是非をめぐっては「大
半の委員」が、「政策金利の正常化プロセスを開始する条件を満たすと想定
している」とあり、夏場の中国発の市場混乱の影響は収まったとして、米株
式市場の底入れなどを踏まえ、「米国の金融システムは無難に混乱を乗り切
った」と分析、米景気や雇用環境に加え、インフレ率が予想通りに推移すれ
ば12月に、「金利の正常化(利上げ)の条件を満たすと想定している」、と
強気の見方をしていたことが判明しました。
 市場の関心は既に、初回の利上げの幅とその後の利上げのペースに移って
います。10月のFOMCで「実質均衡金利」について、かなり突っ込んで、細か
く議論されていることが判明しました。実質均衡金利は、「自然利子率」と
もいわれ、経済の実勢に見合った自然体(引締めでも、緩和でもない)の実
質短期金利の水準で、過っては3%前後とされてきましたが、08年の金融危
機以降はほぼゼロに下がった状態にあります。潜在成長率の低下が要因の一
つで、低インフレの原因でもあります。2004年からの前回の利上げ局面では、
ほぼ2年間でFF金利を1%から5.25%に引き上げました。議事要旨に「金融緩
和の縮小は、徐々に進めるのが適切」と、従来よりも緩やかに進める考えを
示しています。市場は、均衡実質金利が3%分も下がっているので、先行き
のFF金利の上限も5%台ではなく2%台に留まると解釈している様です。
 米国経済は、底堅く堅調に推移しています。7〜9月期のGDP成長率は前期
比2.1%上昇。速報値を上方修正しました。10月の雇用統計は、非農業部門
の雇用者数が前月比27万1千人増加し市場予想を大幅に上回るとともに、失
業率も5%に下がり、イエレン議長が見る完全雇用の状態(4.9%)にほぼ到
達しました。ただ賃金は伸び悩んでいます。これは、比較的賃金の低いサー
ビス業で雇用が増加している反面、賃金が高い鉱業・林業が資源・商品価格
低下の影響で雇用を減らしているからとされます。株式市場は不安定ながら
高値圏で推移していて旺盛な個人消費が景気を牽引しています。自動車販売
は暦年で1700万台超の勢いで9・10月は1800万台のペースまで伸びています。
住宅市場も回復が顕著で、9月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は5.5%上
昇、8月からさらに上昇率を拡大しています。イエレン議長は「家計が、高
額消費に向ける資金的な余裕がある」とコメントしています。
 次にEUの状況を見てみましょう。7〜9月期のGDP成長率は、年率換算1.2%
増加、10四半期連続のプラス成長を維持しました。緩やかな成長を支えるの
は、ドイツの個人消費拡大などで、雇用回復に伴う収入増が家計支出を後押
しする循環が続いています。しかし、中国経済の減速の影響等から、景気の
先行指標とされるドイツの製造業の受注は3ヵ月連続の前月比マイナス。ECB
の量的緩和にもかかわらず物価も低迷が続きEUの16年の物価見通しを1.5%
から1.0%に大きく引き下げました。ECBのドラギ総裁は、「12月の理事会で
緩和度合いを精査する」、「行動に移すことをいとわない」と強い表現で追
加緩和を示唆しています。EU各国にとって今後、財政面で負担となるのはシ
リアを始め中東・アフリカ等からの、大量の難民流入への対処とされていま
す。しかし、ドイツ連銀のワイトマン総裁は、国内紙のインタビュー記事で、
「移民問題は高齢化社会に対処する機会になる。人口動態の変化に応じて、
ドイツは繁栄が可能になるような新たな人的資源が必要だ」と述べたとロイ
ターが報じています。
 さて、日本はどうでしょうか。内閣府が発表した7〜9月期のGDP(速報値)
は年率換算(-)0.8%、2期連続のマイナス成長に沈みました。牽引役を期
待されていた設備投資が(-)1.3%と2期連続のマイナスで、4〜6月期から
マイナス幅を拡大しました。中国発の世界同時株安などをキッカケに企業心
理が弱気に傾いたことが大きいとされます。GDPの6割を占める個人消費は、
夏の猛暑や大型連休の効果で前期比0.5%増加しましたが、4〜6月期の(-)
0.6%を補うには至りませんでした。GDP統計での実質雇用者報酬は前年比
1.6%増加していますが、パートの増加が全体の報酬を押し上げている面が
あり、賃上げやボーナス増の広がりは乏しく、1人当たりの実質賃金は前年
比0.3%増にとどまっています。
 GDP押し下げ要因の一つになった在庫投資の減少は、それ自体は、今後の
生産増につながる好要因であり、10〜12月期には持ち直すとみる要素の1つ
と言えます。
 “景気後退”の状況を打開するべく政府は補正予算の編成に踏み切ったと
報じられています。日銀の追加緩和と併せた“ばらまき”でない、成長戦略
の実効を期待したいものです。
 今月は、13日にパリで同時多発テロ事件が起き、多数の死傷者を出し世界
中を震撼させました。金融市場の動揺も懸念されましたが、現在のところ平
穏な状態にあります。
                        (平成27年11月28日記)
 ◆◇◆

