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┃       金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン

┃                    第164号  2017年12月1日
┃   NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
┃             ホームページ http://kinyunenkin.jp/
┃     フェイスブック https://www.facebook.com/kinyunenkin/
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 このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場
 から退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している
 「NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金
 ネットワーク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関す
 る情報や意見交換のスペースをご提供することを目的にしています。企
 画・編集には(株)格付投資情報センターのご協力を頂いています。
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■■ 目次 ■■
●特集レポート
 企業年金コンサルティングの現場から(147)
●NPOトピックス
 ★今からでも聞いてみよう投資の話(38)
  投資教育について(4) 〜導入時教育と継続教育〜
 ★マーケットトピックス
  FRB議長人事は穏当な選択だが政権にはリスクとなる要因も
 ★年金トピックス
  確定給付企業年金の資産運用ガイドラインの見直し
●年金相談の現場から(72)
 被用者年金一元化後の遺族厚生年金について
●NPOアクティビティー
 出版のお知らせ
 ◇最新版・2017年版 平成29年2月28日発売!
 「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2017年版
 ◇最新版・平成28年8月23日発売!
 「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第4版)
 ―2016年法改正対応―

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┃ ■特集レポート
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 企業年金コンサルティングの現場から(147)

                (株)武南企業年金事務所代表 坂井信夫
 ◇◆◇
 確定拠出年金(以下「DC」)制度は、企業型であれ個人型であれ、資産運
用によってどの程度掛金が増えるか、それによって年金額が決まる制度であ
る。しかもその資産運用のあり方を加入者本人が選択しなければならない。
 一般に資産運用というと何を思い浮かべられるだろうか。筆者が子供のこ
ろに比べると、例えば株式投資などは、投信であれ個別銘柄保有であれ、か
なり大衆化したと思っている。通常のニュースで「今日の株価は……」とい
う原稿が当たり前に読まれるようになってもう30年程度は経過しているだろ
うか。
 だが、DCの資産運用というとき、それは同じ資産運用であっても若干毛色
が違ってくる。個人の余資運用は、儲かったら売って現金化し、例えば大き
な買い物の頭金にするとか、旅行の資金や子供の学費など様々な目的に使わ
れる。また、余資であるため、相場の暴落で著しく元本を棄損させても、日
常生活に大きな悪影響を及ぼすことはない。一方DCの資金は、基本的に現役
世代の自分から老後の自分への仕送りという、目的の決まったお金である。
一定の年齢までは現金として引き出すことはできないし、運用に失敗して元
本を著しく棄損することは避けなければならない。本来なら利息収入で賄い
たいところであるが、足元の金利環境では、預貯金で資産を増やすことは現
実的ではない。したがって資産を増やそうと思えば、結果的に有価証券の長
期運用を行っていくことになる。そのような有価証券の長期運用とは、実は
確定給付年金(以下「DB」)の企業年金基金が行っていることと同じなので
ある。
 有価証券による長期投資を行う上で必要なことは大きくいって二つある。
一つは運用目標を決めること。もう一つが、運用目標に見合う基本資産配分
の策定である。DBの場合は予定利率というものがあるため、財政の健全性を
維持するために必要な収益率というめどが立ちやすい。現実として予定利率
+運用報酬(コスト)の近似値を運用目標としている基金は多い。
 DCでは制度上、このような目安となる数字がないため、いきなり「掛け金
を引き落としているし、さあ次は何の投信を買うかな」となりがちである。
だが投信購入の前に、まずはどの程度の収益率獲得を目指すのか、真剣に考
えることがDCにおいても資産運用の第一歩になることを忘れないでいただき
たい。ではその数値をどのように設定するのか。鍵となるのは金利水準や物
価上昇率の動向であると考えているが、この点は次回以降あらためて触れて
みたいと思う。
 決定した運用目標の高低は、次の段階である基本資産配分の策定において、
例えば株式投信の組入れ比率に影響を与えることになる。そしてその比率の
高低は、現実に毎年獲得していく収益率のブレの大きさにつながることにな
る。運用目標と基本資産配分の二つの要素が、結果としてリスクをとるか抑
えるか、という投資行動の違いをもたらすことになる。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOトピックス
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★今からでも聞いてみよう投資の話(38)――――――――――――――――
 投資教育について(4) 〜導入時教育と継続教育〜

          NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 投資教育は実施する時期により、その内容は異なってきます。加入時を導
入時教育とし、その後適宜実施される教育を継続教育と区分しているのが一
般的です。本文でも分けて記述することにします。なお、企業型確定拠出年
金では法令解釈通知においては「加入時」のみではなく、「加入後」におい
ても投資教育を行わなければならないことになっており、さらにその継続教
育は努力義務であるとも明示されています。前月は簡単に導入時教育のポイ
ントを示しましたが、今回は継続教育について見ていきたいと思います。

