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┃       金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン

┃                    第167号  2018年3月1日
┃   NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
┃             ホームページ http://kinyunenkin.jp/
┃     フェイスブック https://www.facebook.com/kinyunenkin/
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 このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場
 から退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している
 「NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金
 ネットワーク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関す
 る情報や意見交換のスペースをご提供することを目的にしています。企
 画・編集には(株)格付投資情報センターのご協力を頂いています。
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■■ 目次 ■■
●特集レポート
 企業年金コンサルティングの現場から(150)
●NPOトピックス
 ★今からでも聞いてみよう投資の話(41)
  スチュワードシップ・コード改訂について(1)
 ★マーケットトピックス
  米長期金利上昇、日米株式市場に冷や水 先行き見通しは?
 ★年金トピックス
  国内債券・内外株式は削減トレンド、オルタナティブ投資に存在感
  ―政策アセットミックス「2017年日経企業年金実態調査より―
●年金相談の現場から(75)
 年金分野におけるマイナンバー制度の導入について
●NPOアクティビティー
 出版のお知らせ
 ◇最新版・2018年版 平成30年2月28日発売!
 「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2018年版
 ◇最新版・平成28年8月23日発売!
 「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第4版)
 ―2016年法改正対応―

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┃ ■特集レポート
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 企業年金コンサルティングの現場から(150)

                (株)武南企業年金事務所代表 坂井信夫
 ◇◆◇
 冬季五輪に歓喜しているうちに、早くも今年はふた月が過ぎていった。今
年になりiDeCo(確定拠出年金個人型)の制度に大きな変更が始まっている
ことに改めて触れたいと思う。
 例えばお勤めの会社に企業年金制度がないサラリーマンがiDeCoに加入す
る場合、昨年までは毎月定額での掛金拠出とされ、その下限が0.5万円・上
限が2.3万円であった。またその結果として年間拠出の6万円から27.6万円が
所得控除され税制上優遇されるというものであった。この掛金拠出方法が今
年から「月単位」の固定から、「年単位」の拠出とすることが可能になった。
 住宅ローンの支払いで毎月払いにボーナス払いを併用するように、例えば
iDeCoの掛金も月々1万円で、6月と12月のボーナス月だけは5万円上乗せする
ことで、年間拠出額は12万円から22万円とするようなことが可能となり、よ
り多くの非課税メリットを享受できることとなる。
 加入者の口座から毎月26日に引き落とされた掛金は、翌月の納付分とされ
るので、12月の納付分である、11月掛金は必ず拠出することとされているよ
うだが、例えば毎月奇数月だけに拠出するということも可能である。要は年
間で12回まで可能な掛金拠出について「緻密な年間計画」が描けるようにな
ったということで、極端な例では11月1回の拠出だけで27.6万円を拠出する
ということも可能である。資金は将来の老後の自分への仕送りであるから、
年間で最低でも6万円は拠出することは求められるのだが、拠出の仕方を個
人の事情に合わせて工夫することで、より多くの非課税メリットを各人が享
受できるようになったことは評価していいだろう。
 現実の手続きとしては、あくまで年間の計画を作ることが求められ、以降
の変更も年1回しか認められてはいないものだが、今春の昇給や夏の賞与な
どを踏まえ、検討してみたいと思われる方は、是非運営管理機関に詳細を確
認することとお奨めする。
 ただし、掛金拠出の回数を少なくすることは、資産運用の面においては、
いささか気になる点がある。例えば掛金の2割を株式投信に振り向けている
加入者の方がいたとしよう。その方が従来毎月2.3万円拠出していたならば、
毎月0.46万円を株式投信に投入していることになる(ここでは諸手数料は想
定外)。その方がもし、極端な事例であげた、11月に掛金27.6万円を一括拠
出とした場合は、12月に5.52万円を株式投信に投入する形になる。この時点
では、この年に株式投信に振り向けた元本はどちらも同じであるが、もし年
末に大きく株価が下がる局面となったら、マイナスが大きいのは後者ではな
いだろうか。また逆に、相場が下落から大反転急上昇という局面なら、大き
く儲かるのも後者の可能性が高い。結果が大きくぶれるという意味でのリス
クは、後者の方が高くなるのでは、と懸念するのである。
 今日は買いだ!というような短期の相場観とは無縁で進めていくのが、長
期投資の年金運用である以上、ドルコスト平均法の手法からあまりかい離し
ない方が望ましいと考える。つまり掛金拠出の回数はできるだけ多く、拠出
額もできるだけ均一である方がベターなのである。ただ元本確保商品での運
用であればこの懸念は小さいので、ご自身の運用内容も踏まえて総合的の掛
金の年間拠出計画を練られるのが賢明なのでは、というのが今の段階での結
論である。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOトピックス
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★今からでも聞いてみよう投資の話(41)――――――――――――――――
 スチュワードシップ・コード改訂について(1)

          NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 少し前になりますが、昨年5月29日に金融庁は、日本版スチュワードシッ
プ・コードの改訂を行いました。これはおおむね3年毎に見直すという方針
から実施されたものです。我々の立場から重要とみられる改訂は、アセット
オーナー(資産保有者としての機関投資家)のスチュワードシップ・コード
に対する意識づけが追加されたことでしょう。今回はその点を含め改訂され
た内容全般についてお示ししたいと思います。
 日本版スチュワードシップ・コードとは「責任ある機関投資家の諸原則」
といわれるものです。2014年に制定され、約4年が経過しました。2016年末
から関連したフォーローアップ会議や有識者会議が金融庁主催で開催され、
スチュワードシップ・コード並びにコーポレートガバナンス・コードに関す
る議論が行われました。
 今回の改訂版では当初の7つの原則は変更されず、指針が21から30に増え、
内容においても一部修正が加えられました。追加もしくは修正の主要な点は
以下のとおりです。

 (1) アセットオーナーによる監視に関すること
 (2) 運用機関のガバナンス、利益相反に関すること
 (3) パッシブ運用における対話に関すること
 (4) 議決権行使結果の公表に関すること
 (5) 運用機関の評価に関すること
 (6) 議決権行使助言会社に関すること
 (7) 集団的エンゲージメントに関すること
 (8) ESG要素に関すること
 (9) コンプライ&エクスプレインの推奨に関すること

 今回改訂の主眼はコーポレートガバナンス改革の実効性強化にあると考え
ます。そのため最終受益者(例えば年金保険者や年金受給者)から投資先企
業に向かう資金の運用責任を認識し、建設的な対話により運用成果を高める
こと、そして受益者に対しアセットオーナーや機関投資家は資金運用につい
て説明責任を果たすこと、などが求められるのではないかと推測されます。
具体的には運用機関の利益相反、ガバナンス体制に対する考え方、集団的エ
ンゲージメントの有益性、フェア・ディスクロージャーやインサイダー取引
などの課題解決、議決権行使結果の個別開示、などの検討が進められること
になるでしょう。
 なお、スチュワードシップ・コードを受け入れている企業年金の中には、
こうした専門性を高めるために、様々な取り組みを行っているようです。具
体的には、企業年金基金の理事の半数は母体企業が選定した代議員の中から
互選を行ない、また母体企業は企業年金基金に対し、専門性のある人材を供
給したりしています。その中にはIR担当者を含むこともあり、企業年金基金
が投資先企業・運用機関と対話を行う際に同席することで、具体的な運用方
法の決定やリスク管理について、運用機関任せとせず、企業年金自身も主体
的に取り組もうとしています。
 ◆◇◆

★マーケットトピックス―――――――――――――――――――――――
 米長期金利上昇、日米株式市場に冷や水 先行き見通しは?