★年金トピックス――――――――――――――――――――――――――
 厚生年金基金、DBへ移行・解散して新設が6割
  ――2016年日経企業年金実態調査から
        NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士
        DCアドバイザー・AFP            植村昌機
 ◇◆◇
 調査対象は、上場企業と有力未上場企業4,422社のほか、確定給付企業年
金(以下DB)基金型595、厚生年金基金441など7月から9月にかけて実施。

 1. 厚生年金基金の今後の運営方針
 最も多かったのは、「DB基金型への移行」33.7%、「解散してDBを新設」
が26%と続いた。厚生年金基金を一旦解散して新たにDBを設立する方式は、
受給者を一時金で清算し、加入者だけでスタートさせるのが一般的だ。これ
に対し「厚生年金基金を維持」は4.8%であった。「未定」は2.9%であった。
解散して新たに基金を発足させないケースは減少した。ここ数年は運用環境
が良い状況が続き、財務内容が改善する基金が増えている。これを機に、企
業年金を存続する方向を志向し始めたようだ。

 2. 厚生年金基金の他制度移行や解散時期、16年度に集中。8割が17年度
までに廃止
 他制度への移行や解散など将来の進路が決まっている厚生年金基金に対応
時期を聞いたところ、4割が16年中に何らかの対応をするようだ。年度別に
みると、15年に24.4%、16年に34.6%、17年に21.4%と8割が17年度までに
廃止するようだ。

 3. 退職給付制度の採用・廃止状況、確定拠出年金(DC)企業型が5割、確
定給付型が減少
 2015年3月末現在で採用している退職給付制度を聞いたところ(複数回答)、
DC企業型が50.8%で最も高く、退職一時金が46.6%、DB規約型が31.7%、DB
基金型が24.5%であった。
 この1年間の採用状況や今後採用したい制度をみても、DC企業型が最も高
かった。14年度中に採用したのは67.6%、15年以降に65.5%であった。注目
すべきはDC個人型で、15年以降に採用予定で16.4%と2番目に多い回答だっ
た。退職給付制度のない企業や規模の小さい企業で総合型厚生年金基金の廃
止を受けて採用するケースと考えられる。法改正で、個人型DC掛金に企業が
マッチング拠出をできるようになれば、さらに使い勝手がある。
 14年度の制度の廃止状況をみると、厚生年金基金が50.0%、DB規約型が
25.0%、DB基金型が15.0%と確定給付型の減少が目立った。15年以降に廃止
する制度は、厚生年金基金が69.2%、DB規約型とDB基金型がそれぞれ10.3%、
DC企業型が2.6%だった。
 今後中心となる制度は、DC企業型が38.7%と4割に近づいた。DB規約型25.
0%、基金型10.9%とDBは35.9%と第2の柱となった。退職一時金は15.4%と
2年連続で減少した。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■年金相談の現場から(49)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 共済年金からみた被用者年金制度の一元化について
   NPO金融年金ネットワーク 1級FP技能士・社会保険労務士 小野隆璽
 ◇◆◇
 被用者年金制度の一元化が、平成27年10月から施行されました。これまで
3回にわたり、厚生年金保険からみた一元化の制度等を説明させていただき
ましたが、統合される側からみると少し見方も違うところもあります。
 そこで、今回は統合される側の共済年金(国共済)からみた被用者年金制
度の一元化の概要を、以下に説明させていただきます。

