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┃       金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン

┃                    第150号 2016年10月3日
┃   NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
┃             ホームページ http://kinyunenkin.jp/
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 このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場
 から退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している
 「NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金
 ネットワーク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関す
 る情報や意見交換のスペースをご提供することを目的にしています。企
 画・編集には(株)格付投資情報センターのご協力を頂いています。
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■■ 目次 ■■
●特集レポート
 企業年金コンサルティングの現場から(133)
●NPOトピックス
 ★今からでも聞いてみよう投資の話(24)
  運用の実際について(6) 〜オルタナティブ投資について〜
 ★マーケットトピックス
  利上げ躊躇のFRB、日銀は量の緩和から金利の操作に方向転換
 ★年金トピックス
  確定拠出年金(DC)運営管理機関の最新受託状況
  ―2016年「年金情報」調査より―
●年金相談の現場から(59)
  短時間労働者の適用拡大に伴う経過措置について
●NPOアクティビティー
出版のお知らせ
◇最新版・2016年版 平成28年3月25日発売!
「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2016年版
◇最新版・平成28年8月23日発売!
「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第4版)
 ―2016年法改正対応―

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┃ ■特集レポート
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 企業年金コンサルティングの現場から(133)

                (株)武南企業年金事務所代表 坂井信夫
 ◇◆◇
 先月の敬老の日前後に、厚労省の発表として、日本全国で100歳以上の高
齢者が6万人を超えたという記事を目にした。100歳以上の高齢者は、1963年
の同時期には153人であったということなので、50数年間でおよそ400倍に増
加したことになる。
 「平均寿命」の数字ではあるが、例えば国民年金が創設された前年である
昭和35年のそれは、男性が65.3歳、女性が70.2歳となっている。それが平成
26年には男性80.5歳、女性86.8歳となっているので、50数年間で男性が約15
年、女性が約17年、寿命が伸びたということになる。
 昭和の時代、厚生年金の支給開始が定年時からであったとして、それが55
歳なら「平均的な年金支給期間」は10年程度、定年が60歳なら5年程度とな
る。だが現代ならば、65歳で年金受給を開始したとして、平均寿命をまっと
うすれば、その支給期間は男性で15年程度、女性ならそれは20年を超える。
保険料を納付する期間が満期で40年として、その半分の期間、年金がもらえ
るというのが実態である。国民年金保険料16,900円を480ヵ月納めると、そ
の納付額は約811万円となる。年金額は2016年の満額で固定したとして、約
78万円を15年支給されればその合計は1170万円、20年で1560万円である。
 自分がいつ亡くなるかわからないので、できるだけ早く年金をもらうとい
う考えもあるだろうが、逆に長生きした時の経済的な不安を抑制させるには、
貯蓄よりも公的年金の方が上だと考える。足元の金利水準では、貯蓄の「効
率性」は公的年金の勝負にならない。また、以前ほどではないものの、公的
年金は物価上昇に対して「実質的価値」が保証されている。もちろん現役世
代は「遺族年金」や「障害年金」の機能も見落としてはならない。
 ただし、前述のように過去に比べて現代の年金支給期間は非常に長期化し
ている。人口構成からみた高齢者、長寿の数も多い。このような状態の中で、
偶数月の15日に、全ての受給者の口座に年金が振り込まれないという「年金
破綻」を避けるには、何らかの手を打っていく必要が出てくるかもしれない。
そして年金財政の健全性を維持していくためのその方法は、以下の3つしか
ないだろう。
 (1)年金額を引き下げる(給付月額を下げるか支給開始年齢を引き上げる)
 (2)保険料を増額する(現在は上限設定)
 (3)経済成長させる(賃金上昇すれば厚生年金保険料収入も増える)
 10月から週20時間以上勤務する短時間労働者の一部に、社会保険の適用が
拡大される。見込みでは第1号または第3号被保険者から第2号へ25万人ほど
が移行するという。2014年の年金財政検証計算によれば、この路線が年金財
政に最もプラスに寄与すると、当時の年金局長があるセミナーで語っていた
ことは記憶に残っている。前記(2)に属する政策ということになろうか。
 前月触れたGPIFの積立金運用も含め、現在の年金財政運営は「確定拠出的」
になっている。資産運用成績や賃金上昇、出生率や死亡率などの変数が今後
どうなるかによって、マクロスライド調整の程度が変化するはずだからであ
る。これは繰り返すが年金の破綻を回避するための対応である。そしてそれ
は年金制度に欠陥があるのではなく、あくまで社会構造の変化に対応した変
化ということになるのではないか。
 以上、敬老の日があり、社会保険料負担額が変化する、この9月に思った
ことである。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOトピックス
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★今からでも聞いてみよう投資の話(24)――――――――――――――――
 運用の実際について(6) 〜オルタナティブ投資について〜

          NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 資金運用の投資対象として株式と債券は大変重要な位置を占めています。
これらの伝統的運用手法では、資産配分(アセット・アロケーション)次第
で運用成績がほぼ決まってきました。しかし、資産配分の考え方に対して大
きな変化をもたらしたのは2008年の金融危機(リーマン・ショック)だと言
われています。その後、運用機関は資産の価格変動(リスク)を減らす動き
に移り、債券等の比率を引き上げてきました。しかし、その債券も昨今の金
融緩和が継続する下で、超低金利の継続、将来起こるかもしれないインフレ
懸念、などから債券バブルを心配する見方も出始め、相対的に安全な資産と
も言い難くなってきました。そのため、改めて資産を見直す動きが始まり、
新しい投資先資産を模索し、そこで注目され始めたのが代替資産(オルタナ
ティブ)です。

 オルタナティブとは、一言でいうと「様々な投資対象資産」ということで
そう単純ではありません。具体的には、ヘッジファンド、プライベートエク
ィティ、ベンチャーキャピタル、不動産、コモディティ、インフラ、などが
代表的なものですが、その中のヘッジファンドと言っても多様化しているの
で、どういう資産を組み入れているかについては詳細な分析が必要になりま
す。現在のオルタナティブ投資の位置づけは、大きな資産構成を担うもので
はないものの、投資対象としての地位、もしくは魅力は少しずつ高まりつつ
あると言えます。

 2013年11月に「公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関す
る有識者会議」が報告書をまとめました。その中の提言の一つに、分散投資
の促進を狙いとしたインフラ投資等の新たな投資対象資産への拡大がありま
す。前述したようにインフラ投資もオルタナティブ投資の一手法という位置
づけになりますが、残念ながら日本でのインフラ投資は民間への開放がなか
なか進まなかったこともあって多くはありません。また、日本電信電話公社
(現在のNTT)や日本国有鉄道(現在のJR)の民営化は、民間資金を導入す
る手法ではありましたが、彼らが独自で事業資金を調達することで、インフ
ラファンドを組成するというところまでには及ばなかったという事例もあり
ます。海外のインフラに対する投資については企業年金基金や年金積立金管
理運用独立行政法人(GPIF)ではすでに始まっています。企業年金連合会で
は2015年度末オルタナティブ投資残高は約9,600億円、GPIFでは同約840億円
と2015年度の資産運用概況書などに示されています。

 このように様々な資産が投資対象の話題になりますが、年金積立金の資産
性、そこから保険者・受給者への説明可能な投資の意義や方針、など適切な
開示が求められることには変わりないでしょう。また。それに見合った投資
資産の市場の規模やリスク・リターンの特性がどういうものか、他資産との
関連性はどうか、などといった技術的な説明も必要になるかもしれません。
その結果、満足できる運用成績につながればそれに越したことはありません。

 最後に資産規模が大きくなればなるほど、資産配分を頻繁に変更する(資
産の入れ替えを行う)ことは難しくなります。一旦こうと決めたものは、中
長期的にもより安定的であることが望ましく、それだけに、最初の基本方針
を決定するまでに十分な議論が必要だと考えます。
 ◆◇◆

