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┃       金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン

┃                    第168号  2018年4月2日
┃   NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
┃             ホームページ http://kinyunenkin.jp/
┃     フェイスブック https://www.facebook.com/kinyunenkin/
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 このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場
 から退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している
 「NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金
 ネットワーク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関す
 る情報や意見交換のスペースをご提供することを目的にしています。企
 画・編集には(株)格付投資情報センターのご協力を頂いています。
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■■ 目次 ■■
●特集レポート
 企業年金コンサルティングの現場から(151)
●NPOトピックス
 ★今からでも聞いてみよう投資の話(42)
  スチュワードシップ・コード改訂について(2)
 ★マーケットトピックス
  市場の波乱も一旦底打ちか トランプ政権に振り回される年になるか
 ★年金トピックス
  高齢社会対策大綱、“私的年金の普及、充実を図る”
●年金相談の現場から(76)
 平成30年4月からの年金額は据え置きとなります
●NPOアクティビティー
 出版のお知らせ
 ◇最新版・2018年版 平成30年2月28日発売!
 「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2018年版
 ◇最新版・平成28年8月23日発売!
 「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第4版)
 ―2016年法改正対応―

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┃ ■特集レポート
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 企業年金コンサルティングの現場から(151)

                (株)武南企業年金事務所代表 坂井信夫
 ◇◆◇
 日本年金機構が個人データの入力を委託していた会社が、中国企業に再委
託していたという報道されている。またも年金記録に関するスキャンダルが
発覚したといえる。
 安倍政権にとって年金記録問題は鬼門なのだろうか。多数の加入者の年金
記録が消失したとして大騒ぎとなった「消えた年金」騒動であるが、あれは
第一次安倍政権の時が発端であった。そしてそれは当時の社会保険庁を解体
するほどの激震となったわけだが、果たして今回はどうだろう。データの流
出等による実害が出てくるようなら、騒動が大きくなるかもしれない。
 それにしても委託先の責任者のコメントはいただけない。自分が役員を務
める会社への再委託は契約違反とは思わなかったという感覚はどうしたもの
だろうか。個人データを扱うという慎重を要する業務は、同じ社内でもそれ
にかかわる人間以外は排除するのが一般的であろう。データの入力ミスによ
り年金額が間違っていたという実害の報道もされている。技量といい感覚と
いい、大いに疑問の残る委託先業者といえよう。
 政権にとって鬼門と書いたが、実は年金制度を享受していくうえで、年金
記録を正確に記録することはとても大切である。そしてこの認識は、「消え
た年金」騒動で我々が得た教訓だったのではないだろうか。年金の個人記録
とは、年金を受給するまでの、長期に渡る現役時代の蓄積である。仮に複数
の会社に勤めたならば、その長い期間で蓄積したものをつないでいき、年金
受給額に反映させるわけだが、その記録を突き合わせる際に大きなカギとな
るのは「本人の記憶」である。何という会社に勤めていたのか、屋号ではな
く正しい社名やその所在地が口をついたろうか。勤務していた頃の正確な年
齢が出てきただろうか、あるいは当時は違う名前(苗字)で勤めていたとい
うことはなかっただろうか。ある会社に勤めていた頃の記録がないという案
件、確かに中には職員の入力ミスによるものもあったと思う。しかし、それ
が記録消失の原因のすべてでもないだろう。
 人間は「忘れる」動物であるから、昔のことを正確に記憶できているかと
いえば、心もとないこともある。従って記憶が新鮮なその時点その時点で、
そこまでの記録に不備がないかを「コツコツ」検証していくことが現実的な
対応である。そのために誕生したのが今の年金定期便であることを思い出し
ていただきたい。
 もし再委託先から個人データが流失していたならば、今後記録の正確性が
ゆらぐ事態も発生するかもしれない。公的年金自体は「公助」であるが、そ
の記録に関しては自分で守るという「自助」の意識が必要なのだと、あらた
めて申し上げたい。
 そして最後に思うことであるが、日本年金機構は外部委託そのものをやめ
てはどうだろう。もし人手が足りなければ内製化し、自ら選んだ意識の高い
プロに仕事を任せるべきである。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOトピックス
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★今からでも聞いてみよう投資の話(42)――――――――――――――――
 スチュワードシップ・コード改訂について(2)

          NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 今回はスチュワードシップ・コードについて、厚生労働省の取り組みをご
紹介します。同省は2016年10月から2017年3月にかけて企業年金関係者を交
えて「スチュワードシップ検討会」を開催しました。そこで最終的にまとめ
られた報告書の概要について見ていきます。当時スチュワードシップ・コー
ドを受け入れた企業年金基金は7団体でした。しかし、直近の公表では28団
体に増えています。このように企業年金基金といえども「資産保有者」とし
ての機関投資家という位置づけでスチュワードシップ・コードを受け入れる
ことの意義が問われ始めたといえます。スチュワードシップ・コード活動は、
加入者の将来の所得確保という観点において、受託者責任を果たすことに寄
与すると考えられているからです。
 具体的な企業年金基金の役割と意義についての基本的な考え方は以下のと
おりです。

 (1) 運用受託機関をモニタリングすることによって、投資先企業の企業価
   値向上等を通じ、中長期的な投資リターンを獲得する。
 (2) 社会的インフラである金融市場の健全で持続的な発展に貢献する。
 (3) インベストメントチェーンの中での責任を果たす。

 等です。
 しかし、企業年金基金は資産規模が多様であり、必ずしもスチュワードシ
ップ・コードを受け入れる余裕がない団体も考えられます。この点は現在も
同コードのフォローアップ会議で答えが出ていないところですが、費用や効
率を考え一定の書式をつくり、作業の軽減化を図るべきとの意見があります。
一方で、資産規模の大きい確定給付年金基金ほど関心が高いという調査もあ
り、この点は喜ばしいことではあります。こうした実態を踏まえコスト増の
懸念、作業負担の増加、本来の業務が滞る心配、などの声を解消するために、
まず実務的な作業負担軽減を模索しているように見受けられます。
 次に企業年金基金の運用の多くはアセットマネージャーへの委託運用が主
体になります。その際の対応としては、運用機関に対してスチュワードシッ
プ活動を行うように求めることや、運用機関に対する定期的なモニタリング
を行い、運用機関や運用ファンドの見直しを行うことが望ましいとされてい
ます。具体的には、企業年金基金はスチュワードシップ責任に対し明確な方
針を策定し、ホームページに掲載する、受託する運用機関はスチュワードシ
ップ・コードの受入れ表明を行い、その履行を求める、企業年金基金は委託
運用機関から報告を求め、これらの状況を企業年金基金はホームページ等で
報告する、などです。なお、企業年金基金が様々な環境で実施できない時は、
その旨を説明することにより、スチュワードシップの受入れを免れることは
できます。
 ◆◇◆