 企業年金連合会の「投資教育ハンドブック」を参照してみると、確定拠出
年金制度の特徴、運用商品の選択、ポータビリティの仕組み、マッチング拠
出制度、などの確定拠出年金制度そのものの理解を導入時教育と考えており、
継続教育は加入後に必要とされる投資に関する知識、ライフプランニングの
知識、その他事務的・技術的な知識、などに整理されています。さらに具体
的にみていくと、投資ではリターンとリスク、アセットクラス、分散投資、
長期投資、積立投資、などが主要な内容になります。ライフプランニングで
は老後に必要な資産の形成という観点から、年金とその他の収入、一方で家
計の支出、などと併せ老後の生活が資金面で多大な不足が起こらないか、そ
のための取組などが重要な視点となります。最後の事務的・技術的な知識と
はコールセンターやWEBの活用、その他実際の利用のためのさまざまな問題
の解消、などが該当します。

 上記の内容までで投資教育は充分とも言えますが、さらに知識の習得を望
む、または望まれることもあります。より専門的な情報の理解に進むことに
なりますが、資産運用においては金融市場の動向、資産の価格変動要因、ラ
イフプランニング(主に現役時代)、家計全体の資産配分、などがあり、年
金や社会保障制度の理解、その他の資産形成の制度(財形、持ち株制度など)、
なども家計全体の資産を捉えるうえでは必要な情報になります。資産形成の
高度化を目指すこと、家計の資産全体をどう管理するかということ、が第一
義的な目的ともいえます。将来の老後の生活設計にまで踏み込んでいければ
何も言うことがありません。
 なお、投資教育の企画・実施に当たり企業年金連合会ではテーマを掲げて
います。具体的には、導入時教育と継続教育の分担と位置づけ、個々の制度
設計、投資教育の実施形態、参加形式、投資教育実施後の情報収集とその検
証、マッチング拠出の導入、などがあります。ご参考にして下さい。
 ◆◇◆

★マーケットトピックス―――――――――――――――――――――――
 FRB議長人事は穏当な選択だが政権にはリスクとなる要因も

                 NPO金融年金ネットワーク
                 DCアドバイザー・CFP   宮本一弘
 ◇◆◇
 11月2日、トランプ大統領は、来年の2月に任期が切れるイエレンFRB議長
の後任に、現在FRB理事のポストにあるジェローム・パウエル氏を指名する
と発表しました。弁護士出身でブッシュ(父)政権で財務次官を務め、共和
党主流派の支持を得られやすいとされます。2012年にオバマ政権で理事に指
名され、FRBの緩やかなペースでの利上げ継続と資産縮小を支持し、FOMC(連
邦公開市場委員会)では、イエレン議長の提案に一度も反対をしていません。
一方、PE(プライベートエクイティ:未公開株)投資会社・カーライルグルー
プのマネージングディレクターを務めるなどウォール街でのビジネス経験も
あって「金融規制の緩和」を目指す政権に理解を示す人物とされています。
 パウエル議長は現在の路線を継続するとの安心感から市場は落ち着いて推
移しました。しかし、経済学の学位を持たないFRB議長は、1970年代のミラー
議長以来とされます。ミラー議長は70年代のインフレが昂進する中、2年足
らずで退任し、インフレ退治をボルカー議長に引き継いでいます。
 現在FRBの理事は定員に対し3名が欠員で、また、FOMC副議長を兼ね常時投
票権を持ち、FRBの金融政策を執行する役目を担うニューヨーク連銀のダド
リー総裁も2018年半ばに退任の意向を表明しています。10月中旬に辞任した
フィツシャー副議長の後任に「金融政策の理論的な土台に、専門知識がある
候補が求められる」、「最も重要なのは、次の不況時の金融政策運営だ。(F
RBと金融緩和には)共和党保守派からの批判が相次いでいる。次の不況時に
非伝統的な政策が使われるのか、疑問視するのが当然」(ロイター:11月6
日)との見方があり、欠員になる4名の理事の人選と金融政策担当の副議長
の選任如何では「リスク」が増すことになります。
 しかし、足下の米国景気は、依然堅調に推移していて、7〜9月期のGDP成
長率は年率換算で3%を超えました。アトランタ連銀が発表している「GDPナ
ウ」では、10〜12月期の成長率見通しは4.5%とされています(ブルームバー
グ:11月2日)。失業率は4.1%(10月)と完全雇用と見なしている数値を下
回って推移。住宅市場の状況を反映する「S&Pケース・シラー指数」は8月に
伸びが加速。前年比5.9%上昇しました。個人消費の動向を示す10月の小売
売上高は前月比0.2%増で底固く、「コンファレンスボード消費者信頼感指
数」は10月、前年比5.9%増加して125.9。2000年12月以来の高水準になって
います。
 FOMC(10月31日〜11月1日)は声明で「労働市場は引き続き力強さを増し、
経済活動はハリケーンに伴う混乱にも関わらず『着実な』ペースで拡大した」
と指摘しています。ただ、インフレ率が予想されたように上昇しないため「物
価上昇の加速を示す証拠が出てくるまでは追加利上げを見送るべきだ」との
考えを示すメンバーもいます。「利上げ」、「資産縮小」にも拘わらず金融
緩和の状況はしばらく継続するでしょう。