                 NPO金融年金ネットワーク
                 DCアドバイザー・CFP   宮本一弘
 ◇◆◇
 昨年から、低金利がもたらす“適温相場”(ゴルディロックス)と、世界
経済の拡大という“大いなる成長”(グレートモデレーション)の投資環境
に安心していた世界の株式市場に、2月初旬、冷や水を浴びせるショックが
走りました。2月2日NYダウは大幅に下落し、5日、8日と急落しました。日経
平均も、週明けの5日、6日と連続して下げました。ダウは1月26日のピーク
26616.71ドルから2月8日の23860.46ドルへ2756.25ドル(−10.3%)の下落、
日経平均も1月17日の23868.34円から2月14日の21154.17円まで11.37%下落
しました。その後、日米とも株価は反発の方向にはありますが、特に日経平
均は、下げも大きく、反発力も弱く、一進一退の状況が続き、底打ち・反転
が見通せない状況が続いています。
 米株価の大幅下落の契機になったのは、米長期金利の上昇です。米FRBが、
利上げと資産縮小に動く中でも米10年国債利回りは2%台前半で推移してい
ました。しかし、トランプ政権が年末に1.5兆ドルにも及ぶ大規模な減税法
案を成立させ、1月末にはインフラ投資(公共投資)として当初の1.0兆ドル
から1.5兆ドル規模に拡大、更に連邦債務の上限を、今後2年間で3000億ドル
引き上げることで議会との合意が成立するなど、政府債務の増大、米国債増
発の懸念が浮上し、10年国債利回りが2月5日には2.883%、12日には2.893%
に上昇(国債価格は値下り)したことです(2月23日には2.954%と3.0%に
接近し3.0%超が強く意識されています)。
 加えて、2月2日米労働省発表の1月雇用統計で、「非農業部門の雇用者数」
が前月比20万人増と市場予想の平均を上回り、失業率も4.1%。時間当たり
賃金が前年比2.9%増と2009年6月以来の高い伸びになったことです。米株市
場では、景気が好調に推移するにも拘わらず、物価と賃金の上昇率が低く、
FRBの利上げペースも慎重で緩やかなものに止まるとの予想が多く、長期金
利も大きく上がらず適温相場が続くとの期待感がありましたが、いよいよ賃
金、物価の上昇が始まるのではとの懸念が高まり、FRBが引き締め強化へ舵
を切るのでは、との懸念が高まったこととされます。
 なお、1日の内に、これだけ大きく変動した要因として、日米とも、コン
ピューターやAIを使った高速のプログラム売買の普及が一因とされています。
運用会社の「リスク・パリティ戦略」や「ターゲット・ボラティリィティー
戦略」などの商品では、例えば、債券が金利上昇で価格が下がるとリスク量
を調整するために株式を売却することになるとされます。株式市場の変動と
逆の値動きをするように設計され、VIX指数の変動率が高まると値下がりす
る「S&P500VIXインバース型」のETNが29400円から96%安の1146円に値下が
りして早期償還されるなど、投資家には損切を迫られたケースが多々見られ
たとされています。プログラム運用は、一旦下げが一定の幅に達すると急速
に売りが増加し、下げが下げを呼ぶのでその影響も大きいとされています。
 東京市場が、震源地のNYより下げがきつく戻りが弱いのは、為替が対ドル
に対し円高に振れていることが大きいとされます。今3月期の企業業績は、
多くの企業で大幅な増収増益が見込まれています。関心は来期(19年3月期)
ですが、今後の為替見通し如何では、来期の想定為替レートを100円近辺の
円高方向に修正することになり、大幅な増収増益は期待し難くなるとの懸念
があることが大きいとされています。
 但し、世界経済は依然、拡大方向にあります。OECDの見通しも、6ヵ月程
度先の景気動向を示す先行指数が12月まで18ヵ月連続で、前月比でプラスを
維持していて当面景気回復が継続する見通しです。2018年から19年にかけて
世界経済を牽引すするのは米国をはじめとする先進国と見られています。先
進国は長期停滞に陥っていた原因の一つである設備投資の沈滞が、経営者の
先行き見通しに対する自信回復と、AI(人工知能)、IOT、ロボット化(工
場、物流等の自動化、省力化)など情報系技術の革新に牽引される形で拡大
が見込まれています。トランプ政権の、本来必要としない好調な経済環境の
中での大型減税、公共投資による景気刺激策も、企業の成長力を高め、拡大
局面が長期化する要因と見込まれています。
 今回の市場変動が相当大幅な下落であっただけに、底打ち・反転には少し
時間が必要でしょう。今回の急落が、大手金融機関の自己勘定取引で大きな
損失が発生していて金融システムに影響が及ぶことがなければ、長期的成長
の過程での調整として記録されることになると言われます。
 従来、低金利と緩和的金融環境下で、株高・債券高(金利低下)が併存す
るという、金融の原理原則からは外れた“幸福な”状態が続いていましたが、
今回の下げは、原理原則の世界へ戻るきっかけになるかもしれません。
 FRBのパウエル新議長の議会証言と3月FOMCの審議等、市場の信任を問われ
る局面が続きます。
                      (平成30年2月26日 記)
 ◆◇◆

