ホームへ メールマガジン登録


□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□

┃       金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン

┃                    第169号  2018年5月1日
┃   NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
┃             ホームページ http://kinyunenkin.jp/
┃     フェイスブック https://www.facebook.com/kinyunenkin/
□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□
――――――――――――――――――――――――――――――――――
 このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場
 から退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している
 「NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金
 ネットワーク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関す
 る情報や意見交換のスペースをご提供することを目的にしています。企
 画・編集には(株)格付投資情報センターのご協力を頂いています。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
■■ 目次 ■■
●特集レポート
 企業年金コンサルティングの現場から(152)
●NPOトピックス
 ★今からでも聞いてみよう投資の話(43)
  スチュワードシップ・コード改訂について(3)
 ★マーケットトピックス
  米国金利上昇が波乱要因に 日本は緩和継続、今期見通しに注目が
 ★年金トピックス
  個人型確定拠出年金(iDeCo)のマッチング「中小事業主掛金納付制度」
  の概要公表
●年金相談の現場から(77)
 第3号不整合記録のある年金受給者の年金減額について
●NPOアクティビティー
 1. 出版のお知らせ
 ◇最新版・2018年版 平成30年2月28日発売!
 「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2018年版
 ◇最新版・平成28年8月23日発売!
 「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第4版)
 ―2016年法改正対応―
 2. セミナーのお知らせ
 NPO法人DC協会主催「年金・退職金総合アドバイザー取得講座」

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■特集レポート
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 企業年金コンサルティングの現場から(152)

                (株)武南企業年金事務所代表 坂井信夫
 ◇◆◇
 厚生労働省によると、個人型確定拠出年金(以下「iDeCo」と表記)の加
入者が、平成30年2月末時点で約81.7万人に達した。これは前年同期の約
37.9万人に対して約2.1倍増の数字である。
 iDeCoは平成29年1月、基本的に20歳以上60歳未満のすべての日本人が加入
可能になった。制度自体が誕生したのは平成13年のことで、以降およそ15年
が経過した平成28年12月末時点の加入者数がようやく30万人を超えた。それ
が平成29年1月の制度改正から1年数ヵ月の間に2.7倍近く加入者数が増えた
ことになる。
 この数字だけを見ていくと、制度改正はまず順調な滑り出しという見方も
できる。しかし、気になる点がある。下記のデータは、iDeCo加入者とその
被保険者別内訳である。

〔データ(単位:万人)〕
 年 月  |加入者数| 第1号 | 第2号 | 第3号 |
平成30年 2月|  81.7|  11.7|  67.8|   2.2|
平成29年 2月|  37.9|   8.2|  29.3|   0.4|

 被保険者別でみると第2号の増加数が著しいことがわかる。これは「運営
管理機関」の看板を掲げている各金融機関が、具体的に企業組織にアプロー
チできるルートを持っているから起こっている変化であろう。(その場合は
おそらく、業者としての特定の運営管理機関が当該組織の加入員にかなり食
い込んでいることだろう。それについて是非はあるが、「企業型」に近い構
造になれば、加入後の投資教育機会などで加入者にメリットとなることもあ
るかもしれない。)
 それに対して、直近1年間の第3号の伸び率はすごいが、第1号、第3号とも
加入者総数、という点ではまだまだこれから、という気がする。この「進捗
度」の差は、おそらく第2号と違って、各運営管理機関が個人を一本釣りし
なければならないことが一つの要因と思われる。ただ、第1号・第3号への普
及が進まなければ「全国民型」にした意味は半減してしまう。
 iDeCoはもちろん加入しなければ始まらないのだが、加入後の資産運用の
あり方を考えることも同じくらい重要である。しかし第1号・第3号の加入者
が、制度加入後の投資教育に触れる機会にはあまり恵まれないのが現状であ
ろう。これは大きな課題と言えるのではないか。実際に筆者も昨年、第1号・
第3号被保険者の方を何名かiDeCoにいざなった。ただ、制度のイロハから資
産運用までを一度に説明するのはとても量が多いため、まずは加入手続きま
でを主眼にレクチャーし、その後、資産運用についてレクチャーするプラン
で話を進めた。しかし結局、資産運用をレクチャーする機会を提供できたの
は、加入された方のまだ一部にとどまっている。
 気になるのは、加入手続きの話は聞きたいが、資産運用の話については、
またの機会でいいです、というような「温度差」を感じることである。
 たとえどんなに様々な情報が存在しても、人は「それを聞こう」という意
識がなければ、仮に目や耳に触れたとしても、その情報を受け止めることは
ないであろう。「長期投資」への興味が国民的に高まってこそ、iDeCoの存
在意義がある、と言ったら言い過ぎか。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOトピックス
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★今からでも聞いてみよう投資の話(43)――――――――――――――――
 スチュワードシップ・コード改訂について(3)

          NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 少し話が前後しますが、金融庁によるスチュワードシップ・コード等のフ
ォローアップ会議では、2016年の11月に同コードのあり方について意見書が
まとめられました。副題として「企業の持続的な成長に向けた『建設的な対
話』の充実のために」とあります。経営陣・取締役会が果たすべき役割や機
能を踏まえたうえで、様々な直接・間接的な利害関係者(ステークホルダー)
と適切な協働によって、中長期的な視点に立った企業経営を行っていこうと
いう趣旨です。そうした企業の持続的成長を目指すための一つの手段として、
スチュワードシップ・コードやコーポレートガバナンス・コードの導入・実
践を進めていこうとしている訳ですが、その具体的な提言がこの意見書に述
べられています。そして、2017年の5月にこの意見書に沿った形でスチュワー
ドシップ・コードの改訂がなされました。
 大きくは資産運用機関による実効的なスチュワードシップ活動、アセット
オーナーによる実効的なチエックとなっています。細かく見ていくと、運用
機関に対しては、そもそも運用機関自身のガバナンス強化、そして系列会社
との関係から利益相反が生じていないか、などの管理を求めています。これ
は運用機関の顧客に対する資産保護が根底にあるためですが、顧客という概
念は個人の場合もあれば、公的年金や企業年金基金(アセットオーナー)の
ように年金加入者・受給者を代表する団体などもあります。つまり、資金の
拠出者を意味します。利益相反管理は少しわかりづらいですが、運用機関の
多くは系列に銀行や証券などの金融機関があります。運用機関が運用の際伴
う行動のうち、証券売買の発注や証券の管理、投資信託の販売、などは銀行
や証券が仲介しています。その際に顧客の利益を損なうような取引や手数料
設定などが行われていないかどうか疑念を生じさせないようにするというこ
とです。
 こうした運用機関の基本姿勢の徹底のほかに、運用機関としての能力向上
やそのための人材育成の取組推進、株主総会議案に対し適切な議決権行使を
行っているかの透明性確保のための公表の実施、など対応が急務となってい
ます。その他には、パッシブ運用における投資家と企業との対話を今後どう
進めていくのか、運用機関の自己評価をどう知らせていくのか、など今後の
課題も指摘されています。
 アセットオーナーによる実効的なチエックについては、まずアセットオー
ナー自身が人材不足とはいえ、スチュワードシップ活動が行える環境づくり
を可能な限り作っていくべきであろうとしています。それが困難であれば運
用機関に対して実効的なスチュワードシップ活動を求めていくべきであるし、
可能であれば運用機関との対話を通じてアセットオーナーの主体的な意見を
述べることが推奨される、など最終受益者に対する利益確保に努力すべきで
ある、などとしています。
 ◆◇◆

