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┃       金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン

┃                    第151号 2016年11月1日
┃   NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
┃             ホームページ http://kinyunenkin.jp/
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 このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場
 から退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している
 「NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金
 ネットワーク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関す
 る情報や意見交換のスペースをご提供することを目的にしています。企
 画・編集には(株)格付投資情報センターのご協力を頂いています。
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■■ 目次 ■■
●特集レポート
 企業年金コンサルティングの現場から(134)
●NPOトピックス
 ★今からでも聞いてみよう投資の話(25)
  運用の実際について(7) 〜スマートベータとは〜
 ★マーケットトピックス
  世界の中銀は「高圧経済」政策へ、トランプリスクにも警戒を
 ★年金トピックス
  資産規模は制度移行前の4割、終身年金は1割に
  ―企業年金連合会「総合型企業年金実態調査」より―
●年金相談の現場から(60)
 短時間労働者の適用拡大に伴う経過措置について
●NPOアクティビティー
 出版のお知らせ
 ◇最新版・2016年版 平成28年3月25日発売!
 「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2016年版
 ◇最新版・平成28年8月23日発売!
 「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第4版)
 ―2016年法改正対応―

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■特集レポート
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 企業年金コンサルティングの現場から(134)

                (株)武南企業年金事務所代表 坂井信夫
 ◇◆◇
 過去に何度か、今年から来年にかけて総合型厚生年金基金の解散ラッシュ
が起こるのでは、と書いた。そして解散認可から実際の清算(資産分配)ま
でには、さらに1年半から2年の時間がかかるとご紹介したが、それについて
「どうしてそんなに時間がかかるのか?」と疑問を抱いた方もいらっしゃる
と思うので、今回触れてみたい。
 解散の認可後は、資産を分配してしまえばよいだけのこと、それは事実な
のである。ただし誰にどう分配するのか考えてみると、確かに時間をかけて
丁寧にやるべき作業であることが理解できる。まずは、基金が資産を分配す
る対象であるが、それは以下の通り。

 1. 国(国庫)     2. 企業年金連合会
 3. 受給者・待期者   4. 現役の加入員

 そのうち、1と2については、先方の保有する記録と基金側の記録を突き合
わせる。そして不適合があれば「基金側」の記録を訂正する。ちなみにこの
記録は、基金制度設立以来すべての加入員・待期者・受給者を対象とする。
基金の加入員規模が大きくなればなるほど、突き合わせなければならない記
録の量も膨大になる。そして記録の不適合部分は追跡調査し一件ずつつぶし
ていくという作業が待っている。これらの作業を通じて、正確な最低責任準
備金額を算定し、それに相当する資産(前納したならその差額)をまずは分
配し、その後に残りの独自資産を受給者・待期者・加入員で分配する。一般
にここまでの作業だけでも1年近くの時間がかかると見込まれている。記録
の突合せの相手方は一つの団体でたくさんの基金からの要請に応えなければ
ならないからだ。
 基金解散から時間をおかずに「後継制度」を発足させるとしても、受給者・
待期者の方がその制度に移行することはほとんどのケースでないと思われる。
独自に分配する残余財産がある場合、彼らの選択肢は(1)一時金を受け取る(2)
企業年金連合会へ移管し、年金として受給、の二つの選択がある。その同意
を個々人に取り付けるとともに、(1)を選ぶ方に対しては振込口座の確認を
行うことになる。
 加入員に関する独自財産の分配は、(1)加入事業所が後継制度に行く場合
そちらへの移換、(2)加入事業所が自社で行っている企業年金制度(中退共
含む)への移換統合、(3)後継制度について何もない場合は一時金、などに
分かれる。(3)のケースなどは「個人型確定拠出年金」への加入をすすめた
いところである。
 基金がなぜ、記録を徹底的に整備するのか、その動機になりうる一例をあ
げたい。年金を裁定しても支給が全額停止されるほど所得のある在職者(待
期者)の方には「どうせ今はもらえないから」、年金の裁定請求自体を行っ
ていないケースがある。解散に伴う分配金は、未払いの年金・一時金を供託
し、その残りを分配する。全額支給停止となるほど所得のある方は、裁定を
しようとしまいと、年金支給が停止となることに変わりはない。しかし、未
裁定の場合、「支給停止」対象であることが証明できないため、その方の計
算上の年金額がすべて未払い扱いとなり、供託の対象となる。仮にその方が
65歳、基金の給付は60歳からという制度であるならば、遡ってその方の年金
額の5年分を国庫に供託する。その年金額が仮に月額25万円として、12ヵ月
×5年分となれば1,500万円である。また、将来この方が年金の裁定を行った
としても、この期間は所得があって、該当する年金が本人に支給されること
はないので、供託した金額は実質的に国庫へ返納したことと同じになってし
まう。すべての制度加入者のためには、このような供託金の発生を1円でも
抑制しなければならないのである。
 受給者・待期者・加入員各位には、時間がかかる清算事務をじれったく感
じるかもしれないが、このような事情をご承知いただき、またご協力をいた
だきたい。現場の職員の方々も目一杯の汗をかいております。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOトピックス
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★今からでも聞いてみよう投資の話(25)――――――――――――――――
 運用の実際について(7) 〜スマートベータとは〜

          NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 ここ数年注目されてきた言葉に「スマートベータ」があります。主に株式
運用での活用が進んでおり、代表的なものにJPX日経インデックス400があり、
これ以外にも配当やリスク、人材活用、設備投資、などのテーマに絞った商
品が提供されています。これまで日本の株式運用では日経平均株価指数やTO
PIXといった時価加重インデックスがベンチマークとして広く使われてきま
した。スマートベータの考え方は従来の時価加重インデックスよりリターン
やリスクに優れたポートフォリオが構築できるのではないかという発想から
開発、提供され始めたものです。スマートベータを活用することによって、
株式運用のリスク分散を図ることができ、前述の時価加重インデックス2指
数を上回る運用成績が獲得できるのであれば、アクティブ運用にこだわる理
由がなくなり、運用資産の拡大もしくは保全が維持されたうえで運用コスト
の低下につながる有効な手段となります。そうした模索が現在も続いていま
す。
 スマートベータは「賢い指数」と訳す人もいますが、この意味については、
非時価加重インデックスで透明性と再現性が維持されるポートフォリオを指
していると考えられています。すなはち、アクティブ運用で使われるアルフ
ァに対してベータとしたのではないかと言われています。こうした発想が生
まれてきたのは、(1)継続的に超過収益を生み出すアクティブ・マネージャー
はなかなかいないこと、(2)アクティブリターンはトップダウンでシステマ
ティックファクターを決め、リターンを得ることの方が長期投資に適してい
ると考えられること、(3)パッシブ運用で十分である、などとの見方がある
というのが大きいようです。ただ、スマートベータの取り組みはまだ始まっ
たばかりで、まだまだ検討すべき課題は多いかもしれません。
 スマートベータの運用上留意する点を挙げると、(1)運用者が想定する効
果が短期間で達成されるとは限らないこと、(2)多くの運用者が特定のスマー
トベータ指数に資金を集中すると、それ自体が市場ポートフォリオに近づき
超過利益を確保することが難しくなること、(3)合理的なバリュエーション
がどういう水準にあるのか、リターンの源泉が何かを理解する必要があるこ
と、などがあり、決して容易なものではありません。また、従来の市場指数
運用と異なる点は、(1)運用責任は資産運用者(ファンドマネージャーなど)
というよりは、スマートベータ指数を選択した運用者もしくは投資家がその
選択した判断を問われること、(2)パッシブ運用の市場指数に比べると運用
コストは高くなること、などがあります。
 ところで、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、2014年4月に国
内株式のアクティブ運用において、スマートベータ型アクティブ運用を新た
に採用しています。具体的にはJPX日経インデックス400です。これは、自己
資本利益率(ROE)や営業利益などの企業のクオリティの関する指標に基づ
いて組成(複製)されています。加えて、GPIFはパッシブ型のスマートベー
タ型インデックス運用も導入しています。
 ◆◇◆

