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┃       金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン

┃                    第142号 2016年2月1日
┃   NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
┃             ホームページ http://kinyunenkin.jp/
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 このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場
 から退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している
 「NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金
 ネットワーク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関す
 る情報や意見交換のスペースをご提供することを目的にしています。企
 画・編集には(株)格付投資情報センターのご協力を頂いています。
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■■ 目次 ■■
●特集レポート
 企業年金コンサルティングの現場から(125)
●NPOトピックス
 ★今からでも聞いてみよう投資の話(16)
  コーポレートガバナンス・コードについて(2)
 ★マーケットトピックス
  市場急転 中国・原油・米利上げ、先行への漠たる不安が台頭か
 ★年金トピックス
  確定拠出年金加入者通算利回り、2.32%に悪化
   ――2015年9月末「年金情報」調査
●年金相談の現場から(51)
  公的年金にかかわる確定申告について
●NPOアクティビティー
出版のお知らせ
◇最新版・2015年版 平成27年1月30日発売!
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「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2015年版
◇最新版好評発売中!! 平成26年5月30日発売! 残部僅少!
「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第3版)

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┃ ■特集レポート
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 企業年金コンサルティングの現場から(125)

                (株)武南企業年金事務所代表 坂井信夫
 ◇◆◇
 毎年この時期に触れているが、2月は厚生年金基金、企業年金基金にとっ
て「新年度の予算代議員会」の季節である。ご承知の通り基金とっての代議
員会とは、株式会社にとっての「株主総会」のような最高意思決定の場であ
る。主にこの時期は新年度の活動方針とそれに付随する「予算案」の決議を
行う。もちろん、大きな意味での運営方針なども話し合われるので、制度の
実質廃止が決まっている厚生年金基金においては、解散の「方針」に続く解
散の「決議」を行う基金がそれなりにでてくることだろう。解散の決議を代
議員会で議決し、解散認可を申請して厚労省に「認可」されれば、その時点
で厚生年金基金は解散扱いとなる。
 しかし、解散するすべての厚生年金基金が単に「無くなる」だけかという
と、現実はそうでもない。国の報酬比例年金を代行している部分の資金はも
ちろん国庫に返納するわけだが、基金独自の給付部分を何とか後継制度に移
行させようという動きもまた一定割合存在する。実際すでに、昨年春あたり
から解散認可と同時に新制度発足、あるいはその昔大手企業が行ったと同じ
「代行返上」を実施して、総合型確定給付企業年金基金として生まれ変わっ
た事例もある。給付制度を従来のいわゆるDBからキャッシュバランス型にす
る、あるいは終身年金から有期年金にするなど、制度を変更して以前よりも
事業主の負担を軽減するように知恵を絞ることで、少しでも多くの事業所に
「新制度への移行」を促そうという狙いだ。厚生年金基金に加入していた中
小企業の事業主の方には、こういった後継制度の動きをまずは認識して欲し
いと思う。
 企業年金部会では、リスク分担型DBと呼ばれる新たな制度を検討する動き
がある。思えば筆者がこの世界に足を踏み入れた四半世紀近く前は、「企業
年金」といえば税制適格年金と厚生年金基金しかなかった。それが代行部分
のない確定給付企業年金制度、および確定拠出年金制度の企業型・個人型が
誕生した。
 DBとDCといえば、特に事業主と従業員の「掛金と給付」のリスク負担とい
う点では「コインの表裏」であるが、あらたな「リスク分担型DB」は、「コ
インの表裏」を内包した一つの制度という位置づけになりそうだ。
 継続審議にあるDC法が成立すると、個人型DCはほとんど誰もが加入できる
制度になり、ポータビリティも大きく改善する。企業からみて企業年金制度
は、過去のようなDB系一本ではなく、これらいくつかの制度を組みわせるこ
とで、従業員の老後の備えに対して、企業の身の丈にあったさまざまな形で
共助と自助の機会を提供することが可能になる。そんな時代が、もう間もな
くやって来るのではないだろうか。
 最後に、総合型基金としての制度がもうひと花咲くために、一つでも多く
の代議員会でその方策が活発に議論され尽くすことを祈りたい。
 ◆◇◆

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┃ ■NPOトピックス
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★今からでも聞いてみよう投資の話(16)――――――――――――――――
 コーポレートガバナンス・コードについて(2)

          NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 コーポレートガバナンス・コード(以下CGコード)について、もう少し精
神や原則について見ていきましょう。今回も金融庁が作成したコーポレート
ガバナンス・コード原案を参考にします。

 1. 「コンプライかエクスプレインか」について
 これは、「原則を遵守するか、実施しない場合には、その理由を説明する
か」という原則主義を意味している。このことはCGコードが5つの基本原則、
30の原則、38の補充原則から構成されているが、すべての原則をそのまま受
け入れる必要はない。各企業が各々の考え方で、このCGコードへの対応を考
えれば良いことになっている。ただし、受け入れないのであれば、その理由
を説明する必要がある。受け入れることを「コンプライ」、受け入れない理
由を説明することを「エクスプレイン」と考えてもらえればよい。なお、同
様の考え方は、日本版スチュワードシップ・コードでも採用されている。

 2. 原則について
 CGコードの策定には「OECDコーポレートガバナンス原則」が参考にされた。
日本版ではこれに「株主との対話」が追加されており、第5原則に示されて
いる。日本版スチュワードシップ・コードと平仄を合わせたとも考えられる。
なお、5つの基本原則については前月号で示した通りで、(1)株主の権利・平
等性の確保、(2)株主以外のステークホルダーとの適切な協働、(3)適切な情
報開示と透明性の確保、(4)取締役会等の責務、(5)株主との対話、などであ
る。
 (参考資料:「コーポレートガバナンス・コード原案」コーポレートガバ
ナンス・コードの策定に関する有識者会議より)

 ここでもう一度コーポレートガバナンスの基本に立ち返ってみると、「企
業の持続的成長と中長期的な企業価値の向上」ということを正しく理解する
ことが必要になる。ここで理解が難しいのが、企業価値という言葉である。
これについては次のように考えられている。企業価値の考え方にはいろいろ
あるが、広く理解されているのが将来キャッシュフローを稼ぐ能力を言い、
その能力が高ければ高いほど良いと言われる。現実的には投下資本利益率(R
OIC)がよく使われる。すなわち、事業に使用される(投下した)資産から
どれだけの利益を生みだすかという指標である。そしてこのROICを高めるに
は、資金の調達コストが低いこと、その資金に対し相応の利益を稼ぐこと、
その利益成長率が高いこと、などが重要になってくる。すなわち企業価値を
高めるということは、高い資本生産性と高い利益成長の持続力が問われると
考えて頂ければ良い。

 日本版コーポレートガバナンス・コードは「攻めのガバナンス」を標榜し
ていることから、企業価値向上が重要なテーマになっている。つまり政府が
言う成長戦略の一つとして、今後の成果が問われることになる。
 ◆◇◆