 1. 実施機関
 被保険者(加入者)の資格の得喪、標準報酬や標準賞与額の決定、被保険
者期間(加入期間)の管理、保険料徴収、年金の裁定・支払、積立金の管理・
運用を行う主体を「実施機関」と定義し、厚生労働大臣、共済組合、国家公
務員共済組合連合会、全国市町村職員共済組合連合会、地方公務員共済組合
連合会及び私学振興・共済事業団が実施機関とされます。

 2. 被保険者
 国家公務員、地方公務員、私立学校教職員も全て厚生年金保険の被保険者
となり、被保険者の種別は次のように区分されます。
 ・第1号厚生年金被保険者…………民間のサラリーマン等
 ・第2号厚生年金被保険者…………国共済の組合員である被保険者
 ・第3号厚生年金被保険者…………地方共済の組合員である被保険者
 ・第4号厚生年金被保険者…………私学共済の加入者である被保険者
 なお、厚生年金保険法が適用されることにより、70歳以上の組合員は被保
険者から外れるため厚生年金保険料の負担義務がなくなります。

 3. 障害共済年金の保険料納付要件
 一元化前の障害共済年金の制度において、組合員である間に初診日があれ
ばよく、加入期間は支給要件になっておらず、保険料納付要件は課されなか
ったが、一元化後は、障害厚生年金と同様、保険料納付要件が課されます。

 4. 遺族共済年金の遺族の要件と転給制度
 一元化前の遺族共済年金の遺族の範囲において、障害の子の年齢要件は問
われず、また、夫、父母、祖父母の年齢要件も問われなかったが(なお、60
歳までは支給停止)、一元化後は、遺族厚生年金と同様となります。
 また、遺族共済年金の受給権者の権利が消滅した場合、次順位の受給権者
に転給する転給制度もなくなります。

 5. 在職中の支給停止措置
 制度内の在職支給停止、ならびに制度間の所得制限は、すべて制度内の在
職支給停止となり、厚生年金保険法の取扱いに統一されます。
 また、在職支給停止は、すべての年金額を合算して停止額を算出し、それ
を按分して停止後の年金額が計算されます。
 なお、新しい在職支給停止方法の対象となったことにより、従前の在職支
給停止額よりも多く支給停止を受ける場合には、激変緩和措置がなされます。

 6. 複数の種別の期間がある場合の取扱い
 (1)年金の裁定及び支払い
   裁定は、それぞれの被保険者の種別に応じた実施機関が行い、支払い
  もそれぞれの実施機関ごとに行います。
   ただし、障害厚生年金、障害手当金及び短期要件の遺族厚生年金につ
  いては、初診日又は死亡日のある被保険者に係る実施機関が全加入期間
  を合算して裁定・支払いが行われます。
 (2)特別支給の老齢厚生年金の受給要件
   老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている場合、すべての種別の加
  入期間を合算して1年以上あれば、特別支給の老齢厚生年金が支給され
  ます。ただし、年金額はそれぞれの加入期間相当が、それぞれの実施機
  関から支給されます。
 (3)老齢厚生年金に係る加給年金額等の加算要件
   すべての種別の加入期間を合算して20年以上あれば、加給年金額や中
  高齢寡婦加算額が加算されます。
 (4)老齢厚生年金の繰上げ及び繰下げ請求
   同一の給付事由による年金を受けている場合は、全ての年金に対して
  同時に繰上げ及び繰下げ請求が必要となります。
 (5)障害者特例及び長期加入者特例の取扱い
   長期加入者特例は、種別ごとに44年要件を満たしていることが必要で
  あり、また、障害者特例及び長期加入者特例とも退職要件を満たすには、
  すべての種別の厚生年金保険被保険者でなくなることが必要となります。
 (6)離婚分割による標準報酬の改定請求
   すべての被保険者期間に対して、同時に標準報酬の改定請求が必要と
  なります。

 7. 経過措置
 施行前にすでに給付事由が生じている既裁定の退職共済年金、障害共済年
金、遺族共済年金については、職域加算額を含め、改正前の国共済法等の規
定に基づいて引き続き年金が支給されます。
 ただし、施行日以降に65歳に達した場合は、本来支給の老齢厚生年金+従
前の職域加算額に裁定替えされます。