★マーケットトピックス―――――――――――――――――――――――
 世界の中銀は「高圧経済」政策へ、トランプリスクにも警戒を

                 NPO金融年金ネットワーク
                 DCアドバイザー・CFP   宮本一弘
 ◇◆◇
 金融市場で目先、“大波乱”が起きるとすればそれは、1週間後に迫った
米大統領選で、トランプ候補が当選するショックと思われます。3回のTV討
論は政策論議よりも個人の中傷合戦になり、史上最悪と評判は悪い。それで
もヒラリー「有利」はもう、「確実」に変わっています。米マスコミの殆ど
がヒラリー支持。ロイターによる株式ストラテジスト調査では、株式市場に
とって「ヒラリー候補が当選した方が短期的には株価に前向きの材料になる」
との見方が多く、S&P500指数を対象にする株価下落に備えたオプションの取
引は後退しています。また、オンライン賭けサイト「フレディクトイット」
によると、クリントン候補当選の確率は約1ヵ月前の63%から80%超えに上
昇しています。しかし、選挙なのでトランプ候補当選の可能性を完全に排除
することはできません。度重なる暴言、スキャンダル、そして共和党幹部か
らの絶縁宣言があっても一定の支持を得ています。経済のグローバル化が進
み、生産拠点の海外移管等により国内の雇用は増加し難く、中流階級は二分
化して経済格差が拡大し、既存の政治家では社会の閉塞感を打開できないと
いう不満の受け皿になるかもしれません。6月のBREXITの記憶が過ぎります。
確率が低いだけに当選した場合には大きな“ブラックスワン”になるかもし
れません。
 どちらが当選しても米国中心主義になると見られていますが当面、尖閣問
題をはじめとする対中関係で、米国の対応を巡り安全保障上の懸念が大きい
でしょう。トランプ候補当選の場合、金融市場は、円高/ドル安、株安、に
なると見られていますが、経済・財政政策の考え方は、「レーガノミクス」
に似ているので、中長期的にはインフラ整備や防衛関連支出の拡大、法人税・
所得税の減税、などで“ケインズ効果”をもたらし、貿易面もTPPには反対
を唱えていますがWTO中心の自由貿易を標榜しているので、「長期停滞」を
脱するのでは、との見方もあります。

 米金融政策の直近の課題は12月FOMCでの利上げ見通しです。利上げ確率は
CME(シカゴマーカンタイル取引所)の先物指数が示す値で、65%を超えて
来ています。現在、米経済は「順調」と理解されています。今後、利上げを
行う条件として、失業率が完全雇用とされる現在の水準からさらに一段と下
がる必要があるのか、また2%のインフレ見通しが実現に向けて改善が続く
のか、イエレン議長は、最近の講演で、「多少のインフレや労働需給の逼迫
が起きても、金融緩和や財政刺激を継続する『高圧経済』(High Pressure
Economy)を続けることにより、リーマン・ショック以降続いている長期停
滞から脱することができる」と述べていて、12月利上げを先送りする可能性
も指摘されています。これに対しては、「過去、中央銀行が失業率を持続可
能な最低水準より下まで押し下げようとしたケースでは良い結果に繋がらな
かった。こうしたオーバーシュートの試みはあまり成功せず、インフレを招
く場合がよく有った」との意見も聞かれます。今後、利上げ判断の条件を、
客観的に示す必要があるとの意見も聞かれます。