★マーケットトピックス―――――――――――――――――――――――
 市場急転 中国・原油・米利上げ、先行への漠たる不安が台頭か

                 NPO金融年金ネットワーク
                 DCアドバイザー・CFP   宮本一弘
 ◇◆◇
 年明け4日の東京市場の大発会は、日経平均が、昨年末の19,033円から582
円急落して18,450円で取引を終え、その後も下落を続け、1月21日には16,017
円まで3,016円の値下がりになりました。
 丁度、2014年10月末の“黒田ハロウィーン緩和”以降の値上がり分を帳消
しにしたことになりました。
 年末の経済関係の各種会合では、好調な企業業績に対する自信(コスト削
減の“守り”から、事業構造を転換させる“攻め”の経営へ)を背景に、16
年末の日経平均は22,000〜23,000円との見方が半分以上と言われていました
が、年が変わった現在は、空気は“一変した”といえましょう。(日経ヴェ
リタス)が行った年末の機関投資家、証券会社のストラテジスト等70人に対
するアンケート調査の回答で、16年の日経平均の「年間安値予想」を破られ
ていないのは僅かに8人。他の62人は3週間で、自身の年間予想が破られた訳
で、今回の変動が「数年に1度」程度で訪れる“異例の事態”であることが
窺われます。
 原因について様々な見方もありますが、(1)中国経済の減速と人民元下落
 (2)原油・資源安と新興国の政府系ファンドの換金売り (3)OPEC総会の協
調減産の失敗とイラン原油の市場への復帰、投機筋の売り崩し (4)FRBの継
続的な利上げ・ドル高がもたらす新興国のドル建て債務の増額による経済危
機 (5)ドル高による米国経済の先行きへの漠然とした不安感と円高転換 (6)
東京市場の要因として、12月までの信用取引で積み上がった残高の巻き戻し
と高速取引による変動幅の拡大、等が言われています。   要は、下がっ
ている時は理由もよくわからない、何か自分の知らない悪い材料を予見して
いるのではとの不安に駆られ、“売りが、売りを呼ぶ”という形で大きく下
げたものと思われます。日本時間の1月21日夜にECBのドラギ総裁が追加緩和
を強く示唆する発言をしたことがキッカケになり、株価は、1月22日、941円
高になり、NYダウも16,000ドル台を回復するなど、下落は一旦止まった形に
なっています。
 市場では、1月26日・27日の米公開市場委員会(FOMC)と、1月28日・29日
の日銀の金融政策決定会合で、それぞれどのようなスタンス、見通しを示す
か、特に、米国は、2016年中に0.25%の利上げが4回予想されていますが、
米金利先物市場で織り込まれている回数は2回程度とされ、年明け後の金融
混乱、先行き懸念に対し、何らかの言及があるかが注目されています。日銀
は、今回は“切り札”を温存するのではないかとの見方が多い様です。
 米国経済の実態は如何でしょうか。米国の景気実態を反映する15年11月・
12月のクリスマス商戦は、前年同期比7年連続で伸びています。ただ、百貨
店・量販店等の実店舗は不振で、ネット販売や飲食・レジャー・スポーツ関
連に強い伸びが見られるなど、GDPの7割を占める個人消費で、「ベビー・ブー
マー層が高齢化してモノを買わなくなり、10〜20歳台のミレニアル世代は、
モノより“経験”にお金を使う」と「消費構造が変わりつつある」ようです。
今後の消費拡大のカギは、「賃金の上昇」と「ガソリン安」の動向とされ、
15年末にGM等自動車大手が賃上げで同意していて、今後、その効果拡大が期
待されます。小売売上のデータがマイナスになるのはガソリン価格低下の要
因が大きく、FRBが「物価動向を注視する」としつつ「基調は変わっていな
い」という根拠になっています。
 1月13日に公表された、地区連銀報告では、「(12地区連銀のうち)10地
区で経済活動が拡大・加速した」との総括判断を示し、12月報告から一歩進
んだ表現になっています。「自動車など耐久消費財の他、クリスマス商戦も
好調で、内需が米経済を牽引した」、但し「ドル高の影響で輸出が伸びず、
製造部門は大半で活動が弱まった」と判断を下方修正しています。
 1月8日、米労働省が公表した12月の雇用統計では、「非農業部門の雇用者
数」が前月比で29万2千人増加、市場予想を大幅に上回り、10・11月もそれ
ぞれ上方修正され、直近3ヵ月の増加幅は月平均28万4千人と極めて好調に推
移しているようです。
 EUは、ECBのドラギ総裁が「新興国の景気減速や金融市場の乱高下、地政
学リスク」などを理由に景気・物価の先行きに厳しい見方を示し、3月の理
事会で「追加緩和」を審議すると述べました。しかし、ドイツ経済は依然好
調で、15年のGDP成長率(速報値)は1.7%。前回の議事要旨で、ドイツ、オ
ランダ、オーストリア等北部欧州の中銀との先行き認識の違いが表面化して
います。
 さて日本。春闘たけなわの時期になりました。
 市場で将来のインフレ予想を示す10年物の固定金利付き国債と物価連動債
の利回り格差は1月14日、0.519%に、長期金利の指標になる新発10年物国債
利回りも0.19%と過去最低を記録しました。経済成長が低く、賃金・物価が
上がらなければ、政策金利は上がらず、長期金利も低い水準に止まります。
 ブルームバーグの1月26日の記事で、「東大日次物価指数」の開発者の東
大渡辺教授の「東大が1万5千人を対象に行った調査によると、回答者の約8
割が物価の上昇を予想し、約65%は2%の上昇は好ましくないと答えた。先
行き収入が悪化すると答えた人では8割超に上った。円安に対する受け止め
方も似た結果だ。多くの消費者にとって、物価も円安も自分の賃金が先々良
くなるという展望が持てないのでいやだというのが世の中の雰囲気になって
いる」、「物価が上がっても賃金が付いてこないという不確実性が残るため、
物価目標は生活者に支持されない。物価と賃金は非常に相関性が高い。マク
ロ経済学では物価が先に上がっても賃金が先でも“鶏と卵”で同じだが、世
の中の受け止めは、天と地ほども違う。まず賃金を上げることが政策目標で
あるべきだ」とのコメントが紹介されています。
 株式市場は、アベノミクス発表以来ほぼ倍になり、為替も5割位円安にな
った。企業業績は過去最高を更新し、失業率は20年ぶりの低水準になった。
しかし、1人当たりの現金給与総額は前年比1%未満の伸びにとどまり、実質
消費支出は昨年11月には2.9%減少。生鮮食品を除いたコア物価指数は、ゼ
ロ近辺の推移が続いている。
                       (平成28年1月25日記)
 ◆◇◆