★マーケットトピックス―――――――――――――――――――――――
 利上げ躊躇のFRB、日銀は量の緩和から金利の操作に方向転換

                 NPO金融年金ネットワーク
                 DCアドバイザー・CFP   宮本一弘
 ◇◆◇
 注目されていた9月20・21日の米FOMC(連邦公開市場委員会)では、政策
金利(FF金利)の引き上げを見送りました。声明文では、イエレン議長が8
月のジャクソンホール会議の講演で使った「利上げの条件は整ってきた」と
の表現を採用、「短期的な経済見通しへのリスクは概ね均衡しているように
見える」と指摘して、年内の利上げを強く示唆する表現を残しています。
 しかし、今回は、「当面は、目標に向けて続く進展のさらなる証拠を待つ
ことに決めた」のが理由と説明しています。景気回復の過程でこれまで職に
就くことを諦めていた人達が想定以上に労働市場に戻ってきていて、「雇用
が一段と改善する余地」が明らかになるとともに、労働市場の逼迫による賃
金上昇、インフレ圧力が急速に高まる状況にはない、と見ていると理解され
ています。
 ただ、最近の経済指標では、企業の先行き景況感や消費者心理、設備投資
の動向などで弱い指標も見られ年内に利上げができる状況になるかは予断を
許さないといわれています。現に、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)
の先物予想では12月利上げの確率は依然60%程度です。
 同時に発表された、政策金利の先行き見通し(ドット・チャート)では、
「中立金利」に近いとされる政策金利の長期見通しが3.0%から2.9%に引き
下げられ、17年の利上げ回数も3回から2回に減りました。鈍化する成長と緩
慢な利上げは、日米金利差の拡大を材料にする円安基調への復帰は難しいの
では、とされています。
 日銀は9月21日の金融政策決定会合で、2013年4月から進めた「異次元」の
金融緩和について総括的な検証を行いました。(1)物価目標を実現できなか
った理由は、「原油価格下落」、「消費増税後の消費の停滞」、「新興国経
済の減速と国際金融市場の不安定化」である。(2)過度な金利低下が金融機
関の収益を圧迫。保険や年金の運用利回りが低下している。(3)予想物価上
昇率は過去の物価に引き摺られやすく、引き上げに時間がかかる、と分析し
ました。
 上記の総括検証を踏まえ、(1)長短金利操作付き量的・質的金融緩和を導
入。(2)長期金利が年ゼロ%程度で推移するように国債を買い入れる(イー
ルドカーブをコントロールする長期金利ターゲット)。(3)マイナス金利は
据え置きとする。(4)物価上昇率が安定的に2%を超えるまで緩和を継続(オー
バーシュート・コミットメント)。に変更しました。「異次元」緩和の柱で
ある、年間80兆円という国債購入によるマネタリーベースの拡大が限界を迎
える前に、資金量の拡大から金利(長期金利)の制御へ大きく転換しました。
具体的には、10年国債の利回りを、ゼロ%程度にコントロール出来る様に国
債の購入量を管理するというものです。しかし、長期金利のコントロールは
これまで日銀自身が認めて来た様に、理論的に極めて難しいとされています。
短期金利は資金の需給バランスを調節することでその水準をコントロールす
ることは可能とされますが、長期金利は将来のインフレ等の経済見通しや将
来の不確実性などが市場で織り込まれて決まるので、中央銀行が制御するこ
とは不可能というもので、従って、中央銀行は短期金利を調節し、将来の見
通しを長期金利の水準に影響を及ぼしていく、というものでした。今回の決
定はその基本的な説明と矛盾するものです。日銀は、国債の流通量が減少し
ている現在の市場環境なので管理可能とみているのかもしれませんが、WSJ
紙(ウォール・ストリート・ジャーナル)は22日の紙面で「日本はイールド
カーブを国有化する」と驚きをもってコメントしています。また、軸足が金
利操作に移行したので、金利が管理レンジよりも低下した場合は国債の購入
量を減らすこともあるわけで、今回の決定はむしろ“引き締め”(テーパリ
ング)になるとの見方もあるようです。
 日銀は追加緩和の手段として、「マイナス金利の深堀」、「長期金利の誘
導目標の切り下げ」、「資産買い入れの拡大」を上げています。
 今後、金融危機などが発生した場合には資金供給の拡大を加速する意向で
すが、日銀だけでなく政府も財政出動や成長促進策を民間企業の研究・技術
開発、設備投資を効率よくサポートする形で、一体になって取り組む必要が
あるといわれています。
 なお、今回マイナス金利の深堀を見送ったのは大変適切であったとされま
す。個人の金融資産が銀行の預貯金に偏る日本では、マイナス金利は、デフ
レ脱却のコストを個人に転嫁するものになり人々の心理を委縮させるだけで、
政策効果の発揮にはつながらないと思われます。
                       (平成28年9月28日記)
 ◆◇◆

