オール電化には光熱費が安く抑えられたり、安全性が高いなど多くのメリットがありますが、昼間の電気代が割高になるなどのデメリットも存在します。
しかしそれらデメリットはエコキュートやIH、家電などの使用タイミングなどで軽減することが可能です!
そこで今回は、オール電化にするメリット・デメリットやエコキュートやIHについて詳しくお話しします。
加えて後半では、導入の際の初期費用や電気代についても触れていきます。
では早速みていきましょう!
オール電化にするメリット・デメリット
オール電化にするメリット
オール電化にするメリットは以下の4点です。
- 光熱費をまとめることができる
- 電気代を安く抑えることができる
- 安全性が高い
- 環境にやさしい
順にみていきましょう。
光熱費をまとめることができる
オール電化にすることで、湯沸かしや調理も電気を用い行うためガスは使用しません。
そのため、通常電気とガスで料金が分かれていますが、オール電化にすると電気料金だけになります。
これにより、光熱費が一つにまとまり、普段の生活にどれぐらいのコストがかかっているかがひと目で分かるようになります。
このように、生活にかかるコストが分かりやすいというのは、家計管理における大きなメリットになります。
電気代を安く抑えることができる
電気やガスの使用には、基本料金という使用量とは別に毎月かかる費用があります。
オール電化にすることでガスの基本料金がなくなるため、基本使用料を安く抑えることができます。
その他オール電化では電気料金の安い夜間にお湯を沸かしたり蓄熱しておき、それらを日中お湯や暖房として使うという使い方ができます。
これらを上手く使用すれば電気代を安く抑えることができます。
安全性が高い
オール電化にすると住宅の安全性が高まります。
なぜなら、住宅内に石油やガスなどの熱源を持たないためです。
オール電化ではガス漏れや石油ヒーターによる火災、一酸化炭素中毒などのリスクがありません。
さらに、地震などの災害時、ライフライン(電気・水道・ガス等)の中で、電気が最も復旧が早いといわれています。
いざという時の安全性を考慮しても、オール電化が安心ですね。
環境にやさしい
ガスなどの化学燃料を用いるコンロやヒーターでは燃焼により二酸化酸素が発生します。
二酸化炭素などの温室効果ガスの増加は地球温暖化を促進する要因といわれており、環境に悪影響を及ぼします。
しかし電気を用いたIHクッキングヒーターや蓄熱暖房機では二酸化炭素を排出しません。
さらにエコキュートは空気中の二酸化炭素を取り込み発熱します。
そのため、オール電化は環境にもやさしい選択だと言えます。
オール電化にするデメリット
オール電化にはデメリットもあります。
- 昼間の電気代が高くなる。
- 初期費用が高い
- 停電時のリスクが高い
早速みていきましょう。
昼間の電気代が高くなる。
オール電化にすると、昼間の電気代は割高になり、夜間の電気代は割安になります。
そのため、昼間に使用するIHクッキングヒーターなどの調理器具や生活家電の使用に使う電気代は高くなります。
タイマーがセットできる家電では、料金が安い夜間に稼働するように設定するのも、電気代を安く抑えるポイントです。
初期費用が高い
メリットの多いオール電化ですが、実は初期費用が高いことでも有名です。
オール電化は手続き自体はすぐにできますが、エコキュートやIHクッキングヒーター、暖房器具などの設置が必要になります。
設備をどれだけ揃えるかにもよりますが、エコキュートやIHクッキングヒーターは必須となり、数十万円以上はかかる可能性があります。
月々の節約効果などのメリットを考え、どうするか決めたいですね。
停電時のリスクが高い
オール電化は名前の通り、調理や湯沸かし、暖房など全て電気で行います。
そのため、停電時には全ての家電が使用できなくなります。
特に問題なのは真冬です。
暖房機器が使用できないのは致命的ではないでしょうか。
湯に関しては既に沸かしている分は使用できますが、もちろん追加での湯沸かしはできません。
停電時に備え、別の暖をとる手段や調理機器を用意しておくことをおすすめします。
設置費用、工事費用ってどのくらいかかるの?
