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┃       金 融 年 金 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン

┃                    第179号  2019年3月1日
┃   NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク メールマガジン
┃             ホームページ http://kinyunenkin.jp/
┃     フェイスブック https://www.facebook.com/kinyunenkin/
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 このメールマガジンは、「連合」と提携して、労働組合・勤労者の立場
 から退職給付制度に関するコンサルティングや投資教育を展開している
 「NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク(略称:NPO金融年金
 ネットワーク)」が企画・編集・発行するものです。金融・年金に関す
 る情報や意見交換のスペースをご提供することを目的にしています。企
 画・編集には(株)格付投資情報センターのご協力を頂いています。
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■■ 目次 ■■
●特集レポート
 企業年金コンサルティングの現場から(162)
●NPOトピックス
 ★今からでも聞いてみよう投資の話(53)
  コーポレートガバナンスについて(9)〜フォーチュン誌から〜
 ★マーケットトピックス
  今年の4大リスク 着地点は
 ★年金トピックス
  大手電機の企業年金制度、財務リスク軽減相次ぐ
●年金相談の現場から(87)
 国民年金被保険者の産前産後期間の保険料免除について
●NPOアクティビティー
 出版のお知らせ
 ◇《最新版・2019年版》 平成31年2月28日発売!!
 「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2019年版
 ◇《最新版》平成30年6月29日発売!!
 「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第5版)
 ―2018年法改正対応―

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┃ ■特集レポート
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 企業年金コンサルティングの現場から(162)

                (株)武南企業年金事務所代表 坂井信夫
 ◇◆◇
 人生100年とするならば。
 大学を卒業して会社勤めを始めるとすれば、順当な場合それは23歳の年。
そこから定年までの65歳までの42年間が仕事で収入を得る「現役」の期間。
そして65歳から100歳までの35年間が「老後」とするなら、人生の3分の1超
が「老後」ということになる。
 そんな老後の生活がどのようなものになるかは、この現役の42年間に「ど
のように備えるか」によるのかもしれない。そして老後の備えというと真っ
先に貯蓄(=預貯金)を思い浮べるのではないだろうか。
 豊かな老後を過ごすためにいくらの資金が必要か、いろいろな情報が流れ
ている。その一つ一つを吟味しようとは思わないが、老後に備える資産とし
ての預貯金については、その気になる点を二つあげておきたい。一つは現下
の低金利、二つ目はインフレへの対応、である。
 仮に3000万円の預金を年利5%で預ければ、利息収入は150万円、手取りで
も120万円以上になる。毎月10万円を生活費の補てんにあてても元本は変わ
らない。しかし現在の1年物定期預金金利は0.01%程度であろうか。3000万
円の預金も金利年1%なら利息額は30万円、年0.01%ならそれは3,000円であ
る。そんな低金利下では月10万円の生活費を補てんすることは、年間120万
円ほど元本を取り崩すことである。そしてそれは25年間で底をつくペースで
あり、仮に65歳から取り崩し始めるとすれば、90歳の時に底をつく。100歳
までまだ10年ある。
 二つ目のインフレについて。我々は長いことデフレの下で生活しているか
ら忘れかけているかもしれないが、老後のための預貯金とは、生活費の補て
んであり、すなわち消費にあてられるものであるのなら、実質価値が維持さ
れることがのぞましい。物価が上昇して生活費の補てん額が11万円、12万円
と増加すれば、取り崩しペースもそれだけ早まることになる。
 金利と物価は一方だけが変動するというものではなく、ともに景気動向の
影響を受けるものではある。物価が上昇すれば金利も上がる、ということも
当然考えられる。しかし、一昔前のように、黙って貯金していれば資産が増
えたことが実感できる、ということもなかなか考えづらいのではないだろう
か。
 元本が減らないという安心感で、確定拠出年金の運用を「預貯金のみ」と
している方もいるだろう。もちろんそれも一つの考え方であるが、消費者物
価指数(総合)の上昇率は2018年平均で1%という水準であることは、念の
ため付記しておきたい。
 人生100年として、現役時代にやっておくことは、「これだけ!」という
わけにはかないようである。諸事情許すなら「老後」を短くするという努力
も必要なのではないだろうか。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOトピックス
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★今からでも聞いてみよう投資の話(53)――――――――――――――――
 コーポレートガバナンスについて(9)〜フォーチュン誌から〜