★年金トピックス――――――――――――――――――――――――――
 確定拠出年金加入者通算利回り、2.32%に悪化
  ――2015年9月末「年金情報」調査

        NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士
        DCアドバイザー・AFP            植村昌機
 ◇◆◇
 確定拠出年金(DC)の運用利回り(企業がDCを導入し、従業員が加入して
からの利回りを年率換算)を大手運営管理機関4社(三井住友信託銀行、み
ずほ銀行、日本確定拠出年金コンサルタント、野村証券)の加入者294万人
について集計した。9月末時点でのDC加入者532万人(厚生労働省調べ、速報
値)の55%をカバーしている。

 1. 利回りがプラスになった加入者は270万人で全体の92%で3月比8%低下
した。
 2015年(7〜9月)は内外株式の市場インデックスが約10%下落し、利回り
を押し下げた。一方で、株式相場の下落の影響を受けなかった加入者は4割
程度いた。定期預金のみで運用し、利回りが「ゼロ〜1%」の加入者は120万
1千人と40.9%を占め、3月比2.2%上昇している。

 2. マイナス利回り運用は8%、21万人増、「マイナス1〜ゼロ%」が大半。
 利回りがゼロを下回り、運用元本を確保していない加入者数は23万7千人、
8.1%に拡大、3月末が3万人だったので、半年間で8倍に増えた。株式相場の
下落の影響でマイナス利回りに転じた。「マイナス1〜ゼロ%」となったの
が、利回りがマイナスになった加入者全体の37.7%、「マイナス2〜マイナ
ス%」が16.4%で影響は限定的といえる。
 第3四半期(15年10〜12月)は、原油価格の動向や米国の利上げを巡って、
株式相場が乱高下している。今後の株式相場がさらに悪化すれば、マイナス
利回りの加入者数が増加する可能性がある。

 3. 運営管理機関別の平均利回りでバラツキ。投資信託保有者の割合で利
回りの差が。
 運営管理機関ごとに運用利回りをみると、各社の平均値は4社ともプラス
だったが、1%台が1社、3社が2%台とばらついた。投信保有者の割合の違い
で運用状況に差が生じている。平均利回りが最も高かった運営管理機関は、
2.84%で、3月比で2.18%低下した。株式投信を組み入れて運用している加
入者が従来から高かった。2番目に利回りが高かった運営管理機関は、2.65
%と3月比3.74%低下した。比較的投資期間の短い加入者が多く、相場の下
落が響いた。3番目に高かった運営管理機関は、2.19%と3月比2.29%低下し
た。株式相場が9月末より高い時期に株式投信を組み入れた加入者が多いた
めとみられる。
 一番低かった運営管理機関は、1.59%と唯一1%台であった。3月比1.71%
の低下で、利回り悪化の影響は最も軽微であった。投信で運用する加入者が
相対的に低く、「ゼロから1%」の加入者が全体の57.4%を占めている。こ
れらの加入者の大半は定期預金などの元本確保型の商品を中心に運用してい
る。
 投資元本に相当する掛金の設定の前提となる想定利回りは2.03%(企業年
金連合会調べ、14年6月)であり、この利回りを達成しないと退職時の目標
額に達成しない。この調査では、2%以上の利回りを実現している加入者は4
割にすぎない。元本確保型商品中心の運用では2%以上の利回りの確保は困
難であり、投信などのリスク商品を組み入れた分散投資をすることが必要で
ある。