★マーケットトピックス―――――――――――――――――――――――
 米国金利上昇が波乱要因に 日本は緩和継続、今期見通しに注目が

                 NPO金融年金ネットワーク
                 DCアドバイザー・CFP   宮本一弘
 ◇◆◇
 4月20日、北の朝鮮労働党大会での金委員長の「核実験、中距離・大陸間
弾道弾発射の中止」と、「豊渓里の核実験場の閉鎖」を発表する報道が飛び
込んできました。また、ポンペイオ米CIA長官(次期国務長官)が極秘裏で
訪朝、金委員長との協議が伝えられるなど、6月初旬までに開催が予定され
ている米朝首脳会談に向けて、様々な駆け引きが続いていて、その都度、「地
政学リスク」として市場の波乱要因になっています。既に保有している核兵
器の扱いに言及していないことや、これまでの“実績”から楽観視は出来ま
せんが、緊張緩和に向けた動きとしては評価されています。
 米国経済は、4月18日FRBが発表した「地区連銀報告」(ベージュブック)
によると、「全地区で緩やかに拡大を続けた」と前回と同じ総括判断を維持
しました。物価は「全地区で緩やかに上昇」。雇用も労働市場の逼迫が続き、
人材確保が難しいと報告されましたが「賃金上昇は緩やか」で「賃金上昇の
圧力は高まっていない」と指摘しています。追加関税で鉄鋼価格が上昇し、
一部で「急騰した」。建設資材や輸送費も上昇、「価格に転嫁する動き」も
見られました。今回の報告は、「通商政策」(関税)に関する記述が多く、
様々な産業から懸念の声が相次いでいるとして「経済活動と見通しに深刻な
不確実性をもたらしている」、「高賃金の米製造業の雇用やビジネスに打撃
を与えている」等の報告が紹介されています。
 追加関税については、4月11日公表の3月のFOMC(公開市場委員会)の議事
要旨にも「関税自体には大きな影響は持たないが、報復合戦になれば米経済
の下振れリスクになる」と明記されているのが目を引きます。FRBが通商政
策に言及することは珍しく、企業心理の悪化で投資や雇用が下振れするリス
クを不安視しているといえます。
 好調を持続している経済環境の中で、政権は昨年末、10年間で1.5兆ドル
の大型減税と2年で歳出を3000億ドル増やす予算関連法も成立させています。
更に公共投資(インフラ投資)として10年間で1.5兆ドルの財政支出を計画
しています。
 米議会予算局(CBO)は4月9日、2020年度(19年10月〜20年9月)に財政赤
字が1兆ドルを超え、28年度には1.5兆ドルに拡大するとの見通しを発表しま
した。大統領の予算教書では、17年度赤字6650億ドルから20年度には9870億
ドルまで拡大するが以後は、減税が企業の設備投資を後押しして、GDPが3%
まで高まり、税収を確保できるとして28年度には3630億ドルに縮小できると
していますが議会と政権の見通しの乖離が大きくなっています。
 これに伴って、米国の長期金利は上昇傾向にあって、4月23日には10年国
債利回りが遂に3.00%の大台を付けました(国債価格は値下がり)。3.00%
乗せは実に2014年1月以来です。
 米国の大型減税と財政支出の拡大が、世界経済の拡大に繋がるとの見通し
から、運用資金が商品市場へ流入、サウジの減産継続もあり原油価格がじり
じりと上がり始め、現在約68ドルが70ドルを超え、80ドルを超えるとする市
場関係者の見方もあります。
 米国では、ここへ来て人手不足の影響で新規採用者の賃金に上昇傾向が現
れるなど、長期金利の上昇、原油価格の値上がり、賃金上昇の動き、物価上
昇などインフレの側面が表面化しつつあるように見受けられます。景気の過
熱から利上げペースが早まると順調な拡大に水を差すことになり兼ねません。
 さて、日本ですが、企業の18年3月期の決算発表が本格化しています。先
期の決算は全般に好調で2桁増益、最高益を更新する企業が少なくありませ
ん。注目は、今期(19年3月期)の業績見通しの方向性です。証券各社のア
ナリストの業績予想からは経常利益(除く金融)は9%程度の増益が予想さ
れていますが、想定為替レートの水準が注目されます。各社105円程度に設
定すると見られていますが、日経ヴェリタス526号(4月8日)に、主力業種
の採算の取れる円レートとして平均が100.6円。精密(94.1円)、電機(97.1
円)、機械(98.0円)、輸送用機器(100.1円)、繊維(105.8円)、鉄鋼
(107.9円)とあり、各社海外への事業展開が進んで100円前後の円高では黒
字を維持すると紹介されています。今期の予想経常増益率は105円で7.0%、
110円で8.7%、115円になると2桁増益の10.4%。100円でも5.3%の増益予想
です。経常収支の黒字の多くは輸出の数量効果ではなく資本収支ですから円
換算のバランスシートへの影響はより直接的になります。通商問題如何で為
替レートが円高に振れる事態は警戒が必要でしょう。国会が空転していて、
その原因が首相自身にあることから市場の一部では、安倍退陣を織り込みつ
つあるとも言われています。市場の急変も考え、慎重な対応が必要な局面で
す。
                      (平成30年4月25日 記)
 ◆◇◆