          NPO金融年金ネットワーク 証券アナリスト 塩見雅史
 ◇◆◇
 米国のビジネス誌フォーチュンが、昨年8月に「Change the World 2018(世
界を変える企業)」を発表しました。世界を変える企業とはCSVの考え方を
基礎として、企業活動を通じて社会や環境に影響を与えた企業とされ、4年
目となる2018年は57社が選出されました。ちなみに1位はインドの通信会社
リライアンス、2位が米国の製薬会社メルク、3位が米国の金融会社バンク・
オブ・アメリカでした。日本企業では31位のトヨタ自動車1社のみでした。

 トヨタ自動車が選定された理由は、ロボティックスの研究に熱心で、歩行
補助機器・システムを創作し、イスラエルロボティックス研究所への投資も
行った、などとしています。ロボティックスといえば需要分野はやはり自動
運転車になります。運転には認知・判断・操作の能力が要求され、まさにロ
ボティックスの研究領域といえます。ところで、トヨタのホームページを見
てみると、CSVという言葉は見つかりませんでした(見落としがあるかもし
れませんが)。サステナビリティという考え方にトヨタの精神が述べられて
いるものと思われます。同社の基本理念の2つ目に、「各国、各地域の文化、
慣習を尊重し、地域に根ざした企業活動を通じて、経済・社会の発展に貢献
する」としており、その行動指針も示されています。これらをステークホル
ダーとの関係においてまとめられたものが、CSR方針「社会・地球の持続可
能な発展への貢献」になります。その中には地域社会・グローバル社会への
環境・社会・社会貢献に対する考え方が示されています。一方で、サステナ
ビリティ課題もあるとして、サステナビリティ会議、ESG委員会において定
期的に議論を深め、進捗を確認していくとしています。

 CSVの記述がなくても1例として識者からはハイブリッドカーは環境負荷低
減に寄与することから、CSVと考えられるという指摘をしています。ところ
で同社は「トヨタ環境チャレンジ2050」を策定しており、環境への6つのチ
ャレンジを示し、持続可能な社会の実現に貢献するとしています。また同社
は2012年に同アクアを発売以降、そのプロモーションのために始めたアクア・
ソーシャルフェスという一般参加型の「水」をテーマに森・川・里・海の清
掃活動を主にした地域貢献活動を行っており、現在もトヨタ・ソーシャルフ
ェスと名称を変えて続いています。こうした活動もCSVと考えられなくもあ
りません。同社の社会貢献はこれらに限ったことではなく、2017年度の社会
貢献活動費は約243億円だったとしています。

 過去にこの「世界を変える企業」に選出された日本企業にはPanasonicと
伊藤園がありました。Panasonicもトヨタ自動車と同様にCSVという表現は使
っていないようですが、伊藤園にはCSVの記述がありました。
 https://www.itoen.co.jp/csr/csrpolicy/
 ◆◇◆