★年金トピックス――――――――――――――――――――――――――
 確定拠出年金(DC)運営管理機関の最新受託状況
 ―2016年「年金情報」調査より―

        NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士
        DCアドバイザー・AFP            植村昌機
 ◇◆◇
 「年金情報」が厚生労働省に登録する全国の運営管理機関(2016年3月31
日時点で197社)のうち、企業型DCで実績のある主要な運営管理機関の受託
状況を調査、35社から回答を得た(調査期間2016年7月〜8月)。また、加入
者等の記録を管理するレコードキーピング会社4社についても受託状況(2016
年3月31日時点)を聞いている。

 1. 加入者数
 三井住友信託銀行は、約18万人増の120万人となり、みずほ銀行は、約5万
人増の107万人となり、13万人の差が出て、10年間トップだったみずほ銀行
を三井住友信託銀行が逆転した。これは、2015年10月の東芝の企業型DCの受
託で9万人増やしたことが原因である。両社に続くのは、三菱グループ4社が
共同出資する日本確定拠出年金コンサルティング(DCJ)である。DCJは4社
の経営判断で再編され、三菱UFJ信託銀行が年内にも運営管理機関として登
録し、2017年1月にDCJの加入者80万人超を引き継ぎ、DCJは17年3月をめどに
清算する計画である。三菱UFJ信託銀行への運営管理業務の移換で、確定給
付企業年金とDCを一体提案できる巨大な運営管理機関が誕生する。
 3社以外では、大きな順位変動はなく、加入者数を1万人以上増やしたのは、
野村証券、J-PEC(ジャパン・ペンション・ナビゲーター)、第一生命、損
保ジャパン日本興亜証券、りそな銀行の5社にとどまった。
 地銀では、加入者増には苦しんでおり、1,000人以上増やしたのは、千葉
銀行、百五銀行、北越銀行の4行であった。

 2. 資産残高
 この1年間で最も資産額を増やしたのは、DCJで1513億円、三井住友信託銀
行が1396億円で続いた。逆に前年割れしたのが、第一生命と大和証券であっ
た。加入者数が頭打ちに加え、投信残高の減少の影響が大きい。商品構成を
みると、32社の平均で預金が36.5%、保険が22.2%、投信が42%であった。

 3. 規約数
 DC全体で、4,888件とこの1年間で302件増えた。増加率は6.6%増。この1
年間で最も規約数を増やしたのが、りそな銀行で67件、J-PECが57件、DCJが
50件と続いた。りそな銀行は、厚生年金基金の解散に伴う加入事業所向けの
アプローチを強化している。

 4. 企業数
 DCの実施企業数は、22.174社とこの1年間で2.214社増えた。増加率は11.1
%増。この1年間で最も企業数を増やしたのが、三井住友信託銀行の981社で
前年比3倍超に達した。第2位は、SBIベネフィット・システムズの380社であ
った。三井住友信託銀行は、厚生年金基金の総幹事先が後継制度の選択肢と
してDCに移行するケースが多いためだ。