先ほど、オール電化は初期費用が高いとお話ししました。
ではその初期費用として必要な本体価格や設置費用、工事費用について詳しくみていきましょう。
IHクッキングヒーターの費用
本体価格 | 6〜15万円 |
設置費用、工事費用 | 1〜5万円 |
タイプにもよりますが、現在設置されているガスコンロを取り外し設置することができます。
しかし注意する点が一点あります。
ガスコンロに加えてガスオーブンも併設されている場合です。
ガスと電気の併用はできないので、ガスオーブンも交換するか、収納庫に入れ替えする必要があります。
その場合は本体価格や工事費用が高くなる傾向があります。
共通する工事としては、電気工事やガスの停止、配管の撤去などが必要になります。
エコキュートの費用
本体価格 | 20〜70万円 |
設置費用、工事費用 | 15万円 |
エコキュートは貯水タンクの容量やその他スペックにより価格に差が出てきます。
設置の際は、基礎・水道・電気工事が必要となり、現在の給湯器の種類や電気設備により費用が変わってきます。
床暖房・蓄熱暖房機の費用
床暖房(1畳あたり) | 蓄熱暖房機 | |
本体価格 | ※熱源(エコキュート)が必要 | 10〜30万円 |
設置費用、工事費用 | 5〜10万円 | 3〜5万円 |
床暖房や蓄熱暖房機は適応畳数や大きさにより価格が変わります。
最近は蓄熱暖房機より温水式床暖房がメジャーになりつつあるようです。
床暖房は床を温めるための熱源機と呼ばれるものが必要ですが、今回はオール電化にする前提ですので、熱源機はエコキュートとしています。
設置には電気工事や床の張り替え、補強費用などがかかります。
エコキュート・IH・蓄熱暖房機って?
オール電化でよく聞くエコキュート・IH・蓄熱暖房機。
名前は聞いたことがありそうですが、実際どんなものか知らない方も多いのではないでしょうか。
一つずつ詳しくみていきましょう。
エコキュート
ヒートポンプ方式を用いた給湯器のことです。
これまでの電気給湯器とは違い、空気から熱エネルギーを集めてお湯を沸かすことができます。
そのため、小さな力で大きな熱エネルギーを生み出すことができ、コストパフォーマンスも良く、環境にもやさしいことが特徴です。
この「環境にやさしい給湯器」という特徴から、エコキュートという名前になりました。
熱を生む出すヒートポンプユニットと温めた水を貯めておく貯水タンクが2つがセットとなっています。
IHクッキングヒーター
IHクッキングヒーターは電磁調理器と呼ばれるもので、ヒーターに電磁コイルが内蔵されています。
そのコイルに電流を流すことにより、調理器具自体を発熱させる原理です。
このIHクッキングヒーターもオール電化にする大きなメリットの一つと言えるのではないでしょうか。
今までお話ししたように、安全性や環境への配慮などもメリットですが、ガスコンロと比較した際の大きなメリットとして挙げられるのが、掃除の簡単さです。
IHクッキングヒーターは天板が平らであり、ガスコンロのような凹凸がありません。
調理後に汚れを拭き取るだけで簡単に綺麗になります。
蓄熱暖房機
蓄熱暖房機は、内部に熱を溜めておいて、必要に応じてファンなどを用いて調節して部屋を温めるヒーターのことです。
内部に蓄熱レンガといわれる熱を溜めるレンガが入っており、夜間にそれに熱を溜めておき、その熱を日中暖房として使用します。
安い深夜電力を使うことでガスなどの他の暖房器具より安く使用できるものになります。
しかし、上でもお話ししましたが、最近ではより電力効率の良いエコキュートを用いた温水式床暖房が主流となってきています。
電気代は?冬はどのくらい?
では実際に、オール電化での電気代はどのくらいなのでしょうか。
詳しくみてみましょう。
オール電化での電気代は?
関西電力のHPにはこう紹介されています。

出典:「オール電化世帯人数別の電気代平均額|オール電化|関西電力 個人のお客さま」
ガス代の平均は1人暮らしだと3000円程度、それ以上の世帯だと4000円〜5000円台といわれています。
冬はどのくらい?
冬の電気代は冷暖房を使わない季節の1.5倍程度だといわれています。
水や室温が冷たい分、エコキュートでお湯を沸かすのも夏場よりエネルギーを使う必要があります。
単純にお湯を使う量が増えたり、暖房を使用するという理由もありますね。
オール電化ってなに?アパート、戸建てにも対応してる?
オール電化とは、給湯や調理などの家庭で必要なエネルギーを全て電気でまかなっている住宅のことをいいます。
ではこのオール電化はどのような住宅でも導入できるのでしょうか?
オール電化住宅を検討する場合の注意点についてお話ししていきます。
アパート、戸建てにも対応している?
結論からいうと、オール電化の導入はどの住宅でも可能です!
戸建ての場合は電力会社に相談し、手続きを行えば導入できます。
しかし注意点として、アパートやマンションに入居していて個人でオール電化を導入することはできません。
もし、それでもオール電化住宅に住みたい場合は、オール電化を導入している物件への引越しを検討しましょう。
アパートやマンションでもオール電化を導入している物件も多くあります。
まとめ
どうだったでしょうか。
今日はオール電化についてお話ししてきました。
オール電化にはメリットやデメリットがあります。
導入の際は、自宅の環境や生活状況を考慮し、メリットを活かして利用してくださいね。
迷ったら、一度電力会社で資料請求や料金シュミレーションなどしてみるといいかもしれませんね。