 日銀は新たな枠組みの下で、金融政策の軸足をマネーの量から金利に移し、
消費者物価指数の実績値が安定的に2%を超えるまで「長期金利操作付き量
的・質的金融緩和」を続ける「オーバーシュート・コミットメント」を約束
しています。これは、「高圧経済」につながる政策です。「高圧経済」政策
は、株式などリスク資産市場に対しポジティブ要因になります。株価上昇の
カギを握るとされる外国人投資家は、年初から9月までで約7兆2800億円売り
越していましたが10月に入り第1週・第2週とで合計9433億円の久し振りの大
きな買い越しになり、継続している日銀のETF買いが下支えになって日経平
均は17,000円台を回復してきました。しかし、この外国人は短期トレーディ
ングを得意とするヘッジファンド勢が大半とされ、東証一部の出来高も、1
日当り1兆8000億円程度で2兆円を超えていない薄商いの状態での値上がりで
す。出来高の増加を伴わなければ上昇の持続性があるとは言えません。企業
業績の先行き見通しが出来高の増加、割高/割安の判断ポイントになります。
 日銀の新枠組みの一つの10年国債の利回りをゼロ%近辺に固定する「イー
ルドカーブ・コントロール」政策の結果、国債市場のボラティリティと流動
性は極端に低下しています。国債市場で19日、新発10年344回債が約1年1ヵ
月ぶりに取引が成立しないという状況が見られました。国債市場が機能を失
いますと財政の膨張に対する金利からの制約機能が働かなくなり、財政を健
全に保つインセンティブは働かなくなるという基本的な問題に突き当たりま
す。財政出動が日本経済の持続的な成長力を高めることが出来ればよいが、
低金利は資金需要がないことの帰結で、却って深刻な状態にあるといえます。
                       (平成28年10月27日記)
 ◆◇◆

★年金トピックス――――――――――――――――――――――――――
 資産規模は制度移行前の4割、終身年金は1割に
 ―企業年金連合会「総合型企業年金実態調査」より―

        NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士
        DCアドバイザー・AFP            植村昌機
 ◇◆◇
 総合型厚生年金基金及び総合型確定給付企業年金においては、中小企業の
企業年金の存続・維持に向けて総合型厚生年金基金から総合型確定給付企業
年金への移行、総合型確定給付企業年金における新規加入事業所の編入等、
様々な取り組みが行われている。
 企業年金連合会では、総合型企業年金の実態を把握するため会員を対象に
調査を実施した。調査対象は、総合型厚生年金基金177、総合型確定給付企
業年金61の計238で、168基金から回答を得た。

 1. 制度移行の状況
 総合型厚生年金基金の今後の制度移行について、「総合型確定給付企業年
金に移行予定(代行返上または解散後)」が75、「基金解散後、後継制度に
移行する予定はない」30、「総合型厚生年金基金として存続」5、「未定」10
であった。

 2. 制度移行前後の基本情報
 加入事業所数は、225社から159社に、加入者数は、12,000人から8,000人
に、資産規模は、370億円から100億円に規模は大きく縮小している。事務費
掛金は、1億2000万円から8000万円に、基金事務局の役職員数は、5.6人から
4.5人に減少している。

 3. 給付設計の変更
 (1)給付形態
 終身年金の割合が100%から14%と大幅に減少した。有期年金の給付期間
は、15年以上が92%、10年〜15年が6%、10年未満が2%で長めの期間設定と
なっている。
 (2)掛金の算定方式
 移行前は報酬比例方式が100%であったが、移行後は報酬比例方式が70%、
定額方式が30%となった。
 (3)予定利率
 移行前は5.5%(回答した基金の41%)、3.5%(同17%)、2.5%(同11
%)、2%(同8%)。移行後は2.5%(同38%)、2.0%(同37%)、1.5%
(同14%)となった。

 4. 運営について
 (1)組織母体との関係
 ●加入事業所の組織母体等(協会等)への加入割合(制度移行後)は、10
割が35%、9割以上が54%、5割未満も20%。
 ●加入事業所の対象地域や業種の拡大による組織母体等の複数化について、
今後、複数化の可能性ありが13%、なしが63%、未定24%。
 ●組織母体等は、同種・同業の協会等で86%、健保組合が14%。
 ●組織母体との関係性について、「組織母体等と基金の役職員を兼務して
いる者の存在」80%、「組織母体等の施設(会館等)に基金事務局が入居」
36%、「組織母体等の理事会等で基金運営について定期的に報告」24%、「組
織母体等が基金未加入の事業主に加入勧告」23%。
 (2)加入事業所の対象範囲
 対象範囲の拡大について、「現状と変わらない予定」55%、「対象業種の
拡大」26%、「対象地域の拡大」18%、「同業種の解散基金の事業所の受け
皿として拡大」等。
 (3)外部の公認会計士による監査について
 「外部監査については、一部で実施、または検討中」10%、「導入予定は
ない」90%。