 さて日本ですが、11月15日、内閣府から発表された7〜9月期の国内GDP(実
質)は前期比0.3%増、年率換算で1.4%の増加になりました。21年振りの7
四半期連続プラス成長で、米国や中国などアジア新興国経済の好調に支えら
れて輸出が牽引しました。内需では設備投資は増加したものの全体として横
這いの推移です。
 日銀の中曾副総裁はロンドンでの講演で「需給ギャップとインフレ予想が
改善を続けるなか、物価の基調的なモメンタムは維持されている。インフレ
率は徐々に高まると予想している」、とし「完全雇用の下で、非常に逼迫し
た労働市場は緩和的な金融環境と相俟って、構造改革の過程で生じる痛みを
和らげてくれるはず」と述べ、「今度こそ、真の夜明けが信じるに足るより
多くの理由がある」と結びました。
 東京株式市場は、10月24日に、日経平均株価が1960年12月以来57年振りの
16連騰で、11月9日には日中高値23,382.15円を付けて、約25年振りにバブル
崩壊後の戻り高値を更新しました。今や東京市場のプレーヤーの7割を占め
る外国人は、日本企業の業績改善が続いていて今期は2桁増益が確実になり、
来期も増益が予想されていることで割高感がないこと、一方米国株は明らか
に割高水準にあり、他の株式市場へ分散せざるを得ないが、市場規模、市場
の透明性等で東京市場が選好されること。機関投資家や個人はここまでの値
上がりで利益を一旦確定していて、待機資金が潤沢で、買いが入りやすいこ
と。下値では日銀が年間6兆円の枠でETFを買い、市場を支えているので値下
がりのリスクが小さいこと、9月のアベノミクスの行き詰りを予想した海外
勢の膨大な空売りの、値上がりを見ての買い戻し等が、最近の急激な値上が
りの理由とされています。しかし海外を見ますと、可能性は低いとはいえ一
触即発の北朝鮮情勢、サウジの政変に見られる中東情勢の懸念、ロシア疑惑
の自身の身辺への捜査で13日、東アジアサミットの最終日を切り上げて急遽
帰国したトランプ政権の不安定性、米上院で調整がたけなわの減税法案の行
方等問題は山積していて、何時株式市場にショックが起きるか、不透明なな
か慎重な対応が望まれます。
                      (平成29年11月27日 記)
 ◆◇◆

★年金トピックス――――――――――――――――――――――――――
 確定給付企業年金の資産運用ガイドラインの見直し

        NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士
        DCアドバイザー・AFP            植村昌機
 ◇◆◇
 確定給付企業年金(DB)において、より安定的な運用を行うため、資産運
用管理体制の強化等を図る観点から、「確定給付企業年金に係る資産運用関
係者の役割及び責任に関するガイドライン」(資産運用ガイドライン)に関
して、平成30年4月1日から以下のように見直しが行われる。

 1. 資産規模100億円以上のDBは資産運用委員会の設置が義務化。
 従来の設置が望ましいから、資産額に応じて設置が義務化された。100億
円未満でも設置が望ましいとしている。議事については、記録にとどめて保
存、内容を加入者に通知、代議員会への報告等が求められる。資産運用委員
会の名称は、同様の機能を有していれば、どのような名称でも問題はないと
している。

 2. 分散投資・集中投資に係る方針の「運用の基本方針」への記載
 分散投資に努めなければならないが、行わない場合は、その合理的な理由
を運用の基本方針に定めること。また、その理由について事業主は加入者に、
理事長等は加入者・事業主に周知すること。集中投資については、特定の運
用機関に運用の委託が過度に集中しないように運用の基本方針に「集中投資
に関する方針」を定めることが義務化された。
 ただし、バランス型ファンドや、一般勘定等元本確保型商品等については、
特定の運用機関に委託することは認められる。