★マーケットトピックス―――――――――――――――――――――――
 今年の4大リスク 着地点は

                 NPO金融年金ネットワーク
                 DCアドバイザー・CFP   宮本一弘
 ◇◆◇
 昨年の後半から今年に続く大きなリスク要因は、(1)米・長期金利の行方
(FRBの利上げと資産圧縮)、(2)3月末に期限が迫った英国のEU離脱(ハー
ド・ブレクジットの懸念)、(3)欧州景気の動向(仏・独の景気減速と独・
伊の銀行問題)、(4)米・中通商問題の行方、等ですが、その影響が景気指
標や企業業績の見通しの変化として表面化して来ました。
 米金融政策は、2月20日に公表された1月FOMC議事要旨によると、「『ほぼ
全ての参加者が、当局保有資産の縮小を年内に停止する計画をそう遠くない
将来に発表するのが望ましいとの考えを示した』、金利については、『イン
フレ率が基本見通しを上回った場合に限り利上げが必要になるとする一方、
経済が予想通りに展開した場合には年内の利上げは適切になるとする意見も
幾人かいた』と持続的な景気拡大と力強い労働市場、2%目標付近でのイン
フレ率を引き続き予想したが『最新の情報を評価しながら、辛抱強い、かつ
柔軟なアプローチを採用することが現時点では適切』とされた」(ブルーム
バーグ)。市場は好感をもって受け止め、NYダウは26,000ドル台を回復、長
期金利も2.5〜2.6%付近で安定して推移しています。為替も110円付近で安
定しているなど一旦落ち着いた状況にあります。
 また、FRBが利上げに慎重になったとの見方から、昨年ドルの米国への還
流から、急落していた新興諸国の通貨も回復に転じ、ここからは経済が好転
に向かう事も期待されます。
 英国のEU離脱問題は、EUと取り決めた離脱合意案が議会で、大差で否決さ
れたことで、「合意なき離脱」の可能性が高まりました。しかし、合意なき
離脱は、英・EU双方とも、経済界が“大惨事”になるとみていて、これを回
避する手段として、3月29日の離脱予定を最大21ヵ月間延期する案をEU側は
検討していると報じられています(ブルームバーグ)。「合意なき離脱」後
の経済活動が難しくなることを予想して、例えば、ホンダが英・スウィント
ン工場を21年中に閉鎖すると正式に発表。日産はSUV の次期モデルの生産を
英国以外に、トヨタも欧州向けの生産をトルコに移す可能性、と報じられる
など、影響が表面化して来ました。3月末に向けてメイ首相と英議会の動き
が注目されます。
 欧州経済は、牽引役のドイツが、10〜12月期GDP成長率が前期比0%で「横
ばい」になり、2期連続のマイナスは避けられたものの景気後退が懸念され
ます。中国経済との結びつきが深いことから米中間の貿易摩擦の激化に伴う
中国景気の減速が影響していると見られています。イタリアは既にリセッシ
ョン入りをしているとされイタリアの銀行の信用問題は、ドイツ銀行へも影
響が及びかねないとされます。ECBの政策委員のフランス中銀総裁は、18日、
「減速が一時的な現象でないことが明確になった場合、ECBは金利ガイダン
スを変更しうる(利上げ延期等)」(ロイター)と報じています。
 昨年の第4四半期以降、最大のリスク要因になった米・中通商問題では、
12月のトランプ・習会談で3月2日に予定していた2000億ドル分に対する10%
→25%への関税引き上げについて、90日間の猶予を設けて交渉をすることが
決まり、2月14日に北京、21日から4日間、ワシントンで、中国側は劉鶴副首
相、米国はライトハイザーUSTR代表とムニューシン財務長官による交渉が行
われました。「技術移転」、「知的財産保護(サイバー攻撃を含め)」、「非
関税障壁」、「サービス」、「農業」、「為替操作」の六分野について新華
社は、具体的な問題について「実質的に進展があった」との中国側の声明を
公表しました。トランプ大統領は、ツイッターで「十分な進展があった」と
して「関税の引き上げを延期する」(別のツイッターで1ヵ月程度)と表明、
「交渉が進展すれば習主席を米国へ招き」首脳会談で妥結を目指しています
が、上記六分野の前3分野は「中国製造2025」の根幹にかかわる事項であり、
容易には妥協できないと見られています。米国が強く求める「合意事項の履
行検証」にも言及はなく、経済面で大豆やLNGを中心に大幅に輸入を増やし
貿易赤字の縮小に努める、人民元安誘導を控えるとしても交渉は最終局面で
難航することも予想されます。
 米国の実体経済面では、12月の米国の小売売上高が、市場予想に反して前
月比1.2%減、過去9年ぶりの大幅減になりました。株安や政府機関の一部閉
鎖の影響が大きいとされます。また、1月の鉱工業生産指数が予想外の0.9%
のマイナスになったが、自動車及び同部品が8.8%低下したことが大きく製
造業全体としても8ヵ月ぶりの弱い数値になりました。米企業の、利益の見
通しがここ数ヵ月で急速に悪化。「S&P500」を構成する企業の第1四半期の1
株当たり利益のアナリスト予想平均はマイナス0.3%で、減益の見通しです。
昨年10月予想では8.2%の増益予想でしたから3年ぶりの減益になります。第
2四半期は若干の増益が予想されています。19年通年の見通しは10.2%増か
ら4.2%増に下がっています。「下方修正のスピードが速いので、今後も下
振れ基調は続く」(ロイター)との懸念が強まっています。
 日本も18年10〜12月期の「TOPIX」採用企業の決算は、売上高は4〜12月累
計で前年比3.9%増、経常利益は0.9%減で、増収減益になりました。通常、
景気が急悪化した場合は各国とも経済対策が講じられ、企業も固定費削減等
の合理化を進めるので翌年度は回復に転じるケースが多い。米中貿易摩擦の
影響は、10〜12月期とこの1〜3月期に大きく出ると予想されています。現在
は企業家心理も慎重になっていますがここからは上記リスクの減少に伴って
上昇に向かうことが期待されます
                       (平成31年2月26日 記)
 ◆◇◆