★年金トピックス――――――――――――――――――――――――――
 国内債券・内外株式は削減トレンド、オルタナティブ投資に存在感
  ―政策アセットミックス「2017年日経企業年金実態調査より―

        NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士
        DCアドバイザー・ファイナンシャルプランナー
                             植村昌機
 ◇◆◇
 政策アセットミックスは、確定給付型企業年金において、期待収益率を達
成するための中長期的に維持すべき資産配分で、基本ポートフォリオともい
う。
 2017年日経企業年金実態調査で、企業年金の政策アセットミックスの状況
を調査した。
 「国内債券」「国内株式」「外国債券」「外国株式」「短期資産・その他」
の5資産で構成する政策アセットミックスについて、配分割合を調査した。
「一般勘定」と「オルタナティブ投資」は、伝統的な資産とは別に管理して
いる企業年金も多いことから5資産とは別に調査している。
 企業年金全体の配分比率を前回16年調査と比較すると、国内債券、国内株
式、外国株式、一般勘定の配分が減り、外国債券、短期資産・その他、オル
タナティブ投資が増えた。

 1. 国内債券が3年連続で縮小、国内株式も縮小が顕著
 国内債券は、前回調査に比べて1.42%低下し、配分割合は34.59%だった。
依然として最も配分の多い中核の資産ではあるが、3年連続で減少した。201
5年以降、低金利政策が続く中で、配分を減らす動きは続いている。
 株式の配分割合を縮小する傾向も続いている。国内株式は、前回より0.99
%減り、12.96%に、外国株式は、同0.35%減り12.59%となった。足元では
国内外の株式市場は堅調だが、収益の変動の大きい株式の配分を減らす動き
は、リーマンショック後に継続している。
 株式を減らす動きは長らく続いてきたトレンドだが、特に国内株式を減ら
す動きが顕著だ。外国株式との配分割合の差をみると、10年前の08年調査で
は、国内株式が27.49%に対して外国株式17.49%と、10%の開きがあった。
今回の調査では、その差が0.37%に縮まっている。海外の経済成長への期待
が大きいことから、内外株式の配分割合に差が出ているようだ。すでに国内
外の配分割合が逆転している企業年金も多いようだ。

 2. オルタナティブ投資は4年連続、外国債券は6年連続で増加
 最も配分割合を高めた資産は、オルタナティブ投資だ。政策アセットミッ
クスに占める割合は13.62%と、前回から1.78%増加した。4年連続で増加し、
この変動幅は各資産クラスでは最も大きい。また、外国債券も前回より0.6
%増加し11.68%となり、6年連続で増加した。

 3. 政策アセットミックスの期待収益率は、2.28%、リスク(標準偏差)
は5.18%
 期待収益率を下げる動きは、08年調査開始以降に継続した動きである。従
って、リスク(標準偏差)は、5.18%と、2010年以降下がり続けている。株
式の割合を減少して期待収益率を下げ、リスクを抑えると同時に、海外資産
の割合を増やしてホームバイアス(国内の投資先に偏重)を修正している。