★年金トピックス――――――――――――――――――――――――――
 個人型確定拠出年金(iDeCo)のマッチング
 「中小事業主掛金納付制度」の概要公表

        NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士
        DCアドバイザー・ファイナンシャルプランナー
                             植村昌機
 ◇◆◇
 国民年金基金連合会は、個人型確定拠出年金(iDeCo)で5月から始める
「中小事業主掛金納付制度」について概要と必要書類を公表した。iDeCoに
おける「中小事業主掛金納付制度」は、従業員100名以下の企業を対象に設
けられた制度で企業年金制度を実施していない企業が対象となる。従業員が
iDeCoを利用する際に事業主が従業員のiDeCoに掛金を追加拠出できる仕組み。
掛金は、月5,000円から、企業年金のない会社員の拠出限度額上限である23,
000円までの間で設定する。掛金を年単位や年2回など拠出することもできる。
労使の掛金もそれぞれ1,000円単位で設定する。掛金の決め方について、企
業型確定拠出年金のマッチング拠出のように「加入者が拠出する掛金額が事
業主の掛金額を超えてはならない」という制限はない。従って、事業主が月
額1,000円、従業員が4,000円というように、従業員の拠出割合が高い状態で
もよく、その逆でもよい。
 事業主掛金の金額変更は「12月〜翌年11月の間」で1回のみできるが、変
更に当たっては労使合意が必要な上、対象者に通知する必要がある。変更の
結果、事業主の掛金を増額することによって上限額の23,000円を超える場合
は、従業員の掛金を引き下げて上限額とする。逆に、事業主が掛金を減額し
て労使合計の掛金額が5,000円を下回る場合は、従業員が掛金を増額する手
続きをとって、下限額とするよう求めている。必要な手続きをしなかった場
合は、労使双方の掛金の引き落としを停止する。掛金額が上限額を超え、ま
た下限額を下回る場合は、国民年金基金連合会は該当者に通知するとしてい
る。また、従業員によく説明するように求めている。
 中小事業主掛金納付制度を利用しようとする企業は、国民年金基金連合会
と地方厚生局の双方に対して承認手続きをとる。人数要件などを確認するた
めに、事業主に対して年1回は従業員数などを届ける必要がある。その上で、
従業員数、氏名、事業主掛金額など変更があった場合は、速やかに国民年金
基金連合会と地方厚生局に届けることを求めている。
 中小事業主掛金納付制度の導入のメリットは、中小企業において自前で企
業年金制度を立ち上げるより、福利厚生制度として導入しやすく、比較的利
用しやすい、効果的な制度と思われる。
 注意すべきポイントは、導入や廃止、掛金変更などについて「労使合意」
が必要で、制度創設、掛金や従業員の変更など届け出など、すべて事業主の
責任において説明・届出しなければならない。また、iDeCoに加入していな
い・できない従業員にたいして、手当等で支給しないと差別することになる。
事業主掛金と従業員掛金を合計し、期日厳守で納付しなければならない。前
納・後納は認められないことで事業主の事務負担が増加する。
 確定拠出年金制度は、有力な資産形成ツールとして重要性を増し、制度改
善が想定される。また、企業にとっては人材確保のための必要なインフラと
して、戦略的な活用が期待されます。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■年金相談の現場から(77)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 第3号不整合記録のある年金受給者の年金減額について