 3. オルタナティブ投資に係る方針の「運用の基本方針」への記載
 新たにオルタナティブ投資を行う場合の記載事項として、オルタナティブ
投資を行う目的、政策的資産構成割合における当該オルタナティブ投資の位
置づけとその割合、当該オルタナティブ投資に固有のリスク(流動性リスク
等)に関する留意事項の記載が求められる。
 その他、運用受託機関の選任にあたっての留意事項、運用受託機関に対し
て説明を求め、確認すべき事項が定められている。

 4. 運用受託機関の選任・評価の基準の見直し
 定性評価については、評価項目として「責任ある機関投資家の諸原則」(日
本版スチュワードシップ・コード)の受け入れや取組み、ESG(環境、社会、
ガバナンス)投資に対する考え方を運用受託機関の選任・評価において検討
することが望ましい。定量評価については、収益率やリスクについては、グ
ローバル投資パフォーマンス基準(GIPS)に準拠したものであることが望ま
しい。また、アクティブ運用に関してインフォメーションレシオ等の指標に
留意すること、一定の期間の実績(例えば3年以上)を評価することが望ま
しいとしている。

 5. 運用コンサルタントを活用する際の留意点
 運用コンサルタントが金融商品取引法第29条の投資助言・代理業者である
とともに、その採用の際に運用受託機関との間で利益相反がないかどうか確
認する。

 6. 代議員会・加入者への報告・周知事項
 運用受託機関の選任・評価状況などを代議員会に報告する(規約型DBは除
く)とともに、資産運用委員会の議事録の保存、議事概要を加入者に通知す
る。

 7. スチュワードシップ・コード責任
 スチュワードシップ・コードの受け入れや取組み、ESG投資に対する考え
方を運用受託機関の選任・評価の際の定性評価項目とすることを検討するこ
とが望ましい。スチュワードシップ・コードを受け入れている運用受託機関
に対し、次の取組を求めることが望ましい。

 (1)利益相反についての明確な方針の策定と公表
 (2)投資先企業の状況の的確な把握とその状況の公表
 (3)投資先企業との間で、建設的な対話を通じ事業環境についての認識を
共有するとともに、認識した課題について改善に向けた取り組みを促すこと
 (4)議決権の行使の方針の提示と行使結果の公表
 (5)目的を持った対話の状況や議決権行使状況についての報告
 運用受託機関から、運用受託機関が行ったスチュワードシップ活動に関し
報告を受けた場合には、当該報告についても、加入者に対し周知することが
望ましい。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■年金相談の現場から(72)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 被用者年金一元化後の遺族厚生年金について

   NPO金融年金ネットワーク 1級FP技能士・社会保険労務士 小野隆璽
 ◇◆◇
 平成27年10月の被用者年金一元化からすでに2年ほど経過しましたが、共
済年金期間と厚生年金期間がある人が死亡したときの遺族厚生年金について
は、いろいろな勘違いがなされているケースが見受けられます。特に、長期
要件と短期要件の違いによる勘違いが多いようです。そこで、少し難しいで
すが、一元化に伴う遺族厚生年金の変更内容について、以下に説明させてい
ただきます。

 1. 長期要件と短期要件の遺族厚生年金について
 長期要件の遺族厚生年金とは、すでに年金を受給している人が死亡したと
き、又は老齢年金を受給できる加入期間(25年)を満たしている人が死亡し
たときに支給される遺族給付です。
 また、短期要件の遺族厚生年金とは、主に在職中の人(被保険者)が死亡
したときに支給される遺族給付です。

 2. 年金額の計算方法の変更内容
 (1)長期要件の遺族厚生年金
 長期要件の年金額の計算については、加入していたそれぞれの加入期間ご
とに平均標準報酬額(月額)を計算し、それぞれの加入期間に基づく報酬比
例×3/4の額の合算額とされます。
 (2)短期要件の遺族厚生年金
 短期要件の年金額の計算については、それぞれの加入期間ごとに平均標準
報酬額(月額)を計算し、加入期間ごとに計算した額の4分の3に相当する額
を合算した額とされます。
 なお、合算した加入期間が300月に満たない場合は、300月とみなして計算
されます。
 すなわち、一元化前の短期要件の年金額は、死亡したときに加入していた
年金制度の加入期間に基づいて算出された金額とされていましたが、一元化
後は、加入していたそれぞれの加入期間のすべてが計算の対象として算出さ
れた金額となりました。