 4. 今後、配分割合を増やしたい資産は、オルタナティブ投資。減らした
い資産は国内債券
 企業年金の29.5%が、オルタナティブ投資の比率を増やすと回答。前回よ
り3.9%多かった。減らすという回答は、2.9%であった。減らしたい資産は、
国内債券で25.1%、増やすは2.7%であった。運用資産全体に占めるオルタ
ナティブ投資の割合は、13.62%。10〜20%が43.7%、20%以上が37.4%で、
いずれも前回よりも多い。

 5. 政策アセットミックスの今後の方向性
 見直す計画があるが32.8%。そのうち18年3月までに43.5%、19年3月まで
(18年度)33.9%の変更を想定している。
 政策アセットミックスを策定する際に重視する項目で最も回答が多かった
のは「各資産固有のリスクの大きさに基づいて資産配分を決める」で、64.5
%と前回より5.7%上昇した。「長期運用を想定し5年程度は変えない」が
55.2%の回答であった。「1年程度の短期に見直す」は9.2%であった。
 ◆◇◆

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┃ ■年金相談の現場から(75)
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 年金分野におけるマイナンバー制度の導入について

   NPO金融年金ネットワーク 1級FP技能士・社会保険労務士 小野隆璽
 ◇◆◇
 個人情報の流出問題により、日本年金機構ではマイナンバーの利用が延期
されていましたが、平成28年11月11日政令が公布され、日本年金機構におい
てもマイナンバーの利用が可能となりました。
 それにより、平成29年1月以降「年金受給権者現況届」においてマイナン
バーの記入欄が設けられ、マイナンバーを記入することにより、翌年以降の
現況届の提出が不要となりました。そして、その後も順次「年金請求書」や
各種請求書においても、住民票コード記載欄がマイナンバー記載欄へと様式
変更され、記入することにより生年月日確認に関する書類(住民票等)の添
付が不要となりました。
 また,マイナンバーの情報連携政令が、平成29年11月15日公布・施行され、
情報提供ネットワークシステムを利用した情報提供及び情報照会が可能とな
りました。これにより、平成30年3月5日以後、以下のとおり各種届書の変更
や添付書類の省略などが順次実施されることになります。

 1. 平成30年3月5日から実施
 原則としてマイナンバーにより各種届書(資格取得関係届、国民年金保険
料免除・納付猶予申請書など)の提出を行うことになります。
 しかしながら、年金制度においては、被保険者・受給権者等の中に、海外
居住者等、住民登録をしていない人が含まれているため、このような人につ
いては、引き続き基礎年金番号による届出等も行えるものとされています。
 なお、日本年金機構から送付されるターンアラウンド方式による申請書や
各種通知書については、これまでどおりマイナンバーではなく基礎年金番号
を印字して送付されます。
 すなわち、被保険者や受給権者側から提出するものは、原則としてマイナ
ンバーを記入して提出し、マイナンバーは重要な個人情報ということもあり、
日本年金機構から送付されるターンアラウンド方式の書類等については、こ
れまでどおりマイナンバーではなく基礎年金番号を印字して送付されるとい
うことです。

 2. これからの取扱い変更内容(時期未定)
 (1)国民年金保険料免除・納付猶予申請書に別世帯配偶者がいる場合にお
いては、申請書に別世帯配偶者の個人番号を記載のうえ提出することになり
ます。(平成31年1月以降に実施予定)
 (2)継続免除・継続納付猶予を希望する人に配偶者がおり、配偶者の状況
に変更があった場合(結婚・離婚・別世帯・別世帯から同一世帯等)には、
配偶者状況変更届を提出しなければならなくなります(平成31年7月以降に
実施予定)。

 (1)(2)については、マイナンバーの登録により、各種情報が把握できるこ
とによる添付書類の省略が可能となるわけですが、身分関係を明らかにでき
る戸籍謄(抄)本情報は情報連携できていないため、配偶者の状況に変更が
あった場合などは、届出をしなければならないことになるわけです。

