ホームへ メールマガジン登録


□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□

┃       金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン

┃                    第147号 2016年7月1日
┃   NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
┃             ホームページ http://kinyunenkin.jp/
□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□
――――――――――――――――――――――――――――――――――
 このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場
 から退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している
 「NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金
 ネットワーク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関す
 る情報や意見交換のスペースをご提供することを目的にしています。企
 画・編集には(株)格付投資情報センターのご協力を頂いています。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
■■ 目次 ■■
●特集レポート
 企業年金コンサルティングの現場から(130)
●NPOトピックス
 ★今からでも聞いてみよう投資の話(21)
  運用の実際について(3) 〜受託者責任とは〜
 ★マーケットトピックス
 “テール・リスク”のBREXITが現実になり、世界の金融市場は大混乱
 ★年金トピックス
  確定拠出年金の加入者通算利回りの悪化、平均1.78%
   ――2016年3月末現在・「年金情報」調査より
●年金相談の現場から(56)
  若年者納付猶予制度の改正について
●NPOアクティビティー
出版のお知らせ
◇最新版・2016年版 平成28年3月25日発売!
「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2016年版
◇最新版好評発売中!! 平成26年5月30日発売! 残部僅少!
「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第3版)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■特集レポート
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 企業年金コンサルティングの現場から(130)

                (株)武南企業年金事務所代表 坂井信夫
 ◇◆◇
 本年度の第1四半期末目前、英国のEU離脱決定に伴い、株式や為替市場は
大きく動揺した。投票結果が判明するや東京株式市場が大きく下落し、日経
平均は15,000円を割り込んだ。下落率は8%前後だ。為替もドル・円レート
で一時99円台まで円高となった。短期的な相場変動に一喜一憂しない、とい
うのは年金運用の基本であるが、正直なところ、この四半期末のタイミング
でのマイナス要因には少し不安を抱いた。
 何度かこの欄で、本年度から来年度にかけて、総合型厚生年金基金の解散
ラッシュが来ると書いてきた。基金解散以降の流れは、各基金が監督官庁で
ある厚生労働省に対して、制度解散の認可申請を行う。そしてそれが行政当
局に認可され、当該基金の機能が停止する。解散が認可されると、掛金の納
入も、給付も停止となり、およそ1年半程度の「清算」過程となる。この段
階で正式な国への返還額も確定し、返還後の残余財産を加入員・受給者で分
配して結了となる。これらの過程では、資産運用を行う機会はほぼない。
 ここ数年の円安株高は、年金財政の健全性回復にも大きく寄与した。株な
ど保有していない勤労者であっても、例えば企業年金の加入員であれば、間
接的にその円安株高を享受していたことになる。実際に、年金財政が回復し、
基金独自の加算年金を賄うための資産がより積み上がり、代行部分相当の資
産を返上しても、残った資産で後継年金制度を運営できるという意識も醸成
されるケースが想定より増えつつあるようだった。
 筆者が、本年10月の解散認可を目標とする某基金に、運用資産の現金化を
提案したのは5月下旬のことである。運用期間は解散までの数ヵ月しかない。
相場が有利に働けばさらなる資産の積み上げが可能かもしれないが、裏目に
出て後継制度に持ち込む資産が減り、結果として新制度の発足に暗雲が立ち
込めることを回避することを、より重視したための判断である。この某基金
は約200億円の資金を後継制度にもっていくという予定だが、100%現金化し
ている現在、ほぼ確定しているといっていい。
 だが、果たして何らかの後継制度を予定している基金で、この基金のよう
な対応をしているケースがどのくらいあるのだろうか。昨年夏以降運用環境
の潮目が変化し、その結果、昨年度の運用実績は数%とはいえマイナス値で
あった。そこに今四半期の状況である。従来のような運用を行っている基金
なら、積み上げてきた資産を減らしているはずだ。
 行き過ぎた相場が回復する局面はあるだろうが、それは基金解散予定まで
の向こう数ヵ月以内に来る、とは限らない。後継制度に持ち込む予定の資金
が減耗し回復しないままならば、その減耗程度によっては、「解散は予定通
り、後継制度発足は白紙」に路線を変更する基金が出てくるかもしれない。
 相場下落で感じた不安とは、これである。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOトピックス
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★今からでも聞いてみよう投資の話(21)――――――――――――――――
 運用の実際について(3) 〜受託者責任とは〜

          NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 今回は年金資金を預かり、管理並びに運用を行っている基金の受託者責任
について考えていきます。受託者責任とは米国では、「信託に淵源(えんげ
ん、根源、みなもとの意)を持つ英米法の概念」としている。たとえば年金
積立金管理運用独立行政法人(GPIF)では、GPIF法の下、役員等の注意義務
として、理事長及び理事の慎重な専門家の注意義務(プルーデントマン・ルー
ル)や忠実義務を明確にしている。また、同法では役職員の利益相反防止、
秘密保持義務なども規定されている。加えて役職員のみなし公務員規定もあ
る。これは役職員に対し、刑法その他の罰則の適用については、公務に従事
する職員に準じるとみなすものである。

 一般的に、企業年金は企業(事業主)が、ある目的を持って自発的に設立
するものである。しかし、事業主とは別法人である年金基金等が設立されて
いたり、企業年金の加入者とで利益相反がもたらされる、などの場合は、事
業主の監督や指図は越権行為となる。企業年金の管理・運用に関わる者は受
託者責任、すなわち加入者の利益を保全するために、注意を払って業務を行
わなければならないという法的な義務がある。具体的な事例としては、以下
のとおりである。

 基金型企業年金では、理事は基金に対して善管注意義務を負い、また基金
に対する忠実義務が法で定められている。また、理事は第3者の利益を得る
目的での、一定の行為が禁止されている。これらに違反した場合は、責任を
問われる可能性は否定できない。米国での投資に関する利益相反事例として
は、以下のとおりである。米国では、株式の自家運用もあって、(1)年金資
金を企業支配権争いへ流用すること、(2)事業主が企業買収のために株式の
買占めを進めた際に、年金の管理者がその企業買収の支援買いを行うこと、
(3)議決権行使に干渉すること、などが利益相反行為として挙げられている。

 それでは、受託者責任の対象とする業務には何があるかというと、積立金
は事業主の固有財産から分離された加入者への年金給付の財源といえる。こ
の積立金の管理・運用こそが、一定の任務を果たす者の義務と考えられてい
る。一方で、給付削減や年金制度の廃止、などは労使合意などを要するため
に、忠実義務違反には当たらないとされ、また、給付条件や掛け金の拠出に
ついても、債権債務の関係であり、掛け金拠出は事業主の義務であることか
ら、これらも受託者責任の範疇には入らないとされる。前述したように、積
立金の管理・運用こそが受託者責任が問われる業務となる。受託者責任ガイ
ドラインにおいても、事業主と加入者から構成される年金基金では、「加入
者の利益」を考慮すべきであるとする積立金の管理・運用は重要な業務とし
て取り上げている。

 (注)受託者責任ガイドラインについて
 1997年4月に「厚生年金基金の資産運用関係者の役割及び責任に関するガ
イドライン」(いわゆる「受託者責任ガイドライン」)が通達として示され
た。この受託者責任ガイドラインには、(1)基金役員の役割と責任、(2)
運用機関と基金・役員との関係、(3)企業と基金の関係、(4)情報開示の
重要性、等、基金の理事が資産運用にあたって遵守すべき基本的なルールが
整備されている。その後、厚生年金基金関係者が対象であった受託者責任ガ
イドラインは、確定給付企業年金法の施行に伴い、事業主(法人)及び基金、
運用機関など受託機関が負うことが明確に規定された。また、2012年2月に
発覚した、いわゆるAIJ投資顧問事件を契機として受託者責任を徹底させる
必要があることから、同年9月に厚生年金基金を対象に受託者責任ガイドラ
インの一部が改正された。
 (出所)企業年金連合会ホームページより
 ◆◇◆