★マーケットトピックス―――――――――――――――――――――――
 市場の波乱も一旦底打ちか トランプ政権に振り回される年になるか

                 NPO金融年金ネットワーク
                 DCアドバイザー・CFP   宮本一弘
 ◇◆◇
 2月初旬に続いて、3月も不安定な相場展開が続いています。2月は、大型
減税と、景気好調の中でのインフラ・公共投資の計画により財政赤字が拡大
するのではないかとの不安と、1月の雇用統計が好調で、市場予想を超えて
賃金上昇率が高まり、インフレ率上昇、景気過熱の懸念から、長期金利が上
昇(国債売り。価格は下落)、割高感の高まった株式市場が大きく値下がり
しました。その影響で東京市場も大きな波乱に見舞われました。
 3月は、日本では、3月12日に財務省が「森友文書の書換え」を認めて以来、
政局が混乱。米国でもトランプ政権内で、CEA委員長の辞任、国務長官、国
家安全保障担当補佐官、退役軍人長官の解任、大統領の主任弁護士の辞任等
が続き、政権の安定感が不安視されているなかで、22日には、米通商法301
条に基付いて中国の知的財産権侵害に対する制裁的関税措置、23日には、23
2条による鉄鋼とアルミニウムの輸入制限措置を発動しました。
 日米両国の“政治リスク”の急速な高まり、米:EU、米:中の報復関税の
応酬から貿易戦争に発展するのではないかとの懸念が広がって、世界経済の
順調な拡大に何となく、暗雲が漂って来たのではないかとの見方も出て来て
います。但し、最初は強く出るが、最終的には中庸に落ち着くトランプ流の
ディール(取引)型の政治手法を見てか米国株式市場は一応の安定を取り戻
し、債券市場でも米長期金利(10年国債利回り)が2月21日の2.954%を天井
に、若干下がって2.8%台に落ち着いています。しかし、リスク回避から円
高が進み3月20日の106.53円から23日には節目とされた105円を突破して104.
74円まで進みました。今後、為替の円高傾向への転換と世界経済の減速懸念
から来期の企業業績への影響を見守りたいとの見方で東京市場の波乱が継続
していて3月23日には、終値で20617.86円まで下がり、昨年10月以来5ヵ月ぶ
りの安値を付けています。
 しかし、世界の景気を牽引する米国経済の足元の状況は、依然好調が継続
しています。3月のOECD(経済協力開発機構)の2018年の米GDP成長率見通し
は2.9%、19年も2.8%と前回見通しから上方修正しています。
 FRBは3月21日のFOMC(連邦公開市場委員会)で、政策金利の誘導目標を0.
25%引き上げ、1.50〜1.75%とすることを決定しました。声明では米GDP成
長率を2.7%と前回見通しから0.2%上方修正、失業率も第4四半期で3.8%と
改善方向で修正しています。物価上昇率は第4四半期には1.9%に高まり、20
20年には目標をやや上回る2.1%に達すると見ています。注目された年内の
利上げ予想回数は、あと2回で合計3回との見通しを維持しました。しかし、
FOMCメンバーによる将来の利上げ予測をまとめた「ドット・チャート」によ
ると、年内4回を予想するメンバーも増えている上、2020年の政策金利見通
しも3.4%と、0.5%引き上げられています。FRBのパウエル議長は会見で、
「税制改革が投資を促進し、労働参加率を高めることで、生産性を上げるこ
とができる」と述べた反面、「大統領が提唱する3%の成長率目標は、大方
のエコノミストが持続可能と見るペースを“大きく超える”」、「米政府の
輸入関税にたいし、企業経営者が懸念を深めている」(「」括弧内、ロイター
:3月22日)とコメントしました。
 さて、4月、新年度に入りましたが今年度(2019年3月期)の企業業績を見
通す上で、やはり、11月に行われる米中間選挙をにらんだトランプ政権の、
“貿易戦争をいとわない”と公言し、“国益第一”の政策と連動しやすい対
ドル為替レートの方向でしょう。3月23日、USTR(米通商代表部)は鉄鋼・
アルミ製品の輸入制限措置の適用範囲の詳細を示しました。世耕経産大臣は
事前には、日本は品目別にかなり除外される可能性が高いとの見解を示して
いましたが、フタを開けてみればEU,メキシコ、カナダ、オーストラリア、
アルゼンチン、ブラジル、韓国まで除外されましたが、日本は中国とともに
適用国にされました。そのうえ、ライトハイザーUSTR代表は、日本とのFTA
(自由貿易協定)の締結を求めているとの報道もあります。2国間のFTAを締
結すれば、牛肉、豚肉など農産物の対日輸出拡大への期待が高められ、これ
ら農産物の輸出州はトランプ政権支持のところが多く、FTA締結の方向性だ
けでも日本に認めさせたいと考えているとして不思議ではありません。
 米国が対日通商政策で「強硬」な方針を明確にしたと市場が認識すれば「ド
ル安・円高」を志向しているとして円高観測が強まるでしょう。市場の一部
では、実質実効為替レートでみた購買力平価は95〜100円/ドル程度との試算
もあり、通年でこのレベルで推移すれば19年3月期の利益の伸びは、1桁台前
半、かろうじて利益を確保できるかという水準まで落ち込みかねないとの見
方もあります。
 株式市場は、いったん底を打ったようにも見えますが、ここは少し慎重な
見方が必要でしょう。
                      (平成30年3月29日 記)
 ◆◇◆

★年金トピックス――――――――――――――――――――――――――
 高齢社会対策大綱、“私的年金の普及、充実を図る”

        NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士
        DCアドバイザー・ファイナンシャルプランナー
                             植村昌機
 ◇◆◇
 政府は、今後の高齢社会政策の指針となる「高齢社会対策大綱」を、2月
16日の閣議で決定した。高齢期に備えた資産形成を促進するため、個人型確
定拠出年金(iDeCo)などの私的年金だけでなく、中小企業退職金共済(中
退共)や、つみたてNISA(積み立て型少額投資非課税制度)の普及、充実を
図るとした。公的年金では、受給を70歳以降でも認めることや、厚生年金の
加入者の拡大などを盛り込んだ。
 高齢社会対策大綱は、原則5年ごとに見直している。大綱の改定は2012年9
月以来。今回は、高齢期の所得となる年金の在り方について見直しを求めて
いる。
 そのうえで、私的年金については、「公的年金を補完し、個人や企業など
の自助努力により、高齢期の所得確保を支援する重要な役割を担っている」
と普及、充実の必要性を訴えている。そのうえで、iDeCoと確定給付企業年
金(DB)に言及している。
 iDeCoについては、「加入者範囲の拡大」と「中小企業が利用しやすい制
度の導入の周知」などを提案している。iDeCoが60歳までしか加入できない
ことから、「加入者範囲の拡大」は60歳以降も加入できることを想定してい
ると思われる。中小企業に対しては、5月から 従業員が100人以下の企業に
勤める人がiDeCoに加入する場合、事業主が掛金を上乗せ拠出できる「中小
事業主掛金納付制度」が始まる。この制度の周知のために厚生労働省は18年
度予算に計上している。
 DBについては、リスク分担型企業年金などの周知が盛り込まれた。この制
度は、事業主が財政悪化に備えてあらかじめ上乗せ掛金を拠出するもので、
想定を超えて財政悪化した場合は給付で調整する仕組み。企業会計上は確定
拠出年金(DC)として処理できるメリットがあり、企業年金制度の選択肢と
なる。2017年1月から導入可能だが、18年3月時点で3件の実績しかない状況
で、周知が必要である。中退共の普及促進をあげたのは、老後所得として退
職金の果たす役割が大きく、中小企業は独力で退職金制度を持つのが困難な
ためその普及を図るとしている。
 つみたてNISAについては、老後の資産形成手段であり、特に勤労者に身近
になるよう「職場環境の整備を促進する」として、職場でのつみたてNISAの
啓発を促進する方針を示した。まず、国家公務員を対象に職場つみたてNISA
の導入を啓発する方針だ。さらに、地方公共団体や企業への普及につなげる
ことも盛り込んでいる。
 公的年金については、現在、受給開始年齢は65歳となっており、70歳まで
の繰下げ支給が認められているが、70歳以降も選択可能とするなど受給者に
とって柔軟で使いやすいものになるよう検討する。在職老齢年金については
年金財政への影響や高齢期の多様な働き方に対応する観点から、制度の在り
方を検討する。被用者保険の拡大は、短時間労働者に対する保障を厚くする
ことなどが狙い。現在は、従業員500人以下の企業は社会保険の適用は任意
となっているが、さらなる被用者保険の拡大に向けた検討が必要としている。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■年金相談の現場から(76)
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 平成30年4月からの年金額は据え置きとなります

   NPO金融年金ネットワーク 1級FP技能士・社会保険労務士 小野隆璽
 ◇◆◇
 平成30年度の年金額は、年金額改定に用いる名目手取り賃金変動率がマイ
ナス(▲0.4%)で物価変動率がプラス(0.5%)となることから、新規裁定
年金・既裁定年金ともに「年金額のスライドなし」とされます。また、マク
ロ経済スライドによる調整は行われず、未調整分は来年度以降に繰り越され
ることになります。
 そこで、今回は年金額改定のルールと、それによる平成30年4月からの年
金額を説明させていただきます。

1. 年金額改定のルールによる平成30年度の年金額
 年金額は現役世代の賃金水準に連動する仕組みとなっています。年金額の
改定ルールは、法律上規定されており、年金を受給し始める際の年金額(新
規裁定年金)は名目手取り賃金変動率によって改定し、受給中の年金額(既
裁定年金)は購買力を維持する観点から物価変動率によって改定することに
なっています。また、賃金水準の変動がマイナスで物価水準の変動がプラス
となる場合には、年金を受給し始める際の年金額(新規裁定年金)、受給中
の年金額(既裁定年金)ともに、「年金額のスライドなし」とされることと
なっています。
 そして、平成30年度の指標となる賃金変動率はマイナス(▲0.4%)、物
価変動率はプラス(0.5%)となったため、平成30年度の年金額は、新規裁
定年金、既裁定年金ともに、「年金額のスライドなし」とされます。
 なお、再評価率表の率の改正等により、年金額改定が行われる場合があり
ます。

2. 平成30年度のマクロ経済スライドの調整
 平成28年に成立した年金改革法により、マクロ経済スライドの調整方法の
変更がなされ、平成30年4月から施行されます。
 これは、マクロ経済スライドによって前年度よりも年金の名目額を下げな
いという措置は維持した上で、未調整分を翌年度以降に繰り越す仕組みが導
入されました。
 これにより、平成30年度のマクロ経済スライドによるスライド調整(▲0.3
%)が行われなかった▲0.3%分が平成31年度の年金額改定にキャリーオーバ
ーされることになるわけです。
 なお、平成26年財政検証では、スライド調整率は▲1.1%〜▲1.2%と見込
まれていましたが、60歳以上の高齢者雇用が見込みよりも進んだことなどに
より厚生年金被保険者が増加したことで、実際のスライド調整率は見込みよ
りも低くなっています。