 5. その他要望
 「代議員の選任のあり方」に関するものが半数。ほかに「マイナス金利下
での非継続基準の財政検証の見直し」、「外部専門家による会計監査の強制
化反対」等
 ◆◇◆

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┃ ■年金相談の現場から(60)
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 短時間労働者の適用拡大に伴う経過措置について

   NPO金融年金ネットワーク 1級FP技能士・社会保険労務士 小野隆璽
 ◇◆◇
 平成28年10月1日から、短時間労働者に対する厚生年金保険・健康保険(社
会保険)の適用拡大がなされます。
 そして、この適用対象となる人は、基本的には社会保険の加入によりメリ
ットが多くなるわけですが、実は以下のようなデメリットになる人たちもお
られます。

 ●長期加入者特例の老齢厚生年金を受給しているケース
 厚生年金保険の加入期間が44年(528ヵ月)以上あり、かつ厚生年金保険
の被保険者でなければ、65歳から支給される定額部分相当の年金額と配偶者
加給金(要件を満たせば)が支給されるという長期加入者の特例制度があり
ます。
 この要件を満たした人が、厚生年金保険に加入すると、この定額部分相当
の年金額と配偶者加給金は支給停止になってしまいます。金額にすると平成
28年度ベースで780,480円(定額部分相当の年金額)+390,100円(配偶者加
給金)となり、計1,170,580円(月額:約9.75万円)が減ってしまいます。

 ●障害者特例の老齢厚生年金を受給しているケース
 この特例は、障害等級3級相当以上に該当する人が、厚生年金保険の被保
険者でない場合、65歳から支給される定額部分相当の年金額と配偶者加給金
(要件を満たしている場合のみ)が、請求月の翌月からすぐに支給されると
いうものです。この要件を満たして障害者特例の老齢厚生年金を受給してい
る人が、厚生年金保険に加入すると、この定額部分相当の年金額と配偶者加
給金は支給停止になってしまいます。
 この特例該当者にとっては、今回の短時間労働者に対する厚生年金保険・
健康保険(社会保険)の適用対象となることによってデメリットになるわけ
ですが、以下の対象者に対して、障害者・長期加入者特例の経過措置が設け
られました。
 その概要は以下の通りです。

 1. 経過措置の対象者
 以下の2つの条件を全て満たす人が経過措置の対象者とされます。
 (1)施行日前から同一の事業所に引き続き短時間労働者として勤務してい
  ること。
 (2)施行日前に支給事由の生じた障害者・長期加入者特例に該当する特別
  支給の老齢厚生年金の受給権者であること。

 2. 経過措置の内容
 経過措置の対象者が資格喪失するまでの間、定額部分について支給停止が
行われず、また在職支給停止についても報酬比例部分のみ対象とされます。

 3. 手続き
 受給権者は、「障害者・長期加入者特例に係る老齢厚生年金在職支給停止
一部解除届」に必要な事項を記載し、継続勤務の事実についての事業主の証
明書(*1)又は継続勤務の事実を明らかにすることができる書類(*2)を
添えて、日本年金機構へ提出する必要があります。
 (*1)届出書の事業主証明欄による事業主証明でも可
 (*2)平成28年9月以前の勤務が確認できる給与明細書や雇用契約書など

 4. その他
 (1)平成28年10月1日に厚生年金保険に加入した場合でも、平成28年9月30
日以前に同じ事業所で勤務していなかった場合は経過措置の対象とはなりま
せん。
 (2)同一の事業所に引き続き勤務していた場合でも、契約変更等により平
成28年10月1日に一般被保険者として資格取得した人は経過措置の対象とな
りません。
 (3)経過措置の期間は、「被保険者資格を喪失するまでの間」となってお
り、原則として退職等により被保険者資格を喪失した時点で終了します。