★年金トピックス――――――――――――――――――――――――――
 大手電機の企業年金制度、財務リスク軽減相次ぐ

        NPO金融年金ネットワーク 社会保険労務士
        DCアドバイザー・ファイナンシャルプランナー
                             植村昌機
 ◇◆◇
 大手電機メーカーの間で、確定給付企業年金制度(DB)運営に伴う財務リ
スクを軽減する動きが一段と際立ってきた。日立製作所は2019年4月にDB制
度をリスク分担型企業年金(年金財政のリスクを労使間でシェアする制度)
へ移行する。この制度を富士通も2018年6月にいち早く導入している。
 また、パナソニック2019年7月、ソニーは10月から、DBを確定拠出年金(D
C)へ移行し、退職給付債務の大幅な削減を実施する。

 日立製作所の企業年金制度は、DB(キャッシュバランスプラン・60%)、
DC(20%)、退職一時金(20%)である。そのうち、DB部分をリスク分担型
企業年金に移行する。日立のDBは2003年10月に、10年国債利回りの1年平均
を指標利率(上限4.5%、下限1.5%または下限予定利率のいずれか高い方)
とするキャッシュバランスプランとして発足した。
 近年、国債利回りは1%未満となり想定利回りより低い水準で推移してい
ることから、指標の見直しを迫られていた。このため、年金財政の健全性を
維持しつつ、企業の財務リスクを低減できる制度としてリスク分担型の導入
を決めた。
 リスク分担型は、将来発生するリスクを見込んだ「リスク対応掛金」を予
め上乗せ拠出する必要があるものの、想定を超えた積立不足が発生した場合
は給付で調整する仕組みになっている。また、会計上はDCとみなされ、退職
給付債務の認識は不要となる。日立製作所の退職給付債務は60%減少する。
キャッシュバランスプランの指標利率を見直すことによる財務リスクの増大
を避け、制度の持続性が高まると判断したとみられる。今後は、グループ会
社についても、順次、移行を進める方針だ。

 パナソニックは、7月より退職金・企業年金制度を改定し、「過去の積み
立て分の一部について、DBからDC制度へ移行」する。同社は、2013年7月に
「将来分」をDBからDCへ移行し、標準掛金の拠出先をDCへ一本化。これ以降、
パナソニック企業年金基金は、標準掛金を徴収しない閉鎖型制度に移行して
いた。今回は過去分の一部もDCへシフトする。
 DBからDC移行時の会計処理は、退職給付債務の減少分と対応する支払額と
の差額を損益認識する。パナソニックは、この過去分移行により、19年3月
期連結決算(国際会計基準)で、営業利益の「その他の損益」として829億
円の利益を計上する。
 パナソニックが2013年に実施した「将来分のDCへの移行」および「DB制度
の閉鎖化」は、富士電機も2014年4月に実施している。
 ソニーは、2019年10月より、エレクトロニクス部門の社員(約3万人)のD
B原資(過去分)をDCに移換する。同社は、2012年4月に新入社員の加入制度
をDCに一本化し、DB加入者である既存社員の将来分もDC移行していた。これ
により、退職給付債務は大幅に削減する。

 リスク分担型企業年金の導入に当たっては、財政悪化リスクを企業と従業
員等でどう負担するかについて、合意を得ることが前提となる。企業が負担
するリスクは、リスク対応掛金の拠出に限定され明確であるが、従業員等の
リスク負担がどうなるかは不確定である。
 複雑な仕組みなので、慎重な制度設計、従業員等へのコミュニケーション、
ガバナンスの強化が求められる。詳しくは「労働組合のための退職金・企業
年金ハンドブック2019年版」60頁をご参照下さい。

 DBからDC移行に関しては、従業員等のリスク負担が増加することから、想
定利回りを下げて掛金拠出を増やすことを検討すべきである。また、投資教
育の質と量を上げることが求められる。詳しくは「働く人のための確定拠出
年金ハンドブック第5版」51頁をご参照下さい。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■年金相談の現場から(87)
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 国民年金被保険者の産前産後期間の保険料免除について