 8. 一元化による受給者等へのサービスの向上
 被保険者等への利便の向上に資するため、年金の請求書の受理や年金相談
の事務が1ヵ所の実施機関で行えるようになります。

 9. 職域加算額の廃止と新職域年金の取扱い
 共済年金の公的年金としての職域加算額は廃止され、廃止と同時に民間の
企業年金との均衡等を考慮した新たな公務員制度としての年金制度(退職等
年金給付)が設けられます。
 施行日前の組合員期間を有する未裁定者に対する職域加算額は、施行日前
の組合員期間に基づく従前の額が保障されます。
 ただし、従前の退職共済年金の職域加算額の受給者が、平成27年10月1日
以後に死亡した場合は、遺族に、従前の遺族共済年金の職域加算額が支給さ
れますが、支給割合は、現在の退職共済年金の「4分の3」から、死亡時期に
応じて徐々に「2分の1」に逓減されます。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOアクティビティー
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出版のお知らせ―――――――――――――――――――――――――――
 ◇◆◇
 《最新版・2015年版》 平成27年1月30日発売!! 好評 4月7日増刷出来!!
 「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2015年版
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
  共編
 A4判・138頁・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 確定拠出年金法と確定給付企業年金法の公布から10年以上が経過し、この
間、退職給付会計の導入、運用難による年金資産の積立不足、厚生年金基金
の代行返上、税制適格退職年金の廃止等を契機に、退職給付制度の再編が進
行してきました。
 厚生年金基金や税制適格退職年金から確定給付企業年金に移行後に、国際
会計基準(IFRS)や財政運営基準の厳格化の動向をにらみ、キャッシュバラ
ンス・プランや確定拠出年金に切り換える動きも出てきています。確定拠出
年金も個人資産の目標金額未達成、投資教育の内容・頻度、運用商品開発の
不足等、課題が発生しています。さらに、厚生年金基金改革法が2014年4月
に施行され、解散や移行先制度の検討等、企業年金の再編は第二のステップ
に入りつつあります。
 本書は、2004年11月に2005年版を創刊以来、本年版で11冊目になります。
本年版は、旧版のデータ等を最新のものに改訂すると共に、確定給付企業年
金に関する記述を拡大・加筆、IFRSの概要、厚生年金基金改革と労働組合の
対応、年金ガバナンス体制の見直し・強化等、大幅に加筆しました。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組員の皆様が、公的年金から
会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのため
には、年金制度の基本知識と制度再編に際して従業員サイドからの留意点を
組織内で共通認識することが第一歩です。そこで、本書をテキストや副読本
として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加盟単組からの
ご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も見受けられる
ようになりました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 《最新版発売中!!》平成26年5月30日発売!!
 「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第3版)
 日本労働組合総連合会
 NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク:共編
 平成24年5月31日発行
 A4判・122頁・頒価1部1,500円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 本ハンドブックは、施行13年目を迎えた確定拠出年金制度が法律制定の趣
旨にそって、「公的年金と相まってサラリーマンの老後生活保障の柱」の一
翼を担える制度に仕上がっていくように、との期待をこめて、主として加入
者、労働組合の立場から課題と対応の「考え方」を示したものです。私たち
の活動の中から、これまでに経験した事例や課題・問題点を踏まえて整理を
行いました。
 第I部は、確定拠出年金制度の概要と基礎知識を法律に沿って解説、第II
部は、制度のポイントである「運用」と「教育」についての考え方と提言、
第III部は制度の課題と展望について述べています。
 本書は、旧版のデータを最新のものに改めにとともに、マッチング拠出等
が認められた法改正に対応し第3版として発行するものです。
 すでに、退職給付制度の一部または全部を確定拠出年金に移行した労組の
皆様には、制度の運営改善に、これから移行が想定される皆様には、制度設
計・運営のご参考になれば幸いです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 書籍のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 →http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm
 お問い合わせ、お申し込みは
 NPO金融年金ネットワーク事務局(
 または電話(03-5444-0539)、FAX(03-5444-0303)まで。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
●次号(第141号)は2016年1月4日に送信の予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
 → 
※禁・無断転載 このメールマガジンの著作権は上記発行者に帰属します。



ホームへ メールマガジン登録