★マーケットトピックス―――――――――――――――――――――――
 “テール・リスク”のBREXITが現実になり、世界の金融市場は大混乱

                 NPO金融年金ネットワーク
                 DCアドバイザー・CFP   宮本一弘
 ◇◆◇
 6月は、14日・15日に米FOMC、その後、日銀金融政策決定会合が予定され
ていて、特に、FOMCは、相場の帰趨を決する重要なイベントと見られていま
した。また、6月23日には、英国のEU離脱を問う国民投票が予定されていま
した。
 米FOMCでは、これまでのFOMC関係者による、利上げ“地ならし”作戦とも
いえる発言を一変させて、FFレートの「利上げ」を見送りました。イエレン
議長は、「中国の成長鈍化」と「Brexit」をグローバルリスクとして指摘し
ています。利上げ見送りの直接の引き金になったのは、5月雇用統計の数値
で、非農業部門雇用者数が3.8万人の増加、事前の市場予想16万人程度を大
きく下回ったこと、とされています。一方で、失業率は4.7%に改善し、完
全雇用とされる水準以下に低下しています。新規失業保険申請件数も30万人
割れが続いています。4月の産業別求人件数は578.8万人と高水準です。失業
率、新規失業保険申請件数低下と求人件数の増加は、求人難が進行している
証ともいえ、今後、労働需給のひっ迫で、雇用増加数は鈍化する一方、賃金
上昇圧力が強まるとの予想もあります。自動車販売や住宅市場も好調で、小
売売上もネット販売を中心に盛り返しが見られるなど、米経済の先行き見通
し、基調の変化に懸念を表明する見方も少なくありませんが、概ね好調に推
移していると言えます。
 しかし、FOMCが、世界と米経済の先行きを、非常に慎重に見ていることは、
メンバー17人の先行きのFF金利見通し(ドット・チャート)で明らかになり
ました。2018年末の中央値が3%から、2.375%に引き下げられました。前回
まで1人だった2016年中の利上げ回数1回の予想が、今回は6人に増加してい
ます。今年は、ドル高・円安がメーンシナリオですが、これはFRBの利上げ
が順調に進む、との見通しが前提にありました。円高方向が暫く継続しそう
で、企業業績への影響が懸念されます。
 さて、英国のEU離脱の意思を問う国民投票が予定通り実施され、24日昼過
ぎには結果が判明しました。離脱派が51.9%を占めて勝利しました。直前の
世論調査などから最終的には残留と見込んだ投資家が数日前から買いに動き、
東京市場も値上がりをしていました。しかし、先進国の市場で最も早く開く
東京株式市場では、朝高の後、“売り”が殺到、1286.33円安で、為替は一
時99円台に突入するなど、混乱の内に引けました。その後、順次開く世界の
株式市場でも大きな値下がりに見舞われ、NYダウもリーマンショック以来の
大きな値下がりになりました。
 EU離脱派が増加した理由の第1は、EU域内からの移民の増加で、最近は、
中東の混乱が移民の増加に繋がっていて英国人の雇用を奪う等の恐れを高め
ていたこと、第2は、EUの予算への拠出額の大きさ(独、仏に次いで第3位)
に対して、EU統合の恩恵を庶民レベルでは実感できなかったこと、第3は、
伝統ある「光栄ある孤立」を価値観とする世代も少なくないこととされるこ
とである。英国の伝統は、大陸に国家対立を作り出し、大陸とは付かず離れ
ず海洋国家として生きてゆくことであったとされます。ブラッセルのEU本部
のフランス流官僚主義に支配されることに強い抵抗感があったとされます。
 しかし、離脱派がここまで纏まって支持を伸ばしたのは、保守党内の権力
闘争の側面が大きいとの見方もあります。元々、離脱の是非は、国民投票を
行う必要はない事項とされています。下院で300議席を持つ保守党内では、
約100人を超える離脱派議員がいて、キャメロン首相、オズボーン財務相ら
の主流派が一気に決着を付けようと国民投票を選択した政治判断の間違い、
最終的には残留の「良識」が勝つと読んで甘く見ていた結果ともいわれてい
ます。キャメロン首相を支え、次期首相との呼び声のあったボリス・ジョン
ソン前ロンドン市長やゴーブ司法相等が2月に、首相と袂を分かって離脱派
の運動の先頭に立ったことが離脱派に勢いが付いた理由の一つとされていま
す。ジョンソン前市長は現実主義者として、ポピュリズムとは一線を画して
いるので、実際には現実的な政策が取られるのではとの期待もある様です。
しかし当分の間は、EUとの関係を含め、政治的にも経済的にも混乱が続くと
予想されています。日本企業では1,000社以上が英国に進出していて、日立、
日産自、富士通、トヨタ等英国に事業の中核拠点を置いている企業は、大陸
域内を含めてのサプライチェーンと販売チャネルを計画していたとされ、当
面事業戦略の見直し、再構築が必要になるのではと懸念されています。
 英国とEU諸国は経済的結びつきも大きく、英国への輸出超過の国も少なく
ありません。離脱が行われるまでには2年は必要でその間に、EU内で働く英
国人(逆に英国で働くEU国民)の地位、権利問題から既存の各種協定の変更
など検討課題は山積しています。EU離脱後英国自身が、自由貿易の世界でど
の様な選択をするか、スイス型の欧州自由貿易協定(EFTA)に加盟したうえ
で各種個別協定を結ぶ方式やカナダ型のEUと包括経済協定(CETA)を目指す
ものなど選択肢がない訳ではない。ポイントはEU単一市場へのアクセスのメ
リットと、英国がEU法を何処まで受忍するかの選択であり、実務的で現実的
な対応が望まれます。
                       (平成28年6月25日記)
 ◆◇◆