 以上のように、施行日(平成28年10月1日)前から引き続き同一事業所で
勤務しており、平成28年10月1日から厚生年金保険に適用拡大されることに
なった障害者・長期加入者特例に該当する特別支給の老齢厚生年金の受給権
者の方々は、引き続き特例が適用されます。なお、そのためには日本年金機
構に届出をしなければなりません。
 また、経過措置の公布日が施行日直前であったため、年金の支払いについ
ては、届出がなされた場合、まず定額部分の支給停止がなされた金額が振込
まれ、1ヵ月後の随時支払いで精算されることになるとのことです。
 ◆◇◆

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┃ ■NPOアクティビティー
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出版のお知らせ―――――――――――――――――――――――――――
 ◇◆◇
 《最新版・2016年版》平成28年3月25日発売!!
 「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2016年版
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 共編
 A4判・144頁・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 確定拠出年金法と確定給付企業年金法の公布から14年が経過し、この間、
退職給付会計の導入、運用難による年金資産の積立不足、厚生年金基金の代
行返上、税制適格退職年金の廃止等を契機に、退職給付制度の再編が進行し
てきました。
 厚生年金基金や税制適格退職年金から確定給付企業年金に移行後に、国際
会計基準(IFRS)や財政運営基準の厳格化の動向をにらみ、キャッシュバラ
ンス・プランや確定拠出年金に切り換える動きも出てきています。確定拠出
年金も個人資産の目標金額未達成、投資教育の内容・頻度、運用商品開発の
不足等、課題が発生し、改正法案が審議されています。さらに、厚生年金基
金改革法が2014年4月に施行され、解散や移行先制度の検討等、企業年金の
再編は第二のステップに入りつつあります。
 本書は、2004年11月に2005年版を創刊以来、本年版で12冊目になります。
本年版は、旧版のデータ等を最新のものに改訂すると共に、確定給付企業年
金に関する記述を拡大・加筆。掛金拠出の弾力化、リスク分担型DBの概要を
解説。確定拠出年金改正法の概要、厚生年金基金改革と労働組合の対応、年
金ガバナンス体制の見直し・強化等、大幅に加筆しました。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組員の皆様が、公的年金から
会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのため
には、年金制度の基本知識と制度再編に際して従業員サイドからの留意点を
組織内で共通認識することが第一歩です。そこで、本書をテキストや副読本
として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加盟単組からの
ご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も見受けられる
ようになりました。

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 《最新版》平成28年8月30日発売!!
 「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第4版)
  ―2016年法改正対応― 日本労働組合総連合会
 NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク:共編
 A4判・122頁・頒価1部1,500円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 本ハンドブックは、施行15年目を迎える確定拠出年金制度が法律制定の趣
旨にそって、「公的年金と相まってサラリーマンの老後生活保障の柱」の一
翼を担える制度に仕上がっていくように、との期待をこめて、主として加入
者、労働組合の立場から課題と対応の「考え方」を示したものです。私たち
の活動の中から、これまでに経験した事例や課題・問題点を踏まえて整理を
行いました。
 第I部部は、確定拠出年金制度の概要と基礎知識を法律に沿って解説、第I
I部部は、制度のポイントである「運用」と「教育」についての考え方と提
言について述べています。
 本書は、旧版のデータを最新のものに改めにとともに、2016年の法改正に
対応し大幅に書き直し、第4版として発行するものです。
 すでに、退職給付制度の一部または全部を確定拠出年金に移行した労組の
皆様には、制度の運営改善に、これから移行が想定される皆様には、制度設
計・運営のご参考になれば幸いです。
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 書籍のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 →http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm
 お問い合わせ、お申し込みは
 NPO金融年金ネットワーク事務局(
 または電話(03-5444-0539)、FAX(03-5444-0303)まで。

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●次号(第152号)は12月1日に送信の予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
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