 5. レコードキーピング会社の状況
 DC加入者のデータを管理する記録関連運営管理機関4社についても、16年3
月末の受託状況を聞いている。企業型加入者数は4社計で、8.4%増えて
5,500,636人で資産残高は5.6%増えて9兆4856億円だった。資産残高は、NRK
が4兆8267億円(8.9%増)、JIS&Tは4兆2364億円(2.4%増)、SBIベネフィ
ット・システムズが598億円(12.8%増)であった。
 個人型DCは、加入者数は258.817人、増加率21.1%と企業型を上回った。S
BIが44.7%増、JIS&Tは33.1%増、NRKは13.3%増であった。資産残高は、1
兆2133億円と過去最高であった。
 ◆◇◆

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┃ ■年金相談の現場から(59)
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 短時間労働者の適用拡大に伴う経過措置について

   NPO金融年金ネットワーク 1級FP技能士・社会保険労務士 小野隆璽
 ◇◆◇
 平成28年10月1日から、短時間労働者に対する厚生年金保険・健康保険(社
会保険)の適用拡大がなされます。
 そして、この適用対象となる人は、基本的には社会保険の加入によりメリ
ットが多くなるわけですが、実は以下のようなデメリットになる人たちもお
られます。

 ●長期加入者特例の老齢厚生年金を受給しているケース
 厚生年金保険の加入期間が44年(528ヵ月)以上あり、かつ厚生年金保険
の被保険者でなければ、65歳から支給される定額部分相当の年金額と配偶者
加給金(要件を満たせば)が支給されるという長期加入者の特例制度があり
ます。
 この要件を満たした人が、厚生年金保険に加入すると、この定額部分相当
の年金額と配偶者加給金は支給停止になってしまいます。金額にすると平成
28年度ベースで780,480円(定額部分相当の年金額)+390,100円(配偶者加
給金)となり、計1,170,580円(月額:約9.75万円)が減ってしまいます。

 ●障害者特例の老齢厚生年金を受給しているケース
 この特例は、障害等級3級相当以上に該当する人が、厚生年金保険の被保
険者でない場合、65歳から支給される定額部分相当の年金額と配偶者加給金
(要件を満たしている場合のみ)が、請求月の翌月からすぐに支給されると
いうものです。この要件を満たして障害者特例の老齢厚生年金を受給してい
る人が、厚生年金保険に加入すると、この定額部分相当の年金額と配偶者加
給金は支給停止になってしまいます。
 この特例該当者にとっては、今回の短時間労働者に対する厚生年金保険・
健康保険(社会保険)の適用対象となることによってデメリットになるわけ
ですが、以下の対象者に対して、障害者・長期加入者特例の経過措置が設け
られました。
 その概要は以下の通りです。

 1. 経過措置の対象者
 以下の2つの条件を全て満たす人が経過措置の対象者とされます。
 (1)施行日前から同一の事業所に引き続き短時間労働者として勤務してい
  ること。
 (2)施行日前に支給事由の生じた障害者・長期加入者特例に該当する特別
  支給の老齢厚生年金の受給権者であること。

 2. 経過措置の内容
 経過措置の対象者が資格喪失するまでの間、定額部分について支給停止が
行われず、また在職支給停止についても報酬比例部分のみ対象とされます。

 3. 手続き
 受給権者は、「障害者・長期加入者特例に係る老齢厚生年金在職支給停止
一部解除届」に必要な事項を記載し、継続勤務の事実についての事業主の証
明書(*1)又は継続勤務の事実を明らかにすることができる書類(*2)を
添えて、日本年金機構へ提出する必要があります。
 (*1)届出書の事業主証明欄による事業主証明でも可
 (*2)平成28年9月以前の勤務が確認できる給与明細書や雇用契約書など

 4. その他
 (1)平成28年10月1日に厚生年金保険に加入した場合でも、平成28年9月30
日以前に同じ事業所で勤務していなかった場合は経過措置の対象とはなりま
せん。
 (2)同一の事業所に引き続き勤務していた場合でも、契約変更等により平
成28年10月1日に一般被保険者として資格取得した人は経過措置の対象とな
りません。
 (3)経過措置の期間は、「被保険者資格を喪失するまでの間」となってお
り、原則として退職等により被保険者資格を喪失した時点で終了します。