★年金トピックス――――――――――――――――――――――――――
 確定拠出年金の加入者通算利回りの悪化、平均1.78%
  ――2016年3月末現在・「年金情報」調査より

        NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士
        DCアドバイザー・AFP            植村昌機
 ◇◆◇
 確定拠出年金(DC)の運用利回り(企業がDCを導入し、従業員が加入して
からの利回りを年率換算)を、加入者の多い大手運営管理機関4社(三井住
友信託銀行、みずほ銀行、日本確定拠出年金コンサルティング、野村証券)
の3月末時点の加入者312万2360人のデータを集計した。集計は3月と9月末の
2回で、企業型加入者548万人の56.9%をカバーしている。直近1年間のデー
タ(3社205万人)も集計している。

 1. プラス利回りの加入者は88.6%、13年3月以来、初めて9割を下回る
 利回りアップになった加入者は312万人中、277万人で88.6%であった。15
年度は国内株式の市場収益率がマイナス10.82%となるなど、国内債券を除
く3資産の収益率がマイナスであった。利回りが「ゼロから1%」の加入者が
40.8%と集中しており、2009年の調査開始以来、常に4割程度で推移してい
る。大半の加入者が定期預金など元本確保型商品で運用している結果と思わ
れる。一方、ゼロ%を下回り、運用元本を確保していない加入者は11.4%に
拡大した。株式相場の下落で利回りがマイナスになったと思われる。
 利回りが「マイナス1〜ゼロ%」が、マイナスになった加入者の31.8%を
占めた。

 2. 運営管理機関別利回り、1社が2%台
 各社の平均は4社ともプラスであったが、1社が2%台、3社が1%台であっ
た。平均利回りが最も高かったのは2.46%で、株式投信で運用している加入
者の割合が多く、「ゼロ〜1%」が33.8%と相対的に低いことから、分散投
資が進んでいるとみられる。
 最も低かった運管は1.06%であった。投信で運用する加入者が少なく、「ゼ
ロ〜1%」が57.2%を占め、元本確保型商品を中心に運用している結果と思
われる。

 3. DC通算利回り1.78%
   2半期連続で確定給付企業年金(DB)の運用に劣後
 DBの通算利回りは3.43%となり、DC利回りを2半期連続で上回った。DCの
利回りは15年3月末に4.8%と過去最高を記録したが、15年9月末が2.32%、1
6年3月末に1.78%と低下傾向にある。DBはこの間、常に3%台をキープし安
定運用している。DBは明確な目標リターンを設定し、分散投資を徹底してい
るため相場変動の影響をDC加入者より受けにくくなっている。DC加入者の投
信残高のうち株式投信やバランス型投信の残高が3割を占めており、短期的
な変動の影響を受けやすくなっている。