   NPO金融年金ネットワーク 1級FP技能士・社会保険労務士 小野隆璽
 ◇◆◇
 国民年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料免除制度が、平成31年4月
1日から実施されます。
 これは、次世代育成支援のため、国民年金第1号被保険者の産前産後期間
の保険料が免除されるとともに、免除期間の基礎年金が保障(納付済という
扱い)されます。また、この財源として国民年金保険料を月額100円程度引
上げ、国民年金の被保険者全体で負担する、という改正です。
 なお、月額100円程度引上げとは、平成29年度から毎年度の国民年金保険
料が16,900円×保険料改定率で算定されているのですが、この基礎となる
16,900円を、平成31年度の国民年金保険料から100円引上げ、17,000円×保
険料改定率で算定されることになるためです。
 また、この改正は、平成26年4月に実施された産前産後休業期間中の厚生
年金保険料免除制度を受けて、これまで社会保障の対象外であった国民年金
の第1号被保険者向けにも配慮がなされることになるわけです。
 それでは、以下に国民年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料免除の
概要について、説明させていただきます。

 1. 産前産後免除期間について
 産前産後免除期間は、国民年金の第1号被保険者の出産予定日の属する月
の前月(多胎妊娠の場合は3ヵ月前)から出産予定月の翌々月までの期間(4
ヵ月間、多胎妊娠の場合は6ヵ月間)となります。
 なお、「出産」とは妊娠85日(4ヵ月)以上の分娩をいい、早産、死産、
流産及び人工妊娠中絶を含みます。

 2. 他の免除制度との関係等
 産前産後免除期間は保険料納付済期間に算入されるため、産前産後免除の
要件を満たしている場合には法定免除又は申請免除よりも優先されます。
 また、産前産後免除期間は、死亡一時金及び脱退一時金の支給要件におい
ても、保険料納付済期間に算入されます。

 3. 付加保険料について
 産前産後免除は、所得の有無にかかわらず保険料の負担を免除されるもの
であるため、当該期間についても付加保険料を納付することができます。

 4. 任意加入の被保険者について
 国民年金に任意加入している被保険者は、他の保険料免除や納付猶予と同
様に、産前産後免除には該当しません。

 5. 手続きについて
 国民年金の第1号被保険者が出産前に産前産後免除に係る届出を行う場合
は、出産の予定日の6ヵ月前から市区町村に届出を行うことができます。た
だし、平成31年4月1日の施行日以降にしか届出はできません。
 例えば、平成31年10月10日が出産の予定日である場合は、平成31年4月10
日以降に届出を行うことができます。
 なお、平成31年4月1日の施行日以前に出産した場合で産前産後免除の対象
となるのは、平成31年2月から3月に出産した場合のみであり、その場合にお
いても、産前産後免除期間は、平成31年4月以降の期間しか対象とならず、
届出も平成31年4月以降にしかできません。
 すなわち、平成31年2月に出産した場合は、産前産後免除期間は、平成31
年4月の1ヵ月分のみ対象となります。また、平成31年3月に出産した場合は、
産前産後免除期間は、平成31年4月〜5月の2ヵ月分のみ対象となります。

 6. 手続きにおける添付書類
 産前産後免除に係る届出を行う場合の添付書類は、以下のうち1つが必要
となります。
 (1)出産前に産前産後免除に係る届出を行う場合
 母子健康手帳、医療機関が発行した出産の予定日等の証明書その他の出産
の予定日を明らかにすることができる書類
 (2)出産後に産前産後免除に係る届出を行う場合
 戸籍謄(抄)本、戸籍記載事項証明書、出産届受理証明書、母子健康手帳、
住民票、医療機関が発行した出産の日等の証明書その他の出産の日及び身分
関係を明らかにすることができる書類。なお、届出時に、市区町村窓口にお
いて、住基システム等により出産の日及び身分関係が確認できる場合は、証
明書類の添付は必要ないものとされています。

 以上が国民年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料免除の概要です。
 この届出を行うことにより、4ヵ月間の国民年金保険料を納付する必要が
なく、かつ、将来の老齢基礎年金の年金額には4ヵ月分の保険料を支払った
ことで計算された年金が支給されることになるわけです。
 ◆◇◆