 4. DC利回り、3期ぶりに確定給付型企業年金の利回りを下回る。
 9月末のDC加入者利回りは2.32%で、DB(確定給付企業年金、厚生年金基
金)3.47%を3ぶりに下回った。利回りの推移をみると、運用環境の良いと
きはDCが上回り、悪いときはDBが上回るという結果になっており、DC加入者
はDBよりリスクを取った運用になっている。DC加入者が運用する商品の残高
全体でみると、約30%が国内株式投信で(DBでは国内株式は15%程度、企業
年金連合会調べ)、株式を一定割合組み入れたバランス型投信も約30%を占
め、株式の運用リスクをとっている。09年3月末には全加入者の平均でマイ
ナス6.15%まで悪化した(DBは0.18%でプラスを維持した)。
 DC加入者の利回りは、DBとは資産規模や資産割合などで大きく異なる、短
期的な相場変動で利回りが変動しやすい。DBは、予定利率という明確な目標
リターンの達成のため政策アセットミックスを策定、維持している。基本ポー
トフォリオに即して株式や債券に分散投資をして、安定的なリターンを得て
いる。近年、価格変動の大きい株式の割合は抑制傾向にあり、DCより価格変
動の影響を受けないようになっている。
 DCの運用においても、目標を想定利回りの達成において、分散投資に努め
ることを投資教育でしっかり教えることが必要ではないか。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■年金相談の現場から(51)
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 公的年金にかかわる確定申告について

   NPO金融年金ネットワーク 1級FP技能士・社会保険労務士 小野隆璽
 ◇◆◇
 確定申告の時期が近づいてきました。今年の確定申告書の受付は、2月16
日(火)から3月15日(火)までです。確定申告をされる場合、そろそろ準
備をされておられるでしょうか? そこで、今回は公的年金にかかわる確定
申告について以下に記載させていただきます。

 1. 公的年金にかかわる確定申告について
 年金は、所得税法の規定により、雑所得として所得税が課税されます。
 この課税の対象となるのは、公的年金のうち、老齢(退職)給付と呼ばれ
る年金のほかに、厚生年金基金・企業年金基金・国民年金基金・確定給付企
業年金・確定拠出型年金等も含まれます。
 なお、障害年金と遺族年金に関しては、非課税扱いとなるため、所得税は
課税されません。
 このため、課税対象となる公的年金の年金受給者全員に対して、毎年1月
下旬までに、日本年金機構のほか年金支払機関から、源泉徴収票が送付され
ます。
 もし確定申告が必要な場合、この源泉徴収票を添付して、他の所得も含め
て、確定申告することになります。

 2. 確定申告で還付が受けられるケース
 ところで、確定申告すればどうなるかということですが、以下のようなと
きは、確定申告することにより、所得税が還付されることがありますので、
確認してみてください。
 ・源泉徴収では、控除を受けることができなかった生命保険料控除・社会
 保険料控除・医療費控除などを受けることができるとき
 ・扶養親族等申告書を提出しなかったために、源泉徴収された税額が納め
 すぎとなったとき
 ・扶養親族等申告書を提出した後に、扶養親族等が増えたとき
 なお、扶養親族等が年の途中で死亡した場合は、その年の扶養親族等と
 して申告できます。
 ・災害などの損失について雑損控除を受けられるとき

 3. 確定申告が不要のケース
 前述とは逆に、以下の要件に該当する場合、確定申告は不要とされていま
す。所得税の追加支払いの可能性があるときや確定申告することのわずらわ
しさを感じているときは、確定申告をしないこともできます。
 【 確定申告不要制度(確定申告手続きの簡素化)について 】
 年金受給権者のうち、公的年金等の収入が400万円以下で、かつ、公的年
金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下の場合は、確定申告が不要と
なります。
 なお、所得税の確定申告が不要の場合でも、市・県民税で医療費控除や生
命保険料控除などの各種控除を受けるためには、市・県民税の申告が必要に
なります。