 4. 最近1年間の利回り、マイナス2.18%
 最近1年間(15年4月〜16年3月)の利回りがマイナス2.18%になった。対
象期間の市場収益率は、国内株式マイナス10.82%、外国株式(MSCI-KOKUSA
I)マイナス8.64%、外国債券(シティーグループ世界国債)マイナス2.74
%となり、国内債券(野村BPI)が5.4%と唯一プラスだった。利回りがマイ
ナスの加入者が55.4%に達し、前年は10.9%にすぎなかった。利回りが「ゼ
ロ〜1%」の加入者が全体の41%を占めた。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■年金相談の現場から(56)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 若年者納付猶予制度の改正について

   NPO金融年金ネットワーク 1級FP技能士・社会保険労務士 小野隆璽
 ◇◆◇
 国民年金の第1号被保険者は、20歳から60歳になるまでの期間(40年)定
額の保険料を納めなければなりません。しかし、第1号被保険者の中には、
様々な事情で保険料を納付することが困難な人もおられます。
 そこで、国民年金では法律で定められた一定の要件に該当したときや所得
が一定基準より少ないときなどには、被保険者本人の申請により保険料の納
付義務を免除する制度があります。
 この免除制度には、大きく区分して「法定免除制度」と「申請免除制度」
の2種類があり、また、学生を対象とした「学生納付特例制度」や30歳未満
の若年者を対象とした「若年者納付猶予制度」があります。
 ところで、平成28年7月1日から、これらの制度のなかで、「若年者納付猶
予制度」の改正がなされました。
 この改正は、若年層に限らず、全年齢層において非正規雇用労働者が増加
している状況を踏まえ、納付猶予制度の対象年齢を30歳未満から50歳未満に
拡大するというものであり、名称も「若年者納付猶予制度」から「納付猶予
制度」に変更されました。以下に、この制度の内容を説明させていただきま
す。

 1. 納付猶予ができる人の条件
 保険料の納付が困難な50歳未満の人で、申請者本人、申請者の配偶者のい
ずれもが次のいずれかに該当する人です。
 保険料の免除申請と違い、世帯主の所得審査を必要としないため、審査基
準が緩やかになっています。
 (1)所得が一定基準以下の人
  申請する年度の前年所得が定められた基準以下に該当すること。
 【 所得(収入)の目安 】
 ・扶養人数:3人扶養(夫婦・子2人)⇒所得162万円(収入257万円)
 ・扶養人数:1人扶養(夫婦のみ)⇒所得92万円(収入157万円)
 ・扶養人数:扶養なし⇒所得57万円(収入122万円)
   *( )内の収入は、収入のすべてが給与所得であった場合を仮定して
    計算されています。
   *「3人扶養」の子は16歳未満の場合です。
   *「3人扶養」及び「1人扶養」の夫婦は、夫又は妻のどちらかのみに
    所得がある場合です。
 (2)失業、倒産、事業の廃止、天災、DVなどにあったことが確認できる人
 (3)障害者または寡婦であって、申請しようとする年度の前年所得が125万
  円以下の人
 (4)生活保護法による生活扶助以外の扶助を受けている人

 2. 申請対象期間
   7月から翌年6月までの1年間の申請ができます。
   過去の期間については、申請日より原則2年1ヵ月前まで遡って申請で
  きます。
   なお、平成28年6月以前の期間については、30歳未満の人が対象となり、
  30歳以上50歳未満の人は対象となりません。
   翌年度以降の期間については、翌年度以降も引き続き申請を行う旨を
  申請書に記入することにより、翌年度以降の申請書の提出を省略するこ
  とができます。

 3. 手続きに必要なもの
  (1)年金手帳または基礎年金番号のわかるもの
  (2)印鑑(本人が署名する場合は不要)
  (3)本人確認できるもの
  (4)他の市区町村から転入してきた人は申請年度の前年の所得状況を証
   明するもの
  (5)失業などを理由とするときは、雇用保険受給資格者証、雇用保険被
   保険者離職票などのいずれか1つ
  (6)事業の廃止(廃業)または休止を理由とするときは、廃止(廃業)
   または休止した年月日及びその事実が記載されている書類