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■NPOアクティビティー
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出版のお知らせ―――――――――――――――――――――――――――
 ◇◆◇
 《最新版・2019年版》 平成31年2月28日発売!!
 「労働組合のための退職金・企業年金ハンドブック」2019年版
 日本労働組合総連合会/NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 共編
 A4判・140頁・頒価1部1,000円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 確定拠出年金法と確定給付企業年金法の公布から17年が経過し、この間、
退職給付会計の導入、運用難による年金資産の積立不足、厚生年金基金の代
行返上、税制適格退職年金の廃止等を契機に、退職給付制度の再編が進行し
てきました。
 厚生年金基金や税制適格退職年金から確定給付企業年金に移行後に、国際
会計基準(IFRS)や財政運営基準の厳格化の動向をにらみ、リスク分担型企
業年金や確定拠出年金に切り換える動きも出てきています。確定拠出年金も、
2016年6月より普及の拡大に向け改正法が施行されています。さらに、厚生
年金基金改革法が2014年4月に施行され、解散や移行先制度の検討等、企業
年金の再編は第二のステップに入りつつあります。
 本書は、2004年11月に2005年版を創刊以来、本年版で15冊目になります。
本年版は、旧版のデータ等を最新のものに改訂すると共に、確定給付企業年
金に関する記述を拡大・加筆。掛金拠出の弾力化、リスク分担型企業年金の
概要を解説。確定拠出年金改正法の概要、年金ガバナンス体制の見直し・強
化、働き方改革と企業年金等、大幅に加筆しました。
 会社から制度再編提案がなされた時点で、労組員の皆様が、公的年金から
会社提案まで内容を熟知していることが労使交渉のポイントです。そのため
には、年金制度の基本知識と制度再編に際して従業員サイドからの留意点を
組織内で共通認識することが第一歩です。そこで、本書をテキストや副読本
として、年金研修会、勉強会の実施をお勧めします。また、加盟単組からの
ご相談があった際に、本書を参考にして対応されている産別も見受けられる
ようになりました。

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 《最新版》平成30年6月29日発売!!
 「働く人のための確定拠出年金ハンドブック」(第5版)
 ―2018年法改正対応― 日本労働組合総連合会
 NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク:共編
 A4判・112頁・頒価1部1,500円(荷造り・送料実費を頂きます)
 ◇◆◇
 本ハンドブックは、施行16年目を経過した確定拠出年金制度が法律制定の
趣旨にそって、「公的年金と相まってサラリーマンの老後生活保障の柱」の
一翼を担える制度に仕上がっていくように、との期待をこめて、主として加
入者、労働組合の立場から課題と対応の「考え方」を示したものです。私た
ちの活動の中から、これまでに経験した事例や課題・問題点を踏まえて整理
を行いました。
 第I部部は、確定拠出年金制度の概要と基礎知識を法律に沿って解説、第
II部部は、制度のポイントである「運用」と「教育」についての考え方と提
言について述べています。
 本書は、旧版のデータを最新のものに改めにとともに、2018年の法改正に
対応し大幅に書き直し、第5版として発行するものです。
 すでに、退職給付制度の一部または全部を確定拠出年金に移行した労組の
皆様には、制度の運営改善に、これから移行が想定される皆様には、制度設
計・運営のご参考になれば幸いです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 書籍のお申し込み、お問い合わせ、ご質問、ご相談、研修会講師派遣のご
要望等ございましたら、下記までご連絡をお願い申し上げます。
 内容詳細は下記のURLをご覧ください。
 →http://kinyunenkin.jp/09syuppan.htm
 お問い合わせ、お申し込みは
 NPO金融年金ネットワーク事務局(
 または電話(03-5444-0539)、FAX(03-5444-0303)まで。

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●次号(第180号)は4月1日に送信の予定です。
【NPO金融年金ネットワーク・メールマガジン】
 企画・編集・発行:NPO法人 金融・年金問題教育普及ネットワーク
 協力:(株)格付投資情報センター
【メールアドレスの変更および配信中止/バックナンバー閲覧】
 → http://kinyunenkin.jp/08mailmaga.htm
【内容に関するご意見・ご感想】
本メールの送信アドレスは送信専用ですので、直接ご返信になることはでき
ません。ご意見・ご感想等は、下記アドレスまでお願い致します。
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