   NPO金融年金ネットワーク 1級FP技能士・社会保険労務士 小野隆璽
 ◇◆◇
 今年2月のメールマガジンで説明させていただいた「第3号不整合記録問題
の対応策」における国民年金の第3号被保険者から第1号被保険者となったに
もかかわらず、必要な届出が行われなかったために、第3号被保険者のまま
となっている第3号不整合記録の特定受給者のうち、平成30年4月以降に老齢
基礎年金等が減額となる見込みの人に対して、老齢基礎年金等の減額の見込
み等を記載したお知らせが送付されています。
 その「お知らせ」のパターンは以下の2つです。

 1. 老齢基礎年金等の減額の見込み及び特例追納可能期間を記載したお知
らせ
 特例追納することにより、現在の年金額に近づけることができる人に送付
されており、「年金額が減額になる見込みと特例追納可能期間など」が記載
されています。

 2. 老齢基礎年金等の減額の見込みのみを記載したお知らせ
 特例追納制度の利用可能期間がない人又は特例追納しても減額される年金
額(9割保障)を超えないと見込まれる人に送付されており、「年金額が減
額になる見込み」のみのお知らせが記載されています。
 そして、これらの人(代理人含む)から、(1)なぜ年金が減額されるのか?
(2)減額されない方法はないのか? (3)減額される金額の計算根拠をキッチ
リと示してほしい、という相談が寄せられています。
 そこで、以下に特定受給者の年金額や減額にかかわる計算根拠等を記載し
ます。かかわりのない方々にとっては、年金制度は難しいという点をご理解
いただくだけでよいと思います。

 (1)特定受給者の年金減額について
 老齢基礎年金について、特定保険料納付期限日の属する月の翌月(平成30
年4月)から、保険料の納付実績に応じた年金額が支給されます。
 ただし、従前の年金額の9割が保障されます。(従前の年金額の計算にお
いて、付加年金や振替加算は含まれません。)
 なお、減額される年金額の初回の支払い日は6月15日であり、平成30年5月
以降に送付される「支給額変更通知書」にて減額された振込み額が通知され
る予定です。

 (2)相談事例におけるQ&A
 昭和8年5月生まれの女性の代理(息子さん)が、「母にお知らせが届いた
が、なぜ減額されるのか? また、減額される金額(年額)とその計算根拠
を教えてほしい。」との相談に来られました。
 ●女性の年金加入期間は以下のとおりです。
  〔 平成30年3月までの老齢基礎年金に反映される期間と年金額 〕
    第1号納付期間 : 245ヵ月
    第3号納付期間 : 54ヵ月  計:299ヵ月
     *平成30年3月までの老齢基礎年金額:789,155円(振替加算含む)
  〔 平成30年4月からの老齢基礎年金に反映される期間 〕
    第1号納付期間 : 245ヵ月
    第3号納付期間 : 19ヵ月(▲35ヵ月) 計:264ヵ月

 [Q&A-1] 減額される理由
 ご主人が退職したにもかかわらず、35ヵ月間第3号被保険者のままとなっ
ており、第1号への種別変更と保険料納付がなされなかったため。

 [Q&A-2]老齢基礎年金額の減額される額(年額)
  A(これまでの年金額):779,300円×299/384=606,798.6≒606,799円
  B(本来の年金額):779,300円×264/384=535,768.7≒535,769円
  C(9割保障額):606,799円×0.9=546,119.1円≒546,119円
   *B<Cのため、C(9割保障額)が支給:A-C=60,680円が減額