 4. 給付との関係
  この制度により保険料の納付を猶予された期間は、老齢基礎年金の受給
 資格期間には算入されますが、老齢基礎年金の年金額の計算には反映され
 ません。
  なお、納付猶予と免除の申請は、同じ申請書を使用しますが、もし世帯
 主の所得が少ない場合や、請求者本人が世帯主の場合、納付猶予より申請
 免除を優先して申請されることをお勧めします。
  すなわち、保険料の納付を免除された期間は、老齢基礎年金の受給資格
 期間に算入されるとともに、老齢基礎年金の年金額の計算にも一部反映さ
 れるためです。

 以上が改正された「納付猶予制度」の内容です。もし、周辺で国民年金保
険料の納付が困難な50歳未満の人がおられたら、説明してあげてください。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOアクティビティー
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出版のお知らせ―――――――――――――――――――――――――――
 ◇◆◇
 《最新版・2016年版》 平成28年3月25日発売!!
 「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2016年版
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク共編
 A4判・144頁・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 確定拠出年金法と確定給付企業年金法の公布から14年が経過し、この間、
退職給付会計の導入、運用難による年金資産の積立不足、厚生年金基金の代
行返上、税制適格退職年金の廃止等を契機に、退職給付制度の再編が進行し
てきました。
 厚生年金基金や税制適格退職年金から確定給付企業年金に移行後に、国際
会計基準(IFRS)や財政運営基準の厳格化の動向をにらみ、キャッシュバラ
ンス・プランや確定拠出年金に切り換える動きも出てきています。確定拠出
年金も個人資産の目標金額未達成、投資教育の内容・頻度、運用商品開発の
不足等、課題が発生し、改正法案が審議されています。さらに、厚生年金基
金改革法が2014年4月に施行され、解散や移行先制度の検討等、企業年金の
再編は第二のステップに入りつつあります。
 本書は、2004年11月に2005年版を創刊以来、本年版で12冊目になります。
本年版は、旧版のデータ等を最新のものに改訂すると共に、確定給付企業年
金に関する記述を拡大・加筆。掛金拠出の弾力化、リスク分担型DBの概要を
解説。確定拠出年金改正法の概要、厚生年金基金改革と労働組合の対応、年
金ガバナンス体制の見直し・強化等、大幅に加筆しました。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組員の皆様が、公的年金から
会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのため
には、年金制度の基本知識と制度再編に際して従業員サイドからの留意点を
組織内で共通認識することが第一歩です。そこで、本書をテキストや副読本
として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加盟単組からの
ご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も見受けられる
ようになりました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 《最新版発売中!!》平成26年5月30日発売!!
 「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第3版)
 日本労働組合総連合会
 NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク:共編
 平成24年5月31日発行
 A4判・122頁・頒価1部1,500円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 本ハンドブックは、施行13年目を迎えた確定拠出年金制度が法律制定の趣
旨にそって、「公的年金と相まってサラリーマンの老後生活保障の柱」の一
翼を担える制度に仕上がっていくように、との期待をこめて、主として加入
者、労働組合の立場から課題と対応の「考え方」を示したものです。私たち
の活動の中から、これまでに経験した事例や課題・問題点を踏まえて整理を
行いました。
 第I部は、確定拠出年金制度の概要と基礎知識を法律に沿って解説、第II
部は、制度のポイントである「運用」と「教育」についての考え方と提言、
第III部は制度の課題と展望について述べています。
 本書は、旧版のデータを最新のものに改めにとともに、マッチング拠出等
が認められた法改正に対応し第3版として発行するものです。
 すでに、退職給付制度の一部または全部を確定拠出年金に移行した労組の
皆様には、制度の運営改善に、これから移行が想定される皆様には、制度設
計・運営のご参考になれば幸いです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 書籍のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 →http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm
 お問い合わせ、お申し込みは
 NPO金融年金ネットワーク事務局(
 または電話(03-5444-0539)、FAX(03-5444-0303)まで。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
●次号(第148号)は8月1日に送信の予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
 → 
※禁・無断転載 このメールマガジンの著作権は上記発行者に帰属します。



ホームへ メールマガジン登録