 4. 復興特別所得税について
 平成25年より「復興特別所得税」が創設されています。
 復興特別所得税は、平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間に生ず
 る所得について源泉所得税を徴収する際、併せて源泉徴収されます。
 そして、源泉徴収される復興特別所得税の額は、源泉徴収される所得税の
2.1%相当額であり、源泉徴収の対象となる支払金額等に対して合計税率を
 乗じて計算した金額が源泉徴収されます。
 これにより、平成25年分の確定申告書から復興特別所得税額欄も追加され
ています。

 5. その他
 日本年金機構のインターネットサービス「ねんきんネット」において、電
子版の「公的年金等の源泉徴収票」を確認することができます。
 記載されている内容は、書面で交付されている源泉徴収票と変わりません
が、電子版は法令により確定申告の添付書類としては使用できないので注意
してください。

 公的年金にかかわる確定申告については、以上のとおりですが、1年間の
所得税の精算をするわけで、所得税が多く源泉徴収されている人は、確定申
告することにより、所得税が還付されます。
 特に(2)の「確定申告で還付が受けられるケース」を確認してください。
該当するものがあれば所得税が還付されることがありますので、確定申告す
ることをお勧めします。
 ◆◇◆

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┃ ■NPOアクティビティー
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出版のお知らせ―――――――――――――――――――――――――――
 ◇◆◇
 《最新版・2015年版》 平成27年1月30日発売!! 好評 4月7日増刷出来!!
 「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2015年版
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
  共編
 A4判・138頁・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 確定拠出年金法と確定給付企業年金法の公布から10年以上が経過し、この
間、退職給付会計の導入、運用難による年金資産の積立不足、厚生年金基金
の代行返上、税制適格退職年金の廃止等を契機に、退職給付制度の再編が進
行してきました。
 厚生年金基金や税制適格退職年金から確定給付企業年金に移行後に、国際
会計基準(IFRS)や財政運営基準の厳格化の動向をにらみ、キャッシュバラ
ンス・プランや確定拠出年金に切り換える動きも出てきています。確定拠出
年金も個人資産の目標金額未達成、投資教育の内容・頻度、運用商品開発の
不足等、課題が発生しています。さらに、厚生年金基金改革法が2014年4月
に施行され、解散や移行先制度の検討等、企業年金の再編は第二のステップ
に入りつつあります。
 本書は、2004年11月に2005年版を創刊以来、本年版で11冊目になります。
本年版は、旧版のデータ等を最新のものに改訂すると共に、確定給付企業年
金に関する記述を拡大・加筆、IFRSの概要、厚生年金基金改革と労働組合の
対応、年金ガバナンス体制の見直し・強化等、大幅に加筆しました。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組員の皆様が、公的年金から
会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのため
には、年金制度の基本知識と制度再編に際して従業員サイドからの留意点を
組織内で共通認識することが第一歩です。そこで、本書をテキストや副読本
として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加盟単組からの
ご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も見受けられる
ようになりました。

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 《最新版発売中!!》平成26年5月30日発売!!
 「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第3版)
 日本労働組合総連合会
 NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク:共編
 平成24年5月31日発行
 A4判・122頁・頒価1部1,500円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 本ハンドブックは、施行13年目を迎えた確定拠出年金制度が法律制定の趣
旨にそって、「公的年金と相まってサラリーマンの老後生活保障の柱」の一
翼を担える制度に仕上がっていくように、との期待をこめて、主として加入
者、労働組合の立場から課題と対応の「考え方」を示したものです。私たち
の活動の中から、これまでに経験した事例や課題・問題点を踏まえて整理を
行いました。
 第I部は、確定拠出年金制度の概要と基礎知識を法律に沿って解説、第II
部は、制度のポイントである「運用」と「教育」についての考え方と提言、
第III部は制度の課題と展望について述べています。
 本書は、旧版のデータを最新のものに改めにとともに、マッチング拠出等
が認められた法改正に対応し第3版として発行するものです。
 すでに、退職給付制度の一部または全部を確定拠出年金に移行した労組の
皆様には、制度の運営改善に、これから移行が想定される皆様には、制度設
計・運営のご参考になれば幸いです。
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 書籍のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 →http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm
 お問い合わせ、お申し込みは
 NPO金融年金ネットワーク事務局(
 または電話(03-5444-0539)、FAX(03-5444-0303)まで。

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●次号(第143号)は3月1日に送信の予定です。
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