 (3)原則として世帯全員の住民票および所得証明書の添付を省略できる取
扱いとされます(時期未定)。
 なお、身分関係を明らかにするための戸籍謄(抄)本、診断書、死亡診断
書の写し等は現行どおり添付省略はできません。
 (4)20歳前障害基礎年金、特別障害給付金、老齢福祉年金の受給権者の毎
年の所得確認については、原則として、所得状況届の提出が不要とされます
(時期未定)。
 (5)失業等による特例免除申請については、雇用保険加入であった離職情
報の証明書類の添付を省略できる取扱いとされます(時期未定)。
 なお、学生納付猶予の申請時の在学証明書等については、現行どおり添付
省略はできません。また、生活扶助受給者の法定免除に関する届出について
も、当分の間、現状どおりとされます。

 以上のとおり、今後マイナンバーの活用により、添付書類の省略などが可
能となりますが、省略できない書類やこれまでどおり届出しなければならな
いこともありますので、手続きにおいては今後とも留意しなければなりませ
ん。
 ◆◇◆

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┃ ■NPOアクティビティー
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出版のお知らせ―――――――――――――――――――――――――――
 ◇◆◇
 《最新版・2018年版》 平成30年2月28日発売!!
 「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2018年版
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 共編
 A4判・140頁・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 確定拠出年金法と確定給付企業年金法の公布から16年が経過し、この間、
退職給付会計の導入、運用難による年金資産の積立不足、厚生年金基金の代
行返上、税制適格退職年金の廃止等を契機に、退職給付制度の再編が進行し
てきました。
 厚生年金基金や税制適格退職年金から確定給付企業年金に移行後に、国際
会計基準(IFRS)や財政運営基準の厳格化の動向をにらみ、キャッシュバラ
ンス・プランや確定拠出年金に切り換える動きも出てきています。確定拠出
年金も、2016年6月より普及の拡大に向け改正法が施行されています。さら
に、厚生年金基金改革法が2014年4月に施行され、解散や移行先制度の検討
等、企業年金の再編は第二のステップに入りつつあります。
 本書は、2004年11月に2005年版を創刊以来、本年版で14冊目になります。
本年版は、旧版のデータ等を最新のものに改訂すると共に、確定給付企業年
金に関する記述を拡大・加筆。掛金拠出の弾力化、リスク分担型企業年金の
概要を解説。確定拠出年金改正法の概要、年金ガバナンス体制の見直し・強
化等、大幅に加筆しました。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組員の皆様が、公的年金から
会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのため
には、年金制度の基本知識と制度再編に際して従業員サイドからの留意点を
組織内で共通認識することが第一歩です。そこで、本書をテキストや副読本
として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加盟単組からの
ご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も見受けられる
ようになりました。

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 《最新版》平成28年8月23日発売!!
 「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第4版)
 ―2016年法改正対応― 日本労働組合総連合会
 NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク:共編
 A4判・122頁・頒価1部1,500円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 本ハンドブックは、施行16年目を経過した確定拠出年金制度が法律制定の
趣旨にそって、「公的年金と相まってサラリーマンの老後生活保障の柱」の
一翼を担える制度に仕上がっていくように、との期待をこめて、主として加
入者、労働組合の立場から課題と対応の「考え方」を示したものです。私た
ちの活動の中から、これまでに経験した事例や課題・問題点を踏まえて整理
を行いました。
 第I部部は、確定拠出年金制度の概要と基礎知識を法律に沿って解説、第
II部部は、制度のポイントである「運用」と「教育」についての考え方と提
言について述べています。
 本書は、旧版のデータを最新のものに改めにとともに、2016年の法改正に
対応し大幅に書き直し、第4版として発行するものです。
 すでに、退職給付制度の一部または全部を確定拠出年金に移行した労組の
皆様には、制度の運営改善に、これから移行が想定される皆様には、制度設
計・運営のご参考になれば幸いです。
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 書籍のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 →http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm
 お問い合わせ、お申し込みは
 NPO金融年金ネットワーク事務局(
 または電話(03-5444-0539)、FAX(03-5444-0303)まで。

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●次号(第168号)は4月2日に送信の予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
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