■平成30年度のスライド調整率(▲0.3%)
 =公的年金被保険者数の変動率(0.0%)
  ×平均余命の伸び率(▲0.3%)

3. 平成30年度の年金支払い
 以上のように、平成30年4月分からの年金は「スライドなし」とされます
ので、4月・5月分の支払いの6月15日振込み額はこれまでと同額となります。

4. 平成30年4月からの主な年金額
(1)老齢基礎年金(満額の場合) : 779,300円(月額:64,941円)
(2)遺族基礎年金 : 779,300円(月額:64,941円)
○子が1人いる妻に支給される場合:
779,300円+224,300円(子の加算)=1,003,600円(月額:83,633円)
○子供に支給される場合:
 年金額の合計金額を子供の数で割り、その割った金額がそれぞれの子供に
支給されます。
 子1人の場合:779,300円(月額:64,941円)
 子2人の場合:779,300円+224,300円=1,003,600円÷2=501,800円(月額
:41,816円)がそれぞれに支給されます。

(3)障害基礎年金(1級) : 974,125円(月額:81,177円)
*障害基礎年金(1級)は、障害基礎年金(2級)の1.25倍であり、1円単位
となっています。
○子が1人いる場合 :
974,125円+224,300円(子の加算)=1,198,425円(月額:99,868円)

(4)障害基礎年金(2級) : 779,300円(月額:64,941円)
○子が1人いる場合 :
779,300円+224,300円(子の加算)=1,003,600円(月額:83,633円)
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┃ ■NPOアクティビティー
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出版のお知らせ―――――――――――――――――――――――――――
 ◇◆◇
 《最新版・2018年版》 平成30年2月28日発売!!
 「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2018年版
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 共編
 A4判・140頁・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 確定拠出年金法と確定給付企業年金法の公布から16年が経過し、この間、
退職給付会計の導入、運用難による年金資産の積立不足、厚生年金基金の代
行返上、税制適格退職年金の廃止等を契機に、退職給付制度の再編が進行し
てきました。
 厚生年金基金や税制適格退職年金から確定給付企業年金に移行後に、国際
会計基準(IFRS)や財政運営基準の厳格化の動向をにらみ、キャッシュバラ
ンス・プランや確定拠出年金に切り換える動きも出てきています。確定拠出
年金も、2016年6月より普及の拡大に向け改正法が施行されています。さら
に、厚生年金基金改革法が2014年4月に施行され、解散や移行先制度の検討
等、企業年金の再編は第二のステップに入りつつあります。
 本書は、2004年11月に2005年版を創刊以来、本年版で14冊目になります。
本年版は、旧版のデータ等を最新のものに改訂すると共に、確定給付企業年
金に関する記述を拡大・加筆。掛金拠出の弾力化、リスク分担型企業年金の
概要を解説。確定拠出年金改正法の概要、年金ガバナンス体制の見直し・強
化等、大幅に加筆しました。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組員の皆様が、公的年金から
会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのため
には、年金制度の基本知識と制度再編に際して従業員サイドからの留意点を
組織内で共通認識することが第一歩です。そこで、本書をテキストや副読本
として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加盟単組からの
ご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も見受けられる
ようになりました。

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 《最新版》平成28年8月23日発売!!
 「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第4版)
 ―2016年法改正対応― 日本労働組合総連合会
 NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク:共編
 A4判・122頁・頒価1部1,500円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 本ハンドブックは、施行16年目を経過した確定拠出年金制度が法律制定の
趣旨にそって、「公的年金と相まってサラリーマンの老後生活保障の柱」の
一翼を担える制度に仕上がっていくように、との期待をこめて、主として加
入者、労働組合の立場から課題と対応の「考え方」を示したものです。私た
ちの活動の中から、これまでに経験した事例や課題・問題点を踏まえて整理
を行いました。
 第I部部は、確定拠出年金制度の概要と基礎知識を法律に沿って解説、第
II部部は、制度のポイントである「運用」と「教育」についての考え方と提
言について述べています。
 本書は、旧版のデータを最新のものに改めにとともに、2016年の法改正に
対応し大幅に書き直し、第4版として発行するものです。
 すでに、退職給付制度の一部または全部を確定拠出年金に移行した労組の
皆様には、制度の運営改善に、これから移行が想定される皆様には、制度設
計・運営のご参考になれば幸いです。
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 書籍のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 →http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm
 お問い合わせ、お申し込みは
 NPO金融年金ネットワーク事務局(
 または電話(03-5444-0539)、FAX(03-5444-0303)まで。

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●次号(第169号)は5月1日に送信の予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
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ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
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