 3. 年金請求書等の取扱い
(1)受付
 遺族厚生年金の請求書は、短期要件か長期要件かにかかわらず、原則とし
て、ワンストップサービスの対象となりました。すなわち、どこの実施機関
でも請求書の提出ができるようになりました。(特殊期間がある場合は除か
れていますが、詳細は割愛します。)

(2)年金額の決定や支払い
●長期要件の場合
 加入していたそれぞれの実施機関において、年金額が決定・支給されます。
そのため、年金証書や各種通知書は、加入していたそれぞれの実施機関から
送付されます。

●短期要件の場合
 原則として死亡日に加入していた実施機関において、加入していた他の実
施機関の加入期間も含めて年金額が決定・支給されます。そのため、年金証
書や各種通知書は、死亡日に加入していた実施機関から送付されます。

 以上が遺族厚生年金の一元化に伴う変更内容です。共済組合と厚生年金に
加入していた被保険者あるいは受給者が死亡した場合、一元化により、ワン
ストップサービスの対象となり手続き等は簡便になりました。
 しかしながら、長期要件と短期要件では、年金額の決定や実施機関が異な
ります。すなわち、年金受給者の死亡などの長期要件の場合、加入していた
それぞれの実施機関から年金証書の送付や年金支払いがなされ、被保険者の
死亡などの短期要件の場合、死亡日に加入していた実施機関から年金証書の
送付や年金支払いがなされます。短期要件の場合は、加入していた他の実施
機関から年金証書の送付や年金支払いがなされることはありません。この違
いを勘違いされているケースが散見されますので、留意しなければなりませ
ん。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOアクティビティー
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出版のお知らせ―――――――――――――――――――――――――――
 ◇◆◇
 《最新版・2017年版》平成29年2月28日発売!!
 「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2017年版
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 共編
 A4判・146頁・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 確定拠出年金法と確定給付企業年金法の公布から15年が経過し、この間、
退職給付会計の導入、運用難による年金資産の積立不足、厚生年金基金の代
行返上、税制適格退職年金の廃止等を契機に、退職給付制度の再編が進行し
てきました。
 厚生年金基金や税制適格退職年金から確定給付企業年金に移行後に、国際
会計基準(IFRS)や財政運営基準の厳格化の動向をにらみ、キャッシュバラ
ンス・プランや確定拠出年金に切り換える動きも出てきています。確定拠出
年金も、2016年6月より普及の拡大に向け改正法が施行されています。さら
に、厚生年金基金改革法が2014年4月に施行され、解散や移行先制度の検討
等、企業年金の再編は第二のステップに入りつつあります。
 本書は、2004年11月に2005年版を創刊以来、本年版で13冊目になります。
本年版は、旧版のデータ等を最新のものに改訂すると共に、確定給付企業年
金に関する記述を拡大・加筆。掛金拠出の弾力化、リスク分担型DBの概要を
解説。確定拠出年金改正法の概要、厚生年金基金改革と労働組合の対応、年
金ガバナンス体制の見直し・強化、マイナス金利政策下の企業年金の運営等、
大幅に加筆しました。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組員の皆様が、公的年金から
会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのため
には、年金制度の基本知識と制度再編に際して従業員サイドからの留意点を
組織内で共通認識することが第一歩です。そこで、本書をテキストや副読本
として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加盟単組からの
ご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も見受けられる
ようになりました。

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 《最新版》平成28年8月30日発売!!
 「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第4版)
  ―2016年法改正対応― 日本労働組合総連合会
 NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク:共編
 A4判・122頁・頒価1部1,500円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 本ハンドブックは、施行15年目を迎える確定拠出年金制度が法律制定の趣
旨にそって、「公的年金と相まってサラリーマンの老後生活保障の柱」の一
翼を担える制度に仕上がっていくように、との期待をこめて、主として加入
者、労働組合の立場から課題と対応の「考え方」を示したものです。私たち
の活動の中から、これまでに経験した事例や課題・問題点を踏まえて整理を
行いました。
 第I部は、確定拠出年金制度の概要と基礎知識を法律に沿って解説、第II部
は、制度のポイントである「運用」と「教育」についての考え方と提言につ
いて述べています。
 本書は、旧版のデータを最新のものに改めにとともに、2016年の法改正に
対応し大幅に書き直し、第4版として発行するものです。
 すでに、退職給付制度の一部または全部を確定拠出年金に移行した労組の
皆様には、制度の運営改善に、これから移行が想定される皆様には、制度設
計・運営のご参考になれば幸いです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 書籍のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 →http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm
 お問い合わせ、お申し込みは
 NPO金融年金ネットワーク事務局(
 または電話(03-5444-0539)、FAX(03-5444-0303)まで。

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●次号(第165号)は2018年1月4日に送信の予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
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 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
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ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
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