 [Q&A-3]平成30年4月からの減額された老齢基礎年金額(年額)
   546,119円+182,356円(振替加算)=728,475円

 [Q&A-4]年金総額からみた実質的な減額率
   728,475円÷789,155円≒0.923=>減額率は約92.3%

 相談にあたっては、以上のような説明を行い、ご理解をいただく必要があ
ります。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOアクティビティー
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. 出版のお知らせ ―――――――――――――――――――――――――
 ◇◆◇
 《最新版・2018年版》 平成30年2月28日発売!!
 「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2018年版
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 共編
 A4判・140頁・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 確定拠出年金法と確定給付企業年金法の公布から16年が経過し、この間、
退職給付会計の導入、運用難による年金資産の積立不足、厚生年金基金の代
行返上、税制適格退職年金の廃止等を契機に、退職給付制度の再編が進行し
てきました。
 厚生年金基金や税制適格退職年金から確定給付企業年金に移行後に、国際
会計基準(IFRS)や財政運営基準の厳格化の動向をにらみ、キャッシュバラ
ンス・プランや確定拠出年金に切り換える動きも出てきています。確定拠出
年金も、2016年6月より普及の拡大に向け改正法が施行されています。さら
に、厚生年金基金改革法が2014年4月に施行され、解散や移行先制度の検討
等、企業年金の再編は第二のステップに入りつつあります。
 本書は、2004年11月に2005年版を創刊以来、本年版で14冊目になります。
本年版は、旧版のデータ等を最新のものに改訂すると共に、確定給付企業年
金に関する記述を拡大・加筆。掛金拠出の弾力化、リスク分担型企業年金の
概要を解説。確定拠出年金改正法の概要、年金ガバナンス体制の見直し・強
化等、大幅に加筆しました。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組員の皆様が、公的年金から
会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのため
には、年金制度の基本知識と制度再編に際して従業員サイドからの留意点を
組織内で共通認識することが第一歩です。そこで、本書をテキストや副読本
として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加盟単組からの
ご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も見受けられる
ようになりました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 《最新版》平成28年8月23日発売!!
 「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第4版)
 ―2016年法改正対応― 日本労働組合総連合会
 NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク:共編
 A4判・122頁・頒価1部1,500円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 本ハンドブックは、施行16年目を経過した確定拠出年金制度が法律制定の
趣旨にそって、「公的年金と相まってサラリーマンの老後生活保障の柱」の
一翼を担える制度に仕上がっていくように、との期待をこめて、主として加
入者、労働組合の立場から課題と対応の「考え方」を示したものです。私た
ちの活動の中から、これまでに経験した事例や課題・問題点を踏まえて整理
を行いました。
 第I部部は、確定拠出年金制度の概要と基礎知識を法律に沿って解説、第
II部部は、制度のポイントである「運用」と「教育」についての考え方と提
言について述べています。
 本書は、旧版のデータを最新のものに改めにとともに、2016年の法改正に
対応し大幅に書き直し、第4版として発行するものです。
 すでに、退職給付制度の一部または全部を確定拠出年金に移行した労組の
皆様には、制度の運営改善に、これから移行が想定される皆様には、制度設
計・運営のご参考になれば幸いです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 書籍のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 →http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm
 お問い合わせ、お申し込みは
 NPO金融年金ネットワーク事務局(
 または電話(03-5444-0539)、FAX(03-5444-0303)まで。
2. セミナーのお知らせ ―――――――――――――――――――――――
 NPO法人DC協会主催「年金・退職金総合アドバイザー取得講座」

 年金制度全般にわたる基本的な知識が身に付きます。労働組合、企業、年
金基金などで年金業務に係る方々の受講をお勧めします。当NPOが講師を務
めます。

 ●「企業年金制度の概要」6月13日
 ●「企業年金制度の再編」6月20日
 ●「確定拠出年金の制度設計と運用、教育に係る法制度」7月4日
 ●「確定拠出年金における運用と教育の考え方」7月11日

 いずれも18時30分から2時間。会場は御茶ノ水「中央大学駿河台記念館」
 お申込み、お問い合わせはDC協会、
   電話 03-3222-6113
   メール master@nenkinnet.org

――――――――――――――――――――――――――――――――――
●次号(第170号)は6月1日に送信の予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
 → 
※禁・無断転載 このメールマガジンの著作権は上記発行者に帰属します。




ホームへ メールマガジン登録