 以上のように、施行日(平成28年10月1日)前から引き続き同一事業所で
勤務しており、平成28年10月1日から厚生年金保険に適用拡大されることに
なった障害者・長期加入者特例に該当する特別支給の老齢厚生年金の受給権
者の方々は、引き続き特例が適用されます。なお、そのためには日本年金機
構に届出をしなければなりません。
 また、経過措置の公布日が施行日直前であったため、年金の支払いについ
ては、届出がなされた場合、まず定額部分の支給停止がなされた金額が振込
まれ、1ヵ月後の随時支払いで精算されることになるとのことです。
 ◆◇◆

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┃ ■NPOアクティビティー
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出版のお知らせ―――――――――――――――――――――――――――
 ◇◆◇
 《最新版・2016年版》平成28年3月25日発売!!
 「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2016年版
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 共編
 A4判・144頁・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 確定拠出年金法と確定給付企業年金法の公布から14年が経過し、この間、
退職給付会計の導入、運用難による年金資産の積立不足、厚生年金基金の代
行返上、税制適格退職年金の廃止等を契機に、退職給付制度の再編が進行し
てきました。
 厚生年金基金や税制適格退職年金から確定給付企業年金に移行後に、国際
会計基準(IFRS)や財政運営基準の厳格化の動向をにらみ、キャッシュバラ
ンス・プランや確定拠出年金に切り換える動きも出てきています。確定拠出
年金も個人資産の目標金額未達成、投資教育の内容・頻度、運用商品開発の
不足等、課題が発生し、改正法案が審議されています。さらに、厚生年金基
金改革法が2014年4月に施行され、解散や移行先制度の検討等、企業年金の
再編は第二のステップに入りつつあります。
 本書は、2004年11月に2005年版を創刊以来、本年版で12冊目になります。
本年版は、旧版のデータ等を最新のものに改訂すると共に、確定給付企業年
金に関する記述を拡大・加筆。掛金拠出の弾力化、リスク分担型DBの概要を
解説。確定拠出年金改正法の概要、厚生年金基金改革と労働組合の対応、年
金ガバナンス体制の見直し・強化等、大幅に加筆しました。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組員の皆様が、公的年金から
会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのため
には、年金制度の基本知識と制度再編に際して従業員サイドからの留意点を
組織内で共通認識することが第一歩です。そこで、本書をテキストや副読本
として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加盟単組からの
ご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も見受けられる
ようになりました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 《最新版》平成28年8月30日発売!!
 「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第4版)
  ―2016年法改正対応― 日本労働組合総連合会
 NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク:共編
 A4判・122頁・頒価1部1,500円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 本ハンドブックは、施行15年目を迎える確定拠出年金制度が法律制定の趣
旨にそって、「公的年金と相まってサラリーマンの老後生活保障の柱」の一
翼を担える制度に仕上がっていくように、との期待をこめて、主として加入
者、労働組合の立場から課題と対応の「考え方」を示したものです。私たち
の活動の中から、これまでに経験した事例や課題・問題点を踏まえて整理を
行いました。
 第I部部は、確定拠出年金制度の概要と基礎知識を法律に沿って解説、第I
I部部は、制度のポイントである「運用」と「教育」についての考え方と提
言について述べています。
 本書は、旧版のデータを最新のものに改めにとともに、2016年の法改正に
対応し大幅に書き直し、第4版として発行するものです。
 すでに、退職給付制度の一部または全部を確定拠出年金に移行した労組の
皆様には、制度の運営改善に、これから移行が想定される皆様には、制度設
計・運営のご参考になれば幸いです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 書籍のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 →http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm
 お問い合わせ、お申し込みは
 NPO金融年金ネットワーク事務局(
 または電話(03-5444-0539)、FAX(03-5444-0303)まで。

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●次号(第151号)は11月1日に送信の予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
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【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
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